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第二部神殿的實習巫女 星光祭的準備

作者:SPT草包│2018-09-19 17:32:48│巴幣:6│人氣:249
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第二部神殿の巫女見習い 星祭りの準備
第二部神殿的實習巫女 星光祭的準備
原文連結

 本日はコリンナ宅へお邪魔して、普段使いと儀式用の青い衣の正式注文をすることになった。儀式用は時間がかかるので、先にベンノを通して依頼していたが、刺繍の柄とか、帯の織り方とか、料金とか、決めることがたくさんあるらしい。
 今天變成是去柯琳娜家打擾,下平時使用和儀式用的藍衣的正式訂購。由於儀式用要花時間,雖在先前透過班諾做了委託,但刺繡的花樣之類、腰帶的織法之類、費用之類,似乎有很多要訣訂的東西。

 今日の付き添いはコリンナから家族の女性が良いと指定された。コリンナが妊娠中で、採寸の手伝いをお願いしたいと言われたのだ。前にベンノが服の上から採寸してくれたけれど、以後、長い付き合いになりそうなので、きちんと採寸しておきたいらしい。
 今天的照料被好好地指定為來自柯琳娜的家族的女性。因柯琳娜懷孕中,被說了想要拜託量尺寸的幫手。雖然在之前班諾從衣服上給量了尺寸,但由於以後,似乎會變成長久的交往,似乎想要好好地事先量尺寸。
 そのため、ルッツはお休みでトゥーリと一緒に行動している。母は少し体調が良くないらしく、行きたがっていたけれど、父からストップがかかった。
 因此,路茲是休假而與圖麗一起行動著。母親似乎稍微身體狀況不好,雖然想要去,但受到來自父親的阻止。

「儀式用って、すごく良い布を使うんだね? こんな柔らかくてつるつるした綺麗な布を見たの、わたし、初めて」
「是說儀式用,使用了非常好的布呢? 看到如此柔軟光滑的漂亮的布,我是,第一次」

 わたしを下着姿にして、採寸を終えたトゥーリは目を輝かせて、布に触れた。トゥーリの工房ではここまで良い布を扱う依頼は来ないらしい。コリンナの仕事を見るのはトゥーリにとって良い経験となるだろう。
 讓我穿著內衣,結束量尺寸的圖麗閃耀著目光,觸碰著布。在圖麗的工坊似乎不會接到處理如此程度的好布的委託。看著柯琳娜的工作對圖麗來說會成為好的經驗吧。
 わたしの儀式用衣装に使うのはベンノに贈られた布だ。これはすでに母の勤める染色工房で青に染められて、店に戻ってきたらしい。ラピスラズリのような深い青で、わたしの髪の色にも似ている。
 使用在我的儀式用服裝上的是被班諾贈予的布。這個似乎已經在母親任職的染色工坊裡被染成藍色,回到了店裡。以青金石般的深藍色,也相似於我的髮色。

「マインちゃん、もう服を着ても大丈夫よ。トゥーリ、お手伝いありがとう。この儀式用の衣装は縁取りに聖典の祈りの文句を装飾的な字体で刺繍するの。光が当たると金や銀に輝いてとても綺麗になるわ」
「小瑪茵,已經就算穿上衣服也不要緊了唷。圖麗,謝謝幫忙。這個儀式用的服裝要在邊緣上用裝飾性的字體刺繡上聖典的祈禱詞句。光芒映射後會閃耀金色及銀色變得非常漂亮喔」

 そして、襟元の刺繍の真ん中に紋章が縫いとめられる。貴族はそれぞれの家紋を刺繍するが、わたしには家紋がないので、工房の紋章だ。
 還有,在領子的刺繡的正中央被縫上徽章。貴族是刺繡上各自的家徽,但由於我沒有家徽,是工坊的徽章。

「これがマインの紋章?」
「這個是瑪茵的徽章?」
「そう。マイン工房の紋章だよ。これが本。これがインクでこれがペン。それから、紙作りの原料の木と髪飾りの花を組み合わせてあるの。わたしが考えたのにベンノさんがいっぱい付け足してできたんだよ」
「對。是瑪茵工坊的徽章唷。這個是書。這個是墨水而這個是筆。然後,組合起造紙的原料的木頭和髮飾的花。明明是我思考的班諾先生卻滿滿的添加了而完成的唷」
「どうせマインの事だから、変なのを作って、修正されたんでしょ?」
「反正因為是瑪茵的事情,製作了奇怪的,被修正了吧?」
「……簡素すぎるって言われただけだもん」
「……只是被說太過簡樸了咩」

 わたし達の会話を聞いたコリンナがくすくす笑いながら、大きな作業用のテーブルの上に青の布をふわりと広げる。つるりとした光沢のある青い布で波だった海のようにテーブルがいっぱいになった。
 聽到我們的對話的柯琳娜一邊偷偷笑著,一邊在大大的作業用桌子上將藍色的布輕飄飄地攤開。用光滑且有著光澤的藍布像波濤的海浪般化為滿滿一桌子。

「儀式用の衣装は本来なら、糸を選んで織り方を指定して、布に模様が浮かび上がるようにするの。けれど、今回は時間がないから、すでにできている布を使うでしょう? 同じ色の糸で全体的に刺繍を入れて、光が当たった時に形が浮かび上がるようにしようと思っているのだけれど、マインちゃんはどんな模様が良いかしら?」
「儀式用的服裝本來地話,要選擇絲線且指定織法,做出像是在布上浮起圖案般的。但是,這次因為沒有時間,要使用已經完成的布對吧? 雖然想著要用同色的絲線在整體上加入刺繡,為了在光芒映射的時候形狀能浮起來,但小瑪茵覺得怎樣的圖案好呢?」

 生地自体に織り方で模様を入れると言われて、わたしの頭に一番に思い浮かんだのはお着物の地紋だった。綸子(りんず)や緞子(どんす)のような感じで刺繍を入れるつもりなのだろうか。
 被說了要在布料本身上用織法加入圖案,在我的腦中最先想起的是和服的花紋。是打算用綾子或緞子般的感覺加入刺繡的吧。

 わたしが小さくて、刺繍を入れる部分が大人に比べると小さいとはいえ、ゆとりがたっぷりあって袖口が振り袖のように長いので生地は大きい。一から生地を織るより時間が短縮されるとはいえ、全体に刺繍を入れるのは大変だ。
 雖說我很嬌小,加入刺繡的部分比大人還小,有著充分的寬裕的袖口由於像是振袖般的長度布料很大。雖說比從頭編織布料的時間被縮短了,但在整體上加入刺繡還是很辛苦。

「あの、コリンナさん。どんなと言われても、わたし、儀式用の衣装自体をよく見たことがなくて、わかりません。でも、全体的に刺繍を入れるなら、できるだけ簡単に……」
「那個,柯琳娜小姐。就算被說了怎樣的,我,沒有好好見過儀式用的服裝本身,不明白。但是,如果要在整體上加入刺繡,盡可能簡單地……」

 自分の洗礼式の時に見たはずだが、記憶はグ○コと図書室に全部持っていかれている。青色神官が着ていた衣装なんてよく覚えていない。神殿長が持っていた聖典なら覚えているけれど、豪華そうだった衣装についてはさっぱりだ。
 雖然在自己的洗禮式的時候應該見過,但記憶全部被固力果和圖書室給拿走了。藍色神官穿著的服裝什麼的沒有好好住。若是神殿長拿著的聖典雖然有記住,但關於豪華似的服裝全忘光了。

「マイン! 貴族様の儀式用が簡単じゃダメでしょ!」
「瑪茵! 貴族大人的儀式用簡單是不行的吧!」
「ぅひっ!……でも、全体に刺繍なんて大変だし、ちょっとでも簡単な方が良いかな、ってトゥーリも思うでしょ?」
「唏!……但是,在整體上刺繡什麼的很辛苦,是否能稍微簡單點會比較好呢,圖麗也這麼想吧?」

 ふんぬぅ、と憤慨するトゥーリを一生懸命宥めていると、コリンナが「そうねぇ」と頬に手を当てた。
 拚命地勸解著憤怒、地氣憤著的圖麗後,柯琳娜「也是呢」地把手抵在臉頰上。

「トゥーリの晴れ着を簡単にお直しして豪華に見えたように、刺繍でも簡単で豪華に見せることができれば良いけれど、マインちゃんは何か思い当たるものがあるかしら?」
「就像是把圖麗的盛裝簡單地修正成看起來很豪華般,雖然可以用刺繡做到看起來簡單又豪華就好了,但小瑪茵有想起什麼東西來嗎?」

 コリンナに問われて、わたしはうーん、と記憶を探る。
 被柯琳娜問起,我嗯、地尋找著技藝。
 小さい模様をちまちまと全体に刺繍していくよりは、大きめの柄を刺繍した方が刺繍する部分は少なくなるはずだ。
 比起將小圖案緩慢持續地逐漸刺繡在整體上,將大的花樣刺繡上去要刺繡的部分應該會變少。

「……『流水紋』に花を添えるなら、どうかな?」
「……如果在『流水紋』上天上花朵,如何呢?」
「リュウスイモン?」
「留睡文?」
「えーと、こんな感じで水が流れている感じの模様にところどころ花を入れるんです。水の間隔を広げたり、花弁を散らしたりすれば、刺繍している部分は少なくても、豪華に見える……と思うんですけど」
「呃,以這樣的感覺在水流過的感覺的圖案上到處都加上花朵。擴大水的間隔,讓花瓣散開的話,就算刺繡的部分很少,看起來也很豪華……雖是這麼想的」

 石板にぐにぐにとした曲線を描いて、曲線部分の線の太さを太くしたり細くしたりして、流水模様を描き、適当に細長いハートを5つ固めた桜と花弁っぽい小さなハートを散らしてみる。
 在石板上描繪著有彈力的曲線,讓曲線部分的線的粗細又粗又細,畫著流水圖案,適當地試著做出5個細長的愛心奠定成櫻花和散開花瓣般小小的愛心。

「花はもうちょっと図案を考えた方が良いけれど、この水の流れはいいわ。マインちゃんはベンノ兄さんの水の女神だものね?」
「雖然花朵再稍微思考下圖案會比較好,但這個水的流動很好喔。小瑪茵是班諾哥哥的水之女神呢?」

 くすくすと笑うコリンナの口から出てきた言葉に、ひくっと口元が引きつった。ベンノやわたしが否定しても、妹であるコリンナの口から語られたら周囲の誤解が解けるはずがない。
 對於從偷偷地笑著的柯琳娜口中出來的話語,拉起嘴角抽蓄了。就算班諾及我否定,被從身為妹妹的柯琳娜口中說出的話應該無法解開周圍的誤解。

「……あの、コリンナさん。それって、一体どこまで広がってる話なんですか?」
「……那個,柯琳娜小姐。那個,到底是擴散到哪裡的話題呢?」
「オットーが面白がって広げている話かしら?」
「歐拓覺得有趣而擴散的話題嗎?」

 ……オットーさんのバカバカ。ベンノさんに怒られろ。
 ……歐拓先生這個大笨蛋。會被班諾先生罵的。

 コリンナが準備してくれた昼食を食べている間、コリンナとトゥーリは二人で流水に添える花の話で盛り上がり始めた。わたしはそれほど多くの花の名前を知らないので、当人にもかかわらず、置いていかれている。
 在吃著柯琳娜去準備的午飯的期間,柯琳娜和圖麗兩個人開始以在流水上添加花朵的話題熱烈討論著。由於我不知道那麼多的花的名字,儘管是本人,卻被放置著。

「コリンナ様、ベンノ様が入室されたいそうですが……」
「柯琳娜大人,班諾大人似乎想要進入室內……」
「昼食中に悪いな、コリンナ。マインに渡すものがあるんだが、いいか?」
「在午飯中抱歉呢,柯琳娜。有要交給瑪茵的東西,可以嗎?」
「えぇ、大丈夫よ。マインちゃんは終わって、暇を持て余しているようだもの」
「嗯,不要緊喔。小瑪茵結束了,似乎空閒得很」

 ベンノに手招きされたわたしは、椅子からぴょいっと飛び降りてベンノところへと向かった。
 被班諾招手的我,從椅子輕巧地跳下來朝向班諾的地方去。

「他のヤツがいないところで、お前一人で読んでくれ。その後は、お前に任せる。思い当たる解決策があれば、教えてくれると助かる」
「在沒有其他傢伙的地方,妳一個人去讀。那之後,就交給妳了。有想到的解決辦法的話,能告知就幫大忙了」
「は……?」
「啥……?」

 わたしにたった一枚の紙を渡してそう言うと、ベンノは軽く手を上げて、さっさと下の店の方へと戻って行く。
 交給我的只有一張紙那樣說後,班諾輕輕舉起手,趕快朝下面的店舖方面回去了。
 辺りを見回し、誰もいないことを確認して、わたしはその場ですぐさま手渡された四つ折りの紙をかさりと広げてみた。紙に書かれていたのは、ベンノが抱えている問題の一覧表だった。
 環視附近,確認誰都不在,我當場馬上試著喀唦地攤開被遞交折成四折的紙張。被寫在紙上的,是班諾懷抱著的問題一覽表。

「ちょ、ちょっと、罵倒と注意事項のメモ用紙の次は、課題一覧のお手紙? こんなんもらっても困る……」
「等、等下,痛罵和注意事項的便條紙的下面,是課題一覽的信件? 就算收到這種也很為難……」

 コリンナが妊娠してからオットーが浮かれて使えないというくだらない問題から、イタリアンレストランの内装やメニュー、サービス、客単価に関するものまでさまざまだ。パッと解決方法が思い浮かぶものもあれば、思いつくけれどここで受け入れられるかどうかわからないものもある。もちろん、完全にお手上げ状態の問題も並んでいる。
 從所謂因為柯琳娜懷孕歐拓樂陶陶到無法使用的無聊問題,到有關義式西餐廳的內部裝潢及菜單、服務、平均消費的東西各式各樣的。有忽然想起解決方法的話,也有雖然想到卻不知道在這裡能不能被接受的東西。當然,完全束手無策狀態的問題也羅列著。

 わたしはベンノに対する答えを考えながら、問題を一つ一つ吟味していった。そして、最後に書かれている問題を読んだ瞬間、すぅっと血の気が引いていく。
 我一邊思考著對班諾的回答,一邊將問題一個一個玩味著。然後,讀到被寫在最後的問題的瞬間,瞬間臉色逐漸發白。

「マイン、何だったの?」
「瑪茵,是什麼啊?」

 どれだけの間、その場に立っていたのか、トゥーリが心配そうに顔を曇らせて手紙を覗きこんできた。慌てて手紙を畳んだが、字が読めないトゥーリには模様の羅列に等しいと気付いて、そっと息を吐く。
 是有多久,站在那裡的呢,圖麗擔心似地窺探進了讓臉陰沉的信件裡。雖然驚慌折疊信件,但注意到對看不了字的圖麗來說等於圖案的羅列,偷偷吐了一口氣。

「ねぇ、何が書いてあるの?」
「喂,有寫著什麼嗎?」
「お仕事の事だから、秘密だよ」
「因為是工作的事,是秘密唷」

 知りたがるトゥーリを誤魔化しながら、わたしは問題一覧が記された紙をさっとバッグに入れた。
 一邊欺瞞想知道的圖麗,我一邊將被記著問題一覽的紙張迅速放進包包裡。
ゆっくり溜息を吐いて、最後の問題について何か解決策がないか、思いを巡らせてみるが、すぐには浮かばない。
慢慢嘆了一口氣,關於最後的問題有什麼解決辦法嗎,試著反覆思考,但無法馬上浮現。

 余所の街にルッツを連れて行くのは、工房の場所を押さえてからだ、とベンノが言っていたので、それを鵜呑みにしていた。まさか、ルッツの父親から許可が取れないため、連れだせないとは気付かなかった。
 由於班諾說了,因為要將路茲帶去別處的城鎮,要抵押工坊的場所,而將那個囫圇吞棗了。沒想到,沒注意到因為沒有取得來自路茲父親的許可,無法帶出去。

 ルッツはわたしと同じようにベンノの言い分を信じている。余所の街から帰ってきたベンノを見て、「早く工房の場所が決まらねぇかな?」と期待に目を輝かせていた。そんなルッツに「お父さんが許可出してくれたら明日にも行けるよ」なんて言えるわけがない。ルッツの家庭に修復しようのない亀裂を入れてしまうことになる。
 路茲與我一樣般相信著班諾的主張。看到從別處的城鎮回來的班諾,「工坊的場所不能快點被決定嗎?」期待地閃耀著目光。對那樣的路茲無法說出什麼「爸爸給出了許可的話明天也能去喔」。變成在路茲的家庭裡加入無法修復的裂縫的事情。

 ……ルッツのお父さんを懐柔する方法なんて知らないよ。
 ……不知道拉攏路茲的爸爸的方法之類。

 トゥーリとコリンナが刺繍する花を春夏秋冬で入れたいが、上から下にするか、左から右にするかで盛り上がっている横で、わたしは頭を抱えた。
 雖然圖麗和柯琳娜想以春夏秋冬放入刺繡的花,但在該從上到下嗎、還是從左到右呢熱烈地談論著的一側,我抱著頭煩惱。



「そろそろ星祭りだな」
「差不多是星光祭了呢」
「へわっ!? な、何?」
「嘿哇!? 什、什麼?」

 神殿に向かう道中でルッツに声をかけられて、わたしはビクッとして辺りを見回す。ルッツは少し目を細めて、わたしを覗きこんだ。体調管理をしているルッツに隠し事をするのは、わたしにとって至難の業だ。
 在朝著神殿的途中被路茲打了招呼,我嚇了一跳環視附近。路茲稍微瞇起眼睛,窺探著我。對做著身體狀況管理的路茲隱瞞事情,對我來說是極難的工作。

「何だよ、マイン。ずいぶんぼーっとしてないか?」
「什麼呀,瑪茵。不是相當在發呆嗎?」
「してない! 何の話だっけ?」
「才沒有! 是什麼話呢?」

 わたしがすっとぼけたことはお見通しだったようで、ルッツは一つ溜息を吐いた後、話題を戻してくれた。
 似乎預料到我在裝糊塗,路茲嘆了一口氣之後,回到了話題。

「星祭り。今年は一緒に行けそうか?」
「星光祭。今年能一起去嗎?」
「星祭り?……あぁ、夏のお祭りだっけ? 水遊びだったよね?」
「星光祭?……啊,是夏季的祭典嗎? 是玩水呢?」
「水じゃなくて、タウの実をぶつけるんだよ」
「才不是水,是砸濤之果唷」

 タウの実は春に見た小さい赤い実だ。夏には水をたくさん含んで、拳ほどに膨らんでいると聞いた。わたしは自然にできる水風船のような物だと理解しているが、実物を見たことはない。
 濤之果是在春季看到的小小紅色果實。由於在夏季會含有很多的水,聽說會膨脹成拳頭般。我雖理解著是在自然裡能做到像水球般的東西,但沒有看過實物。

「水遊びじゃなかったら、星祭りって何のお祭り?」
「不是玩水的話,星光祭是什麼的祭典呢?」

 自分が参加したことがなかったのでどんな祭りなのか、全くわからない。首を傾げるわたしにルッツが教えてくれた。
 由於自己沒有參加過是怎樣的祭典呢,完全不明白。路茲告訴了歪頭不解的我。
 星祭りは、実は水遊びのお祭りではなく、結婚式が行われる日らしい。どうやら一年に一度行われる合同結婚式で、タウの実をぶつけるのは結婚式に関連して行われるイベントのようだ。
 星光祭,其實並非是玩水的祭典,似乎是舉行結婚儀式的日子。看來是以一年一次被舉行的聯合婚禮,砸濤之果似乎是關聯著結婚儀式被舉行的活動。

「結婚式に関係ないヤツらは2の鐘の開門と一緒に森に行ってタウの実を拾うんだ。3の鐘が鳴ったら、結婚式が始まって、4の鐘で式を終えた新郎新婦が出てくる。それまでに中央広場を中心に色んな路地に潜んで、タウの実を持って構えるんだ」
「結婚儀式上沒有關係的傢伙們是2之鐘的開門後就一起去森林撿拾濤之果。3之鐘鳴響的話,結婚儀式開始了,在4之鐘結束典禮的新郎新娘出來了。在那之前以中央廣場為中心潛伏在各式巷道裡,拿著濤之果擺開架式」

 洗礼式で大量の人達が大通りに出ていた光景を思い浮かべ、みんながそれぞれの手に水風船を持っている図を思い浮かべた。シュールだ。意味がわからない。
 想起在洗禮式大量的人們來到大街的光景,想起大家在各自的手上拿著水球的圖。真是超現實。意義不明。
 だが、冠婚葬祭にまつわるイベントなんて、余所から見たら意味不明なものが多い。昔読んだ本にも、結婚式で客同士が殴り合うとか、招待客一同が初夜に押しかけるとか、領主の初夜権とか、色々あったはずだ。ここの文化だと思って聞いておくのが一番だろう。
 但是,纏繞著婚喪喜慶的活動之類,從別處看莫名其妙的東西很多。在從前看過的書上,在結婚儀式上客人們互相毆打之類,邀請客人一起鬧洞房之類,領主的初夜權之類,應該有著各式各樣的。想著是這裡的文化最該先聽一聽吧。

「それで?」
「然後呢?」
「新郎新婦が中央広場に全員入った後、ベルが鳴ったら戦闘開始。新郎新婦にタウの実をぶつけるんだ」
「新郎新娘全員進入中央廣場之後,鈴鳴響的話戰鬥開始。將濤之果砸到新郎新娘上」
「え!? 新郎新婦に!?」
「咦!? 對新郎新娘!?」
「そう。新郎は新婦を守りながら、新居に走り込む。男の甲斐性ってやつを試されるんだってさ。大体は新郎新婦に投げる途中で色んなヤツに当たって、投げ返して、投げ返されて、街中走り回ってくたくたになる」
「沒錯。新郎要一邊保護新娘,一邊跑進新居裡。是男人的志氣的東西被測試著啊。大致是在對新郎新娘投的途中會打中各種傢伙,投回去、被投回去,變成在全城裡來回奔跑而疲憊」
「すごい祭りだね」
「好厲害的祭典呢」

 日本の結納だって謎の品物を交わすけれど、こじつけにせよ、意味はある。新郎新婦にぶつけるというタウの実が、種の多く取れるような実なら、子孫繁栄とか子宝祈願という意味があるのかもしれない。
 雖然就連日本的聘禮都會交換謎之物品,但穿鑿附會,是有意義的。所謂對新郎新娘砸的濤之果,像採用種子很多般的果實的話,有著所謂子孫繁榮之類或早生貴子的意義也說不定。

「でもさ、一番張り切ってタウの実を集めてぶつけるのは、今年結婚できなかった成人なんだよ。毎年、新郎新婦を狙う目にすげぇ気迫が籠ってるんだ。面白いけどさ」
「不過啊,最鼓足幹勁收集濤之果砸的,是今年不能結婚的成人唷。每年,對瞄準新郎新娘的眼裡壟罩著強烈的氣魄。雖然很有趣啊」

 あぁ、わかる。そんな呟きが胸に浮かんだ。
 啊,明白了,那樣的嘟噥浮現於胸口。
 わたしは麗乃時代を含めても、恋人とか結婚とかには非常に縁が薄かった。結婚できなかった成人が幸せいっぱいの笑顔で神殿から出てくる新郎新婦にタウの実を力いっぱい投げつけたくなる気持ちがよくわかる。
 我就算包含麗乃時代,對戀人之類結婚之類緣分也是非常薄的。不能結婚的成人變得想對用幸福般的笑容從神殿出來的新郎新娘盡力投擲濤之果的心情非常明白。

「……どんなお祭りか、理解できたよ。楽しみだね、ルッツ」
「……是怎樣的祭典呢,能理解了唷。很期待呢,路茲」
「お、マイン。急にやる気だな? それで、タウの実で追い立てて、新郎新婦がいなくなったら、色んな広場にお祝いの食べ物が並べられる。それを食べて満足する頃には日が暮れるから、子供は家に帰るんだ。その後、子供は絶対に外に出ちゃいけない。次は酒が並んで成人だけの祭りになるんだ」
「喔,瑪茵。忽然有幹勁了呢? 還有,用濤之果追趕,新郎新娘變不見的話,在各種廣場上會被陳列祝賀的食物。因為在吃了那些而滿足的時候來說天已黑了,小孩子回家了。那之後,小孩子絕對不能來到外面。接下來會變成陳列著酒只有成人的祭典」

 どうやら、星祭りという名前の祭りだけあって、一番重要なイベントは夜のようだ。子供を排除した後、新郎新婦が登場して盛大に祝われ、未婚の成人が恋人探しをするお祭りになるらしい。ここで一番悔しがるのは、夏の終わりに成人式がある夏生まれの者達だとルッツは言った。
 看來,有著只有稱為星光祭的名字的祭典,最重要的活動似乎是夜晚。排除小孩子之後,似乎會變成新郎新娘會登場被盛大祝福,未婚的成人尋找戀人的祭典。路茲說了在這裡最後悔的是,在夏季的終末裡有著成人式的夏季出生的人們。

「その、星祭りって、孤児院の子達は参加するのかな?」
「那個,星光祭,孤兒院的孩子們能否參加呢?」
「さぁ? 今まで見たことないな。……マインは神殿でやることあるのか? 確か、秋まではないって言われたみたいだけど、星祭りには一緒に行けそうか?」
「啊災? 至今都沒看過。……瑪茵在神殿有要做的事情嗎? 的確,雖然好像被說沒有到秋季,但能一起去星光祭嗎?」

 ルッツに不安そうに尋ねられてもすぐには答えられなかった。神殿で結婚式がある以上、何か仕事があるかもしれない。
 就算被路茲不安似地詢問也無法馬上回答。在神殿有著結婚儀式之上,有什麼工作也說不定。

「……よくわからないから、神官長に聞いてみるよ」
「……因為不太明白,會試著跟神官掌打聽唷」

 神殿に着いて、ルッツは店へと戻って行く。ルッツを見送った後、部屋で着替えたわたしは早速神官長に面会以来の手紙を書きながら、フランに星祭りについて聞いてみた。
 到達神殿,路茲往店鋪回去了。目送了路茲之後,在房間換衣服的我一邊書寫立刻會見神官長的信件,一邊試著向弗蘭打聽關於星光祭。

「ねぇ、フランは星祭りに参加したことがあるのかしら?」
「喂,弗蘭有參加過星光祭嗎?」
「マイン様、星祭りではございません。星結びの儀式です。星結びは婚姻を寿ぐ儀式ではありませんか」
「瑪茵大人,並不是星光祭。是星結的儀式。星結並非是恭賀婚姻的儀式嗎」

 神殿では、星祭りではなく星結びと呼ばれている儀式で、最高神である闇の神が、命の神と土の女神の婚姻を祝福した神話に因んだものだとフランは説明してくれた。
 在神殿,是以並非星光祭的星結被稱呼的儀式,弗蘭給予說明的是有關在身為最高神的闇之神,祝福命之神和土之女神的婚姻的神話裡的東西。
 もともとは闇の神の加護を得られやすい夜に行われた儀式で、今でも、貴族街では本当に夜に行われているらしい。街の人数が増えすぎて、貴族と平民の儀式を分けることになった時、平民の儀式は午前中に行われるようになったということだ。
 本來是在容易獲得闇之神的加護的夜裡被舉行的儀式,即便是現在,在貴族街似乎真的事在夜裡被舉行著。是所謂城鎮的人數增加過多,變成區分為貴族和平民的儀式的時候,平民的儀式變成像是要在上午被舉行的事情。

「闇の神の祝福なら、冬の方が夜の時間は長くて良さそうだけれど……」
「如果是闇之神的祝福,雖然冬季夜晚的時間很長似乎很好……」
「マイン様、闇の神が結婚を許したのが夏でございますし、冬には奉納式がございますので、祝福を授けられる神官がいないと思われます」
「瑪茵大人,闇之神允許結婚式在夏季,由於在冬季有奉獻儀式,被認為能授予祝福的神官不在」

 フランの否定に頷きながら、わたしは真冬の結婚式を頭に思い浮かべて、軽く頭を振った。自分で口にしてみたものの、真冬に結婚式はない。
 一邊對弗蘭的否定點頭,我一邊在腦中想起隆冬的結婚儀式,輕輕搖了搖頭。雖說自己試著說出口,但隆冬裡沒有結婚儀式。

「よく考えてみると、吹雪の中で結婚式は難しいし、新婚家庭が冬支度をしようと思ったら、秋前に結婚するのが合理的ですものね。結婚記念日がみんな同じなら、間違えて奥様の機嫌を損ねる旦那様もいらっしゃらないでしょうし」
「試著好好思考後,在暴風雪中結婚儀式很難,想到新婚家庭要做過冬準備的話,在秋季前結婚適合裡的東西呢。如果結婚紀念日大家都一樣,也不會有搞錯傷到了太太的心情的丈夫吧」

 わたしはそう言いながら、手紙を書きあげた。
 我一邊那樣說,一邊寫完了信件。

「フラン、この手紙を神官長にお願いできるかしら? 星祭りの時の孤児院やわたくしの役割について、神官長に伺いたいことがあるの」
「弗蘭,能將這封信拜託給神官長嗎? 關於星光祭的時候的孤兒院及我的職務,有想詢問神官長的事情」
「かしこまりました」
「謹遵吩咐」

 神官長とは午前中に書類整理で顔を合わせるにもかかわらず、ちょっとした相談事にも面会が必要で、手紙で予約しなければならない。そんな面倒くささに少しずつ慣れてきた。些細な質問なら、手紙に回答を記されて済んでしまうことも多々ある。
 儘管與神官長在上午因文書整理而面對面,但有些要商量的事也需要會面,必須要用信件預約。對那種麻煩也一點一滴習慣起來。若是細微的問題,將回答記在信件上就結束的事情也有很多。
 とにかく、フランと神官長に口を酸っぱくして言われたのが、他人がいるところで不用意に喋るな、ということだった。
 不管怎樣,是所謂雖被弗蘭和神官長酸言酸語說著,但不會在有其他人的地方沒準備就說,的事情。

 面会予定日を数日後に覚悟していたにもかかわらず、神官長はフランが渡した手紙に目を通した瞬間、頭を抱えてわたしを隠し部屋に招いた。
 儘管有著會面預定日是在數天後的覺悟,但瀏覽神官長要弗蘭交付的信件的瞬間,將抱頭煩惱的我招待去隱藏房間。
 おとなしくついていくけれど、面会依頼の手紙で頭を抱えられる理由が思い浮かばない。
 雖然老實地跟著過去,但想不起因會面委託的信件而抱頭煩惱的理由。

「面会予約がないのに、よろしいのでしょうか?」
「明明沒有會面預約,可以嗎?」
「この愚か者。星結びの儀式は明後日だぞ? 招待状など出していたら、儀式が終わるではないか」
「這個蠢蛋。星結的儀式是後天吧? 邀請函之類出來的話,儀式不就結束了嗎」

 隠し部屋に入ってすぐにわたしがそう尋ねると、神官長が目を尖らせた。普段は取りすました顔でお小言を言うのに、この部屋では神官長が冷気を発するような怒りを見せてお説教するので、怒られる時はここよりいつもの部屋が良い。
 進入隱藏房間我馬上那樣詢問後,神官長目光如炬。明明平時是用裝模作樣的臉發著牢騷,但由於在這個房間的話神官長會展示散發著冷氣般的憤怒說教著,被生氣的時候比起這裡往常的房間還比較好。

「あ、そうなのですか? そろそろと言われたので、まだもう少し時間があるものだとばかり……」
「啊,是那樣嗎? 由於被說差不多了,儘管還稍微有些時間……」
「神殿内では当たり前だから、誰も話題に出さなかったのであろう。今まで溜まっていた書類整理が順調に進んでいるせいで、後回しにしてしまったが、先に君の教育をしなければならないようだな」
「因為在神殿內是理所當然的,誰都沒提出話題吧。因至今積存著的文書整理順利地進行著的緣故,雖要推遲了,但似乎要先教育妳呢」

 わたしが神殿内の行事を全く把握していないことを神官長にはっきりと認識されてしまった。これはまずい。危険な兆候だ。
 被神官長清楚地認識了我完全沒有把握住神殿內的活動。這個很糟糕。是危險的徵兆。
 神官長の側仕えになれば嫌でも一流になると、孤児院の灰色神官の間で噂の熱血教育が我が身に降りかかってくる予感がして、わたしはそっと視線を外す。視界の端に神官長の呆れかえった顔が映った。
 成為神官長的近侍的話即便討厭也會成為一流,感覺在孤兒院的灰色神官之間傳言的熱血教育要降臨到我身上,我悄悄地撇開是線。在視野的邊緣映著神官長非常驚訝的表情。

「まったく君は……。それで、質問の回答だが、星結びの儀式は成人の儀式だ。君は見習いのため、儀式には参加してはならない。むしろ、院長として孤児達が孤児院から出ないように、よく見張っておきなさい。星結びの儀式は街の者が神殿にたくさん出入りする。そして、お布施目当ての青色神官が張りきる儀式なので、儀式中は一人も孤児院から出さないように」
「真是的妳啊……。那麼,雖是問題的回答,但星結的儀式是成人的儀式。妳因為是實習,儀式是無法參加的。不如說,作為院長為了孤兒們不會從孤兒院出來,請好好看守著。星結的儀式城鎮的人很多會進出神殿。然後,由於是施捨目標的藍色神官幹勁十足的儀式,儀式中一個人都不能從孤兒院出來」

 お祭りの日に孤児院にいろと言われてしまって、わたしは焦った。星祭りに参加してタウの実を投げたいのに、孤児院に閉じこもるのは嫌だ。
 被說了在祭典的那天要待在孤兒院,我著急了。明明想要參加星光祭投擲濤之果,要關在孤兒院裡面很討厭。

「えーと、わたくし、下町の方の星祭りに参加したいのですが、ダメですか?」
「呃,我,想要參加下城那邊的星光祭,不可以嗎?」
「下町の祭りとは?」
「下城的祭典是?」

 神官長がわずかに眉を動かした。
 神官長微微地動了眉毛。

「午前中は街の子供達がみんなタウの実を拾いに森へ行くんです。午後はタウの実をぶつけ合うお祭りだそうです」
「上午是城鎮的小孩子們大家去森林撿拾濤之果。下午似乎是互相投擲濤之果的祭典」
「……何だ、それは? 星結びと一体何の関係がある?」
「……那個,是什麼啊? 與星結到底有什麼關係?」
「よくわかりません。去年は身食いの熱で、その前も体調が良かった時がなくて、わたくし、今まで参加したことがないのです。今年が初参加でとても楽しみにしているのですけれど……」
「不是很明白。去年因身噬的熱,在那之前身體狀況也沒有好的時候,我,至今都沒有參加過。雖然今年因初次參加而非常期待著……」

 神官長がくっきりと眉間に皺を刻んだ。駄目だと言ってしまいたいが、初めて参加できるようになったのに可哀想だという拒絶と同情の間で揺れているような顔だ。
 神官長明顯地在眉間刻下了皺紋。雖然想說不行,但明明是初次能夠參加卻在名為很可憐的拒絕與同情之間搖擺著的臉。

「……ダメ、でしょうか? 孤児院の子供達も出してしまった方が静かだと思いますけど?」
「……不行,是嗎? 有想過孤兒院的小孩子們都出去會比較安靜就是了?」
「午前はそれでも良いが、午後はどうする? その実をぶつけあうのだろう? 孤児達を街に出して、無用の衝突が起こると困る。午後は青色神官が貴族街へと赴くので、責任者がいないという状況になる」
「雖然上午那樣是可以,但下午該怎麼辦? 要互相砸那個果實吧? 孤兒們到了城鎮裡,發生無用的衝突會很困擾。由於下午藍色神官往貴族街趕去了,會成為所謂責任者不在的狀況」

 午前中の結婚式を終えたら、青色神官と側仕え達は貴族街の星結びの儀式のために神殿を出払うらしい。
 結束上午的結婚儀式的話,藍色神官和近侍們為了貴族街的星結的儀式似乎全都離開神殿了。
 怒る人がいないなら、神殿の敷地内で遊べばいいんじゃない?
 如果生氣的人不在,在神殿的用地內玩不就可以了嗎?

「……あの、神官長。午前中に森で実を拾ってきて、午後からは外で揉め事を起こさないように、神殿の、孤児院の中だけでタウの実をぶつけ合うなら許してくださいますか? せっかくだから、子供達にもお祭りを体験させてあげたいんです。わたくしも初めてなので、とても楽しみにしていましたし……」
「……那個,神官長。在上午撿拾森林裡的果實,為了從下午不會在外面引起糾紛的事,神殿的,如果只有在孤兒院的裡面互相砸濤之果能允許嗎? 因為很難得,也想要讓小孩子們體驗祭典。由於我也是第一次,非常期待著……」

 軽く目を伏せて、しばらく考え込んでいた神官長がゆっくりと視線を上げた。
 輕輕低下頭,暫時沉思著的神官長緩緩地抬起視線。

「よろしい。しっかりと後片付けをすること。それから、街の人が訝るほどの大騒ぎでなければ構わない」
「可以。要好好地做事後整理。還有,不是會讓城鎮的人懷疑般的大吵大鬧的話不會介意」
「ありがとう存じます」
「非常感謝」



 午後からは早速孤児院で打ち合わせだ。青色神官に見つからなければそれでいいということで、朝早くに礼拝室の清掃を済ませた後、森用の服に着替えて、わたしやルッツの到着を待つ。その後、こっそりと抜け出して森にタウの実を拾いに行く。孤児院に閉じ込められるのが常である孤児達は大喜びだ。
 從下午趕快在孤兒院裡協議。因所謂沒有被藍色神官看到那樣就可以的事情,在早上結束禮拜室的打掃之後,換上森林用的衣服,等待我及路茲的到來。那之後,悄悄地溜出去去撿拾在森林裡的濤之果。身為經常被關在孤兒院裡的孤兒們非常高興。

「私はその日、門番ですよ」
「我是那天的,門衛喔」
「オレは馬車の準備だ」
「我是馬車的準備」

 儀式に参加したり、貴族街へと出かけて行く青色神官の馬車を準備したり、門番として立たなくてはならない灰色神官は森にタウの実を拾いにはいけない。羨ましそうにはしゃぐ子供達を見ている。
 又是參加儀式,又是準備往貴族街出行去的藍色神官的馬車,作為門衛必須要站岡的灰色神官無法撿拾在在森林的濤之果。羨慕似地看著嬉鬧的小孩子們。

「でも、どのお役目も儀式が終わるまででしょう? タウの実を投げ合うのは、青色神官と側仕え達が貴族街に出かけてからになるから、みんなのお役目が終わった後で投げ合いっこしましょう。みんなで楽しめた方が良いもの。神官の方々のお役目が終わるまで、我慢して待てるでしょう?」
「但是,哪個任務都是到儀式結束對吧? 因為互相投擲濤之果,會變成從藍色神官和近侍們去到貴族街後,在大家的任務結束之後互相投擲吧。大家能享受是最好的東西。直到神關的各位的任務結束為止,能忍耐等待吧?」

 わたしが子供達に問いかけると、子供達は大きく頷いた。
 我問著小孩子們後,小孩子們大大地點著頭。

「うん。待つよ!」
「嗯。會等唷!」
「オレ、役目で来られない人達の分もいっぱい拾う」
「我,要撿滿滿因任務而無法來的人們的份」

 役目がある灰色神官には、子供達にも我慢してもらうことと夕飯の準備をすることで妥協してもらった。なんと、青色神官が出払ってしまうので、星結びの儀式の日は毎年夕飯抜きになっていたらしい。
 對於有任務的灰色神官,也請小孩子們忍耐且以要準備晚飯而妥協了。竟然是,由於藍色神官全都出去了,星結的儀式那天似乎變成每年會去掉晚飯。

「わたくしの料理人に頼んで、たくさん作っておいてもらいましょう」
「拜託我的廚師,請事先製作很多吧」

 部屋に戻った後、フーゴとエラに星結びの日のお勤めは4の鐘までで終わり。その代り、夕飯分も作っておいて欲しいとフランを通してお願いした。
 回到房間之後,對伏果和艾菈星結之日的工作要到4之鐘才結束。作為代替,透過弗蘭請求晚飯的份也想要事先製作。
 どうやら、フーゴは結婚できていない成人のようで、祭り参加に意欲を燃やしているらしい。なるべく早く仕事を終わらせると意気込んでいるとフランから聞いた。
 看來,伏果似乎也是無法結婚的成人,似乎對參加祭典燃起了熱情。從弗蘭那聽到盡可能早點讓工作結束地幹勁十足。

 新郎新婦にタウの実をぶつける事はできなくなったけど、孤児院の子供達が楽しんでくれたらいいな。
 雖然無法對新郎新娘砸濤之果,但孤兒院的小孩子們能享受就好了。

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 ルッツの環境が不穏になりつつ、星祭りが始まります。
 一方面路茲的環境變得不穩定,一方面星光祭開始了。

 次回は、星祭り本番です。
 下回是,星光祭正式登場。
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