31番目のお妃様第31位王妃殿下
作者:桃巴
31番目の妃④第31位妃子④
原文連結漫畫生肉 例えばフェリアがどこぞの深窓の令嬢なら、この状況に悲観し呆然としていただろう。しかし、フェリアはあの僻地中の僻地『孤島の天空領』たるカロディア領でたくましく育った生粋の田舎娘である。侍女がいなくとも、邸の部屋が整備されていなくても、台所がなくとも、井戸しかないこの31番目のお妃様の邸宅で、羽を伸ばすが如く自由に過ごすことができる。 假若如果菲莉亞是哪裡的深閨大小姐,會對這個狀況悲觀呆然著的吧。可是,菲莉亞是在那個作為偏鄉中的偏鄉『孤島的天空領』的卡羅迪亞領健壯成長純碎的鄉下女孩。即使沒有侍女,就算宅院的房間沒有被整理,即使沒有廚房,在只有水井的這座第31位王妃殿下的宅邸裡,也能如同無拘無束般自由地度過。
「まずは、芋煮でも温めよう」「首先,來加溫煮芋頭吧」
庭園に落ちていた小枝を広い重ねる。荷物の中から火打石と芋煮が入った鍋、鍋台を取り出して、小枝を集めた所に持っていき、ご想像通り火をつけ鍋を温めた。カロディア領において、フェリアも夜の薬草守りをすることがあったし、あの地では野営ができねば生きていけない。 將掉落在庭院裡的小樹枝攤開重疊。從行李裡面將打火石和放入煮芋頭的鍋、鍋台拿出來,帶去收集小樹枝的地方,如設想的點火加熱鍋子。在卡羅迪亞領,菲莉亞也有做過夜晚的藥草守衛,在那個地方不會野營就活不下去。
美味しそうな匂いがたった頃、ご用聞きが邸を訪れた。 散發出很好吃的氣味的時候,差遣員拜訪了宅院。
「……何をしているのでしょう?」「……這是在做什麼呢?」
ご用聞きの騎士は、目前で美味しそうに芋を頬張るフェリアに問う。 差遣的騎士,問著在眼前大口吃著好像很好吃的芋頭的菲莉亞。
「あ、おはようございます」「啊,早上好」
フェリアは、騎士の問いを華麗にスルーした。 菲莉亞華麗地無視了騎士的提問。
「食べますか? 美味しいですよ」「要吃嗎? 很好吃喔」
騎士は確かに美味しそうだと思ってしまう。そんな顔になっていたのだろう、フェリアは察して騎士に芋煮を振る舞った。 騎士認為的確好像很好吃。是變成了那種表情吧,菲莉亞察覺到而招待了煮芋頭給騎士。
「私の荷物の中に、兄さんの荷物も紛れ込んでいたんです。今頃、兄さん慌ててるわ」「在我的行李裡面,哥哥的行李也混進去了。這個時候,哥哥會很驚慌吧」
フェリアがこの邸に持参したのは三つの荷物箱である。その一つが、リカッロの野営箱と入れ替わっていたのだ。火打石や鍋、鍋台の他、芋煮まで入っていた優秀な野営箱である。フェリアの失った箱には、本がぎっしり入っていた。どうせ、三ヶ月暇だろうと、ガロンが詰めこんだ迷惑な箱であったため、フェリアは内心ほくそ笑んでいる。 菲莉亞帶到這棟宅院的是三個行李箱。其中一個跟里卡羅的野營箱交換了。是連打火石及鍋子、其他鍋台、煮芋頭都放進去的優秀野營箱。菲莉亞失去的箱子裡密密麻麻地放入了書本。因為是加隆說反正三個月很閒吧、而塞進去的麻煩箱,菲莉亞內心竊笑著。
「……そうですか」「……是那樣嗎」
なんとも規格外なフェリアに、騎士は何と答えていいかわからず、ただそう言って笑い出す。昨日と同じで、フェリアは口を尖らせ騎士を睨んだ。 對於多麼規格外的菲莉亞,騎士不知道要回答什麼才好,只能如此說並發出笑聲。由於跟昨天一樣,菲莉亞嘟起嘴瞪著騎士。
「いやあ、申し訳ありません。悪気は」「哎呀,非常抱歉。我沒」
「ないのでしょ!」「惡意的吧!」
昨日とは違い、二人は笑いあった。と、そこに見知らぬ騎士らが大きな荷物を持って登場する。 與昨天不同,兩人互相笑了。然後在那裡沒見過的騎士們拿著大大的行李登場了。
「隊長、一人だけサボってたんですか?」「隊長,只有你一個人偷懶嗎?」
地面にどかんと置かれた荷物は農機具である。フェリアは飛び上がらんばかりに喜んだ。騎士らを労い、芋煮をまたも振る舞う。 被重重放在地面的行李是農具。菲莉亞幾乎要跳起來地喜悅著。慰勞著騎士們,又招待了煮芋頭。
「……ビンズ隊長、俺にはお妃様に見えないんですが」「……賓茲隊長,我看不出是王妃殿下就是了」
ぽつりと誰かが呟く。皆、同意だと言わんばかりに頷いている。騎士隊長ビンズは、ニヤリと笑んだ。 有誰嘟噥了一聲。大家幾乎要說出同意地點著頭。騎士隊長賓茲有意地笑了。
「あの女官長にも物怖じせず牙を剥いてたぞ。全くとんだお妃様じゃないか。お前ら四の隊は三ヶ月楽しみだな」「對那個女官長也毫不膽怯的露出獠牙喔。不是完全讓人意想不到的王妃殿下嗎。你們四之隊這三個月會很愉快呢」
ビンズ騎士隊は今、四つに分隊しお妃様邸の警護にあたっている。一の隊は1~10番のお妃様、二の隊は11~20、三の隊は31~30、そして、四の隊がこの31番目のお妃様の邸警護である。四の隊だけは隊の人数は少ない。今、芋煮を食べているたった三人だ。他は三十人ほどであるが警護対象の人数の違いから妥当と言えよう。 賓茲騎士隊現在分成四隊,擔任著王妃殿下宅院的護衛。一之隊是1~10號的王妃殿下,二之隊是11~20,三之隊是21~30,然後,四之隊是這第31位王妃殿下的宅院護衛。只有四之隊隊伍的人數很少。僅有現在吃著煮芋頭的三個人。其他雖是三十人左右但因為是護衛對象的人數差異能說是很妥當的。
「あのきっつい女官長に? そうっすね。最初はなんで、味噌っかす隊に入れられたんだって文句言っちゃいましたが、他のお妃様の警護……大変そうだし。あのお妃様なら、楽しいかも。それに芋煮美味しいし」「對那位嚴厲的女官長? 也是呢。最初雖說過為什麼會加入到一無是處的隊伍而抱怨,但其他王妃殿下的護衛……似乎很辛苦。若是那位王妃殿下,會很愉快吧。而且煮芋頭很好吃」
「そうだな。芋煮美味しいし」「就是呢。煮芋頭很好吃」
「そういや、15番目のお妃様候補の担当の奴らなんて、半泣きだったぞ。下僕扱いらしい。しきりに変わってくれって頼まれるし。俺、この邸の警護で良かった。芋煮美味しいし」「說起來,負責第15位王妃殿下候補的那些傢伙啊,都要哭了喔。似乎當成下樸了。不停地去改變委託。我是這座宅院的護衛真是太好了。煮芋頭很好吃」
三人の騎士は、そう言い合って笑っている。 三位騎士如此互相說了而笑了。
フェリアは農機具に夢中だ。 菲莉亞沉浸於農具中。
ビンズは…… 賓茲是……
『王様、初日が15番目のお妃様じゃあ、今日も機嫌が悪いだろうな』『國王陛下第一天就是第15位王妃殿下嗎,今天心情也會很不好吧』
と、遠く離れた邸の王の心中をおもんぱかったのだった。 如此擔憂著遠離宅院的國王的內心。