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阿魯庫雷姆公爵領篇二 二百四十六話 黑色冒泡的甘露斟滿神之杯時

作者:SPT草包│2018-08-07 15:55:53│巴幣:14│人氣:958
四度目は嫌な死属性魔術師
討厭第四次的死屬性魔術師
作者:デンスケ
第十一章 アルクレム公爵領編二 二百四十六話 黒く泡立つ甘露が神の杯に満ちる時
第十一章 阿魯庫雷姆公爵領篇二 二百四十六話 黑色冒泡的甘露斟滿神之杯時
原文連結

 やわやわと舌をくすぐる泡の感触が、癖になるようなカラメルの甘さをしつこくない、爽やかなものにしている。そして泡が割れる度に独特な匂いが弾けるように広がる。
 柔和地搔著舌頭的氣泡的感觸,讓上癮般的焦糖的甜味不會膩,做成了清爽的東西。然後每當氣泡破裂時獨特的氣味彷彿破裂般擴散。
 今までエール等炭酸を含んだ酒を飲んだ事は幾度もあるが、この飲料はそのどれとも違っており、彼はすぐに夢中になった。意識の四分の三を持って行かれている。
 雖然至今也有幾次喝過麥酒等含碳酸的酒的事情,但這個飲料與那的哪一個都不同,他馬上就著迷了。被帶走了意識的四分之三。

『ゴクゴクゴクゴク』
『咕嚕咕嚕咕嚕咕嚕』
『レロレロレロレロ』
『呸嗒呸嗒呸嗒呸嗒』
『ケ~プっ。失礼、ングングング』
『噗~哈。失禮了,嗯咕嗯咕嗯咕』
『これがコーラ……出現した『地球』ではピザと並んで飽食のシンボルとされる、人を堕落させる飲み物!』
『這就是可樂……出現了在『地球』與披薩並列被作為飽食的象徵,讓人墮落的飲料!』

 四つの内、三つの頭でマイ杯を満たしているコーラを飲み、残る一つで食レポをするズルワーンの姿に、コーラの製作者であるヴァンダルーは満足気に頷いた。
 對四個當中,用三個頭喝下斟滿了私人杯子的可樂,用剩下的一個做著食感報告的茲魯旺的身影,身為可樂製作者的范達魯心滿意足地點頭。

『喜んでもらえたようで、良かったです。正直、『地球』のコーラよりも炭酸が弱いので心配だったのですよ』
『似乎能受到喜愛,太好了。老實說,碳酸比起『地球』的可樂還弱所以很擔心唷』
 ヴァンダルーが自作したコーラは、味や匂いは彼の記憶に辛うじて残っているコーラとほぼ同じ……いや、実際には使っている甘味料がゲヘナビーの蜂蜜であるためか、味は明らかに上だ。
 范達魯自製的可樂,味道及氣味與好不容易殘留在他記憶裡的可樂差不多相同……不,實際上使用的甜味劑因為是地獄蜂的蜂蜜嗎,味道明顯是較好的。

 しかし、作り方に問題があったらしく炭酸が弱かった。微炭酸と言う程ではないが、記憶にある炭酸飲料と比べると物足りない程度だ。
 可是,在作法上似乎有問題碳酸很弱。雖然並沒有到稱為為碳酸的程度,但與在記憶裡的碳酸飲料相比的話是不夠充分的程度。
 これは炭酸、つまり二酸化炭素を液体に溶かす際に『加圧』と言う工程を行えば解決できると、後になってから気がついた。
 這是在將碳酸、也就是二氧化碳溶入液體的時候進行名為『加壓』的工程就能解決的,因為到了後來就發現了。

 今後、樽を利用して作った試作品の装置ではなく、コーラ製造の為のゴーレムを揃えた正規のゴーレム工場を稼働させられれば、ちゃんとしたコーラを作る事が出来るだろう。
 今後,並非是用利用桶子製作試作品的裝置,備齊為了製造可樂的哥雷姆開工正規的歌雷姆工廠的話,好好製造可樂的事情就能做到吧。

 しかし、炭酸以外の味と香りは問題無しのコーラである。
 可是,身為碳酸以外的味道和香氣都沒問題的可樂。
 カナコ達転生者やレギオンも、「『オリジン』で飲んだコーラと匂いは同じだし、味は明らかに上」と太鼓判を押してくれた。……ヴァンダルーと違い、比較対象が『地球』ではなく『オリジン』なのは、『オリジン』でコーラを何度も飲んで記憶が上書きされたからだろう。
 加奈子她們轉生者及雷吉翁,也說「與在『歐利金』喝的可樂氣味相同,味道明顯較好」打了包票。……與范達魯不同,比較對像並非『地球』而是『歐利金』,因為在『歐利金』喝了好幾次可樂記憶被覆寫了吧。

 異世界なのにコーラの存在が共通しているのは、考えてみれば奇妙な事だ。だが、魔術が存在する事と幾つかの歴史的出来事の有無以外は、『地球』と『オリジン』はよく似た世界だった。そのため暮らしている人間の嗜好や、世界に存在する材料もよく似ており、その結果似た炭酸飲料が作られ、それが世界的に流行したのだろう。
 明明是異世界可樂的存在卻是共通的,試著考慮的話會是很奇妙的事情。但是,魔術存在的事和一些歷史上的事件的有無以外,『地球』和『歐利金』是非常相似的世界。因此生活著的人類的嗜好及,存在於世界上的材料也非常相似,那個結果是類似的碳酸飲料被製做,那個在世界上流行起來了吧。
 実際、コーラは同じでも作っている会社は『地球』と『オリジン』では違う。
 實際上,可樂即便相同製做著的公司在『地球』和『歐利金』是不同的。

『後、飽食のシンボルはともかく、人を堕落させる飲み物と言うのは言い過ぎだと思います。あと、ピザも具材と生地の薄さによってはヘルシーです』
『還有,飽食的象徵姑且不論,我認為說是讓人墮落的飲料則是說過頭了。還有,披薩也會根據配料和麵皮的厚薄而很健康』
『うむ、勿論ジョークだ。しかし、飽食のシンボルの方は良いの?』
『嗯,這當然是玩笑。可是,飽食的象徵會比較好嗎?』
『このコーラのカロリーが高いのは事実ですからね。後、原材料費も高いですし』
『因為這個可樂的卡路里很高是事實呢。還有,原料費也很高』

 甘味料に使っているのは、アイゼン達スクーグクローやレーシィー、モンスタープラント、ガンテエントの花からゲヘナビー達が集めた蜂蜜。とんでもなく美味しいが、それ故にとても原価が高い。グラス一杯で百円どころか、百ルナ(約一万円)ぐらいが今は相当だ。
 在甜味劑上使用著的是,地獄蜂她們自艾珍她們寄生樹妖及雷希、妖怪植物、岡提樹人的花收集蜂蜜。雖是意想不到的美味,但因此原價非常高。玻璃杯一杯若是百元的話,現在是相當一百魯那(約一萬元)左右。
 もしオルバウム選王国で同じ質の原材料を集めようとすれば、数千バウム(約十万)はかかるだろう。
 如果打算在歐魯巴烏姆選王國收集同質量的原料的話,要花數千鮑姆(約十萬)吧。

『今後、大量生産が出来るようになれば製造コストも下がりますし、甘味料も普通の砂糖を使う一般用と、ゲヘナビーの蜂蜜を使う富裕層向けに分けるつもりです』
『今後,大量生產變得能做到的話製造費用也會下降,甜味劑也使用一般用的普通的砂糖的話,使用地獄蜂的蜂蜜打算分給富裕層向』
『それでも高そうだ。砂糖も、『地球』程安い訳ではないし』
『儘管如此也很貴啊。砂糖也,並非是『地球』程度的便宜』
 ズルワーンが言うように、この世界の砂糖の価値は高い。紙と同じで、一般人では手が出せないと言う程ではないが、日常的に使うには懐が厳しい。それぐらいの嗜好品である。
 就像茲魯旺說的,這個世界的砂糖的價值很高。跟紙一樣,雖然並非說是一般人無法出手的程度,但要在日常上使用荷包就很嚴峻了。是像那樣的嗜好品。

『……その砂糖、ハイコボルト国から輸入しているランブータンのように、魔人国から輸入するつもりか?』
『……那個砂糖,好像是從高等狗頭人國輸入的紅毛丹,打算從魔人國輸入嗎?』
 『戦旗の神』ゼルクスから尋ねられた、ヴァンダルーは『そのつもりです』と頷いた。
 被『戰旗之神』傑魯庫斯問了,范達魯『是那麼打算』地點頭了。
『気を使う事は無いのだぞ。汝ならサトウキビでもテンサイでも、ダンジョンなり自分自身なりを使えば、自由に栽培できるだろうに』
『無須那麼費心喔。若是汝即便是甘蔗或甜菜,使用迷宮以及自己本身的話,就能自由地栽培吧』

『それはその通りですし、既に自分達用にサトウキビを吸収しています。ですが、やはり友好国の特産品を奪うのは浅ましいと思いますし……今やる事でも無いでしょう』
『那個雖是那樣,已經在我們自己用的上吸收了甘蔗。但是,果然我認為搶奪友好國的特產品事卑鄙的……現在是不會做的事了吧』
 『法命神』アルダや『輪廻転生の神』ロドコルテと戦っているなか、友好国と富を奪い合う意味は無いだろう。
 與『法命神』阿魯達及『輪迴轉生之神』羅多可魯帖戰鬥中,沒有互相搶奪友好國和財富的意義吧。

『ふむ、あまり気にする事でも無いと思うが』
『嗯,我認為是不用太在意的事情』
『そうだ。各国にコーラ工場を作って、その国ごとのフレーバーを作ると良いかもしれませんね。ご当地コーラ、これはいけます』
『對了。在各國創建可樂工廠,製作那個國家的風味比較好也說不定呢。當地可樂,這能行』
『……商売っ気があるのかないのか、どっちなのだ?』
『……會不會有買氣呢,是哪個呢?』

『五頭地!? 我に何か関係が!?』
『五頭地!? 與我有何關係!?』
 それまでズルワーン以上に夢中になってコーラを飲んでいた『五悪龍神』フィディルグが、顔を上げる。
 此前比茲魯旺還著迷喝著可樂的『五惡龍神』飛帝路古,抬起頭來。
『ご当地だ。聞き間違えるな、確かにお前が守護するリザードマン達の大沼沢地も含まれているが。……うちのグール国だと、ガンテエントフレーバーか?』
『是當地。別聽錯了,確實你守護著的蜥蜴人們的大沼澤地也被包含在內。……我們食屍鬼國的話,是岡提樹人風味嗎?』
 『闇の森の邪神』ゾゾガンテが、根からコーラを吸収しつながら、果実のように枝に連なる眼球をうっとりとさせる。
 『闇之森的邪神』佐佐岡提,一邊從根部吸收可樂,一邊讓彷彿果實般連著樹枝的眼球陶醉著。

『触手フレーバーは無いとして、米はフレーバーになるのでしょうか』
『作沒有觸手風味,讓大米變成風味如何呢』
『我が子等の国の場合はどうなるだろうか。肉か、脂か……』
『吾子等國家的場合會變成怎樣呢。肉嗎,脂肪嗎……』
『武に生きる我が子等のご当地コーラ……!? これは、今までの激闘よりも厳しい難問なのでは!?』
『為武而生的吾子等的當地可樂……!? 這是,比至今的激鬥還要嚴峻的難題!?』
『まさか糸や殻を混ぜる訳にもいかぬであろうし、これは御子殿達の知恵を拝借するよう、神託を出さねばならんかな?』
『怎麼可能會沒有混和了線及殼的,這裡就借用一下御子殿下們的智慧吧,給個神諭會不會就有了呢?』

 スキュラの守護神にして片親である『汚泥と触手の邪神』メレベベイル、ノーブルオーク王国の守護神『堕肥の悪神』ムブブジェンゲ、鬼人国の守護神『戦士の神』ガレス、アラクネとエンプーサの片親であり国名にもなっている『甲殻と複眼の邪悪神』ザナルパドナ。
 做著斯庫拉的守護神身為單親的『汙泥與觸手的邪神』梅雷貝貝伊魯,高貴豬頭人王國的守護神『墮肥的惡神』姆咘咘件給,鬼人國的守護神『戰士之神』迦雷斯,身為阿剌克涅和恩普薩的單親也是為國名的『甲殼與複眼的邪惡神』札那魯帕多納。
 幾柱もの神々がコーラを楽しんでいる。
 幾柱的眾神正享受著可樂。

『では、俺からドナネリス女王に伝えておきましょうか?』
『那麼,要由我傳達給朵娜涅莉絲女王嗎?』
『そうして貰えると助かる』
『能那樣接受的話就得救了』
『分かりました。神託と言えば、今日はコーラの試飲会以外にもペリアからの神託について、何か話を伺えないかと思って来たのですが……』
『我知道了。說到神諭的話,今天除了可樂的試飲會外也有關於來自佩麗亞的神諭,想著不去問問是什麼事嗎而來的……』

 丁度良く神託が話題に上がったので、ヴァンダルーは今日の本題を切り出した。
 由於剛好神諭來到了話題上,范達魯提出了今天的正題。
『その神託の意味を、汝はどう考えている?』
『那個神諭的意義,汝是如何考慮的?』
 しかし、逆に『時と術の魔神』リクレントに問い返されてしまった。しかし、ヴァンダルーも神託の意味そのものは既に当たりを付けていた。
 可是,相反地被『時與術的魔神』里庫連特反問了。可是,范達魯也已經揣測了神諭的意義那種東西。

『アルクレム公爵領から見て、この星の反対側、異様な形か色をした谷か峰、湾等に女神が封印されている。そう言う意味だと推測しています』
『從阿魯庫雷姆公爵領來看,這個星球的相反側,女神被封印在形成奇異的形狀或顏色的山谷或山峰、海灣等地。我推測是那種意義』
『その通りだろう』
『是那樣的吧』
 ヴァンダルーの推測に、過去、現在、未来、三つの姿を持つリクレントはその全てで即座に頷いた。
 對范達魯的推測,擁有過去、現在、未來三個姿態的里庫連特用那全部立即點頭了。

『ペリアは知識の女神だけれど、言葉遊びを使った難解な謎かけは好まないの。知識は分かり易く正確に伝えるべきだって、彼女はとても昔から口癖のように言っていたから。
『佩麗亞雖然是知識的女神,但不喜歡使用文字遊戲的難解猜謎。知識應該簡單易懂正確地傳遞,因為她從以前就很常像口頭禪般的說過了。
 教科書の中身が比喩や暗喩ばかりで暗号文みたいだったら、子供達が勉強するとき可哀そうでしょう?』
 教科書的內容盡是用比喻或隱喻好像密碼的話,小孩子們學習的時候很可憐對吧?』
 言葉の少ないリクレントに代わって、『生命と愛の女神』ヴィダがそう説明しながら補足する。
 代替話語很少的里庫連特,『生命與愛的女神』維達一邊說明一邊補充。

『だから、彼女の神託は受け取る側が出来るだけ分かり易いように、考えて工夫して出した物のはずよ。世界が丸い事に気がつくかは、普通なら難しかったかもしれないけれど……ユリアーナの周りにはあなたや転生者の子達が居るから、大丈夫と考えたのでしょうね』
『所以,她的神諭應該是接受方盡可能容易明白,考慮過下了功夫所得出的東西喔。注意到世界是圓的,雖然普通的話是很難的也說不定……但因為在尤莉亞娜的周圍有你或轉生者的孩子們在,考慮過不要緊的吧』
『なるほど』
『原來如此』
 どうやら『水と知識の女神』ペリアは、ナゾナゾではなくクイズの方を好む性格のようだ。
 看來『水與知識的女神』佩麗亞,似乎是喜愛並非解謎而是智力測驗的性格。

『難しい謎を出すのが多いのは、寧ろリクレントとズルワーンの方よ。神代の時代には、難しいだけで、答えに何の意味も無い謎を出した事があるくらいだし』
『很多提出很難的謎題的,不如說是里庫連特和茲魯旺那方喔。在神代時代,雖然很難,但有過提出在答案上什麼意義都沒有的謎題的事情』

『それは、この世の真理を教えて欲しいと願われたので、『そんなもの我が知るか、自分で考えろ』と出来る限り難しく伝えただけだい』
『那是,因為被拜託了想要教我這個世間的真理,而只是盡可能地說『那種東西我會知道嗎,自己考慮吧』難以傳達而已』
『我も似たような理由だ。我も知らぬ術に手を伸ばすのなら、我が出せる最大限の謎かけぐらい、すぐに見破れなければ話にならん』
『吾也是相似的理由。如果對吾也不知道的術伸手,吾提出宛若最大限度的猜謎,無法馬上識破的話不能對話』

 神は偉大な力と権能を持って人間よりも先に誕生し、人を創造した。しかし、現在でも全知全能ではない彼らが生まれつき全てを知っている訳がない。
 神是擁有偉大的力量與權能比人類還早誕生,創造了人。可是,即便是現在也並非全知全能的他們並非天生就熟知一切。
 信者を教え導く神々も、時と共に学んでいるのである。
 教導信者的眾神也是,與時共進學習著。

 そして神々が人間を教え導くのは、自らの糧である信仰を得る為だけでは無い。それだけなら、神々にとって人間は家畜と何も変わらないという事になる。
 然後眾神教導人類,並非只是為了獲得身為自身糧食的信仰。若只是那樣,對於眾神來說人類就會變成所謂與家畜無異的事情。
 人間を家畜とするのなら、リクレント達は人間を創る時高度な知能や成長性を与えなかった。神々を畏怖し祈るのに必要な最低限の知能のみを与え、学習能力を制限して、何時までも神々が掌の上で転がせるような生物として創っただろう。
 如果將人類視為家畜,里庫連特他們創造人類時就不會給予高度的智能及成長性了。給予在畏懼著眾神而祈禱上必要的最低限度的智能、限制學習能力,作為永遠在眾神的掌上打轉般的生物創造了吧。

 だが、今の人間を見ればそうでない事は分かるだろう。神々は何れ自分達に並ぶ、若しくは超える可能性のある存在として人間達を創ったのだ。
 但是,看到現在的人類的話就能明白沒有那樣的事了吧。眾神創造了作為哪位都能與他們自己並肩、或者有超越的可能性的存在的人類們。

『……魔術師ギルドの魔術師達が、秘伝や秘術を抱えている理由が分かった気がします』
『……感覺能明白魔術師公會的魔術師們,抱著秘傳或秘術的理由』
 ただ、魔術師達の秘密主義の由来はきっとリクレントとズルワーンだろうと、ヴァンダルーは思った。
 只是,范達魯認為,魔術師們的秘密主義的由來一定是里庫連特和茲魯旺吧。

『恐らくそうだろう。現代の魔術師達が信仰の対象に選ぶのは、多くの場合我かズルワーン、そして我らの従属神だと聞く。
『恐怕是那樣吧。現在的魔術師們選擇信仰的對象,聽說很多的情況是吾或茲魯旺,然後是我們的從屬神。
 そして我としては、神託は受け取った者達が自力で読み解くのが好ましいのだが』
 然後就吾來說,神諭是接受者們自力解讀會比較令人歡喜』
 神託を出した神ではないが、答えについて尋ねに来るのはズルくないか? と苦言を呈するリクレント。どうやら、彼(彼女)の口数が少なかったのはそのせいだったようだ。
 雖不是提出神諭的神,但關於答案來詢問不是很狡猾嗎? 那樣呈上忠言的里庫連特。看來,他(她)很寡言似乎是那個緣故。

『まあまあ、我々に直接聞きに来る事が出来るヴァンダルーが特別なのだ。受け取った者達が神託を解くのに、出来る事をするなと言うのも理不尽では無いかな?』
『好了好了,能做到直接來跟我們打聽這事的范達魯事特別的。明明接受者們解開了神諭,說出別做做得到的事不是很不講理嗎?』
 しかしズルワーンの方は寛容なようで、そうリクレントを宥める。気分屋な神でもあるので、神としての考え方の違いではなく、ただ念願のコーラを飲んで上機嫌なだけかもしれない。
 可是茲魯旺那方似乎很寬容,那樣安慰著里克連特。由於情緒化的神也有,並非是作為神的想法不同,只是喝到心願的可樂僅僅是心情很好也說不定。

『……ただ、今回は既に自分で答えを見つけていたようなので、大目に見よう。しかし、答えを見つけているのに何故神託について尋ねに来たのだ?』
『……只是,由於這次已經自己找到答案了,就寬恕吧。可是,明明已經找到了答案為何關於神諭來詢問了?』
『念のための確認と、そして『女神が眠る地』の現状と誰が眠っているのか知っていれば、教えてもらいたいと思いまして』
『我想著慎重地確認後,然後知道『女神沉眠之地』的現狀和誰在沉眠著的話,想要請教』

 ヴァンダルーが神々の神域を手土産持参で訪ねたのは、神託の答えではなく、その先を尋ねる為だった。
 范達魯用自備伴手禮拜訪眾神的神域,並非是神諭的答案,是為了詢問那個前方。
 既にクワトロ号達を【転移】のマーカー兼下見の為に送り込んだが、前もって情報を得られるならその方が良い。
 雖然已經將庫娃特蘿號她們為了【轉移】的記號兼預先檢查送進去了,但如果能事先獲得情報會比較好。

『なるほど。そう言う事ならば、教えよう』
『原來如此。如果是說那種事的話,會告知吧』
『……見違えるほど晴れやかになったけれど、良いの? 神に聞いても?』
『……雖然變得像看錯般開朗,但好嗎? 就算問神?』
 ヴァンダルーには同じ無表情に見えるが、ヴィダによると劇的に機嫌が良くなったらしいリクレントは、三つの姿全てで質問に答えた。
 范達魯看起來同樣沒表情,但根據維達的戲劇性心情似乎變好的里庫連特,用三個姿態全部回答了提問。

『我が姉にして妹たるヴィダよ、我が問題視したのは『答えを直接神に訊ねる』姿勢だ。この場合は情報収集をする相手が神であるだけなので問題は感じない』
『吾的姊妹維達唷,吾視為問題的是『直接向神打聽答案』的姿勢。由於這個情況做著情報收集的對象是神沒感覺到問題』
『ええ~、ずっと前からだけどあなたのそう言うところ、ちょっと分からない……』
『對~,雖然是從很久以前開始但你那樣說的地方,有點不明白……』
『ヴィダ、ただの好みの問題だから難しく考えると頭が幾つあっても足りないぞ。自分の好みと自分ルールに拘らない神なんていないんだし』
『維達,因為只是好惡的問題而難以考慮的話就算有幾個頭都是不夠的喔。沒有不拘泥於自己的喜好和自己的規則的神什麼的』
 そうズルワーンが困惑するヴィダの肩を尻尾で軽く叩く。その間にリクレントは何処からか、一冊の本を取り出して見せた。
 然後茲魯旺用尾巴輕輕地敲打困惑著的維達的肩膀。在那期間里庫連特是從哪裡,拿出了一本書來展示。

『我も魔王グドゥラニス率いる魔王軍との戦いの半ばで力尽き、眠りについたため当時の詳細は知らぬ。だが目覚めてから五万年程、そして特にここ最近はズルワーンが異世界を受け持っている分、この世界の事を見て来た。
『因為吾也是在與魔王古都拉尼斯率領的魔王軍戰鬥的一半力竭、陷入沉眠而不知道當時的詳情。但是從甦醒過了五萬年左右,然後特別是最近茲魯旺負擔著異世界的部分,看到了這個世界的事情。
 ペリアが神託で指しているのは、現在では本来の名を呼ぶものも無く、また尋ねる人も無き地、『魔王の大陸』だ』
 佩麗亞用神諭所指示著的,現在的話已無稱呼本來之名的東西了,而且也無人詢問的土地,是『魔王的大陸』』

『魔王の大陸と言うと……ザンターク達が居る魔大陸とは別の大陸の事ですか?』
『稱為魔王的大陸的話……是說贊塔克他們居住的魔大陸是其他的大陸的事嗎?』
『『魔王の大陸』とは、魔王グドゥラニスがこの世界に対して侵略を開始し、最初に制圧した大陸の事を指す。『獣神』ガンパプリオ、『巨人神』ゼーノ、『龍皇神』マルドゥークが滅ぼされた地であり、この世界で最も魔素に汚染された地であり、ベルウッドによってグドゥラニスが倒された地でもある』
『所謂『魔王的大陸』,指的是魔王古都拉尼斯開始對這個世界侵略,在最初壓制的大陸的事情。是『獸神』岡帕普里歐、『巨人神』傑諾、『龍皇神』瑪爾杜克被消滅之地,是在這個世界最先被魔素汙染之地,也是經由貝路武多打倒古都拉尼斯之地』

『魔大陸は、ただ大陸とその周辺全てが魔境になっただけの大陸の事ね。魔王との戦争では激戦の舞台になって汚染が進み、魔王が倒れた後魔境の広がりを抑える余裕が私にもアルダにも無かったから、広がりきってしまったのよ。その後、ザンターク達がアルダ達に対して籠城するのに役立ったから災い転じて、という感じだけれど』
『魔大陸,僅僅只是大陸和那周邊全部化為魔境的大陸的事情呢。因與魔王的戰爭化為激戰的舞台而污染增加,打倒魔王之後抑制魔境的擴散的餘裕無論是我或阿魯達都沒有,而擴散開來了唷。那之後,因為明明讚塔克他們對阿魯達他們固守城池卻有用而轉移了災禍,是那種感覺就是了』

 リクレントとヴィダがそう解説する。神話や伝説において、『魔王の大陸』の事は殆ど語られていない。魔王との戦いが熾烈であり、また汚染が凄まじかったため大陸本来の生態系も姿も失われてしまったためだ。
 里庫連特與維達那樣解說著。在神話或傳說方面,『魔王的大陸』的事情幾乎沒被說到。與魔王的戰鬥很激烈,而且因為汙染很驚人而不論大陸本來的生態系或姿態都消失了。
 勇者ベルウッドですら、魔王の大陸の浄化を行うのは不可能だと判断したのか、魔王の欠片を回収した後は彼の伝説に登場してもいない。
 即便是勇者貝路武多,也判斷實行魔王的大陸的淨化是不可能的嗎,回收了魔王的碎片之後也沒有在他的傳說裡登場。

 アルダだけではなくヴィダ神殿でも禁断の地として伝え、魔術師ギルドの資料にも正確な位置を含めた情報が何一つ残っていない。
 並非只有阿魯達在維達也作為嚴禁之地流傳,在魔術師公會的資料裡包含正確位置的情報一個也沒殘留。
 そのため、現在の人間の多くが存在を忘れ去ったか、魔大陸と混同している大陸である。
 因此,現在的人類很多都忘卻了其存在,或是作為與魔大陸混淆的大陸。

『そこに、我等が姉にして妹たる『大地と匠の母神』ボティンが封印されている』
『在那裡,被封印著的事我等的姊妹『大地與工匠的母神』波婷』
『ボティンですか。やはり、ペリアではなく?』
『波婷嗎。果然,並不是佩麗亞?』
 眠っている女神は、ユリアーナに加護を与え神託を下したペリアではなく、ボティンであると告げられても、ヴァンダルーは驚かなかった。
 沉眠著的女神,給予尤莉亞娜加護下達神諭的並非是佩麗亞,就算被告知是波婷,范達魯也沒有吃驚。
 神託に、『我が眠る』ではなく『女神が眠る』とあったので、もしかしたらペリア以外の女神かもしれないと予想していた。それを今まで口にしなかったのは、単にユリアーナが神託を受け取る際に神託の解釈を誤解したか、ペリアが伝えきれなかったため一人称が変化した可能性があったためである。
 由於神諭裡,並非是『吾在沉眠』而是『女神在沉眠』,而預測著或許是佩麗亞以外的女神也說不定。至今沒有將那個說出口,只不過是尤莉亞娜接受神諭之際誤解了神諭的解釋,或是因為佩麗亞沒傳達而有著第一人稱變化的可能性。

『そうだ。ペリアが眠っている地には、先日我が訪ねた。フィトゥンと同程度の若さの神々を中心とした護衛団がアルダから派遣されていた』
『是嗎。在佩麗亞沉眠之地,前幾天吾拜訪了。將與費圖恩同程度的年輕眾神作為中心的護衛團被從阿魯達那派遣了』
『それは、見張りの間違いでは?』
『那個,毫無疑問是看守?』
『当人達は護衛のつもりなのだろう』
『本人們是打算護衛的吧』

『なるほど。では、ボティンの周りにも護衛がいるのですか?』
『原來如此。那麼,在波婷的周圍也有護衛嗎?』
『以前調べた時はアルダ勢力の軍神が集まっていた。神託にある、『顎』にも。だが『魔王の大陸』には他にもいくつか封印されている神や、ガンパプリオやマルドゥーク、ゼーノの遺物、魔王軍の邪悪な神や強力な魔物が存在していると考えられるので、他の場所にも神々やその使いが配置されていた。
『以前調查的時候聚集著阿魯達勢力的軍神。在神諭上,也有『下顎』。所以由於考慮到在『魔王的大陸』也有其他幾個被封印的神或、岡帕普里歐及瑪爾杜克、傑諾的遺物,魔王軍的邪惡的神或強力的魔物存在著,在其他的地方也被配置著眾神或那個使者。
 それに、アルダは既に我とズルワーンがヴィダに与していると知っている。我にボティンの封印の場所を知られぬよう策を巡らせているだろう』
 而且,阿魯達既然知道了吾與茲魯旺入夥了維達。會對我操弄不知道波婷的封印的地方的策略吧』

『後、私が眠っている間に何処かから移り住んだ私の子供達が地下に移住しているから、彼女達を探している……って可能性は低いわね。多分存在に気がついてもいないでしょうし』
『之後,因為在我沉眠著的期間從某處遷居的我的孩子們移居在地下,所以尋找著她們……的可能性很低呢。大概就算注意到存在也不在了吧』
 どうやら、十万年前はいなかったヴィダの新種族が『魔王の大陸』の地下で暮らしているらしい。ベルウッドすら匙を投げ、人間達が存在を忘れさった大陸にすら棲みつくとは、流石ヴィダの新種族である。
 看來,十萬前年不存在的維達的新種族似乎在『魔王的大陸』的地下生活著。所謂連貝路武多都放棄了,即便在被人類們遺忘了存在的大陸上也生活著,真不愧是維達的新種族。

『封印を直接守っている神は、『岩の巨人』ゴーン、『兵の神』ザレス等が居たが……今もそうかは不明だ。今の我では迂闊に近づく事は出来ない故に。
『直接守護著封印的神,有『岩之巨人』貢、『兵之神』札雷斯等在……但不明現在也是那樣嗎。對現在的吾來說做不到粗心地接近的緣故。
 ここに、情報を記しておいた。【完全記録術】を獲得した今の汝なら、神域から戻っても記憶にとどめる事が出来るだろう。……ただ、あまり過信しない事だ』
 在這裡,事先紀錄了情報。如果是獲得了【完全記錄術】的現在的你,就算從神域返回也能做到停留在記憶裡吧。……只是,是不會太過於相信的事情』
『神は神の視点で物を見る。上から下を見る分には何もないように見えても、海や地面の上を進むと上からは見えなかった穴があるなんてザラだから』
『神是用神的視點看東西。因為在從上往下看的份上就算看起來好像什麼都沒有,前進於海洋或地面上有著從上面看不到的孔洞什麼的很常見』

『ありがとうございます』
『非常感謝』
 リクレントが差出した本をありがたく受け取り、そのままのみ込むようにして体内に収納する。
 將里庫連特遞出的書本感謝地收起了,就那樣像是吞進去般收納進體內。

 そしてヴァンダルーは一礼して神域から退去しようとしたが、それまで機会を待っていたらしいフィディルグ達に引き止められてしまった。
 然後范達魯打算施個禮就從神域離開,但似乎被至此都在等待機會的飛帝路古他們挽留了。

『待ってほしい! 我等にも話がある!』
『希望等等! 吾等也有話要說!』
『ヴァンダルーよ、汝に我等が力を貸し与え――』
『范達魯唷,吾等將力量借給汝――』
『頼みを聞いてくれっス!』
『來聽聽請求吧!』
『フィディルグ、ぶっちゃけ過ぎ』
『飛帝路古,坦白過頭了』

『ええっと、何でしょうか?』
『呃,是什麼呢?』
 困惑した様子でヴァンダルーが立ち止まると、ゾゾガンテが無数の瞳を輝かせながら言った。
 范達魯用困惑的樣子停下腳步之後,佐佐岡提一邊閃耀無數的眼眸一邊說了。
『端的に言うと、ギュバルゾーの杖が羨ましい』
『直接了當地說的話,鳩巴路佐之杖令人羨慕』
『え、欲しいのですか?』
『咦,是想要嗎?』
『いや、杖が欲しいのではなく、杖になりたいと言う意味で羨ましい』
『不,並非是想要杖,在所謂想成為杖的意義上令人羨慕』
『……そっちですか』
『……是那邊嗎』

 樹の邪神に杖になりたいと言われて、ヴァンダルーは若干困惑した。ギュバルゾーはヴァンダルーに滅ぼされた『暗海の邪神』で、杖は彼の骨の一部を加工して作った物だ。
 被樹之邪神說想要成為杖,范達魯多少困惑了。鳩巴路佐是被范達魯消滅的『暗海的邪神』,杖是加工他的骨頭的一部分做成的東西。
 その経緯を考えると、杖その物を欲しがるならともかく、杖を羨む理由が分からない。
 考慮到那個經過後,如果是想要杖那個東西姑且不論,但不明白羨慕杖的理由。

『フィディルグとリオエン、皆もですか?』
『飛帝路古和里歐艾恩,大家都是嗎?』
 ヴァンダルーが訪ねると、二柱とも『うっス』『うむ』と頷いた。
 范達魯打聽後,兩柱都『是』『嗯』地點頭了。
『……そんな身体を張らなくてもいいのでは?』
『……就算不用那樣繃緊身體也是可以的?』
 ゾゾガンテは樹の神なので、丈夫な枝を一本貰えば良い。しかし、他の神は骨を使わなければならないので痛そうだ。
 由於佐佐岡提是樹之神,得到一根堅固的樹枝就可以了。可是,其他的神由於必須要使用骨頭似乎會很痛。

『ゾゾガンテもフィディルグも、まず要点を説明なさい』
『不論佐佐岡提還是飛帝路古,首先請說明要點』
 メレベベイルは太い触手によるビンタでゾゾガンテとフィディルグを窘めながら、ヴァンダルーに説明を始めた。
 梅雷貝貝伊魯一邊經由粗壯的觸手責備佐佐岡提和飛帝路古,一邊開始對范達魯說明。

『要は、アーティファクトを作ってもらいたいと言うお願いです。
『重點是,名為想請求製作神器的願望。
 本来アーティファクトは我々神自らの手で鍛え、分霊や御使いを宿らせ完成させてから、信者の手に与えます。ですが、貴方なら変身装具を作る要領でアーティファクトに相応しい入れ物を作る事が可能です。そこに我々が分霊を宿らせれば、それだけで完成します』
 本來因為神器是用我們神自己的手錘鍊,寄宿分靈或御使讓它完成,給到信者的手上。然而,如果是你用製做變身裝具的要領製做適合神器的容器這事是可能的。在那裡我們讓分靈寄宿的話,只要那樣就完成了』

『なるほど。入れ物になる武具を俺が作れば、その分皆の負担が減ると』
『原來如此。我來製作成為容器的武具的話,那個部分大家的負擔都會減少』
『ぶっちゃけると、そうです。神にも得意不得意はあるので……大神ともなると、ある程度何でも器用にこなせるそうですが』
『坦白說,沒有錯。由於神也有拿手不拿手……成為大神的話,似乎某種程度不論什麼都能靈巧地處理』

 神になったベルウッドは、自らの名を冠した聖剣ネメシスベル等のアーティファクトを数多く残しているし、『法命神』アルダも英雄にアーティファクトを授けた逸話が幾つもある。『生命と愛の女神』ヴィダも、アーティファクトと言う訳ではないが蘇生装置やオリハルコン製のドラゴンゴーレムを残している。
 成為神的貝路武多,遺留下了許多冠有自身之名的聖劍涅梅西斯貝魯等神器,『法命神』阿魯達也有幾著授予神器給英雄的逸聞。『生命與愛的女神』維達也是,遺留下算不上所謂神器的蘇生裝置及歐里哈爾肯製的龍哥雷姆。
 だがフィディルグやゾゾガンテ、リオエンのように力の弱い神がアーティファクトを作るのはそれだけで一苦労なのだ。
 但是像飛帝路古或佐佐岡提、里歐艾恩般力量薄弱的神製作神器那就是要費一番力氣。

 それに、作れるアーティファクトも神としての権能や特性の影響を受ける。例えば、ゾゾガンテなら、木製で生命属性の力を増幅し特に植物を操る機能を付与した杖のアーティファクトなら、比較的短時間で良い物を創る事が出来る。
 而且,製作的神器也會受到作為神的權能及特性的影響。例如說,如果是佐佐岡提,用木製增幅了生命屬性的力量特別是賦予了操縱植物的機能的杖的神器的話,能用比較短的時間做到創造出好東西這事。

 だが、金属製で光属性の力を増幅する機能を付与した斧のアーティファクトを創ろうとすれば、杖を創る場合の倍以上の時間と労力を費やしても、上級冒険者の収入ならもっと良い物が買えると判断される程度の、アーティファクトとは名ばかりの物しか出来ない。
 但是,打算創造用金屬製賦予了增幅光屬性的力量的機能的斧頭神器的話,就算花費創造杖的情況一倍以上的時間和勞力,若是上級冒險者的收入會被判斷能買更好的東西的程度,所謂神器就只是有名無實的東西。

 だが、ヴァンダルーが分霊の入れ物に当たる武具を製作すれば、神々は分霊を負担するだけでアーティファクトを創る事が出来るのだ。
 但是,范達魯製作相當分靈的容器的武具的話,眾神就只要負擔分靈能做到創造神器的事了。

『しかし、そこまでして何故アーティファクトを創りたいのですか? 俺は助かりますが、分霊は勿論ですが、御使いを創るのも簡単ではないでしょうに』
『可是,為何都做到這了才想要創造神器呢? 雖然我是得救了,分靈是想當然耳,但是創造御使並不簡單吧』
 ヴァンダルーの分霊、若しくは分身であるバンダーを創った結果、彼の魔力の総量は一億程減っている。かかったコストはそれだけだが、それは彼の魂が特異、若しくは異常な形状をしているからで、他の神が同じ事をしようとすれば魔力以外にも肉体の一部を抉り取ったようなダメージも受けるはずだ。
 創造范達魯的分靈、或者是身為分身的邦達的結果,他的魔力的總量減少了一億左右。雖然花費的成本只有那個,但因為那個是他的靈魂特異,或者是形成了異常的形狀,其他的神打算做同樣的事情的話在魔力以外應該會受到挖取肉體的一部分般的傷害。

 そこまでして何故アーティファクトを、ギュバルゾーが羨ましいと言うだけで創ろうとするものなのか? そう疑問に思うヴァンダルーに、メレベベイルは答えた。
 為何都做到這了還提加工物,就只是說了鳩巴路佐令人羨慕就打算創造的東西嗎? 對想著那個疑問的范達魯,梅雷貝貝伊魯回答了。
『貴方がギュバルゾーの杖を使う事で、人々の関心がギュバルゾーに集まっているのをこの前のパレードで感じまして。信仰的に、美味しいと思いました』
『由於您使用鳩巴路佐之杖的事,感覺到用這之前的遊行將人們的關心聚集在鳩巴路佐上。在信仰上,會認為很美味』
 どうやら、ヴァンダルーが思っているより『羨ましい』と言う動機は強かったらしい。
 看來,似乎比范達魯所想的名為『令人羨慕』的動機還強。

『これがヴィダ様達なら……グファドガーンでも納得できるのですが、魔王軍残党で我と我が子等の宿敵で、しかも既に滅ぼされ復活する芽も無いギュバルゾーでは、もったいないと言う思いを抑えがたいのです』
『如果這就是維達大人她們……即便是古法德岡也能認同,但由於魔王軍殘黨我與我的子民等的宿敵,而且已經被消滅沒有復活之芽的鳩巴路佐,也想要抑制說是浪費的想法』
 人魚の片親であり、人魚国の守護神でもある『海の神』トリスタンがそう言うと、他の神々も一斉に頷く。
 身為人魚的單親,也算是人魚國的守護神『海之神』特里斯坦那樣說後,其他的眾神也一齊點頭。

『勿論、ヴァンダルー殿達の力になりたい気持ちもあります。と言うか、ヴァンダルー殿がアルダ達の英雄に勝つ事は、我々ヴィダ派の神々の勝利にとっても重要なので。
『當然,想成為范達魯殿下們的力量的心情也有。是說,由於范達魯殿下勝過阿魯達他們的英雄的事,在我們維達派的眾神的勝利上是非常重要的。
 そう言う訳で、アーティファクトを創って頂きたいなと』
 基於那樣的理由,想請求創造神器』
『今すぐとは言わぬ。全てのアーティファクトを自ら使う必要もない。時間のある時に、仲間の装備品としても創って頂ければ幸い』
『不用現在馬上說。沒有親自使用所有的神器的必要。在有時間的時候,就算作為夥伴的裝備品也能創造的話就很幸運了』

 神々はそう述べてヴァンダルーの返事を待つように、じっと彼を見つめる。それに対して、ヴァンダルーは応えた。
 眾神那樣敘述像是在等待范達魯的回答,動也不動地凝視著他。相對於那個,范達魯回答了。
『どんな武具にしても、誰が使っても、変身装具にして魔法少女のコスチュームにしても構わないと言うのなら、アーティファクトの器づくりを引き受けましょう』
『如果說就算作成怎樣的武具,就算誰來使用,就算作成變身裝具作為魔法少女的服裝也沒關係,我會承攬製造神器之器』

 最後の魔法少女のコスチュームと言う部分に対しては予想していなかったのか、リオエンが呻き声を漏らし、傍で聞いていたズルワーンが面白そうだと笑い出すが、誰も否と言わなかったのでその条件で引き受ける事にした。
 是對於最後的說了魔法少女的服裝的部分沒預測到嗎,里歐艾恩漏出了呻吟聲,在旁邊聽到的茲魯旺很有趣似地笑了出來,但由於誰都沒有說出否定而決定用那個條件來承攬。



 ヴァンダルーが神域を訪れている為瞑想していたタロスヘイムの聖域。『太陽の巨人』タロスが眠っていた、常に温かな太陽の光に満ちている場所で瞼を開くと、周囲は闇に満ちていた。そして柔らかかったりモフモフだったり冷たかったり、所によっては硬く、ぷるぷる。そして良い匂いがした。
 范達魯為了拜訪神域做著暝想的塔洛斯海姆的聖域。『太陽的巨人』塔洛斯眠著,在經常充滿著溫暖太陽裝的地方睜開了眼瞼後,周圍充斥著黑暗。而且又柔軟又蓬鬆又冰冷,根據地方有硬的、柔嫩的。而且有著很好的氣味。

「く~」
「咕~」
「ぢゅ~」
「啾~」
『くおおおおん』
『咕喔喔喔喔嗯』
「キシャァ」
「嘰吓」
「ブグルルル?」
「噗咕嚕嚕嚕?」
『主よ、お戻りですか』
『主人喔,回來了嗎』

 どうやら、ヴァンダルーが瞑想している間にダルシアやマロル達やクイン、クノッヘンに皮特やキュール達が集まり、彼を中心に団子状に丸まっているらしい。
 看來,在范達魯暝想的期間妲露希亞及瑪洛魯她們及庫茵、彼特及裘路他們聚集在庫諾漢上,似乎以他為中心團成了丸子狀。
 頭蓋骨だけ外してヴァンダルーの近くに置いて待機していた骨人によると、最初にダルシアが横に座り、次にマロル達が寄り添い、身長三メートルのクインが彼女達ごとヴァンダルーを抱え込み、更に骨の集合体アンデッドであるクノッヘンや巨大な大百足の魔物である皮特、そしてスライムのキュールが集まって来て、そのままダルシア達は眠ってしまったようだ。
 根據只拿掉頭蓋骨待在范達魯附近待機著的骨人說,最初是妲露希亞坐在旁邊,其次是瑪洛魯她們靠了過來,身長三公尺的庫茵將她們和范達魯懷抱住,並且是身為骨集合體不死族的庫諾漢及身為巨大大蜈蚣魔物的彼特,然後是史萊姆的裘路集合過來,妲露希亞她們似乎就那樣睡著了。

「よく潰れませんね、俺達」
「真虧沒壓壞呢,我們」
 外からは無数の骨の山で丸くなって眠る大百足にしか見えない状態らしい。
 從外面似乎只能看到用無數的骨頭山做成圓的睡覺的大蜈蚣的狀態。
『クノッヘンは【建築】スキルを持っていますので。それに、キュールの身体が緩衝剤になっているようです』
『由於庫諾漢擁有【建築】技能。而且,裘路的身體似乎成為了緩衝劑』
「そこまでしなくても……いや、皆にはこの頃寂しい思いをさせてしまいましたからね」
「就算沒做到那……不,因為讓大家有了這段時間寂寞的想法呢」

 人間社会では災害指定種のクノッヘンは勿論、未知の魔物であるクインやキュールはおおっぴらに外に出られない。その分ヴァンダルーと一緒に居る時間が減っていた。タロスヘイムに使い魔王は幾らでも居るが、彼女達の感覚だとやはりヴァンダルー本人の方が良いのだろう。
 在人類社會是災害指定種的庫諾漢想當然耳,身為未知的魔物的庫茵及裘路無法公開去到外面。那個部分和范達魯在一起的時間減少了。雖然使魔王在塔洛斯海姆也有幾個,但她們的感覺果然還是范達魯本人比較好吧。

『ヂュ、外側ではアイゼンが花の香りを送り、ファングが控え、背後にグファドガーンが控えています』
『啾,在外側的艾珍送來了花香,梵古候補,古法德岡在背後候補著』
 ……団子の外にも居るらしい。
 ……似乎待在丸子的外面。
『それと先程カナコが来て、文字通り自分が入り込む隙が無いと知ると舌打ちと『次は負けませんからね!』と捨て台詞を残して去って行きました』
『還有剛才加奈子來了,透過文字知道沒有自己進入的縫隙時咋舌地留下『下次不會輸了呢!』的放話後離去了』

「……そうですか」
「……是那樣嗎」
『後、ご友人のマッシュ達もブーイングをしながら戻って行きました。今頃はパウヴィナ達とルヴェズフォルで遊んでいる事でしょう。
『之後,友人馬修他們也一邊發出噓聲一邊回去了。這時候帕烏薇娜她們和魯威茲佛路在遊玩吧。
それで主よ、早速ご報告したい事があるのです。私、つい昨日ランクアップし、種族名がエンペラーから変わったのです!』
還有主人唷,有想要趕快報告的事情。我,終於在昨天進階了,種族名從帝王改變了!』

「おお、それは良かったですね」
「喔喔,那真是太好了呢」
 骨人は自分がスケルトンブレイドエンペラーである事を、ヴァンダルーに対して不遜だと常々不満そうにしていた。ヴァンダルー本人は全く気にしていなかったし、それを伝えていたのだが……本人が気にしている以上どうしようもない。
 骨人將自己身為骸骨刀鋒帝王的事,傲慢地對范達魯常常表達著不滿似地。范達魯本人完全不在意,雖然傳達了那個……但既然本人在意就沒辦法了。
 それが変わったのなら、間違いなく朗報である。
 如果那個改變了,毫無疑問是好消息。

『これより私は、ランク13、スケルトンブレイドカイザーです。ヂュオォォオオオ!』
『從此我,位階13,是骸骨刀鋒凱薩。啾喔喔喔喔!』
 雄々しく自らの新たな種族名を名乗る骨人。……エンペラーもカイザーも、確か同じような意味ではなかったろうか?
 雄壯自報自己新的種族名的骨人。……不論帝王或凱薩,確實不都是相同的意義嗎?
「それは良かったですね」
「那真是太好了呢」
 しかし、ヴァンダルーは骨人が嬉しそうだったので、突っ込まないことにした。元々骨人本人しか気にしていなかった問題なので、本人が解決したと思うならそれで解決なのだ。
 可是,范達魯由於骨人很是高興,決定不深入。由於原本就是只有骨人在意的問題,如果本人認為解決了那就是解決了。

 実際、ヴァンダルーはエンペラーだろうとカイザーだろうと気にしない。ただ仲間が強くなった事を祝うだけである。
 實際上,范達魯不會在意是帝王吧和是凱薩吧。僅僅只是慶祝夥伴變強的事情。

『ヂュ、今前方からタロス殿が困った顔つきで覗き込んでいます』
『啾,現在從前方可以窺見塔洛斯殿下困惑的面容』
「このままだと、帰って行くお客さんが増え続けますね。……って、タロス?」
「就這樣的話,回去的客人會持續增加呢。……是說,塔洛斯?」

『ヴァンダルー・ザッカートよ、我が子等の大恩人よ。今、儂は姿の見えないお主の心に直接呼びかけるような力は無いので、寝息を立てている者達を起こさないよう出来るだけ気を付けながら声をかけておる』
『范達魯.札卡特唷,吾子等的大恩人唷。現在,由於老夫沒有直接對看不見身姿的汝之心叫喚的力量,而盡可能一邊注意不要喚醒呼呼大睡著的人們一邊發出聲音』
 やや控えめだが十分大きい声が外から響いてくる。どうやら、タロスはダルシア達を起こさないように気を使っているらしい。
 雖然稍微控制但十分大的聲音從外面響起。看來,塔洛斯為了不喚醒妲露希亞她們似乎費了心。

「ギシャ?」
「嘰吓?」
「ちゅうぅん?」
「啾嗚嗯?」
 だが巨人の声なので抑えても十分大きく、皮特やマロル達が目を瞬かせながら起き出した。
 但是由於巨人的聲音就算壓抑也十分的大,彼特及瑪洛魯她們一邊眨著眼睛一邊起來了。
「ん~」
「嗯~」
 ダルシアに起きる様子が無かったが。
 妲露希亞沒有要起來的樣子。

「はい、聞こえています。それで、何かご用でしょうか?」
「是,聽得見。那麼,是有什麼事情嗎?」
『うむ。神域から戻ってきたばかりで、更に家族のスキンシップの時間を邪魔して悪いのだが、提案があるのだ。
『嗯。是剛從神域回來了,雖然進一步妨礙家人的肌膚接觸時間很不好,但有個提議。
 中々伝える踏ん切りがつかなかったのだが……この国の国名を、タロスヘイムからヴァンダルー大帝国とか、大ヴァンダルー魔帝国とかに変えちゃ、その、ダメかなって……?』
 雖然是好不容易為了傳達而下定決心……但將這個國家的國名,從塔洛斯海姆改為范達魯大帝國、或是大范達魯魔帝國之類,那個,是說行不行呢……?』

 徐々に声から力が失われていくタロスに向かって、ヴァンダルーは両手を合わせて言った。
 徐徐地朝向失去了來自聲音的力量的塔洛斯,范達魯合起雙手說了。
「……頼むから、勘弁してください」
「……拜託了,請放過我吧」
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留言共 3 篇留言

逐末
質量比吧內那位高出許多。
想問下,為什麼從第十一章開始翻呢?

08-08 23:04

SPT草包
吧內那位太歡樂愉快,我也只看他一話就看得我頭好痛,
其實也很想從前面斷的地方翻,但太難了,
我翻譯的速度沒那麼快,本身事情又很多,
但又不想跟那位扯上關係,所以乾脆從新的地方開始,
我其實也都是看熟肉跟劇透的,中間沒看後面好多地方都看不懂Orz。08-09 06:59
夜羽
從打分的角度是合格分(誤),感謝與用心給的評分是滿分(主題)

08-11 23:47

KL
加奈子的好感度已經滿到不行,跟宇宙巡一樣,可以一推就倒了嗎XD。還有,現實世界的可樂確實會因為地區不同在口味上有差異 聽說海峽兩岸的可樂整體比美國淡 而泰國似乎特別甜

07-02 15:35

SPT草包
光百事跟可口口味就不一樣了,更不用說有牌沒牌的世界各地一堆。07-02 18:54
我要留言提醒:您尚未登入,請先登入再留言

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