四度目は嫌な死属性魔術師討厭第四次的死屬性魔術師
作者:デンスケ
第十一章 アルクレム公爵領編二 二百五十一話 すれ違う人と神と魔王第十一章 阿魯庫雷姆公爵領篇二 二百五十一話 擦身而過的人與神與魔王
原文連結 三月に入り暦の上では既に春になったが、アルクレム公爵領はサウロン公爵領と同じく、オルバウム選王国でも北側に位置している。凍てつく北海とは山脈によって隔てられているが、その山脈の一部が魔境と化している影響なのか、この時期になっても雪が降る。 雖說進入三月在日曆上已是春天了,但阿魯庫雷姆公爵領與薩烏隆公爵領相同,在歐魯巴烏姆選王國也是位於北側。與結凍的北海雖是經由山脈被隔開的,但是那座山脈的一部分化為了魔境的影響嗎,就算到了這個時期也還在下雪。
しかし公爵領都のアルクレムは、活気のある大都市だ。それはこの日も変わらなかった。 可是公爵領都的阿魯庫雷姆,是有活力的大城市。那個這一天也沒有改變。
「信じられないな。町はいつも通りなのに、魔王の脅威が近づいているなんて」「無法置信呢。明明城鎮如同往常,魔王的威脅卻接近著什麼的」
酒場の奥の個室。そこに集まった三人の人物の一人が、壁の向こうから聞こえる酔っぱらい達の喧騒を聞きながらそう口を開いた。 酒館深處的單間。聚集在那裡的三位人物的一人,一邊聽著能從牆壁的對面聽到的喝醉們的喧囂一邊那樣開了口。
「カルロス、滅多な事を言うな。幾ら他の客が騒いでいるからといって、誰かに聞かれたらどうするつもりだ?」「卡爾羅斯,別蝦胡說。雖說因為有其他幾位客人吵鬧著,被某個人聽到的話你打算怎麼做?」
「心配するな、ヘンドリクセン。お前は知らないだろうが、この個室の壁は外の音は通しても中の音を外には漏らさない仕掛けが施された、マジックアイテムだ。外の酔っぱらいの歌は聞こえるが、我々が大声で合唱しようが、国家転覆を企もうが、外の連中には聞こえない」「別擔心,亨德利庫乾。你是不知道的吧,這個單間的牆壁被施予了就算外面的聲音能通過卻不會把裡面的聲音洩露到外面的裝置,是魔法道具。外面喝醉的歌聲雖能聽到,但我們大聲的去合唱,或圖謀顛覆國家,外面的同夥是聽不到的」
カルロスは自分の発言を咎める金髪の若者をヘンドリクセンと呼び、そう言った後「試しに一曲歌ってやろうか?」と笑いかけた。 卡爾羅斯稱呼責備自己的發言的金髮年輕人為亨德利庫乾,那樣說之後笑著說「要試著唱一首嗎?」。
「遠慮する。エディリア嬢の耳を汚すつもりか?」「不必了。是打算弄髒艾迪利亞小姐的耳朵嗎?」
「汚れるとまでは思わないけれど、あなたの喉を披露するのはまたの機会にして。それより本題に入りましょう」「雖然沒想過要弄髒,但披露你的歌喉還有機會。與此相對進入正題吧」
三人組の最後の一人、栗色の髪を肩まで伸ばした女魔術師がそう言って、話題を本題に戻すよう促す。 三人組的最後一人,栗色頭髮生長到肩膀的女魔術師那樣說了,催促將話題回歸到正題上。
「そうだな。じゃあ、早速だが……今朝、神託を受け取った」「也是呢。那麼,雖說立刻……但今早,接受到了神諭」
「またか。貴殿の神は、随分過保護なようだな……と言いたいところだが、私もだ」「又來了嗎。您的神,似乎相當過度保護呢……雖然想那麼說,但我也是」
「奇遇、と言うにはおかしいわね。私も同じよ」「要說奇遇、是很奇怪的呢。我也同樣唷」
カルロス、ヘンドリクセン、そしてエディリア。この三人はアルクレムで活動している冒険者であり、それぞれ別の神から加護を与えられた英雄候補だった。 卡爾羅斯、亨德利庫乾、還有艾迪莉亞。這三人是在阿魯庫雷姆活動著的冒險者,是各自被給予了來自不同的神的加護的英雄候補。
カルロスは、ザンタークの従属神であった『陽炎の神』ルビカンテ。 卡爾羅斯是,身為贊塔克的從屬神的『陽炎之神』魯畢康鐵。
ヘンドリクセンは、アルダの従属神でベルウッドに見出されたとされる『聖槍の女神』エルク。 亨德利庫乾是,阿魯達的從屬神且被認為是被貝路武多發現的『聖槍的女神』艾露庫。
エディリアはナインロードの従属神である『弦の神』ヒルシェム。 艾迪莉亞是身為娜茵蘿德的從屬神『弦之神』希爾謝姆。
三人はそれぞれ加護を与えられているが、同じ冒険者パーティーの仲間ではない。こうして集まるようになったのは、偶然だ。 三人雖各自被給予了加護,但並非是同個冒險者隊伍的同伴。變得像這樣聚集著般,是偶然。
競い合ってはいるが、敵対はしていない。神々が警告する魔王に対抗すべく、腕を磨く者と言う意味なら同志だ。 雖然有互相競爭,但沒有敵對。如果說是眾神警告應該對抗魔王、磨練本領的人的意義上是同志。
しかし、性格は相性が良いとは言い難い。戦友にはなれても、友人にはなれないタイプだ。しかし、三人は情報を共有する為にこの会合を行っていた。 可是,性格很難說相性很好。就算成為戰友,也不會是成為友人的類型。可是,三人會為了共享情報而舉行這個聚會。
「三人がほぼ同時に。……内容は、やっぱりここから暫く離れろ、そしてロドなんとかって言う神に祈れ、だったか?」「三個人幾乎在同時。……內容,果然是暫時從這裡離開,然後對羅多什麼的神祈禱,這樣嗎?」
カルロスがそう尋ねると、ヘンドリクセンとエディリアは頷いた。 卡爾羅斯那樣詢問後,亨德利庫乾與艾迪莉亞點點頭。
「私は、仲間を率いて『ある場所』に向かえ、そして聞いた事もない神らしい存在の名を唱え、祈れ。しかし誰にもその事は言うなと神託にあった。「我是,率領同伴朝向『某個地方』,然後唱誦沒聽聞過似乎是神的存在的名字,祈禱。可是神諭裡有說別對任何人說那件事。
本当に名を聞いた覚えもない神の名だったので、どうしたものかと困惑している。それと、『ある場所』についても教えられん」 由於真的是聽過那個名字也不記得的神的名字,困擾著到底該怎麼做呢。還有,關於『某個地方』也沒被告知」
「私も似たようなものよ」「我也是相似的東西唷」
実はアルクレムには彼ら以外にも、神々から加護を受けているらしい者達がいた。しかし、この三人以外の英雄候補達は去年の年末から今年の年始にかけて、それぞれの仲間を引き連れてアルクレムから旅だっていた。 其實在阿魯庫雷姆除了他們以外,也有似乎接受了來自眾神的加護的人們在。可是,這三人以外的英雄候補們從去年的年末到今年的年初,帶領著各自的同伴從阿魯庫雷姆旅行去了。
三人も、その頃神から離れるよう神託を授かっている。 三人也,在那個時刻從神那被授予了離開吧的神諭。
しかし、三人はその神託に逆らった。抱えている依頼を放り出すわけにはいかなかったり、神の加護を受けた自分が逃げ出すなんてプライドが許さないと拒否したり、理由は異なる。 可是,三人違抗了那個神諭。不能拋棄身懷著的委託之類,受到神的加護的自己逃走什麼的自尊心無法容許而拒絕之類,理由各異。
それから一カ月がたち、二カ月が経ち、三カ月目で神々も待ちきれなくなったのか、二度目の神託を下したと言う訳だ。 從那之後過了一個月,過了兩個月,在第三個月眾神也等不下去了嗎,下達了第二次的神諭是那麼說的。
「そうか。ロドコルテという、神については棚に上げるとして、今回は俺達のパーティーも逃げる事にした。「是嗎。關於叫羅多可魯帖、的神是打算束之高閣,這次我們的隊伍也決定要逃了。
神託の内容を吟味した結果、魔王の脅威が迫っているのは町じゃなくて俺達個人に対してらしいと推測できたからな」 因為玩味神諭的內容的結果,能推測出魔王的威脅迫近的並非城鎮似乎是對我們個人呢」
「ロドコルテについては、神である事が分かったわ。私は神託にあったように、その名を唱えながら祈ったの。そしたら加護を頂いたわ。尤も、結局何の神なのかは分からなかったけど。「關於羅多可魯帖,身為神是明白了喔。我一邊唱誦好像有在神諭上的、那個名字一邊祈禱。那樣的話收到了加護了喔。然而,結果是什麼神呢不知道就是了。
それと……皆にアルクレムから離れる事を促されたので、私も今回は従うつもり」 還有……由於被催促了要大家從阿魯庫雷姆離開的事,我這次也打算遵從」
カルロスとエディリアの話を聞いたヘンドリクセンも頷いた。 聽到卡爾羅斯和艾迪莉亞的對話的亨德利庫乾也點點頭。
「私も、今回は戦略的撤退を行うつもりだ。……残念ながらこの会合も、これが最後になりそうだな」「我也是,這次打算實行戰略性撤退。……儘管很遺憾但這個聚會,這似乎成了最後了呢」
脅威が迫っているのなら、何も知らない人々の為に立ち上がり、戦うのが神々の加護を受けた自分達の役目だ。そんな想いがあったからこそ、何かと理由を付けてカルロス達はアルクレムに残った。 如果威脅迫近了,為了什麼都不知道的人們站起來、戰鬥是接受了眾神的加護的他們自己的任務。正因為有那樣的想法,加上了有什麼的理由的卡爾羅斯他們才會留在阿魯庫雷姆。
だが、三人が想像した『魔王の脅威』が迫って来る様子は、一向にない。モークシーの町では魔物の暴走が起こったらしいが、既に討伐されている。 但是,三個人想像的『魔王的威脅』迫近而來的樣子,一點也沒有。雖說在摩庫希之城發生了魔物的暴走,但已經被討伐了。
それでも町の危機だろうが、『魔王の脅威』には程遠い。 雖說那也是城鎮的危機,但對『魔王的威脅』來說是相當遠的。
しかし、神々からは二度目の神託が下された。どうやら本当に『魔王の脅威』が迫っているらしいが、脅威とは、恐らく自分達神々の加護を持っている者達に対してのみなのだろうと推測し、今回は三人とも逃げる事にしたのだ。 可是,被來自眾神下達了第二次的神諭。推測為看來似乎真的『魔王的威脅』迫近了,但所謂威脅,恐怕唯獨是對於擁有著他們自己的眾神的加護的人們吧,這次他們三人也決定要逃了。
「そう言えば、最近冒険者ギルドを騒がせている例の四人組についてどう思う? 見るからに怪しいし、目立っていたし、何組かの冒険者パーティーと揉め事を起こしているそうだけど」「說起來,關於最近讓冒險者公會騷動著的那個四人組是怎麼想的? 看起來很可疑、很醒目,似乎與幾組冒險者隊伍發生了糾紛就是了」
「ああ、あの数日前に登録した癖に、妙に強い上に見た目が怪しげな四人組……いや、三人と一人か。たしか、リーダーはアーサーって、奴だっけ?」「啊啊,那個在幾天前才登記,在奇妙地強大之上外觀是很怪異的四人組……不,三人與一人嗎。我記得,領隊是叫亞瑟、的傢伙?」
エディリアが話題に乗せた、最近冒険者ギルドを賑わせている噂の三人組と一人のパーティーの事を、カルロスは記憶から引っ張り出した。 艾迪莉亞搭上話題,讓最近的冒險者公會熱鬧起來的傳聞的三人組與一人的隊伍的事,卡爾羅斯從記憶裡拉了出來。
噂になっているのは、強面の剣士アーサーと、美人だが暗くて目つきが鋭い女神官のカリニア、そして不気味なドワーフの魔術師ボルゾフォイ。そして、振り回されている純朴そうな少女のパーティーである。 成為傳聞的是,一臉兇樣的劍士亞瑟和,雖是美人但陰暗目光刺人的女神官卡麗妮亞,還有毛骨悚然的矮人魔術師波魯佐佛伊。然後,是會被回頭的純樸般的少女的隊伍。
田舎から出て来たそうで、冒険者ギルドに登録したその日に絡んできた冒険者パーティーと揉め、新人が狩れるはずのない高ランクの魔物を何匹も狩って来て驚かせるなどして、噂になっている。 似乎是從鄉下出來,在冒險者公會登記的那一天做了與糾纏過來的冒險者隊伍爭執,狩獵了幾隻新人應該狩獵不了的高位階魔物過來讓人吃驚之類,成為了傳聞。
「関係無いだろう。「沒關係吧。
見た目が怪しく、冒険者ギルドに登録する前から力を持っていた田舎者達と、それに振り回されている少女。それだけだ」 外觀很奇怪,從在冒險者公會登記之前就擁有著力量的鄉下人們,還有會被回頭的少女。就只是那樣」
「そうだな。他の冒険者と揉めたって言っても、ゴロツキ同然の奴に絡まれただけのようだし」「也是呢。就算說與其他的冒險者爭執,似乎也只是被等同流氓的傢伙糾纏了」
しかし別に悪事を働いている訳ではなく、素行にも怪しいところはない。また、確かに並よりも抜きんでた実力を持っているようだが、神々が魔王と呼び恐れるような存在には程遠い。 可是並沒有特別去幹壞事,品行也沒有可疑的地方。還有,雖然似乎確實擁有著出類拔萃的實力,但對被眾神稱呼為魔王懼怕著般的存在來說相當遠。
「そうね。私も彼等が魔王とか、魔王の手先だと思っているわけではないの。ただ、私達と同じように神の加護を受けているんじゃないかと思って」「是呢。我也並不認為,他們是魔王之類、或是魔王的走狗。只是,我認為有沒有可能與我們同樣接受了神的加護呢」
「加護か……確かに、その可能性はあるとは思うが……」「加護嗎……確實,雖然認為有那個可能性……」
神が加護を与える基準は、賜る側にとってはよくわからないと言うしかない。ヘンドリクセンもそうだ。自分より敬虔な信者や、実力を持つ信者は幾らでもいたはずだ。なのに、何故彼等ではなく自分がエルクの加護を賜ったのか? 彼には女神の御心が分からない。 神給予加護的基準,根據受賜側只能說是不太好明白。亨德利庫乾也是那樣。比自己還虔誠的信徒或,擁有著實力的信徒應該也有幾個。可是,為何要賜予並非是他們的自己艾露庫的加護? 他並不明白女神的用心。
加護を与える神々の側にははっきりとした理由があるようだが……結局人の身では理解の及ばない領域だ。 雖然對於給予加護的眾神側似乎是有著清楚的理由……但結果是以人之身理解不了的領域。
だから、やや見目が悪い田舎者であるアーサーが神の加護を賜ってもおかしくない。 所以,身為容貌稍微不好的鄉下人亞瑟賜予了神的加護也不奇怪。
「俺はその可能性は小さいと見るぜ。俺達を含めて、神々からアルクレムから去るように促されている今、連中はアルクレムに来た。神託を受け取っているとしたら、かなりの問題児だ」「我看那個可能性很小喔。包含我們,被眾神催促著從阿魯庫雷姆離去的現在,同夥來到了阿魯庫雷姆。接受了神諭的話,是相當的問題兒童」
「それは……たしかに」「那個……的確是」
だが、現在の状況が状況なので、カルロスの主張に思わずエディリアとヘンドリクセンが頷く。 但是,由於現在的狀況就是狀況,艾迪莉亞和亨德利庫乾不由得肯定了卡爾羅斯的主張。
「どの道、私達が彼らと直接会う事は無いわ。明日中には町から出ているのだから。「那條路,我們都不會與他們直接碰面。所以要在明天內從城鎮裡出去。
あなた達は何処へ行くの? 私はモークシーで最近新しい音楽が発表されたらしいから、それを見に行くつもりだけど」 你們要去哪裡? 我因為在摩庫希最近似乎被發表了新的音樂,打算去看看那個就是了
「奇遇だな。俺もモークシーだ。新しいダンジョンが出来たらしいって噂を聞いたから、物見遊山がてらそれを見に行くつもりだ。後、ゴブゴブの元祖の屋台に関心がある!」「奇遇呢。我也是摩庫希。因為聽到似乎出現新迷宮的傳聞,打算去遊覽順便看看那個。之後,對哥布哥布的元祖攤位有興趣!」
「……相変わらずの物好きだな。飢えてもいないのに、ゴブリンを食いに行くとは」「……仍舊很好奇呢。明明就不餓,卻跑去吃哥布林」
今頃、ヴァンダルーを避けるために神託を与えたルビカンテとヒルシェムは、「違う! そうじゃない!」と叫んでいるだろうが、エディリアとカルロスにはその叫びは届かないのだった。 此刻,為了避開范達魯而給予神諭的魯畢康鐵和希爾謝姆,雖然叫著「不對! 不是那樣!」吧,但對艾迪莉亞和卡爾羅斯來說那個叫喊沒有傳達到。
『ガレス古戦場』と名付けられたダンジョンから戻ってきたヴァンダルー達はギルドに報告を済ませ、カナコやサイモン達のC級への昇級を済ませた次の日には、アルクレムへ向かって旅立つ事にした。 從被命名為『迦雷斯古戰場』的迷宮回來了的范達魯他們向工會報告完畢,加奈子及賽門他們往C級的升級完畢的隔天,決定朝向阿魯庫雷姆啟程。
「なんだか、感慨深いな」「總覺得,感概很身呢」
門で手続きを執り行った衛兵は、狼系獣人種の新米衛兵、ケストだった。 在門執行著手續的衛兵,是狼系獸人種的新手衛兵,凱斯特。
正門で行われた戦いに参加した衛兵や騎士全員がジョブチェンジに至ったので、「全員が等しく活躍した」と言う状態だ。そのため、特定の人物が大きく出世するという事はなかったらしい。 由於參加了在正門被進行的戰鬥的衛兵及騎士全員達到了職業變更,是所謂「全員平等地活躍了」的狀態。因此,似乎沒有所謂特定的人物大成功的事。
だがケストは例外で、「新米」の文字が取れて正規の衛兵として扱われるようになったそうだ。少し給与が上がり、衛兵隊の中で下に見られる事が無くなっただけで、細やかなものだ。だが、ケスト本人にとっては大きな変化なのだろう。 但是凱斯特是例外,似乎變成了作為被取了「新手」的文字的正規衛兵被對待著。就只是工資稍微提升,在衛兵隊裡面被看做低下的事沒了,是細微的東西。但是,對凱斯特本人來說是大大的變化吧。
ヴァンダルー達の身分証を確認して書類に記入する姿にも、自信が感じられる。 確認著范達魯他們的身分證寫入文件裡的身姿,也能感受到自信。
「アルクレムまでは片道十日ぐらいか。道中気をつけるんだよ、この町周辺では最近出なくなったけれど、山賊も……出ても別に平気か」「直到阿魯庫雷姆是單程十天左右嗎。旅途要當心唷,雖然在這座城鎮周圍最近不會出現了,但山賊……就算出現了也不怎麼在乎嗎」
「まあ、気を付けるに越した事はありませんが……」「沒啦,雖然不會跳過當心這件事……」
ヴァンダルーはケストに、そう言いながら視線を逸らした。何故なら初めて会った時、「山賊に襲われて一人生き残った」と嘘の経緯を彼に話したからだ。 范達魯對凱斯特,一邊那樣說一邊岔開視線。要說為何因為第一次見面的時候,對他說了「被山賊襲擊一個人活了下來」的謊言經過。
「ケスト、確かに出て来ても大丈夫だろうが……山賊も避けると思うぞ。この一団は」「凱斯特,雖說的確就算出來了也不要緊吧……但我認為山賊也要避開喔。就這一群」
門番の片割れ、先輩衛兵がヴァンダルーの挙動に気がつかずにそう評する。山賊から見れば、ダルシアとヴァンダルー、ユリアーナにナターニャ、サイモンの一団は、確かにカモに思えるだろう。サイモンと御者のサム以外大人の男が居ない、女子供の集団に見えるからだ。 門衛的一位、前輩衛兵沒有注意到范達魯的舉動那樣評價著。從山賊來看的話,妲露希亞和范達魯、尤莉亞娜到娜塔孃、賽門的一群,確實會認為是冤大頭吧。因為除了賽門和車夫以外沒有成年的男性,看起來就是女孩子集團。
だが、その馬車は漆黒で所々スパイクが取り付けられているし、馬車を引く馬はよく見れば二頭とも魔物だ。 但是,那台馬車漆黑且各處都被裝上尖釘,拉馬車的馬好好看的話那兩頭都是魔物。
「ウォン」「汪」
そして極めつけが、先輩衛兵の言葉に頷く代わりに短く鳴き声をあげたファングである。遠目から見てもはっきり分かる巨体は、山賊たちにしてみれば悪夢以外のなにものでもないだろう。 然後很可靠的,是對於前輩衛兵的話語代替點頭發出短促叫聲的梵古。就算從遠處看也很清楚明白的巨體,作為山賊們來看的話除了惡夢以外什麼東西都不是吧。
山賊達が魔物について詳しいとは限らないが、馬より大きい魔物に襲いかかるような身の程知らずではない。 雖說山賊們關於魔物未必詳細,但並不會不自量力地去襲擊比馬還大的魔物。
「「「チュー!」」」「「「啾!」」」
「はいはい、分かってるよ。お前さん達もいるよな」「好好,知道了喔。妳們也在呢」
マロル達がアピールするが、やはり迫力ではファングの方が上だろう。魔物に詳しい者以外には、やはり見た目と大きさが物を言うのだ。 瑪洛魯她們呼籲著,果然以魄力來說梵古還比較上位。對詳細魔物的人以外,果然外觀與大小是能說嘴的東西。
「まあ、途中で街道から出て間道を進む予定なので、やはり山賊には遭遇しないでしょう」「不過,由於在旅途上預定進入從街道出來的岔路,果然是不會遭遇山賊的吧」
「間道を? 一体何故? ここからアルクレムまでは街道を外れても、道が険しいだけで近道でもなんでもないぞ」「岔路? 到底是為何? 從這裡直到阿魯庫雷姆就算偏離街道,道路就只是險峻也算不上什麼近路喔」
街道は整備され、警備隊が巡回してある程度の治安を維持している。だが間道は街道ではないので食料を補給し、宿を取れる村や町、そして警備隊の巡回も無い。そのため野宿で山賊や魔物を警戒しながらの旅になる。 街道被整備,警備隊巡邏著維持著某程度的治安。但是岔路由於並非是街道補充食物、取得住宿的鄉里或城鎮、還有警備隊的巡邏都沒有。因此變成一邊因露宿要警戒著山賊或魔物一邊旅行。
麻薬や盗品の運び屋でもないなら、まず通らない道だ。 如果連毒藥或贓物的走私者都沒有,首先會是無法通行的道路。
「道中、薬草の採取やこの辺りにはいない魔物のテイムを試してみたいと思いまして」「我尋思著在旅途中,想嘗試看看藥草的採集及不存在這附近的魔物的馴服」
「そうか、なるほど」「是嗎,原來如此」
しかし、冒険者やテイマーの場合はそうした理由で間道を通ることがある。先輩衛兵も納得したようだ。 可是,冒險者或馴獸師的情況有著因那種理由而通過岔路。前輩衛兵似乎也認同了。
「では、そろそろ行きますので」「那麼,由於差不多該走了」
「分かった。行ってらっしゃい、良い旅を」「知道了。一路順風,旅途愉快」
初めて出会った時よりも大分逞しくなった様子のケストに見送られ、ヴァンダルー達はモークシーの町から旅立った。 被變得比起初次相遇的時候大體上還強壯的樣子的凱斯特送別,范達魯他們從摩庫希之城啟程了。
そして数時間後、モークシーの町も見えなくなり、街道を行く人もまばらになった頃にヴァンダルー達はケスト達に言った通り道から外れて間道に入った。 然後數小時之後,在摩庫希之城也變得看不到了、行走街道的人也變得稀疏的時候范達魯他們如同對凱斯特他們所言從道路偏離進入了岔路。
ここからさらにしばらく歩いてから、ヴィダル魔帝国に【転移】するつもりだった。そして十日……いや、整備されていない森や草原を通って旅をしたのだから、十数日後にアルクレムに転移する。これで旅をした事になる。 因為從這裡開始更要暫時走一會,是打算要【轉移】到維達魯魔帝國。然後十天……不,因為是坐著通過沒有被整備的森林及草原的旅行,在十幾天後才會轉移到阿魯庫雷姆。就這樣變成做著旅行的事。
【転移】する先は既に蟲アンデッドを飛ばし、アルクレムの都から数時間ほどの距離にある適当な森を見繕ってある。 【轉移】的前方已經放飛了蟲不死族,斟酌著從阿魯庫雷姆的首都有著數小時左右的距離適當的森林。
問題は無い。 沒有問題。
「残してきたザディリスとバスディアが若干不安ですが」「留下來的札蒂莉絲和巴斯蒂亞雖有若干不安」
ヴァンダルー達は、全員でアルクレムに旅だった訳ではなく、ザディリスとバスディア、それにカナコ達三人とマイルズを残していた。 范達魯他們,並非是全員旅行到阿魯庫雷姆,遺留下了札蒂莉絲和巴斯蒂亞、還有加奈子她們三人和馬伊路茲。
何故かと言うと、神々がヴァンダルー達の居なくなったモークシーの町を襲撃する可能性があるから、ではない。ヴァンダルー達が居ないモークシーの町を、アルダに従う神々が襲うメリットが無いからだ。 要說為何的話,因為有著眾神襲擊范達魯他們變得不在了的摩庫希之城的可能性,並不是。因為范達魯他們不在的摩庫希之城,沒有跟隨阿魯達的眾神襲擊的價值。
神々が直接地上に影響を及ぼすには、多大な力を消費しなければならない。ちょっとした奇跡……枯れた花を再び咲かせる程度ならそうでもないが、町を一つ滅ぼすとなると何百年もの間眠らなければならない危険を冒さなければならない。 眾神直接對地上帶來影響,必須消耗巨大的力量。稍微一點的奇蹟……若是讓枯萎的花再次開啟雖不用那樣,但必須要冒著若要毀滅一個城鎮就必須要沉眠數百年的期間的風險。
そこまでの危険を冒してモークシーの町を更地にしても、ヴァンダルー達は拠点になりうる町を一つ失うだけだ。ヴァンダルー達本人が受ける、精神的ショックと抱く怒りを考慮に入れなければ。 就算冒著到那為止的風險將摩庫希之城夷為平地,范達魯他們也只是失去了一個成為據點在內的城鎮。若不能將范達魯他們本人受到的、懷抱有心理上衝擊的憤怒納入考慮的話。
しかし、モークシーの町と同じようにヴァンダルー達に都合が良い町は、彼等が存在する限り幾らでも作れる。 可是,就像與摩庫希之城同樣對范達魯他們方便的城鎮,只要他們存在無論多少個都能創造。
間違いなく不幸な事だが……ヴァンダルーに魅了される程絶望している人々は、どの町にでも一定数存在する。 毫無疑問雖是不幸的事……但沒有比被范達魯魅了更絕望了的人們,在哪座城鎮也都存在一定數量。
更に、オルバウム選王国にはヴィダ信者がアルクレム公爵領よりも多いビルギット公爵領や、サウロン公爵領が存在する。 再加上,對歐魯巴烏姆選王國來說存在著維達信徒比起阿魯庫雷姆公爵領還要多的比魯基特公爵領或、薩烏隆公爵領。
そのため、アルダ勢力の神々が直接動く事はない。それに……そうした性急な手段を取り過ぎると、逆にオルバウム選王国全体から「法命神アルダは、人類をアミッド帝国に統一させるつもりだ。そのために我が国を滅ぼそうとしている」と敵視されかねない。 因此,阿魯達勢力的眾神不會直接出動。而且……那樣過於採取性急的手段的話,相反地會被歐魯巴烏姆選王國全體「法命神阿魯達,打算讓阿密多帝國統一人類。因此打算毀滅我國」輕易敵視。
既に『雷雲の神』フィトゥンの消滅で、事態の鎮静化を図っている最中だろうアルダ勢力の神々が、その危険を冒す事は無いだろう。恐らくは。 『雷雲之神』費圖恩已經消滅,在圖謀著事態的平靜化當中吧的阿魯達勢力的眾神,是不會冒著那個風險的吧。恐怕是。
「理屈では大丈夫だと思っていても、伯爵さん達も不安だろうから仕方ないわよね」「雖然我認為按理說不要緊,但伯爵先生們也很不安吧所以沒辦法呢」
では、何故カナコ達が町に残っているのかと言うと、飢狼警備の経営と指揮をしているマイルズ以外は、モークシー伯爵からの非公式の依頼だった。 那麼,要說為何加奈子她們會留在城鎮裡呢的話,做著餓狼警備的經營與指揮的馬伊路茲以外,是來自摩庫希伯爵的非正式委託。
『すまないが、若干戦力を町に残してくれないか』『雖然很抱歉,但能不能將若干戰力留在城鎮裡呢』
町の近くには、B級ダンジョン『ガレス古戦場』。一度暴走を起こした後は、再び暴走するまで相当の年月がかかる事は分かっている。しかし、先日起きた暴走では町に向かってこなかった魔物もいる。 在城鎮的附近是,B級迷宮『迦雷斯古戰場』。一度發生暴走之後,直到再次暴走要花費相當的歲月的事情是明白的。可是,說到前幾天發生的暴走沒有朝向城鎮的魔物也有。
ジョブチェンジを経て一段と強くなったとはいえ、自前の騎士団と衛兵隊だけではランク7や8の魔物が現れたら防衛に不安が残る。 雖說經過職業變更變得更加強大,單以自費的騎士團和衛兵隊位階7或8的魔物出現的話防衛上殘留著不安。
そのため、アルクレム公爵からの意向なので、ヴァンダルーとダルシアを引き止める事は出来ないが、それ以外の戦力になる者を町に残して欲しいと非公式に依頼されたのである。 因此,由於是來自阿魯庫雷姆公爵的意圖,雖然無法挽留范達魯和妲露希亞,但被非正式地委託希望讓成為那以外的戰力者留在城鎮裡。
そのため、町の広場でのコンサート講演の許可等を依頼料として提供されたカナコ達と、ザディリスとバスディアが残る事になった。 因此,提供作為委託費在城鎮廣場的演唱會的演講許可等的加奈子她們和、札蒂莉絲與巴斯蒂亞留了下來。
「それに、伯爵さんが二人はグールで法的にはヴァンダルーの従魔だって事を、もう気にしない事にしたのなら良い事だわ」「而且,伯爵先生對兩個人因食屍鬼在法律上是范達魯的從魔這件事,已經不去介意的話是好事喔」
モークシーの町からグールが魔物ではなく人であるという認知と、地位向上が図られるのなら良い傾向だと喜ぶダルシア。 為名為來自摩庫希之城的食屍鬼並非魔物是人的認知且,被考慮地位提升的話是好的傾向而喜悅著的妲露希亞。
「しかし、俺がいない間に二人を手に入れようと企むゴードンのような人が現れ、二人がやり過ぎないかと思うと少し心配です。二人とも魅力的ですからね」「可是,想著在我不在的期間企圖得到兩人的戈登般的人出現,兩個人會不會做過頭而有點擔心。因為那兩個人很有魅力呢」
「ああ、心配ってそう言う類の……大丈夫だと思うぜ、師匠。そう言う事がないように、護衛が出るって話だったじゃないか」「啊啊,擔心那樣說之類的……我認為不要緊喔,師傅。為了不會有那樣說的事,不是有出動護衛的談話嗎」
ヴァンダルーと同様の心配を伯爵もしたらしく、トラブル防止の為に不埒な輩が近づかないよう騎士団からの護衛がつく手筈になっている。その護衛もバスディアとザディリスのファンなので、人間関係的なトラブルを起こす事もないだろう。 伯爵似乎也做著與范達魯同樣的擔心,為了防止糾紛蠻橫之輩無法接近變成了加上來自騎士團的護衛的安排。由於那個護衛也是巴斯蒂亞和札蒂莉絲的粉絲,不會引起人際關係的糾紛吧。
「そうですね。バスディアには暇な仕事になると思いますが、不快な仕事にはならないなら安心です」「說得也是呢。雖然認為對巴斯蒂亞來說是變得清閒的工作,但如果不會變成不愉快的工作就能安心」
町に向かってこなかった魔物の内、ヴァンダルーの『鱗帝』や『龍帝』の二つ名の影響を受けたサンダードラゴンは、既に対処済み。 沒有朝向城鎮的魔物裡面,受到范達魯的『鱗帝』及『龍帝』別名的影響的雷龍,已經對付完畢。
その他の魔物は、レギオンが偽モークシーの町のダンジョンに【転移】させ、ユリアーナやカシム達が倒しているので、実は町の周囲に脅威は存在しない。 由於其他的魔物,被雷吉翁【轉移】到偽摩庫希之城的迷宮裡,尤莉亞娜及卡希姆他們打到了,其實在城鎮的周圍不存在威脅。
なので、カナコ達は存在しない脅威に備えている事になる。一応、アルダ勢力の神々が育てている英雄達や、ヴァンダルー達に反感を抱いている人々等も人間社会には存在するので、完全に安全と言う訳でもないが。 所以,加奈子她們變成在防備著不存在的威脅。姑且,由於阿魯達勢力的眾神培育著的英雄們及,對范達魯他們懷抱著反感的人們等也存在於人類社會,並不能說是完全地安全。
「地下室のダンジョンにはジャダルちゃんがいるし、ザディリスさんはコンサートもあるから大丈夫よ、きっと」「在地下室的迷宮有嘉妲露醬在,因為札蒂莉絲小姐也有演唱會不要緊唷,一定的」
「そうですね……ザディリスは暇な方が良いと言うかもしれませんが」「說得也是呢……札蒂莉絲說是清閒的那方也說不定」
「ところでヴァンダルー様、カナコさん達には心配しないのですか? カナコさん達も魅力的だと思いますが」「話說回來范達魯大人,對加奈子小姐她們不擔心嗎? 我認為加奈子小姐她們也是很有魅力」
サムの幌から顔を出したユリアーナに尋ねられたヴァンダルーは、少し考えた後答えた。 被從薩姆的車篷裡探出臉來的尤莉亞娜詢問的范達魯,稍微思考之後回答著。
「カナコは、手慣れているので大丈夫でしょう。メリッサは、俺では無くダグが心配すればそれで良いのです。「加奈子是,由於熟練了而不要緊的吧。梅莉莎是,不是我的達古擔心著的話那樣就可以了。
でもジェシーさんの事は分からないので、町に引き返しても良いですよ、サイモン」 但是由於不知道潔西小姐的事,就算返回城鎮也可以唷,賽門」
「突然なんですかい、師匠!? 俺と彼女は、たしかに親しくさせて貰っちゃいますが……今は、もう一度ボークスの旦那に訓練を付けてもらって、腕を上げるのが先決ってもんです」「很突然啊,師傅!? 我與她,雖然確實獲得了親近……但現在,再一次讓波庫斯老爺加以訓練,提升本領才是前提」
そう弟子をからかっている内に街道から離れたので、ヴァンダルー達はヴィダル魔帝国へ【転移】した。 由於在那樣戲弄著弟子的期間從街道離開了,范達魯他們往維達魯魔帝國【轉移】了。
十数日の間の時間、ヴァンダルー達には様々なやる事がある。 十幾天之間的時間,對范達魯他們來說有各種要做的事。
その一つが、外交的な仕事である。 那其中一個,是外交的工作。
「お連れしました」「帶過來了」
グファドガーンの【転移門】が開き、向こうから『暴虐の嵐』のメンバーと、ダークエルフの一団がやってくる。 打開古法德岡的【轉移門】,來自對面的『暴虐之嵐』的成員和,一群暗黑精靈過來了。
今日は、バーンガイア大陸西部のダークエルフ族の訪問団との顔合わせと、移住に関する話のすり合わせと町の視察である。 今天是,與邦蓋亞大陸西部的暗黑精靈族的訪問團碰頭和,有關移居的話題的搓合與城鎮的視察。
その訪問団の長であるが、穏やかな顔つきの青年……最長老であるダンガルは、出迎えたヴァンダルーに対して礼を取った。 身為那個訪問團之長的是,安穩相貌的青年……身為最長老的丹加爾,對迎接的范達魯施了一禮。
「皇帝直々の出迎え、恐れ入ります。私は、先代よりつい先日ダークエルフ族の最長老の座を引き継いだダンガルと申します。お会いできて光栄です」「皇帝直接迎接,不敢當。我是,自前一代就在前幾天繼承了暗黑精靈族的最長老之位的丹加爾。能見面很光榮」
「こちらこそ最長老をお迎えできて光栄です。ヴィダル魔帝国皇帝、ヴァンダルー・ザッカートと申します。「這邊才是能迎接最長老很光榮。我是維達魯魔帝國皇帝,范達魯.札卡特。
早速ですが、これから暫くの間仕事は中断してプライベートという事で良いでしょうか?」 雖是立刻,但之後暫時中斷工作要說私人的事可以嗎?」
「それは、願ってもない事です。私の方から頼もうと思っていました」「那個,也不是請求的事情。我會認為是來自我這邊的請求」
お互いに軽く礼をして、手を取り合う。そして振り返ったヴァンダルーは、涙を堪えている様子のダルシアに頷きかけた。 彼此輕輕施禮,互相牽起手。然後回頭的范達魯,對忍耐著眼淚的樣子的妲露希亞點了點頭。
「お父さんっ、お母さん!」「爸爸,媽媽!」
その途端ダルシアは駆け出し、ヴァンダルーとダンガルの横を通り過ぎた。そして、ダルシアと同じように目に涙を溜めた一組の男女も彼女に駆け寄った。 當下妲露希亞跑了出來,通過范達魯和丹加爾的側邊。然後,與妲露希亞同樣在眼中積著淚水的一對男女也對她跑了過來。
「ダルシアっ! うおおおおおっ!」「妲露希亞! 嗚喔喔喔喔喔!」
「ダルシア、ダルシアなのね!」「妲露希亞,是妲露希亞呢!」
ダルシアに少し似た雰囲気がある男性が彼女を受け止め、そして姉妹のように似ている女性が抱きしめる。二人はダルシアの両親、ヴァンダルーにとって祖父母に当たる人物だ。 有著稍微相似妲露希亞氛圍的男性接受了她,然後像是姊妹般相似的女性擁抱著。兩個人是妲露希亞的雙親,對范達魯來說是相當於祖父母的人物。
「ダルシアっ! お前が死んだと聞いて、お前が里を出るのをもっと強くに止めれば良かったと後悔しなかった日は無かったが! だがドルトン殿から、霊として地上に留まり、息子と共にいると聞いて……!」「妲露希亞! 聽說妳死了,更強烈地制止妳離開鄉里就好了沒有不後悔的日子! 但是從道爾敦殿下那,聽到作為靈留在地上,與兒子在一起……!」
「そして生き返ったなんて、すぐには信じられなかったけれど、良かった! もう二度と会えないと思っていたあなたを、こうして抱きしめられて!」「然後復活什麼的,雖然無法馬上相信,但太好了! 將想著已經無法再見面的妳,這樣緊緊擁抱著!」
「お父さん、お母さんっ、ごめんなさい! 私……私っ、父さん達を嫌いになった訳じゃないのっ、ただ、どうしても――」「爸爸,媽媽,對不起! 我……我,並不是討厭了爸爸你們,只是,無論如何――」
「いいのよ、ダルシア。もういいの。こうして会えただけで、もういいのよ。だけど、そろそろお父さんが苦しそうだから、一旦力を緩めてあげて」「可以了喔,妲露希亞。已經夠了。就只是這樣見面,就已經夠了喔。不過,因為爸爸似乎很痛苦,差不多該暫時放鬆力量了」
普段は力加減もしっかりしているダルシアだが、両親との再会に感極まって加減が疎かになっていたらしい。 雖然平時力道會好好控制的妲露希亞,但對與雙親的再會感動至極而似乎變得疏忽了調整。
「ご、ごめんなさい、私ったらつい力が入っちゃって!」「對、對不起,我真是的不小心加了力量!」
慌てて父親を抱擁から解放するダルシア。酸欠と圧殺の危機との戦いから脱した彼女の父親は、息を整えそれまでとは違う落ちついた口調で「ダルシア、すっかり逞しくなって……」と娘の成長を多分喜んでいる。 驚慌將父親從擁抱解放的妲露希亞。從與缺氧和壓制的危機的戰鬥脫出的她的父親,整理好呼吸用與那樣不同的冷靜語氣說「妲露希亞,完全變強壯了……」大概是喜悅著女兒的成長。
「くぅっ、泣かせるぜ……」「咕,讓人想哭喔……」
「こういう場面を見る度に、魔王を裏切ってよかったってしみじみ思うわ」「每次見到這種場面,都會深切地認為能背叛魔王真是太好了喔」
シュナイダー達は、親子の再会の邪魔をしないよう他のダークエルフ達と静かに感動していた。 修奈達他們,為了不妨礙親子的再會與其他暗黑精靈靜靜地感動著。
「お父さん、お母さん、紹介するわ。この子がヴァンダルー。私と、私を愛してくれた人の間に出来た自慢の息子よ」「爸爸,媽媽,介紹一下喔。這孩子是范達魯,我與、愛著我的人之間出現的自豪的兒子唷」
そしてヴァンダルーは無表情のまま、緊張していた。彼にとって初めての経験なのだから。 然後范達魯依然無表情,緊張著。因為對他來說是第一次的經驗。
「初めまして、俺がダルシアの父のゼーレシアだ。君の、祖父だな。なんだか、不思議な気がするが」「初次見面,我是妲露希亞的爸爸杰雷希亞。你的,祖父呢。總覺得,感覺很不可思議」
「私があなたの祖母の、フィダリルよ。ふふ、本当に不思議だわ。大きくなった孫に、こうして自己紹介するなんて」「我是你的祖母,菲妲莉露唷。呵呵,真的很不可思議喔。對長大的孫子,這樣做自我介紹什麼的」
二人は、ドルトンからヴァンダルーの身の上についてだいたい聞かされていた。彼が転生者である事や、死属性魔術の使い手である事等、ヴィダル魔帝国の国民と同程度の事は知っている。 兩個人,從道爾敦那大致聽到了關於范達魯的境遇。他身為轉生者的事及,身為死屬性魔術的使用者的事等,知道了與維達魯魔帝國的國民同程度的事。
ヴァンダルー自身も、それは了解していた。 范達魯本身也,了解了那個。
「ヴァンダルー・ザッカートです。俺も、不思議な気がします。ですが、普通に初対面の孫だと思ってもらえれば幸いです。「范達魯.札卡特。我也,覺得很不可思議。不過,能認為是普通地初次見面的孫子就是萬幸了。
何分、三度の人生で祖父母が出来るのは初めてなので」 畢竟,由於在三次的人生裡能有祖父母是第一次」
一度目の『地球』の時は、実の両親が結婚する前に亡くなっていて、叔父の家では写真も見た事がない。 第一次『地球』的時候,在實際的雙親結婚之前就亡故了,在叔父家也沒見過照片。
二度目の『オリジン』の時は、そもそも両親の顔を直接見た事もない。 第二次『歐利金』的時候,原本也沒有直接見過雙親的臉。
現世である三度目の『ラムダ』で、今初めて祖父母が出来たのだ。普通はどうするのかなど、感覚的に分からない。 在身為現世第三次的『拉姆達』,現在第一次有祖父母。普通是怎麼做的呢之類,感性上無法明白。
「そうか……君は私達の愛する娘と、娘を愛して命がけで守ってくれた男との間に出来た孫だ。祖父として、これからよろしく頼む」「是嗎……你是在與我們愛著的女兒和,愛著女兒拚命給予守護的男人之間出現的孫子。作為祖父,今後請多指教」
「それに、娘を生き返らせてくれたのよね。恩人と言うのも変な気がするけれど、貴方は自慢の孫よ。うちのお転婆娘の所に生まれて来てくれて、ありがとう」「而且,將女兒給復活了呢。雖然說是恩人也覺得奇怪,但你是自豪的孫子唷。誕生到我家的野丫頭的所在來,謝謝你」
ヴァンダルーと祖父母には、血が繋がっている事を本能的に察したとか、目があった瞬間心が通じ合ったとか、そうした特殊な出来事は無かった。 對於范達魯和祖父母來說,本能地察覺了血聯繫著的事之類,目光相對瞬間心靈相通之類,沒有那種特出的事情。
しかし、この日肉親が二人増えた事は確かだった。 可是,這一天親人增加了兩人的事是確實的。