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釜版01附錄小說

作者:SPT草包│2019-10-19 18:08:49│巴幣:8│人氣:841
這是釜版漫畫第一集最後面的附錄,甘岸久弥老師新寫的短篇,
時間點是在兩人重逢後從鬧劇裡逃脫要去另一個地點吃飯的地方,
也就是接在Web22後面。
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今日は良き日
今天是個好日子

「まったく、運が悪いな……」
「真是的,運氣真背呢…」
 昏い森の中、大木を背に、黒髪の青年は一時の休息をとっていた。
 昏暗的森林中,背靠著大樹的黑髮青年取得了一時的休息。
 魔物と獣が跋扈する森の奥、危険な場所であるのは承知だが、そろそろ体力が続かない。
 雖了解魔物和野獸橫行的森林深處是危險的地方,但體力差不多無法維持了。
 方角を確認しようと空を見たが、太陽は木々にさえぎられてよく見えなかった。その上、魔物の血を浴びたおかげで視界がひどくぼやけている。
 雖打算確認方位而看著天空,但太陽被樹木遮住了看不太到。再加上,托沐浴了魔物之血的福視野非常的模糊不清。
 二日前、ヴォルフの所属する魔物討伐部隊は、赤いワイバーンと対峙した。弓騎士と魔導師が翼を狙い、騎士達が落ちたワイバーンと戦う、そして、怪我人は出たもののなんとか倒せた――そう思ったとき、二匹目が現れた。
 兩天前,沃魯夫所屬的魔物討伐部隊與紅雙足飛龍對峙。弓騎士與魔導師瞄準翅膀,騎士們與掉下來的雙足飛龍戰鬥,然後,雖然傷者出現但也總算打到了——這麼想的時候,第二隻出現了。
 咄嗟に立ち向かった自分は、その爪につかまれ、そのまま空へ連れ去られた。自分が腹側にいるため、弓も魔法も使えない。たちまち地面は遠くなり、隊の皆も見えなくなった。
 立刻做出對應的自己,被那個爪子抓住,就那樣被帶去天空。因為自己在側腹,弓與魔法都無法使用。地面隨即變遠,隊上的大家也變得看不見了。
 このまま巣に持ち帰られて餌にされるぐらいならと思い、共倒れ覚悟で長剣をワイバーンの腹に刺した。そして、そろって空から落下した。
 想到如果就這樣被帶回巢穴被當成餌食,以同歸於盡的覺悟把長劍刺進了雙足飛龍的腹部。然後,一齊從空中掉下來。
 気がついたときには深い森の奥、よくわからない場所にいた。
 注意到的時候已在深邃森林的深處、不太清楚的地方。
 運悪く、水も干し肉も補給直前で手持ちがあまりなかった。水の魔石と火の魔石を入れた袋は、空を運ばれているうちに落としてしまったらしい。
 不幸地,水和肉乾也因補給前夕而手頭不怎麼多。放入水魔食和火魔食的袋子,似乎在被移動到空中的期間掉落了。
 長剣はワイバーンを刺したときに折れ、使い物にならなくなった。予備の短剣で襲ってくる魔物を斬ってここまで来たが、切れ味はすでに鈍い。返り血で視界がぼやけ、方角は太陽でなんとなくしかわからない。しかも、肩の怪我からの出血、空腹と喉の渇きが重なり、動くのが辛くなってきた。
 長劍在刺中雙足飛龍的時候折斷,變得無法使用了。雖然用預備的短劍斬了襲擊過來的魔物來到這裡,但刀鋒已經鈍了。視野因濺血模糊,方位因太陽總算能明白。而且,來自肩膀傷處的出血,空腹與喉嚨的乾渴重疊,行動變得艱辛起來。
 ワイバーンに運ばれた距離はそれなりにある。救援も期待できないだろう。
 被雙足飛龍移動了有相當的距離。無法救援和期待吧。
 だが、ここで死ぬかもしれない、そう考えてもあまり恐怖感はなかった。
 但是,會死在這裡也說不定,就算如此思考也不太有恐怖感。
 たまたまワイバーンが二匹いて、たまたま自分を捕まえて、たまたまどことも知れぬ深い森に落ちた――この一連の流れにヴォルフが思うのは、『運が悪い』それだけだ。
 碰巧雙足飛龍有兩隻,碰巧抓到了自己,碰巧掉到了不知道是哪裡的深邃森林裡——對這一連串的流程沃魯夫想到的,僅有『運氣真背』而已。
 自分に何かあったところで、本気で悲しむ者はそういない。家族とは距離があり、婚約者も恋人もいない。それなりに親しい友人はいるが、自分が死んだとしても困りはしないだろう。
 在自己出是的時間點,不會有認真悲傷的人。與家人有所距離,也沒有婚約者或戀人。雖有相當親近的友人,但就算自己死了也不會困擾吧。
 ただ、自分がここでこのまま死ぬようなことがあれば、魔物討伐部隊に迷惑がかかる、それだけは気にかかる。
 只是,發生自己在這裡就這樣死掉的事的話,會給魔物討伐部隊添麻煩,顧慮的僅此而已。
 自分は魔物討伐部隊、先陣を切る赤鎧だ。
 自己是魔物討伐部隊,打頭陣的赤鎧。
 どうせ死ぬならば、魔物と戦って死ぬか、せめてこの身を見つけやすいところまで運ぶくらいはしなくては――ヴォルフは大木に預けていた身を起こすと、荒い息を必死に整え、王都と思われる方向へ歩み出した。
 反正若是死了,也是跟魔物戰鬥死的嗎,至少必須要讓這身體移動到容易發現的地方——沃魯夫靠著大樹站起身後,拚命地調整粗暴的氣息,往被認為是王都的方向開始走去。

 一体どのぐらいの時間歩いたものか。喉の渇きはひどさを増し、吐息には血の臭いが混じりはじめた。全身が鈍く痛む。それでも朦朧としながら足を前に進めた。
 到底走了多久的時間呢。喉嚨的乾渴增加劇烈,呼氣裡開始混雜著血腥味。全身鈍痛。儘管如此也一邊朦朧著一邊運足向前進。
 次に立ち止まったら、もう立ち上がれないであろう、それだけがわかっていた。
 下次站住不動的話,就無法再站起來了吧,了然於心僅此而已。
 不意に、木々が途切れたらしい明るさが訪れ、耳にはっきりと馬車の音が聞こえた。必死に薮をかき分けて道に出ると、馬車を引く八本脚馬の足が見えた。
 突然,就像樹木中斷的光明來訪,耳裡清楚地聽到了馬車的聲音。探命地撥開樹叢來到路上後,看到了拉著馬車的八腳馬的腳。
「……やっと、道……」
「……終於、馬路……」
 瞬間、安堵で力が抜けた。両手と両膝を地面につき、ようやく止まる。
 瞬間,因安心而脫力。雙手與雙腳貼在地面、終於停止了。
「ちょっ、大丈夫!?」
「等、不要緊吧!?」
 若い男の、ひどく心配そうな声がした。
 年輕男子發出非常擔心似的聲音。
「……み、水……もらえ…な…?」
「……能、能不……能給我…水…?」
 渇ききった喉から発せたのはそれだけだ。ろくに音にすらなっていなかっただろう。
 從乾渴不已的喉嚨發出的僅此而已。連像樣的聲音都發不出來吧。
 それが『ダリ』と名乗る青年との出会いだった。
 那是與自稱『達利』的青年的相遇。
 彼はすぐ、革袋の水を自分に渡し、続けてポーションまで飲ませてくれた。
 他馬上把皮帶的水交給自己,接著連回復藥都讓我喝了。
 見ず知らずの自分に高額なポーションを惜しげもなく飲ませる、もしや貴族かとも思ったが、彼には護衛もお付きの者もいない。
 毫不吝惜地把昂貴的回復藥讓素不相識的我喝下,雖然認為莫非是貴族嗎,但他沒有護衛或隨從。
 そして、はっとした。自分の身分証明ができない。着ているぼろぼろの赤鎧。剣も持ち物もなく、魔物討伐部隊と名乗って信じてもらえるかもわからない。野盗と間違われてもおかしくない、血まみれの怪しい人である。
 然後,嚇到我了。做不到自己的身分證明。穿著著破破爛爛的赤鎧。沒有劍或持有物,就算自稱魔物討伐部隊也不知道會不會相信。就算被與山賊搞錯也不奇怪,滿身是血的人。
 だが、彼はヴォルフの名乗りをまったく疑わなかった。それどころか、自分を馬車に乗せて川縁に連れて行き、目と身体を洗うように勧めてくれた。
 但是,他完全沒有懷疑沃魯夫的自稱。不只那些,還讓自己搭乘馬車帶到河畔去,被勸說清洗眼睛跟身體。
 目を洗ったことで、少しだけ視界はマシになった。ダリはあまり背が高くはなく、商人らしい細さだった。顔はぼんやりとしか見えないが、自分を見つめる瞳の澄んだ緑だけはわかった。
 因清洗了眼睛,視野稍微變好了。達利身高並沒那麼高,是像商人的瘦弱。臉雖只能模糊看見,但只有凝視自己的清澈翠綠瞳孔能明白。
 ただ、不思議なのは彼の匂いだった。男臭さのない、甘やかな花と明るい太陽を思わせる、あたたかな香り――その隣にいるだけで、はりつめていた気持ちがひどくやわらいだ。
 只是,不可思議的是他的氣味。沒有男性體臭,讓人以為是甘甜的花與明亮的太陽,溫暖的香氣——只是在那旁邊,緊張的心情就非常柔和。
 もしかすると、自分は森で孤独を感じすぎて、人のぬくもりを求めていたのかもしれない。
 莫非是自己在森林感受到過頭的孤獨,在尋求著人的溫暖也說不定。
 その後にふるまわれた食事は、やたらにうまかった。溶けたチーズの載るライ麦パン、香辛料の効いたソーセージ、そして温かなワイン。特別なものではないはずなのに、空腹のせいか、場所のせいか、忘れられない味になった。
 在那之後被招待的餐點,非常地好吃。放有融化起司的黑麥麵包、香料十足的香腸、還有溫暖的葡萄酒。明明應該不是特別的東西,卻因空腹或、場所的緣故,成了無法忘懷的味道。
 それから川縁で、馬車で、いろいろな話をした。魔剣の話、魔導具の話、魔物の話。あまりに楽しくて時間がとぶように過ぎた。笑い合い、冗談をとばし、まるで以前から知っていたかのように、話が合った。
 那之後在河畔、在馬車上,說著各種話題。魔劍的話題、魔導具的話題、魔物的話題。相當快樂的時間飛速經過。互相笑著、開開玩笑,簡直就像從以前就認識般,很聊得來。
 だが、別れ際、ダリに住所を聞いたら濁された。後に知ったが、自分は高額であろうワイバーンのコートを借りていた。それなのに濁されたのは、もしや、自分だけが楽しくて、彼には迷惑なのかもしれないとも考えた。
 但是,離別之際,跟達利打聽住處卻被敷衍。在之後知道了,自己借到了昂貴的雙足飛龍外套。明知如此卻被敷衍,也考慮莫非是只有自己很快樂,讓他困擾了也說不定。
 それでも、どうしてもダリにあの日の礼を言いたいと、できるならもう一度話をしたいと、それだけを願った。
 儘管如此,無論如何也想就那天對達利道謝,可以的話想再聊一次天,希望的僅此而已。
 森で死を感じても思い出さなかった神にまで、気がつけば祈っていた。
 意識到的時候甚至對在森林裡就算感覺到死也沒想起來的神祈禱著。

 そのダリこと、ダリヤ・ロセッティが、今、自分の隣を歩いている。
 那位達利、妲莉雅.羅瑟提,現在、就走在自己的旁邊。
 風に揺れる艶やかな赤い髪、森での面影を残しつつも女性らしい顔、くるくると明度の変わる緑の目――ダリの男性らしい声ではなく、やわらかな女性の声なのに、まちがいなく同一人物だとわかる。
 被風搖曳的鮮豔紅色頭髮,儘管殘留在森林裡的面容卻是像女性的臉,骨碌碌地改變明亮度的綠色眼睛——明明並非是像男性達利的聲音、而是柔和的女性聲音,明白了毫無疑問是同一個人。
 しかも、ダリヤは魔導具師だった。隊で使用している防水布が彼女の考案した魔導具と聞いて、心底驚いた。森だけではなく、その前から、自分は彼女の世話になっていたらしい。
 而且,妲莉雅是魔導具師。聽到在隊上使用著的防水布就是她研究的魔導具,內心吃了一驚。並非只有在森林裡,從那之前,自己似乎就被她幫助著。
 森での恩を返したい、そう思って声をかけたのに、気がつけばまたすぐ話に夢中になっていた。
 明明是想報在森林裡的恩,這麼想才搭話的,意識到的時候卻又馬上沉迷於聊天中了。
 追加のワインを頼みに行っている間、ダリヤの元婚約者とやらが出てきたときには、正直邪魔だとしか思えなかった。楽しい話に水をさされた、そう腹立ちすら感じた。けっしてひどい婚約破棄に憤ったわけではない。
 在去請求追加的葡萄酒的期間,妲莉雅的前婚約者是怎麼出現的時候,老實說只覺得很礙事。愉快的談話被付諸流水,甚至感到如此生氣。絕對不是對廢除婚約非常氣憤。
 思わず『スカルファロット』と家名を出してしまったが、彼女の態度は変わらなかった。
 雖不由得出示了『斯卡爾法羅特』的家名,但她的態度並沒有改變。
 自分の目立つ顔にも揺るがず、家名にも媚びず、自然体で話せる相手――ダリヤがそうであることに、ヴォルフはひどく安堵した。
 既沒有對自己醒目的臉龐動搖,也沒有對家名諂媚,以自然體對話的對象——對妲莉雅就是這樣的存在,沃魯夫非常安心。

 さきほど慌てて離した手、ほんの少しだけもったいないと思ってしまったのは、きっと話し足りないからだ。
 像剛才那樣驚慌放手,會認為稍微有點可惜,一定是因為還聊不夠。
 もっともっと話をしたい。魔剣に魔導具、魔物のこと、仕事のこと、どれから話していいかわからぬほどだ。それに川原の昼食会の代わり、今度は自分がおいしい酒と食事を返したい。
 想要說更多更多話。魔劍加上魔導具、魔物的事、工作的事,不知道該從何說起才好的程度。而且做為河灘午餐會的交換,這次想要回禮自己覺得美味的酒與餐點。
「ヴォルフさん、どうかしました?」
「沃魯夫,怎麼了嗎?」
 少し考え込んでいた自分に、ダリヤが声をかけてきた。
 對稍微沉思的自己,妲莉雅搭話過來。
「いや、どの店に行くか考えていたところ。近くで行ってみたいお店はある?」
「沒事,在考慮要去哪家店好。附近有想要去看看的店舖嗎?」
「いえ、このあたりはあまり詳しくなくて……」
「沒有,這一帶不怎麼詳細……」
「じゃあ、酒の種類が多くて、料理の量があって、しっかり食べられる店があるから、そこでいいかな?」
「那麼,有酒的種類很多、料理很有份量、能好好吃一頓的店,在那裡好嗎?」
「ええ。きっと白ワインもしっかり飲めるお店なんですね」
「可以。一定是白葡萄酒也能好好暢飲的店舖呢」
 ダリヤが少しだけ悪戯っぽく答えた。
 妲莉雅稍微惡作劇般的回答。
 あの日、『白ワインは俺の弱点なんだ……』そう自分が言ったことを、彼女は覚えていてくれたらしい。
 那一天,『白葡萄酒是我的弱點啊……』自己如此說過,似乎被她給記住了。
 気がつけばあの時と同じく笑い合い、当たり前のように次の話を始めていた。
 意識到的時候已與那個時候相同互相笑著,理所當然般地開始了下個話題。

 ワイバーンと共に森に落ちたあの日、ヴォルフはたまたま、ダリヤと出会った。
 與雙足飛龍一起掉落森林裡的那一天,沃魯夫碰巧與妲莉雅相遇了。
 自分の運も、案外捨てたものではないのかもしれない――自分にそう思わせてくれるほどに、今日は良き日だ。
 自己的運氣,或許意外的不是該捨棄的東西——會讓自己如此認為的程度,今天真是個好日子。
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老實說這算一見(嗅)鍾情嗎=_=+。
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留言共 2 篇留言

BOBO
感謝翻譯!
根本一見鍾情呀!

10-21 00:36

冰瑤
嗯...果然是狗(蓋章

02-24 03:27

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爆肝中(゚∀。)看更多我要大聲說17小時前


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