創作內容

2 GP

第二部神殿的實習巫女 正題

作者:SPT草包│2018-02-09 23:02:12│巴幣:4│人氣:377
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第二部神殿の巫女見習い 本題
第二部神殿的實習巫女 正題
原文連結

 灰色神官が神官長に一礼して、次々と部屋を退出していく中、アルノーがどこからかワゴンのような物を押してきた。
 灰色神官像神官長行一個禮,不斷地退出房間去的裡面,阿魯諾推起了從某處來的小型手推車般的東西。
 そして、おそらく神官長の好みに合わせているのだろう、厚みのあるガラスの器でお茶を入れ始めた。蒸らし始めると同時に、アルノーが顔を上げて、お茶の葉が入ったガラス瓶をいくつも取り出しながら、種類やら、産地やら、取れた季節やらを説明しつつ並べていく。
 然後,恐怕是配合神官長的喜好吧,開始用有厚度的玻璃容器倒茶。與開始悶的同時,阿魯諾抬起頭,一邊拿出幾著放入茶葉的玻璃瓶,一面說明種類和、產地和、採摘的季節一面排列起來。

「マイン様、どのようなお飲み物がお好みでしょうか?」
「瑪茵大人,喜歡什麼樣的飲品呢?」

 ……正直、全くわかりません。
 ……老實說,完全不明白。

 わたしがよくわからないまま、適当にそのうちの一つを指差して「これを頂きたいわ」と答えると、次はミルクについて、どこの農家が好みか、牛の種類の好みは、と質問が並べたてられた。
 我依然不太明白,適當地用手指使那其中的一個並回答「想要這個」後,下個是關於牛奶,被羅列了喜歡哪裡的農家呢、喜歡的牛的種類、的提問。

 ……そんなこと聞かれても、全くわかりません。
 ……就算聽到那種事情,也完全不明白。

 しかし、身分的にわたしが選ばなければ、先に進まないので、ベンノを参考に「同じもので」と済ませることもできない。
 可是,由於身分上我不選的話,就無法進行下去,無法參考班諾用「同樣的東西」來搞定。
 お貴族様というのはお茶一つ飲むのも大変だと思いながら、わたしはフランを振り返った。本日覚えた新技「丸投げ」の出番だ。
 一邊想著所謂的貴族大人喝一杯茶也很辛苦,我一邊回頭看弗蘭。是今天記住的新技能「全權委託」的出場。

「フランはどんなミルクがこのお茶に一番良く合うと思って?」
「弗蘭你認為哪種牛奶最適合這種茶?」
「そうですね……。ホルガーのグラウヴァーシュ、3歳のものなら、ほのかな甘みがあって、ティーフガフトによく合うと思われます」
「說得也是呢……。霍魯加的古勞瓦修,如果是3歲的東西,有著略微的甘甜,一般認為跟堤弗卡弗特非常合」
「そう。では、ホルガーのグラウヴァーシュで頂きたいわ」
「是喔。那麼,想要霍魯加的古勞瓦修」

 今日飲むお茶はティーフガフト。ホルガーのグラウヴァーシュのミルクを入れる。いつまで覚えていられるかわからないけど、覚えた。何の呪文? と思うような音の羅列に首を傾げるしかない。
 今天喝的茶是堤弗卡弗特。加入霍魯加的古勞瓦修的牛奶。雖然不知道要到何時才會被記住,但記住了。只能對認為是什麼的咒文? 般音節的羅列感到不解。
 アルノーがベンノの好みを聞いているうちに、灰色神官は全員退室したようだ。
 在阿魯諾聽聞班諾的喜好的期間,灰色神官似乎全員退室了。

「どうぞ、マイン様」
「請,瑪茵大人」
「恐れ入ります」
「勞煩了」

 音も立てないように丁寧な仕草で置かれたガラスのカップを手にとって、コクリと一口飲む。ブレンドされたお茶にまろやかなミルクが加わり、優しい甘みが口の中に広がっていく。素材も入れ方も良いのだろう。うっとりするほどおいしい。
 以彷彿不發出聲音的謹慎動作將被放置的玻璃茶杯拿在手上,咕嚕地喝了一口。在被混和的茶裡加入醇厚的牛奶,溫柔的甘甜在口中擴散開來。不論素材還是放入那邊都很好吧。出神般的美味。

 全員のお茶を準備し終えたアルノーはワゴンを押して、どこかに片付けに行った。姿が見えなくなったかと思えば、すぐさま戻って来て、扉をピッチリと閉める。全く無駄のないきびきびとした動きに、ほぅ、と感嘆の息を吐く。
 準備全員的茶結束的阿魯諾推著小型手推車,是要去某處收拾。才想著看不見身影了,就馬上回來了,緊緊把門關上。對作為完全沒有浪費的俐落動作,吐露哦、地感嘆的氣息。
 アルノーが自分の持ち場である神官長の背後に立つと同時に、神官長が口を開いた。
 與阿魯諾站在身為自己的工作崗位的神官長的背後同時,神官長開口了。

「ベンノ、君はマインを最初に引き立てた慧眼の持ち主であると報告を受けている」
「班諾,收到你是最初提拔瑪茵身為慧眼的擁有者的報告」
「もったいないお言葉です」
「勞您貴言」
「その目にマインはどのような人物だと映っている? 神殿において、マインは魔力を暴走させる危険人物という認識が神官の間にはある。そのため、マインがどのような人物なのか、付き合いの長い君から率直な意見が聞きたい」
「瑪茵映照在那眼中是怎樣的人物? 在神殿,瑪茵是名為會讓魔力失控的危險人物的認識存在於神官之間。因此,瑪茵是怎樣的人物呢,想要聽聞來自交往很長的你坦率的意見」
「魔力の暴走……? ほぅ、そんなことが」
「魔力的失控……? 哦,有那種事」

 ベンノが全く笑っていない目で、ちらりとわたしを見た。ここでなかったら、「聞いてないぞ、くぉら!」と雷を落とされている目だ。すーっと視線をベンノとは反対の方へと向けて、カップを口に付ける。
 班諾用完全沒在笑的眼神,快速看了我一眼。不在這裡的話,是會被落雷「我沒聽說喔,喂!」的眼神。迅速把視線朝向跟班諾相反的方向,將茶杯抵在嘴上。

「私はただの商人でございます。故に、魔力に関してはわかりかねますが、私が知っているマイン様についてなら、お話できます」
「我只是個商人。所以,有關魔力難以明白,但如果是關於我所知道的瑪茵,能說一下」
「ふむ、話しなさい」
「呼唔,請說吧」

 神官長が少しばかり身を乗り出すようにして、ベンノに先を促した。
 神官長像是稍微探出身子般,催促班諾繼續下去。
 わたしの心境は、家庭訪問や三者面談で保護者と担任が自分の話をしている時と同じような居心地の悪いものだった。一応、神妙な顔で座っているが、本当は「やめて! 余計なこと喋らないで! せめて、わたしのいない時にして!」と叫んで、この部屋から出ていきたい。
 我的心境,和在家庭訪問和三者面談上保護人與主任說著自己的話題的時候一樣是身處感不好的東西。姑且,以老實的表情坐著,其實是想大叫「住手! 別說多餘的東西! 住手,在我不在的時候再做!」,從這個房間出去。

「マイン様は天才でございます。新しい商品を生み出すという一点においては。発想だけは他の追従を許しませんが、実際に品物を完成させるのは当店の見習いでございます。いくつもの商品を作りだしていながら、マイン様本人には天才の自覚が薄く、基本的にはおっとりとした寛容な性格だと当店では認識されております」
「瑪茵大人是天才。放在所謂生出新的商品這一點上。只是發想不允許其他的效法,但實際上讓物品完成的是本店的實習。儘管製作出幾個商品,但瑪茵大人本人是天才的自覺很薄弱,基本上是作為大方的寬容性格在本店被認識著」

 ぼんやりしているとか、考え無しとか、警戒心がないとか散々言われているわたしの性格も貴族向きに言い換えれば、おっとしりとした寛容な性格になるらしい。ベンノの口から出てきたとは思えない評価だ。物は言い様、とはこのことか。
 發著呆之類,毫無考慮之類,被狠狠地說沒有警戒心的我的性格也換句話成貴族向的話,似乎就成為了作為大方的寬容性格。是沒想過會從班諾的口中出來的評價。事物的表達,是說這種事情嗎。

「待ちなさい。おっとりはともかく、寛容だと?」
「請等一下。大方姑且不論,寬容是指?」

 ベンノの言葉に納得できなかったらしい神官長がものすごく疑わしい顔でわたしとベンノを見た。
 似乎無法理解般諾的話語的神官長用非常可疑的表情看著我與班諾。
 無理もないと思う。魔力を暴走させて、神殿長を失神させたことは多くの神官の間で有名だろうし、今日、フランが報告しているなら、読書の邪魔をしたギルに魔力をちょっとだけ放出したことも神官長は知っているはずだ。
 我想不是不可能。讓魔力失控,讓神殿長失神的事情在很多的神官之間很有名吧,今天,如果弗蘭有報告,對妨礙讀書的基魯就只是稍微放出魔力的事情神官長應該也知道了。
 神官長から見たわたしは、とても寛容という言葉から遠い人物に違いない。怒りっぽくて、感情的に魔力を爆発させる危険人物だろう。
 從神官長來看的我,肯定是從所謂非常寬容的話語遠離的人物。一生氣,就情緒化地讓魔力爆發的危險人物吧。

「自分にとって譲れない大事なもの……家族や友人、それから、本。これらに手を出さない限り、マイン様は呆れるくらい寛容ですよ。警戒心も薄く、多少騙されても懲りません。寛容と言うよりは、無関心だとマインをよく知る当店の見習いは申しておりました」
「對自己來說無法讓步的重要東西……家人和朋友,還有,書本。盡量不要對這些出手,瑪茵大人是令人吃驚般的寬容喔。緊戒心也很薄弱,就算多少被騙也學不到教訓。與其說是寬容,不如說是不關心是熟知瑪茵的本店的實習說的」

 ベンノの言葉に「無関心。なるほど」とフランの小さな呟きが頭上から降ってきた。午前中の自分の言動を思い返してみると、反論の余地など全くなかった。
 對班諾的話語弗蘭小小的呢喃「不關心。原來如此」從頭上降了下來。試著回想中午前的自己的言行後,完全沒有反駁的餘地。
 うーむ、と唸りながら神官長がわたしを見て、もう一度同じように唸る。
 一邊唔、地呻吟著神官長一邊看著我,再一次同樣地呻吟著。

「マイン、他にはないか? 家族、友人、本以外に魔力が暴走しそうな要素があれば述べなさい」
「瑪茵,沒有其他的了嗎? 對家人、朋友、書本以外魔力有著好像會失控的要素的話請表述」
「わたくしにとって大事なものは、今のところ他には思い浮かびませんわ」
「對我來說重要的東西,現時點想不起其他的」

 わたしがそう答えると、「ならば、よい」と少し安心したように神官長が頷いた。
 我那樣回答後,「那樣的話、就好」稍為安心似地神官長點了頭。
 ベンノが考えを巡らせるように少し視線を上に向けた後、フランと神官長を交互に見る。
 班諾像是反覆思考般稍微將視線往上之後,交互看著弗蘭與神官長。

「そうですね。あと、私からマイン様について、神官長にご報告しておかなければならないのは、類稀な虚弱さでございましょうか」
「說得也是呢。還有,我有關於瑪茵大人,必須要先跟神官長報告的是,罕見的虛弱嗎」
「虚弱さ? あぁ、体調管理する者が必要だと言っていたな」
「虛弱? 啊,有說過需要身體狀況管理的人呢」

 神官長の視線がこちらを向いた瞬間、フランが少し動揺したように震えたのがわかった。さっき廊下でベンノに指摘されたことを思い出したのかもしれない。
 神官長的視線轉向這邊的瞬間,能明白弗蘭像是稍微動搖般的顫抖著。說不定是回想起剛才在走廊被班諾指摘的事情。

「マイン様は驚くほど体力も腕力もございません。顔色、口数、歩くスピード、行動距離や内容をよく観察していなければ、元気そうにしていても突然意識を失って倒れます。そして、その後は数日間熱を出して寝込みます。今のところ、当店の見習い以上に体調管理できる者はおりません」
「瑪茵大人驚人般的無論體力或腕力都沒有。無法好好觀察臉色、說話數、走路速度、行動距離和內容的話,就算很有精神也會突然失去意識倒下。而且,在那之後數天裡會發燒臥床。現時點,本店的實習以外不存在能做到身體狀況管理的人」
「その見習いはルッツという少年だな?……フランはできそうか?」
「那個實習是名為路茲的少年吧?……弗蘭能做到嗎?」

 神官長の言葉に全員の視線がフランに集まる。動揺したように濃い茶色の瞳を少し泳がせた後、俯いて悔しそうな声を漏らした。
 全員的視線因神官長的話語集中到弗蘭上。像是動搖般稍微游移濃茶色的瞳孔之後,低下頭露出懊悔似的聲音。

「いえ、私はまだ……。申し訳ありません」
「不,我還……。非常抱歉」

 少し振り返ると、ちょうどわたしの目の高さにあるフランの拳が小刻みに震えている。尊敬する神官長の期待に応えられていない自分が歯痒くて仕方ないという心情がビシビシと伝わってきた。
 稍微回頭看的話,正好在我的眼睛的高度弗蘭的拳頭微幅顫抖著。所謂無法回應尊敬的神官長的期待的自己心急如焚又毫無辦法的心情深刻地傳了過來。

「フランは今朝、側仕えになったんですもの。いきなりは無理でしょう。ルッツも完全に見分けられるようになるには時間がかかりましたもの」
「弗蘭今早,才成為近侍的。這麼突然很困難吧。路茲變得完全能辨別也花了些時間」
「あまり時間をかけられては困る」
「太花時間會很困擾」

 せっかく入れたわたしのフォローを神官長が厳しい一言でつき崩した。
 神官長將難得加入的我的支持用嚴厲的一句話堆翻了。

「秋にはまた騎士団からの召集があるかもしれない。それまでにマインの体調を管理できるようになれ。いいな、フラン?」
「在秋季說不定又有來自騎士團的召集。在那之前變得能做到管理瑪茵的身體狀況。可以嗎,弗蘭?」

 神官長にひたと見据えられたフランは、一度息を吸い込んだ後、しっかりと頷いた。
 被神官長直直看著的弗蘭,做了一次呼吸之後,好好地點頭了。

「……かしこまりました。秋までには必ず」
「……謹遵吩咐。秋季之前必定做到」

 玄関口での采配やお茶の知識を見ればわかるように、フランは神官長のためならものすごい努力ができる子だ。神官長直々の御命令だし、わたしの体調管理に真剣に取り組んでくれると思う。何にせよ、側仕えが前向きに体調管理をする気になってくれたようでよかった。
 就像看到在玄關口的指揮和茶的知識就能明白,弗蘭如果是為了神官長就會非常努力的孩子。我認為神官長直接的命令,會認真致力於我的身體狀況管理。無論如何,近侍好像會變得積極地做著身體狀況管理就好了。
 安堵するわたしを見ながら、ベンノが心配そうに視線を伏せる。
 一邊看著安心的我,班諾一邊擔心似地伏下視線。

「神官長、マイン様はこの年の子供にしては大変利発でございます。けれど、社会経験は乏しく、神殿の常識、ひいては、貴族社会には疎くていらっしゃいます」
「神官長,瑪茵大人作為這個年紀的小孩子是非常聰明的。但是,缺乏社會經驗,神殿的常識,甚至,疏離貴族社會」
「あぁ、知っている。だが、案ずるな。そのためにフランを付けてある。わたしの側仕えの中でも優秀だ。疑問点はフランに聞けば良い。もちろん、わたし自身もマインの教育には携わるつもりだ」
「啊,我知道。但是,別擔心。為此才配給了弗蘭。即便在我的近侍之中也是優秀的。疑問點向弗蘭打聽就好。當然,我自己也打算從事瑪茵的教育」

 自分の背後に立っているフランが、ひゅっと息を呑んだのがわかった。思わず振り返ると信じられないと言わんばかりに目を見張って、神官長を見ていた。
 能明白站在自己的背後的弗蘭,咻地喘不上氣。不假思索地回頭看的話幾乎要說出不可置信地睜大了眼睛,看著神官長。

 あれ? もしかしたら、フランはわたしの側仕えに回されたの、自分に実力がないせいだって思ってたのかな? だったら、一緒に神官長の役に立てるように頑張ろうねって、言えば、案外簡単に味方になってもらえるかも?
 奇怪? 難道說,弗蘭被轉當我的近侍,是在想自己沒有實力的緣故嗎? 那樣的話,一起為了派得上神官長的用場而努力吧,那樣說的話,會意想不到簡單地成為同伴吧?

 こくりとお茶を口に運びながら、フランの攻略方法を考えていると、神官長がわたしとベンノを見比べるようにして、目を細めた。
 一邊略為低頭將茶送入口中,一邊思考弗蘭的攻略方法的話,神官長像是比較著我跟班諾,瞇起了眼睛。

「とこで、ベンノ。君にとってマインが水の女神と言うのはどういう意味だ? 君はずいぶんとマインを大事にしているようだが、そういう趣味の人間か?」
「話說,班諾。瑪茵對你來說是所謂的水之女神那是什麼意思? 你似乎相當珍視瑪茵,是那種興趣的人類嗎?」
「んなっ!?」
「嗯哪!?」

 ベンノが素っ頓狂な声を上げて、ガチャッと音を立てて、カップを取り落とした。わかりやすく動揺しているベンノを見て、疑いを深めたように神官長は息を吐き、足を組み直す。
 班諾發出冒犯的聲音,發出喀嚓的聲音,把茶杯弄掉了。看到簡單易懂動搖著的班諾,像是加深了嫌疑般神官長吐了一口氣,重新交疊著腳。

「君が一体どのような目でマインを見ているのか、知っておきたい」
「你到底是用怎樣的眼神看著瑪茵呢,想要先知道」
「……どのような、と申されましても……。私自身、何故周囲がそのように言うのか、理解できない有様でございます」
「……怎樣的,就算被說了……。我本身,為何會被周圍說成那樣呢,也是無法理解的狀態」

 しどろもどろで弁解するベンノというのはとても珍しくて面白いが、神官長が口にした水の女神の意味がわからない。そういえば、前にオットーが似たような事を言っていてベンノが怒っていたなぁ、と思い出しながら、わたしは首を傾げた。
 所謂語無倫次辯解著的班諾是非常稀奇又有趣的,但不明白神官長口中水之女神的意義。這麼說來,以前歐拓說著很相似的事情而班諾生氣了,一邊回想起,我一邊感到不解。

「あの、恐れ入りますが、水の女神ってどういう意味で使われていらっしゃるのでしょう?」
「那個,很抱歉,但水之女神是以什麼意義被使用著的吧?」

 くるりとわたしが見回すと、目が合った途端に全員が目を逸らした。自分には聞くな、という空気が全員から出ている。ものすごく気まずい雰囲気だ。
 我環視一圈後,全員剛一對上眼就別開了目光。名為別問我、的空氣從全員洩出。是非常不融洽的氛圍。
 困って首を傾げていると、ベンノから「静かにしろ」と書かれたメモが回ってきた。どうやら大きな声では聞いてはいけないことのようなので、小さい声でこっそりフランに聞いてみる。
 困擾地歪頭不解的話,來自班諾被寫上「安靜點」的子條轉了過來。看來由於用大聲詢問似乎是不可以的事情,試著用小聲偷偷地詢問弗蘭。

「……神様のことだし、神殿に関係あることでしょう? フラン、教えてくださる?」
「……神明的事情,是跟神殿有關係的事情對吧? 弗蘭,能告訴我嗎?」
「あ、えーと、その……」
「啊,呃,那個……」

 フランが助けを求めるように神官長に視線を向ける。ベンノが額を押さえて溜息を吐き、苦り切った顔で神官長が仕方なさそうに口を開いた。
 弗蘭像是尋求幫助將視線朝向神官長。班諾壓著額頭嘆了一口氣,神官長用愁眉不展的表情沒辦法似地開口了。

「想い人、恋人、心を動かす者。一般的にはそのような意味で使われる」
「思念的人,戀人,觸動心弦者。一般上是以那樣的意義被使用著」

 想い人? 恋人? ない、ない。ベンノは死んだ恋人一筋の独身主義者だ。それでなくとも、わたしとベンノを見て、そんなことを考える方がおかしい。
 思念的人? 戀人? 不是、不是。班諾是專情於死去戀人的獨身主義者。即便不是那樣,看看我跟班諾,考慮那種事情還比較奇怪。

「……まぁ、神官長。そのようなことはあり得ませんわ。ベンノ様とわたくしは親子ほど年が離れているんですよ?」
「……哎呀,神官長。那種事情是不可能的。班諾大人與我有著親子般的年齡相隔唷?」

 吹き出すのを堪えながら、わたしがそう言うとベンノもしっかり便乗して否定した。
 一邊忍著不笑出來,我一邊那樣說後班諾也好好地順勢否定了。

「マイン様もおっしゃる通り、あり得ません」
「如同瑪茵大人所說,不可能」
「だが、親子くらいの年の差なら、さほど珍しくもあるまい?」
「但是,如果是宛如親子的年齡差距,也沒那麼稀奇吧?」

 神官長はまだ疑いを捨てきれないと言いたげにベンノを見る。
 神官長還不肯放下疑問有話想說地看著班諾。
 麗乃時代の日本なら、芸能界でそんな話を聞いたことも多いけれど、マインとなってからは、聞いたことがない。
 如果是麗乃時代的日本,雖然在演藝圈聽到過很多那種話題,但自從成為瑪茵,就沒聽過了。

 なぜならば、再婚するにしても、親子ほど年が離れれば、その人は子の世代に世話になっていることが多く、扶養家族を増やすような真似は稼ぎ頭の子供世代に嫌われる。そして、年下の方の結婚相手一人だけの稼ぎで生活していけるほど、世間は甘くない。
 若要問為何,就算再婚了,親子般的年齡相隔的話,那種人很多會變的得去照顧兒女輩的,增加扶養家人般的仿效會被最能賺錢的孩子輩討厭。而且,以只有年幼一方的結婚對象一人所掙的錢就能生活那樣,世間並不天真。

「わたくしは伺ったことがありませんけれど? ……あぁ、そういえば、親子ほど年の離れた関係も神殿では珍しくありませんものね? わたくしの側仕えの一人も、いつか神殿長と関係を持ちたいと願っているようですし」
「雖然我沒聽聞過? ……啊,這麼說來,親子般年齡相隔的關係在神殿也是不稀奇的東西呢? 我的近侍的一人也,似乎希望著希望何時能跟神殿長抱有關係」

 神官長には平民の事情がわからなくても仕方ないよね、とわたしがフォローのつもりで首を傾げると、また妙な沈黙が広がった。
 神官長就算不明白平民的事情也沒辦法呢。我以支持的打算感到不解後,奇妙的沉默再次蔓延。
 ベンノから「頼む。黙れ」メモが回ってきた。メモ通りにわたしがお口にチャックすると、今度は誰も口を開く者がいなくなり、部屋の中に満ちるのは重い沈黙になった。
 來自班諾「拜託。閉嘴」的紙條轉了過來。我如同紙條在嘴上拉上拉鍊後,這次變得誰也不會是開口的人了,在房間裡面充滿著的是變得沉重的沉默。

「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」

 しきりにお茶を飲み、お互いを伺うような視線だけが行き来する。
 頻繁地喝著茶,只有互相窺探的視線往返著。
 気まずい。ものすごく居心地が悪い。
 很尷尬。身處感非常不好。

「……神官長、従僕の身で大変不躾ではございますが、発言をお許し願えますでしょうか?」
「……神官長,以隨從之身非常冒昧,但還希望能允許發言好嗎?」

 誰も口を開けない妙な雰囲気を破った救い主はマルクだった。
 打破誰都沒開口的奇妙氛圍的救星是馬爾克。
 バッと顔を上げて、マルクを見た神官長の顔には、誰でもいいからこの場を何とかしろ、とハッキリ書いてあった。諸手を上げる勢いで神官長が許可を出す。
 突然抬起頭,在看著馬爾克的神官長的臉上,因為誰都好想辦法解決這個情況吧,那樣明顯寫著。神官長以舉起雙手的氣勢發出了許可。

「許す。何だ?」
「允許。是什麼?」
「旦那様の名誉のために断言いたしますが、一般的な意味合いで使われる水の女神とは異なります。神官長もご存じのことでしょうが、マイン様が次々と作りだす商品から、旦那様は新しい事業を起こされています。長いこと服飾の商売のみを行ってきたギルベルタ商会に、次々と新しい事業の芽をもたらしてくださるマイン様は、旦那様にとってと言うよりは、当店にとって水の女神なのでございます」
「雖是為了老爺的名譽斷言,但與被以一般含意使用的水之女神不同。神官長也是知道的,因為瑪茵大人一次次製作出來的商品,老爺發展起新的事業。對長久往來的僅只服飾買賣的基魯貝路塔商會,一次次將新的事業的芽苗給帶來的瑪茵大人,比起對老爺而言,不如說是對本店而言的水之女神」
「ふむ、そういう意味か。納得した。では、最後に、マイン工房のことだが……」
「呼唔,是那種意思嗎?理解了。那麼,在最後,雖是瑪茵工坊的事情……」

 自分が持ち出した話題で、あまり納得できていないように見えたけれど、それ以上を追求することはなく、あっさりと神官長が話題を変えた。
 自己帶出來的話題,雖然看起來像是不太能理解,但並沒有追求那之後的,神官長簡單地改變了話題。

「一体どれだけの利益を上げる? こちらは利益の一部を神殿にもたらすという約束で、存続を許したのだが?」
「到底能取得多少的利潤? 這邊雖然是以所謂將利潤的一部分給與神殿的約定,允許了存續?」

 ベンノは、そうですね、と考える振りをしながら、膝の上に重ねられている長い袖の中で、すでに何か書かれている紙を小さく切っているのが見えた。
 班諾,一邊說得也是呢、那樣假裝思考,一邊在被重疊膝蓋上面的長袖裡面,看到已經將被寫上什麼的紙張撕得小小的。

 あれって、もしかして……?
 那個,莫非是……?

 さっきからベンノがちょくちょく寄こしてくる紙片が、馬車の中でマルクが書いていた紙だと気付いて、わたしは頬を引きつらせた。
 注意到從剛才班諾時不時遞過來的紙片,是馬爾克在馬車裡面寫著的紙張,我抽蓄起了臉頰。

 ちょ、マルクさん!? もしかして、「阿呆」ってマルクさんが書いたんですか!? 素敵紳士だと信じていたのに! 前もって準備しておく言葉があんなのばっかりなんて!
 等、馬爾克先生!? 難道,「笨蛋」是馬爾克先生寫的嗎!? 明明相信是個帥氣紳士的! 提前事先準備的話語那麼樣多什麼的!

 ベンノの代筆で「阿呆」とか「黙れ」と書いていることはわかっていても、ショックが大きい。あんないつも通りの笑顔で書かないでほしい。
 就算明白以班諾的代筆寫著「笨蛋」與「閉嘴」,驚嚇也是很大的。希望不要用那種往常般的笑容來寫。
 落ち込むわたしにまた小さな紙が回された。「口を開くな」と書かれている。
 又有小紙張轉給了消沉的我。被寫著「別開口」。

「……何を作るかによります。ご存じでしょうが、事業に関しては、利益が定期的に定量入ることなどありません。そして、現在、新しい事業の準備中でございますが、これは利益どころか、初期投資にお金がかかる有様でございます」
「……取決於製做了什麼。如您所知,有關事業,利潤是不會定期地定量進入的。然後,現在,新的事業在準備中,這哪有利潤呢,在初期投資上是要花錢的狀態」
「それはそうだが……」
「雖然是那樣說……」
「工房の維持、新事業の開拓を考えますと、純利益の1割程度が妥当だと考えます」
「考慮工坊的維持、新事業的開拓之後,考慮純利潤的1成左右是妥當的」

 神官長の言葉を遮るようにしてベンノが1割という数字を出すと、神官長は不快そうに眉を寄せた。
 班諾像是打斷神官長的話語提出了所謂1成的數字後,神官長不愉快地皺起了眉頭。

「1割とはずいぶんと少なくないか?」
「1成相當的少不是嗎?」
「……失礼ながら、多すぎるくらいでございます。流通にかかる費用や材料費、職人への給料は減らすことなどできません」
「……儘管很失禮,但甚至都太多了。花費在流通上的費用和材料費,給職工的薪水是不能減少的」
「しかし……」
「但是……」
「利益を少し削ってでも売らなければならないことがあるのですが、マイン工房の事業が赤字の場合はご負担いただける……と言うわけではないのでしょう?」
「雖然有稍微削減利潤也必須要販售的事情,但瑪茵工坊的事業赤字的場合是能負擔的……是沒說過的對吧?」

 神官長は押し黙った。負担などできるはずがない。神殿自体が赤字経営だと言っていたのだから。
 神官長緘默了。負擔之類的應該做不到。因為有說過神殿本身是赤字經營。
 そして、神官長には反論も難しいだろう。神殿は孤児院の孤児から灰色神官という労働力を得て、領主や青色神官の実家から収入を得ている。神殿の収入や支出は商売をしている店と全く違う種類のものだ。多分、神官長には店の仕組みも給料の仕組みも理解できないと思う。
 然後,神官長要反駁也很難吧。神殿得到來自孤兒院的孤兒名為灰色神官的勞動力,得到來自領主和藍色神官的老家的收入。神殿的收入和支出與做著生意的店家是完全不一樣種類的東西。我想大概,神官長無論是店家的結構還是薪水的結構都無法理解。

「マイン様が報酬として受け取られる分を神殿に寄付するのは個人の自由でございますが、工房の利益から、となると、商売が立ち行かなくなるほどの金額を寄付することはできかねます」
「瑪茵大人將做為報酬收下的份捐贈給神殿是個人自由,但因為變成、工坊的利潤後,把生意變得無法成立般的金額做為捐贈是做不到的」
「……わかった。1割だ」
「……知道了。就1成」

 次々と畳みかけるベンノが主導権を握る形で、神殿への上納金が決定した。
 以班諾一次次堆疊起掌握主導權的形式,決定了給神殿的上繳金。
 ベンノ自身は手数料で3割を平然と持っていき、神殿の取り分は1割に抑えるベンノの手腕に、おぉ、と感心していると、さっとマルクが契約書を取り出して、テーブルに並べ始めた。
 班諾本身以手續費泰然地拿到了3成,神殿的應得份抑制在1成是班諾的手腕,哦、地佩服著時,唰地馬爾克拿出了契約書,開始排列在桌子上。
 言質を取ったら、即契約。マルクの活躍はベンノに比べて一見地味だが、凄い。貴族である青色神官の側仕えにも負けていないと思う。
 取得許諾的話,馬上契約。馬爾克的活躍對比班諾乍看很樸素,但很厲害。我認為不會輸給身為貴族的藍色神官的近侍。

 貴族の集合体である神殿との契約なので、テーブルに広げられたのは契約魔術用の契約書だった。
 由於是跟身為貴族集合體的神殿的契約,被攤在桌子上的是契約魔術用的契約書。
 マイン工房の純利益の1割を神殿に納める旨を書き、神殿の代表として神官長、マイン工房の工房長であるわたし、そして、後見人として財務表を提出する義務を負ったベンノがサインして、血判を押していく。
 寫著將瑪茵工坊的純利潤的1成繳納給神殿的宗旨,作為神殿的代表的神官長,身為瑪茵工坊的工坊長的我,然後,作為保護人提交財務表負有義務的班諾簽上名,按下血印。

 また血~!? 契約魔術、嫌い。
 又是血~!? 契約魔術,討厭。

「マイン、何をぼんやりしている? 君の番だ」
「瑪茵,發什麼呆呢? 輪到妳了」

 刃物を指先とはいえ、自分に向けるのが未だに慣れない。神官長に促され、わたしは震える手でナイフを握る。すると、横からそっと手が伸ばされ、誰かがナイフを取りあげた。
 將刀具雖說是指頭、朝向自己還不習慣。被神官長催促,我用顫抖的手握著小刀。於是,從旁邊手悄悄地被伸長,有誰拿起了小刀。

「目を瞑ってください、マイン様」
「請閉上眼睛,瑪茵大人」
「フラン……」
「弗蘭……」

 ギュッと目を閉じて手を出すと、指先にチクリとした痛みが襲ってきた。目を開けるとぷっくりと血が盛り上がっている。
 緊緊地閉上眼睛伸出手後,在指頭上作為刺痛的疼痛襲來了。睜開眼睛後血圓鼓鼓地脹了起來。
 フランが差し出す契約書に指を押し付けると、いつものように契約書が金色の炎に包まれて消えた。
 弗蘭將手指壓上遞出的契約書上後,契約書如同往常被金色的火焰包圍消失了。

「わたしの疑問は以上だ。本日は実に有意義な時間を過ごせた。礼を言うぞ、ベンノ」
「我的疑問是以上。今天確實度過了有意義的時間。向你道謝,班諾」
「もったいないお言葉でございます」
「勞您貴言」

 神官長とベンノが挨拶を交わす間に、マルクはさっさと契約魔術に使った道具を片付け、フランはテーブルの上の茶器を端にまとめ、アルノーはカーペットを準備し始めた。
 在神官長與班諾交換問候的期間,馬爾克收拾著剛才在契約魔術上使用的工具,弗蘭在一邊彙整桌子上的茶具,阿魯諾開始準備地毯。

「では、神の導きによる出会いと契約に祈りと感謝を」
「那麼,根據神的引導對相遇與契約獻上祈禱與感謝」

 そう言いながら、神官長がベンノとわたしをカーペットの方へと招いた。全員でぞろぞろとカーペットの方へと移動しながら、わたしはベンノとマルクを見上げて、笑うのを必死に堪えていた。
 一邊那樣說,神官長一邊把班諾與我招待往地毯的方向。全員一邊魚貫地往地毯的方向移動,我一邊仰望著班諾與馬爾克,拚命地忍著笑。

 これは、もしや、ベンノさんとマルクさんのグ○コ!? 見たい! マジ見たい! けど、絶対に腹筋崩壊する!
 這個,難道是,班諾先生與馬爾克先生的固○果!? 想看! 真的想看! 但是,腹肌絕對會崩壞!

 脳内ですでに繰り広げられている二人の揃ったグ○コの破壊力に口を押さえていると、いきなり身体から力抜けていった。
 對已經在腦內被展開的兩人統一的固○果的破壞力壓著嘴巴時,突然從身體裡脫力了。

「へわっ!?」
「嘿哇!?」

 お嬢様らしからぬ声が口をついて出る。わたしはガクンと膝が折れるように崩れ落ち、そのまま頭の重みで前に上半身が投げ出された。
 不像千金小姐的聲音脫口而出。我猛然像是屈膝般崩垮了,就那樣因頭的重量上半身被拋出到前面。

「マイン様!?」
「瑪茵大人!?」

 後ろにいたフランが悲鳴のような声を上げると同時に、全員の視線がわたしの方へと向かう。
 與在後面的弗蘭發出悲鳴般的聲音的同時,全員的視線轉向了我這邊。
 べしゃりと崩れているわたしを見て、神官長は呆れたように溜息を吐いた。
 看到頹然垮下的我,神官長像是吃驚地嘆了一口氣。

「マイン、早く立ちなさい。みっともない」
「瑪茵,請快點站起來。不像樣」

 神官長に言われるまでもなく、わたしは何度も立ち上がろうとしていたが、全く手が動かない。頭が持ち上がらない。
 無需神官長來說,雖然我好幾次打算站起來,手完全無法動。頭抬不起來。

 ……何これ?
 ……這是什麼?

「あの、身体が変。全然力が入らないんです。でも、熱が上がってくる気配もなくて、手足は逆に冷たいくらい。……ベンノさん、これ、何でしょう?」
「那個,身體很奇怪。完全無法注入力量。但是,也沒有發燒的跡象,手腳相反好像很冰冷。……班諾先生,這個,是為什麼呢?」
「知るか! 俺に聞くな!」
「誰知啊! 別問我!」

 怒鳴るベンノに抱き上げられたので、いつものように服をつかもうとしたけれど、腕が全く動かない。だらんと肩から下がる腕が重たくて、まるで自分のものではないようだ。
 由於被怒吼的班諾抱了起來,雖然打算像平常一樣抓著衣服,但手臂完全不能動。軟趴趴地從肩膀下垂的手臂很重,簡直就不像是自己的東西。

「神官長、御前を騒がせたこと、幾重にもお詫び申し上げます。退出の挨拶を省略させていただき、帰途につきたく存じます」
「神官長,打擾了您,鄭重道歉。請讓我省略退出的問候,想要踏上歸途了」
「あ、あぁ、構わない。マインを任せる」
「啊,啊,別介意。瑪茵拜託了」

 わたしを抱き上げた状態でベンノが、凍りついたように真っ青な顔でわたしを見ている神官長に暇乞いをする。
 班諾以抱起我的狀態,用結成冰般的鐵青的臉看著我向神官長辭行。
 その間もいつものように熱が上がってくるような気配が全くなかった。まだ比較的涼しいとはいえ、夏の初めなのに、どちらかというと身体がどんどん冷えていくような感じだ。
 那期間也完全沒有像平時那樣發起燒來的跡象。雖說是還比較涼快,明明是夏季的初始,身體該說是哪裡不斷地冷卻起來般的感覺。

 慌ただしくマルクが帰宅準備を終え、アルノーとフランがわたしを抱いて大股で歩くベンノのために扉を開ける。けれど、ベンノが少し速く歩きすぎているのか、扉が開いておらず、足を止めることになったベンノが軽く舌打ちする。
 慌張的馬爾克結束了回家準備,阿魯諾與弗蘭為了抱著我用大步走著的班諾打開了門扇。但是,班諾稍微走太快了了嗎,門扇還沒打開,停下腳的班諾輕輕咋舌。

 いつも倒れると時とは違い、意識が途切れることもなく、ぶらんぶらん揺れる手足の感覚がおかしいたけだ。ガクンとなっている頭の重さを感じながら、わたしは一つだけ残念に思った。
 與往常倒下的時候不一樣,意識沒有中斷,搖搖擺擺搖晃著的手腳的感覺很奇怪。一邊冷不防感受著頭的重量,我一邊想著只有一個遺憾。

 ……ベンノさんとマルクさんのグ○コ、見損ねたなぁ。
 ……班諾先生與馬爾克先生的固○果,沒看成呢。

======================================================================
 ベンノさんとマルクさんのWグ○コの前後どちらでマインを倒れさせようか、真剣に悩みました。
 要以班諾先生與馬爾克先生的W固○果的前後某處讓瑪茵倒下了嗎,認真煩惱著。
 ベンノさんをカッコイイと言ってくださる方が多いので、諦めました。
 由於說了讓班諾先生帥氣的很多,而放棄了。

 次回は、倒れた原因とお説教です。
 下回是,倒下的原因與說教。
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