31番目のお妃様第31位王妃殿下
作者:桃巴
31番目の妃*41第31位妃子*41
原文連結漫畫生肉 お忍びというのは、民に王である、妃であるとわからず町を歩くものだろう。本来、そうでなければ、町の調査見聞はできない。 所謂的微服是不讓人民知道是國王、妃子走在鎮裡吧。本來若不那樣是無法見識城鎮調查的。
「あっらぁ、まあまあ新婚さんだね。これ試食だよ。食べておくれ」「哎呀,真是對新婚夫妻呢。這是試吃喔。拿去吃吧」
フェリアに渡されたのは、クルクルスティックパンだ。丸ごと一個が試食など、本来はありえない。 被遞給菲莉亞的是捲捲麵包棒。本來是不可能試吃一整個的。
「やった! 一緒に食べよ?」「太好了! 一起吃吧?」
至って普通の言葉遣いで、フェリアはマクロンに言った。 菲莉亞以極其普通的遣詞用字對馬庫隆說著。
「あ、ああ」「啊、好啊」
フェリアの上目遣いと可愛い言葉遣いに、マクロンの顔が少しゆるむ。そして、フェリアが少し食んだパンをマクロンも横から食む。 馬庫隆的臉對向上看的菲莉亞與可愛的遣詞用字有些綻開笑容。然後,馬庫隆也從旁邊吃著菲莉亞吃了一點的麵包。
「おやっ、新婚さんか。こっちのフルーツジュースもどうだい?」「喔呀,新婚夫妻嗎。也喝喝這邊的果汁吧?」
屋台の店主が二人に、一つの木製カップを持ってくる。茎ストローが二本入っている。 攤販店主拿了一個木製杯子給兩人。放進了兩支莖吸管。
「仲良く飲んでくだせえ」「相親相愛的喝吧」
マクロンは店主から受け取ると、お金を出そうとしたが、試飲だからと断られる。 馬庫隆從店主那收下後,打算給錢卻被以是試喝拒絕了。
「すごい。二つももらっちゃったね。……あなた」「好厲害。收到兩個呢。……親愛的」
フェリアは店主たちに自分たちの身分をわからぬように、言われた通りの新婚さんを演じている。あなた発言に、フェリア自身が動揺しているのか、どぎまぎとしている。 菲莉亞為了不讓店主們知道他們自己的身份,扮演著如同被說的新婚夫妻。菲莉亞自己也對親愛的發言動搖了嗎,慌張不已著。
「あっらあ、何とも可愛らしい新妻さんですね。こちら、新しく作った髪飾りです。どうです? お似合いですよ」「哎呀呀,多麼可愛的新婚妻子呢。這邊是新製做的髮飾。如何呢? 很適合喔」
今度は女店主だ。フェリアの髪に飾りをつけて、マクロンに向かって発する。 這次是女店主。在菲莉亞的頭髮上加上裝飾,朝向馬庫隆發言。
「早く、ほめなきゃ」「必須快點稱讚」
マクロンはフェリアの髪にささった小花の髪止めを見る。 馬庫隆看著插在菲莉亞頭上的小花髮夾。
「よく似合っている」「非常適合」
マクロンの手がソッとフェリアの髪を撫でる。 馬庫隆的手輕輕撫摸著菲莉亞的頭髮。
「それ、試作品だからもらっておくれ」「那個是試做品就收下吧」
今度もマクロンがお金を出そうとするが、そう言って店主は素早く離れていった。 馬庫隆這次也打算給錢,但這麼說的店主快速離開了。
遠巻きに警護する騎士らは、この一連の店主らの行動の意味することを知っている。町の民たちの意味ある眼差しを知っている。多分、マクロンも肌で感じているだろう。しかし、当のフェリアだけはわかっていない。マクロンとのデートで舞い上がっている。お忍びデートをしているのだ。 在外圍護衛的騎士們都知道這一連串店主們行動的意義。知道鎮民們有意義的眼神。大概,馬庫隆也以肌膚感受到了吧。可是,只有當事人菲莉亞不知道。因跟馬庫隆的約會而歡欣雀躍。進行著微服約會。
芋煮を民に配ったフェリアである。民たちは、フェリアの顔を覚えている。わからぬはずはない。恩人であるフェリアの顔を。そして、今日が31日であることで民たちは、お忍びデートをする二人を邪魔せぬように見守っているのだ。お忍びと思っているのは、フェリアだけという、何ともおかしなまぬけ具合だ。しかし、そこはあたたかい。民たちが見守るあたたかさだ。 身為分配煮芋頭給民眾的菲莉亞。居民們記得菲莉亞的臉。不應該不知道。知道身為恩人菲莉亞的臉。然後,因今天是31號,居民們為了不妨礙微服約會的兩人而關注著。要說會認為是微服的只有菲莉亞,實在是奇怪的糊塗蟲狀態。可是,那點很溫暖。居民們的關注很溫暖。
二人の行く先々で、民たちはフェリアとマクロンをもてなしている。 在兩人的各個目的地,居民們招待著菲莉亞與馬庫隆。
「幸せだよな」「真幸福呢」
ビンズは呟いた。フェリアとマクロンを言っているのではない。 賓茲低語著。並不是在說菲莉亞與馬庫隆。
「ええ、ダナンは幸せが溢れていますね」「沒錯,達南幸福洋溢著呢」
ゾッドがビンズの発言に相づちをうって続けた。 佐多附和著賓茲的發言接著。
「警護いらないですね。だって町の民全員が二人を祝福しているんですから」「不需要護衛了呢。因為全城居民都在祝福著兩人」
騎士らは、笑い出す。騎士らの手にも、試食やらなんやらが持たされていた。民たちにとって騎士らも英雄である。フェリアとマクロン同様に、民からの感謝が手に溢れていたのだった。 騎士們笑了出來。騎士們的手上也拿著試吃什麼的。對居民們來說騎士們也是英雄。跟菲莉亞與馬庫隆一樣,來自居民的感謝滿溢在手中。
***
「こら、逃げるでない」「這下,妳逃不掉了」
マクロンはフェリアの体を包んだ。フェリアは『あうぅ』となんとも残念な声をもらした。残念であるが、初なその反応にマクロンは朝から上機嫌だ。 馬庫隆包覆著菲莉亞的身體。菲莉亞『啊嗚』地發出多麼懊惱的聲音。雖然很懊惱,但對那純真的反應馬庫隆從早上就心情很好。
「離して、マクロン様。お願い恥ずかしいのです」「放開我,馬庫隆大人。拜託了很丟臉的」
寝所の会話というのは、どんなに拒んだとて甘いものである。逃げようとするフェリアの腰をグッと引き寄せたマクロンは、フェリアの耳元で声を紡いだ。 所謂寢室的對話,再怎麼抗拒都很甜蜜。用力把打算要逃脫的菲莉亞的腰拉過來的馬庫隆,在菲莉亞耳邊輕聲編纂。
「おはよう、フェリア。挨拶もなしに離れるでない。寂しいではないか」「早安,菲莉亞。招呼也不打是不會放開的。不會寂寞嗎」
フェリアはその言葉に体の力が抜けた。またも『あうぅ』とマクロンの胸にフェリアの息がかかる。フェリアはゆっくり顔を上げた。マクロンが優しくフェリアを見つめていた。 菲莉亞的身體因那句話虛脫無力。菲莉亞『啊嗚』的氣息再次吹上馬庫隆的胸口。菲莉亞緩緩抬起頭。馬庫隆溫柔的注視著菲莉亞。
「おはようございます、マクロン様」「早上好,馬庫隆大人」
見つめてしまえば、見つめられてしまえば、二人は離れられなくなるのだ。 注視著,被注視著,兩人都沒有離開。
***
31番目のお妃様は、今日も薬草畑で精を出す。 第31位王妃大人今天也在藥草田賣力著。
「フェリア、今日の芋煮は我と二人で作ろうぞ」「菲莉亞,今天的煮芋頭就跟朕兩人來做吧」
時々、政務を逃げ出した王マクロンが、邸にやってくる。 偶爾逃出政務的國王馬庫隆會來到宅院裡。
31もあった邸は、今や薬草畑に変わっていた。残ったのは唯一31番邸だけ。 曾有過的31座宅院,現在都變成了藥草田。剩下的唯一只有31號宅。
『今日は1日か。では、1番邸を薬草畑に開墾する。フェリア、頼んだぞ』『今天是1號嗎。那麼,來將第1號宅開墾成藥草田。菲莉亞,拜託了喔』
マクロンがニヤリと笑って命じたのはずいぶん前のこと。マクロンは、日にちの邸を開墾するよう毎日命を出した。その邸にいるフェリアにマクロンは会いに行った。 馬庫隆賊笑著命令是很久以前的事。馬庫隆每天發出開墾天數宅院的命令。馬庫隆會去見在那棟宅院裡的菲莉亞。
『○日だから、○番邸に行ったのだ。しきたり通りだろ』『因為是○號,要去○號宅。一如慣例對吧』
これにはビンズや長老らも舌を巻く。全くもって、マクロンの言う通りだと引き下がざるをえなかった。いや、嬉々としてひいた。 對此賓茲及長老都欽佩不已。真是不得不如馬庫隆所說的退下。不對,是高高興興的退下。
そうして、フェリアとマクロンは毎日のように会うことになり、邸は薬草畑に変わっていった。 然後,菲莉亞與馬庫隆就能每天見面,宅院逐漸變成了藥草田。
31から唯一の1になった邸では、今日もフェリアとマクロンが仲良く薬草茶を飲んでいる…… 在從31變成唯一的1的宅院裡,菲莉亞與馬庫隆今天也和樂融融的喝著藥草茶……
『31番目のお妃様』~完~『第31位王妃大人』~完~