本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 家族会議第一部士兵的女兒 家族會議
原文連結「おかえり、二人とも」「歡迎回來,你們兩位」
笑顔でドアを開けてくれたトゥーリがドアを開けたままの状態で、パチパチと何度か目を瞬いて、少し不安そうに眉を寄せた。 用笑容給打開門的圖麗以依舊打開門的狀態,連續不斷地眨了好幾次眼,稍微不安似的皺起了眉毛。
「……どうしたの、父さん? 怖い顔になってるよ? 外が寒かった? それとも、マインが重かった?」「……怎麼了嗎,爸爸? 變成了可怕的臉了唷? 外面很冷嗎? 還是說,瑪茵很重呢?」
「トゥーリ、ひどい」「圖麗,好過分」
わたしがぷくぅっと膨れて見せると、父が苦笑しながら「マインは軽すぎる。もっと大きくなれ」と言ってわたしを下ろした後、頭をぐりぐりと撫でた。 我展現了氣嘟嘟的臉頰後,父親一邊苦笑一邊說著「瑪茵太輕了。要長得更大」將我放下來之後,畫著圓撫摸著頭。
父の緊迫した雰囲気が少し和らいで、トゥーリが安心したように小さく笑う。「ごめん、ごめん」と謝りながら、わたしの頭に残っていた雪をパタパタと払い始めた。 由於父親緊迫的氛圍稍微緩和了,圖麗像是安心了小小笑著。一邊「抱歉、抱歉」地道歉,一邊開始輕輕拍打地撢著殘留在我頭上的雪。
「帰りはちょっと吹雪になり始めてて寒かったんだよ」「回來稍微開始變成暴風雪很冷的唷」
一瞬で雰囲気を変えたトゥーリに心の中で拍手しながら、唇を尖らせて見せると、トゥーリもわたしの真似をして唇を尖らせた。 一邊在心中對用一瞬間改變氛圍的圖麗拍手,一邊展示噘起了嘴唇後,圖麗也模仿起我噘起嘴唇。
「マインは父さんに抱っこしてもらって、コートにまで入っていたんだから、寒くなかったでしょ? わたしじゃできないよ」「因為瑪茵請爸爸抱著,進入到外套裡面,就不冷了對吧? 我就做不到唷」
クスクス笑いながら、わたしはトートバッグとコートを片付けに寝室へと向かう。 一邊竊笑著,我一邊整理手提包與外套往臥室去。
台所では、母が夕飯の準備をしていた。 在廚房,母親在做著晚餐的準備。
「おかえりなさい。……先にご飯にしましょうか?」「歡迎回家。……要先吃飯嗎?」
何を口にするより、父の緊迫した雰囲気と表情から何かあったことは察したようだ。一瞬だけ眉を寄せた後、母は微笑みながら配膳を始める。 比起說了什麼,更似乎從父親緊迫的氛圍與表情中察覺到發生了什麼。只有一瞬間皺起眉毛之後,母親一邊微笑一邊開始擺放飯菜。
「さぁ、召し上がれ」「來,吃飯吧」
「いただきます」「我要開動了」
母に促されて、普段に比べてずっと口数が少ない夕飯を食べ始めた。 被母親催促著,開始吃著比平時還寡言得多的晚飯。
まだ話をしたわけではないのに、眉間に皺を刻んでいる父。目を伏せている母。困ったように様子を伺うトゥーリ。すでに雰囲気が重い。 明明還沒談過話,卻在眉間刻劃下皺紋的父親。低下頭去的母親。像是困擾般探聽著情況的圖麗。已經氛圍沉重。
三人の様子を伺いながら、わたしは熱いスープを口に運ぶ。 一邊探查著三個人的情況,我一邊把熱湯送進嘴裡。
本当に話しちゃって大丈夫かな? あと一年なんて言ったら、父さん、発狂して大暴走しない? どうやって話を進めたらいい? 魔術具にかかったお金はなるべく伏せておきたいんだけど……。 說出真話是不是不要緊呢? 還有一年什麼的說了的話,爸爸,會不會發狂大暴走呢? 要怎麼做來推進談話才好呢? 雖然說花在魔術具上的錢想盡量先隱瞞……。
食事が進むにつれて、この後の話にばかり気がいって、心臓がバクンバクンと音を立て始める。 隨著用餐進行著,光留心在這之後的談話上,心臟開始怦咚怦咚地發出聲音。
「ごちそうさまでした」「多謝款待」
食器が一度下げられて、母の手によって鎮静効果のあるハーブを煮出したハーブティがコトンコトンとテーブルの上に置かれた。 餐具被撤下一次,由母親的手熬煮有鎮靜效果的香草的香草茶叩咚叩咚地被放置到桌子上。
「何があったか、話してくれるんでしょう?」「發生了什麼嗎,有話要說的對吧?」
父の隣に座りながらそう言った母に、父は緩く首を振った。薄い茶色の瞳がぴたりとわたしに向けられる。いつものでれっとした笑みが欠片も見つけられない父の真剣な目は怖いほどで、わたしはゴクリと息を呑んだ。 對一邊坐到父親隔壁一邊那樣說的母親,父親緩緩地搖了搖頭。淺棕色的瞳孔正好被轉向了我。由於總是散漫著的笑容的碎片也不被發現的父親認真的眼神很恐怖般,我咕嚕地嚥下一口氣。
「話があると言ったのは、マインだ」「說是有話要說的,是瑪茵」
父の言葉と共に家族全員の視線がわたしに向かってくる。家族と話すだけなのに、緊張して喉がカラカラに乾いてきた。 與父親的話語一起家族全員的視線朝向了我。明明只是跟家人對話,卻緊張到喉嚨乾燥不已地乾了起來。
「えーと、わたしの病気のことなんだけど、その……」「呃,就是說我的疾病的事情,那個……」
何から言えばいいのだろうか。何と説明すれば、わかりやすいだろうか。そんなことばかりが頭を回っているのに、肝心の説明するための言葉は全く出てこない。妙な汗が出てきて、焦れば焦るほど頭が真っ白になってくる。 要從什麼開始說才好呢。要怎麼做說明,才會容易明白呢。明明只有那種事情迴轉於腦中,但為了能做關鍵說明的話語卻完全出不來。冒出了奇怪的汗,越著急腦袋越變得一片空白。
わたしが言葉を探して口をはくはくさせていると、父がすぅっと目を細めた。 我尋找著話語讓嘴巴一開一合後,父親迅速地瞇起眼睛。
「病気は治ったんだろう? ギルド長のお宅に数日間いて、治ったから帰ってきた。そうじゃないのか?」「疾病治好了吧? 待在公會長的住宅那幾天裡,因為治好所以回來了。不是那樣的嗎?」
「あの、結論から言うと、治らないの」「那個,從結論來說的話,治不好的」
頭が真っ白になったわたしは、全ての説明をすっ飛ばして、結論だけを述べてしまった。 腦袋變得一片空白的我,省略了所有說明,只陳述了結論。
家族にとってはかなり大きな爆弾になったようで、一瞬の沈黙の後、家族全員が目を剥いて、大きく息を呑んだ音が響いた。 對家人來說似乎成為了相當大的炸彈,一瞬間沉默之後,家族全員瞠目結舌,響著大大嚥下一口氣的聲音。
直後、父が椅子を蹴倒すような勢いで立ち上がり、テーブルをドンと叩く。 緊接著,父親以踢倒椅子似的氣勢站了起來,咚地敲打著桌子。
「……どういうことだ!? 治すと言ったギルド長が俺達を騙したのか!?」「……這是怎麼一回事!? 說治好的公會長欺騙了我們嗎!?」
「治ったんじゃなかったの、マイン!?」「不是治好了嗎,瑪茵!?」
正面の父と隣のトゥーリに詰め寄られて、わたしは二人を何とか落ち着かせようと、手をパタパタ振って、座らせる。 被正面的父親與隔壁的圖麗逼問,我設法讓兩人冷靜下來,並輕輕揮舞著手,讓他們坐下。
「ちょっと、落ち着いて座って。わたしも知ってることが少ないし、どう説明したらいいかわからないから、思いつくままに喋る感じになっちゃうんだけど……」「等下,冷靜下來坐好。雖然說我知道的事情也不多,因為不知道該怎麼說明才好,會變成依照想到的來說出來的感覺……」
歯ぎしりの音が聞こえそうなほど奥歯を噛みしめた父がドカッと座った。 似乎聽到磨牙的聲音般咬牙切齒的父親咚地坐下了。
母は何とか落ち着こうとしているのか、震える手でコップを手にした。コクリと一口飲んで、先を促す。 母親是正打算要想辦法冷靜的嗎,用顫抖的手把杯子拿在手裡。微低下頭地喝了一口,催促著下文。
「えぇ、ちゃんと話してちょうだい」「好的,請好好說下去」
隣のトゥーリもコップに手を伸ばしたのが見えて、わたしもコップを手にとって、コクリと一口飲んでから、口を開いた。 能看到隔壁的圖麗也向杯子伸手,我也把杯子拿到手上,微低下頭地喝了一口之後,開口了。
「わたしの病気ね、身食いって言うんだって。すごく珍しい病気らしいの」「我的疾病呢,是叫做身噬的。似乎是非常罕見的疾病」
「聞いたことがないな」「沒聽過呢」
父はわたしの言葉に頷いたけれど、トゥーリはコップを握りしめたまま、小さく呟いた。 雖然說父親對我的話語點了頭,但圖麗仍舊緊握著杯子,小小地嘟噥著。
「……わたし、前にマインから聞いた。治すのにすごくお金がかかるって」「……我,之前從瑪茵那聽過。治好的話要花非常多的錢」
「お金!?」「錢!?」
今度は目を剥いた母がガタッと立ち上がった。顔色が悪い。間違いなく、ギルド長に対して、自分達がお金を払っていないことに気付いたのだろう。できれば、金額については伏せておきたかったが、そういうわけにもいかないようだ。 這一次是瞠目結舌的母親嘎嗒地站了起來。臉色很不好。毫無疑問,對於公會長,注意到了我們自己沒有付錢的吧。可以的話,關於金額想先隱瞞著,但那樣似乎是不可能的。
「母さん、説明していくから聞いて」「媽媽,因為會繼續說明要聽好」
「……」「……」
物言いたげにわたしを見ながら、母がゆっくりと座り直す。 一邊看著只是說著話的我,母親一邊慢慢地重新坐好。
全員がこちらに向いているのを感じて、わたしはまず身食いについての説明を始めた。 感覺全體人員都朝向了這邊,我首先開始關於身噬的說明。
「身食いってね、身体の中に勝手に動く熱があって、それがどんどん増えていくの。ものすごく怒ったり、死にたいくらいがっかりしたり、そういう時に熱が勝手に身体の中で暴れ回って、自分が食べられていくような感じがする病気なの」「是說身噬呢,是在身體裡面有著會擅自活動的熱,那個會不斷地逐漸增加。在非常生氣時,在想死般心灰意冷時,在那種時候熱會擅自在身體裡面橫衝直撞,感覺到自己好像會被吃下去的疾病」
「食べられるって……」「被吃掉嗎……」
トゥーリが真っ青になりながら、わたしを見つめる。指先や髪の先まで見て、本当に食べられているところがないか、確認している。 圖麗一邊變得鐵青,一邊凝視著我。就連指尖或髮梢都看著,是不是真的有被吃掉的地方呢,做著確認。
「身食いの熱も普段は自分の意思で動かせるんだよ。真ん中の奥の方に閉じ込めておく感じにしていると、大丈夫なんだけど、どんどん増えていくんだよね」「身噬的熱平時也能以自己的意思活動唷。做出事先關進正中央的深處的感覺後,雖然說不要緊,但會不斷地逐漸增加呢」
「ふ、増えたらどうなるの?」「增、增加的話會變怎樣呢?」
震えながらトゥーリがぎゅっとわたしの手を握った。 圖麗一邊顫抖一邊緊緊地握著我的手。
「閉じ込めておけなくなって、バーンと飛び出して、身体から溢れそうになるの。溢れる前にわたしが呑みこまれちゃうんだけど……今回もそんな感じで、熱が溢れて、溺れて食べられそうになったの。ギルド長は魔術具を使って、熱を吸い取ってくれたんだよ。いっぱい吸い取ってくれたんだけど、これはまた増えていくから、完全に治るってことは絶対にないんだって」「會變得關不住,磅地飛出來,變得從身體裡溢出似的。雖然說在溢出之前我會被吞進去……這次也是那樣的感覺,熱溢出了,造成了溺水又快被吃掉。公會長使用了魔術具,給吸走了熱唷。雖然說給吸走了一大堆,但因為這個又會逐漸增加,完全治好是絕對不可能」
う~っと唸って、今にも泣きそうな潤んだ目でトゥーリがわたしを睨んだ。睨んでいるというよりは泣きそうなのを必死に我慢している顔と言った方が良いだろうか。 圖麗嗚~地呻吟著,現在也用快哭似的濕潤眼神注視著我。比起所謂注視著說是拚命忍耐著快哭似的表情會比較好嗎。
トゥーリを見ていたら、もらい泣きしてしまいそうで、目を逸らしたわたしはもう一度コクリとお茶を飲む。看著圖麗的話,似乎會接受哭泣,別過目光的我再一次微低下頭地喝著茶。
「あとね、その変な熱がわたしを少しずつ食べているから、あんまり大きくならないんだって、フリーダは言ってた。身食いを治すには、魔術具が必要で、お貴族様しか持ってないから、すごく高いの。それに、貴族階級とお付き合いがあるギルド長のようなお家じゃないと手に入らないんだって」「還有呢,話說因為那個奇怪的熱會一點一滴吃掉我,而變得長不太大,芙莉妲說過了。在治療身噬上,魔術具是必要的,因為只有貴族大人擁有,非常貴的。而且,不是好像與貴族階級有所往來的公會長的世家就無法得到」
「だったら、マインが助かったのは……やはりギルド長のお陰で間違いはないんだな?」「這樣的話,瑪茵獲救了……毫無疑問果然是託公會長的福吧?」
感情をぶつける先を見失い、力が抜けたような父の掠れた声にわたしは小さく頷いた。 我對迷失了投放感情的去處、虛脫無力似的父親沙啞的聲音小小點著頭。
「うん、ギルド長がフリーダのために集めていた魔術具を一つ、譲ってくれたの。だけど、もうないから、この先をどうするか自分で決めなさいって言われた」「對,公會長將為了芙莉妲收集著的魔術具一個,給出讓了。但是,因為已經沒了,被說了這之後該怎麼做呢請自己決定」
「この先? 何か治る方法があるのか!?」「這之後? 有什麼治好的方法嗎!?」
身を乗り出す父の目に希望の光が見て取れる。今にも泣きそうだったトゥーリの目も輝いた。 在探出身子來的父親眼裡探查到了希望之光。現在也快哭似的圖麗的眼睛也閃耀著。
家族の期待に満ちた目が痛いと感じながら、ただ生きるだけの方法である選択肢をわたしは家族に伝える。 一邊感受到充滿家人期待的眼神很痛,一邊將作為僅僅只是活著的方法的選項傳達給家人。
「貴族と契約して飼い殺されるか、家族と暮らしてこのまま朽ちるか、2つに1つだって……」「是跟貴族做契約被眷養到死呢,還是跟家人生活著就這樣腐朽呢,是2個裡的1個……」
「飼い殺される? どういう意味だ?」「被眷養到死? 是什麼意思?」
父の表情が理解不能と言わんばかりに歪んだ。言葉の意味がよく理解できなかったのか、トゥーリがきょとんとした顔で首を傾げる。母は蒼白になったまま、きつくコップを握りしめている。 父親的表情幾乎要說出無法理解地扭曲著。話語的意義無法好好理解嗎,圖麗用發楞的表情歪頭不解。母親依然變得蒼白,緊緊地緊握住杯子。
「フリーダは貴族と契約しているから、魔術具を譲られて元気なの。家が裕福で力のある商人だから、条件の良い貴族と契約できたって言ってた。わたしは貴族と付き合いもないから、契約して命を繋いでもどういう扱いになるかわからないって」「因為芙莉妲與貴族做了契約,被讓渡了魔術具而有精神。說過了因為家裡是富裕又有力的商人,而能跟條件好的貴族契約。因為我跟貴族沒有往來,即便做了契約維繫著生命也不知道會變成怎樣的對待」
「……それは、生きてるとは言えんだろう」「……那個,能說是活著吧」
力ない父の呟きにわたしも深く頷いた。麗乃としての人生を歩んだからこそ、わたしは貴族の言いなりで、自分の自由にならない生き方を許容できない。 我也對無力的父親的嘟噥深深點著頭。正因為走過了作為麗乃的人生,我無法容許因貴族的唯命是從,而變得沒有自己的自由的生存方式。
「ねぇ、マイン。お金はどうしたの? その、譲っていただいた魔術具だって、無料ではなかったのでしょう?」「喂,瑪茵。錢是怎麼樣了? 那個,承蒙讓渡的魔術具,並非是免費的對吧?」
我慢できないとばかりに母が口を開いた。わたしはやはり流してくれなかったか、と心で呟きながら、頷いた。 母親才剛忍耐不住就開口了。一邊在心裡我果然無法做罷嗎、地嘟噥著,一邊點頭。
「わたしが払ったから、大丈夫」「因為我支付了,不要緊」
「いくらだったの?」「是多少錢呢?」
「高かったけど、命の値段だと思えば、まぁ……」「雖然很貴,但想到是生命的價錢的話,算了……」
「だから、いくらだったの? 話をするんでしょう? 隠し事はなしよ」「所以,是多少錢呢? 要對談的對吧? 沒有隱藏的事情喔」
わたしが言葉を濁すと、母がキッと目を吊り上げて怒りだした。うっと小さく呻きながら、わたしは少しばかり視線を逸らして、値段を呟く。 我含糊其辭後,母親猛然豎起眼睛生起氣來。一邊嗚地小小聲音著,我一邊稍微撇過視線,嘟噥著價錢。
「……小金貨2枚と大銀貨8枚」「……小金幣2枚與大銀幣8枚」
父の年収の2年半分に相当する金額に、みんなが目を剥いて口をポカーンと開けた。 對相當於父親年收入的2年半分的金額,大家瞠目結舌呆呆地張著嘴巴。
「小金貨2枚と大銀貨8枚!? そんな大金、どうやって……」「小金幣2枚與大銀幣8枚!? 那樣的鉅款,怎麼做到的……」
「……ベンノさんが『簡易ちゃんリンシャン』の権利を買ってくれたの。作るのも、売るのも、値段を付けるのも全部ベンノさんの権利にする代わりに、身食いを……」「……班諾先生給買下了『簡易潤洗劑』的權利。作為不論是製做、還是販賣、或者制定價錢全部都作為班諾先生的權利的代替,將身噬……」
「えぇぇ!? カンイチャンリンシャンってそんなに高かったの!?」「咦!? 減益論喜計那麼貴嗎!?」
いつも油を絞って作っていたトゥーリが驚きの声を上げた。森で採ってきた収穫物を絞るだけだから、労力はかかっているが、元手は0だ。それを大金で買うという感覚がトゥーリには全く理解できないらしい。 總是榨油製做著的圖麗發出驚恐的聲音。因為只是絞榨著在森林採集到的收穫物,雖然花費著勞力,但本錢是0。所謂用鉅款購買那個的感覺圖麗似乎完全無法理解。
「うん、お貴族様に売れば、かなり稼げるみたいだよ。もう工房があってね……」「嗯,賣給貴族大人的話,好像相當賺錢唷。已經有工坊了呢……」
わたしがトゥーリにリンシャンの工房ができた話をし始めると、父が厳しい顔で首を振って、じろりとわたしを睨んだ。 我開始對圖麗說凜香的工坊做好的話,父親用嚴峻的臉搖了搖頭,狠狠地注視著我。
「もう終わった話はいい。聞きたいのはこれからの話だ。再発は確実なんだな?」「已經可以結束對話了。想聽的是今後的話。確實會復發對吧?」
「うん」「對」
「……どのくらいもつんだ? マインの話しぶりではもうわかっているんだろう? 話を必死で逸らしていたのも、それを聞かれたくなかったからだな?」「……還擁有多久呢? 瑪茵說話時已經明白了對吧? 拚命地把話題岔開著,也是不想讓那個被聽見吧?」
「なんでわかっちゃうかなぁ」「為什麼會知道呢」
意外と鋭い父にわたしは思わず溜息を吐いた。身食いが治らないと聞いただけで、椅子を蹴倒して、テーブルを叩くくらい激昂した父に残された時間なんて言えない。そう思っていたが、こう言われては逃れるのも難しいだろう。 我對意外敏銳的父親不假思索地嘆了一口氣。對就只因聽到身噬治不好,就踢倒椅子、宛如敲打桌子般激動著的父親說不出被剩下的時間。雖然那樣想著,但被那樣說了逃跑也很困難吧。
「わかるのは俺が父親だからだ。……こら、話を逸らそうとするな」「會知道是因為我是父親呀。……喂,別打算把話岔開」
薄い茶色の目が睨みを利かせて、わたしを見ている。絶対に誤魔化されもしなければ、答えるまで逃がすこともないと決意している目に観念して、わたしは口を開いた。 淺棕色的眼神緊盯壓迫著,看著我。對做出若絕對不會被欺瞞,直到回答之前都不會放過的決意眼神,我開口了。
「……だいたい一年」「……大約一年」
「っ!?」「!?」
「次に身食いの熱があふれるまであと一年くらいだからよく考えろ、って言われてる」「被說了,因為在下次身噬的熱滿溢為止還有一年左右好好考慮吧」
しんと静まりかえった重い沈黙が満ちた。激昂するかと思った父がぐっと眉間にきつい皺を刻んで、俯く。 變得寂靜的沉重沉默充滿著。認為是激動著嗎的父親使勁地緊緊在眉間刻下皺紋,低著頭。
沈黙を破ったのは、トゥーリの嗚咽だった。 打破沉默的,是圖麗的嗚咽。
「っく……マイン、死んじゃうの? あと一年で?……そんなのってないよ!」「咕……瑪茵,會死嗎? 還有一年?……沒有那種事唷!」
泣くのを我慢するのを止めたように、わあぁぁぁ、と派手に泣き始めたトゥーリが椅子を飛び降りて、わたしをきつく抱き締める。 像是停止了忍耐哭泣,哇啊、地開始大肆哭泣的圖麗跳下了椅子,緊緊抱緊著我。
わたしはトゥーリの背中に腕を回して、なだめるために背中を軽く叩いた。 我在圖麗的背後轉動手臂,為了安慰了輕輕拍著背後。
「トゥーリ、落ち着いて。本当だったら、もう死んじゃってたんだよ。フリーダとギルド長が魔術具を譲ってくれたから、あと一年生きられることになったの」「圖麗,冷靜點。要說真的話,已經死了唷。因為芙莉妲與公會長給讓渡了魔術具,才會變成還有一年可活的」
落ち着かせるつもりで言ったわたしの言葉は、火に油を注ぐ結果になったようで、トゥーリはボロボロと涙を流しながら頭を振った。 打算讓她冷靜而說的我的話語,似乎變成了在火上加油的結果,圖麗一邊撲簌簌地流著眼淚一邊搖了搖頭。
「えぅっ……もう死んじゃってたなんて言わないで! たった一年なんて! そんなの嫌! ひくっ……せっかくちょっと元気になってきたのに! 一緒に森に行けるようになってきたのに! マインが死んじゃうなんて嫌!」「不……不要說已經死了什麼的! 只有一年什麼的! 我不要那樣的! 唏咕……明明好不容易稍微變得有精神了! 明明變得像是能一起去森林了! 瑪茵會死什麼的我不要!」
麗乃の時は大地震で死んだから、家族の嘆きを見ることがなかった。こんな風に悲しませて泣かせてしまったのだろうか。 因為麗乃的時候是因大地震而死,沒見過家人的悲嘆。是像這個樣子讓人悲傷讓人哭泣著嗎。
そして、また得られた家族も、泣かせてしまった。どこまで生まれ変わっても親不孝者の自分が情けない。 而且,再次被獲得的家人,也讓他們哭泣了。就算轉生到哪裡都是不肖子的自己很悲慘。
「泣かないで、トゥーリ。ねぇ、お願い。魔術具じゃなくても、身食いの熱を何とかできる方法がないか、探してみるから」「別哭了,圖麗。好嗎,拜託了。就算沒有魔術具,也有沒有能對身噬的熱做些什麼的方法呢,因為要試著去尋找」
「見つからなかったら、どうなるの!? マイン、死んじゃうんでしょ!? そんなの嫌だよ! ぅわああぁぁぁん」「沒找到的話,會變成怎樣呢!? 瑪茵,會死對吧!? 那種的我不要唷! 哇啊啊」
きつく抱き締められて、泣いてすがられて、胸がきつく締め付けられる。目の奥が熱くなってきて、我慢するつもりだったのに、わたしまで涙があふれてきた。 被緊緊緊抱著,被纏著哭泣著,胸口被緊緊揪緊著。眼睛深處變熱了起來,明明是打算要忍耐的,就連我也淚水滿溢了出來。
「トゥーリ……泣かないでよ。泣きたいのはわたしの方なのに……」「圖麗……別哭了唷。明明想哭的是我這邊……」
「ひくっ……ごめんね、マイン。わたしも探す。マインの病気を治す方法がないか、探すから……。ぅえっ……でもっ……泣き止まなきゃって思っても止まらない」「唏咕……抱歉呢,瑪茵。我也會去找。有沒有治好瑪茵疾病的方法,因為尋找……。不……但是……就算認為必須要停止哭泣卻也停不下來」
わたしも涙をこぼしながら、泣き止もうと努力しているトゥーリの背中を何度もポンポンしていると、父が静かな声で問いかけてきた。 我也一邊灑落的淚水,一邊好幾次砰砰拍著努力著停止哭泣的圖麗背後後,父親用寧靜的聲音詢問了。
「マインはどう考えている? フリーダさんのように生きていく方法もあるんだろう?」「瑪茵是怎樣考慮著的? 也有像是芙莉妲小姐一樣生存下去的方法吧?」
「ぐすっ……わたし、貴族にどう扱われるかわからない状態で、家族と離れて生きたいなんて思えない。ひっく……フリーダは契約した貴族が許してくれたから、成人まで家族と暮らせるって言ってたの。じゃあ、契約した貴族が許してくれなかったら?」「咕嘶……我,以不知道會被貴族怎樣對待的狀態,想跟家人離開活著什麼的從沒想過。唏咕……因為芙莉妲是做了契約的貴族給允許的,說過了到成人為止都能跟家人生活著。那麼,做了契約的貴族不給允許的話呢?」
答えなんて解りきっている。 答案什麼的清楚明瞭。
「すぐに連れていかれちゃうってことだよね? 多分、待っていてくれる貴族の方が少ないんじゃないかな?」「是馬上就會被帶走對吧? 大概,能給予等待著的貴族是不是少之又少呢?」
「……そうだな」「……就是呢」
身食いの熱を貴族が一体どんな風に利用するつもりなのか、全くわからない。けれど、契約し終わった者に時間をくれる方が奇特だと思う。契約が終わると同時に連れ去られると思えば、契約した方が家族といられる時間が短くなるのだ。 貴族到底打算怎麼樣利用身噬的熱呢,完全不明白。但是,我認為給結束契約的人時間還比較奇特。想到在與契約結束的同時被帶離的話,契約方被與家人在的時間變短了呢。
「だからね、このまま家族で暮らして死ぬならそれでもいいかなと思ってる。ぅえっ……家族と離れるの、嫌だもん」「所以呢,我認為如果就這樣跟家人生活到死那樣也不錯吧。不……跟家人分離,是討厭的事情」
「マイン……」「瑪茵……」
母の目にも涙が浮かんでいた。子供達に見せまいとするように少し顔を背けて、目元を拭う。 母親的眼中也浮現著淚水。像是不要讓小孩子們看見般稍微別過臉去,擦拭著眼角。
父は表情らしい表情を浮かべず、じっとわたしを見つめていた。 父親浮現不出像樣的表情,目不轉睛地凝視著我。
「まだ一年あるから。だから、自分がやりたいことを精一杯やって、悔いが残らないように生きるつもり。……わたし、家族と一緒にいていい? やっぱり、貴族と行っちゃった方がいい?」「因為還有一年。所以,要竭盡全力做到自己想做的事情,打算像是不留一絲遺憾地活著。……我,可以跟家人在一起嗎? 還是說,跟貴族去比較好?」
「マインはわたしと一緒にいるの! いなくなっちゃダメ!」「瑪茵是要跟我在一起的! 不在就不行!」
トゥーリがみんなの声を代弁したようで、両親はその言葉に頷いただけだった。 圖麗似乎代言了大家的心聲,雙親只是對那具話語點著頭。
ここにいても良いと許されたことが嬉しくて、わたしは涙を拭って、へにゃっと笑う。 被允許了就算在這裡也可以而高興著,我擦去眼淚,張開口笑了。
「それで、相談したいのはここからなんだけど……」「接下來,想商量的從這裡開始就是了……」
「まだあるの?」「還有嗎?」
母がぎょっとしたように言ったけれど、わたしの病状については現状を知ってもらうための話で、相談ではない。病状を認識した上で、相談に乗って欲しいのだ。 雖然說母親像是大吃一驚般說著,但關於我的病情是用為了得知現狀的談話,而不是商量。是想要在認識病情之後,參與商議吧。
「わたしの、お仕事のこと」「是我的,工作的事情」
「商人になるんだろう?」「是要成為商人吧?」
父が訝しげに眉を寄せた。激昂することも暴れることもなく、落ち着いて話を聞いてくれる父に安心感を抱きながら、わたしは口を開いた。 父親納悶地皺起了眉毛。一邊對既沒激動也沒亂鬧、冷靜聽著談話的父親懷抱著安心感,我一邊開口了。
「そのつもりだったんだけど、わたしも先の見通しが甘かったというか、考えていられなかったというか。……わたしの体力で仕事なんてできないでしょ? オットーさんもそう言ってたの。店に迷惑じゃないかって」「雖然說是那麼打算的,但該說我所預見的將來太天真了嗎,還是說不該被考慮呢。……依我的體力工作什麼的做不到的吧? 歐拓先生也那樣說過。說是不會給店家麻煩嗎」
「オットーのヤツ……」「歐拓那傢伙」
父が苛立ちと怒りを含んだ声で小さく呟いた。オットーは正直に客観的な意見をくれただけなのに、八つ当たりなんてされたら悲惨すぎる。わたしは慌ててオットーが出してくれた案も付け加えた。 父親用飽含焦躁與憤怒的聲音小小嘟噥著。明明歐拓只是老實地給予客觀的意見,被遷怒之類的話太過悽慘了。我驚慌地添加上歐拓給提出的方案。
「だから、手紙や書類の代筆みたいな仕事を家でしながら、今まで通り、ベンノさんに商品を売ったり、門でお手伝いをしたりする方が身体には良いんじゃないかって提案してくれたの」「所以,給做出了說是一邊在家做著好像信件或文件的代筆的工作,一邊就和至今一樣,賣給班諾先生商品,在門做著幫手會不會對身體比較好的提案」
「そうか。オットーのヤツ……。そうだな。オットーの言うとおり、マインは家にいるのが一番だ。無理はしない方が良い」「是嗎。歐拓那傢伙……。也是呢。就像歐拓所說,瑪茵能在家是最好的。不要勉強做比較好」
フッと口元に笑みを浮かべながら、今度は少し嬉しそうに言い切った。 儘管呵地在嘴角浮現笑容,但能斷言這一次似乎稍微很高興。
父の意見に賛成するように、わたしにしがみついたまま嗚咽を漏らすトゥーリも母も何度も大きく頷く。 像是贊成著父親的意見,依然緊緊抱住我洩露著嗚咽的圖麗也好母親也好大大點了好幾次頭。
「わたし、一応ベンノさんの店に入る約束をしているんだけど、それを反故にするのってできるかな?」「雖然說我,姑且做了要進入班諾先生的店的約定,但把那個作廢是否能做到呢」
この街の仕事に関して大した知識がないわたしが両親に聞きたかったのはこれだ。約束を破ることになるけれど、問題はないのだろうか。 有關這座城市的工作沒有了不起知識的我想要跟雙親打聽的就是這個。雖然說會變成違約的事情,但沒有問題嗎。
「まだ正式に入ったわけではないし、仕事中にいきなり倒れると先方も困るわけだから、きちんと話をすれば、大丈夫だろう」「又還沒有正式進入,因為在工作中突然倒下去的話對方也會很困擾,適當地交談的話,不要緊的吧」
「そっか。じゃあ、せっかく見つけた仕事先はもったいないけど、身体優先でお仕事探してみるよ」「是喔。那麼,雖然對好不容易發現的工作地點很可惜,但以身體為優先試著尋找工作吧」
在宅でできる仕事があるか、まずベンノに相談してみるのもいいかもしれない。詳しい話は春になってからだ。 有能在家做的工作嗎,首先試著跟班諾商量比較好也說不定。因為詳細的話要到春天啊。
「ふわあああぁぁぁ……」「呵哇啊啊啊……」
長々と話しこんでいたため、話が途切れた瞬間、わたしの口から大きな欠伸が出た。それを見た母がパンパンと軽く手を叩く。 因為暢談了很久,談話中斷的瞬間,從我的口裡發出大大的呵欠。看到那個的母親啪啪地輕輕拍著手。
「話がそれで終わりなら、もう寝なさい。遅いわ」「如果談話就此結束,已經該睡了。太晚了」
「うん、おやすみなさい」「嗯,晚安」
「ぇっく……ぅくっ……おやすみ、なさ……」「咕……咕……晚、安……」
まだえぐえぐと泣いているトゥーリと寝室に向かって、一緒にベッドに入る。 跟還在抽抽搭搭地哭泣著的圖麗轉向臥室,一起上了床。
「トゥーリ、泣かないで。笑ってる方が可愛いよ。明日から一緒に色んなことしようね」「圖麗,別哭了。笑比較可愛唷。從明天開始要一起做各種事情呢」
「うん、うん。いっぱいマインと遊ぶ。一緒にいるからね」「嗯、嗯。要滿滿地跟瑪茵玩。因為在一起呢」
わたしはトゥーリをなだめながら、布団に潜り込む。 我一邊安慰圖麗,一邊鑽進棉被裡。
すぐにトゥーリがわたしの布団に潜り込んできて、どこにも行っちゃダメだとガシッと抱きついて眠り始めた。安心するならいいかな、とわたしもそのまま目を閉じる。 圖麗馬上鑽進了我的棉被裡來,是去哪裡都不行般死死地抱緊著開始睡了。是否如果能放心就好了呢,地我也就那個樣子閉上了眼睛。
父がもっと発狂したり大騒ぎしたりするかと思っていたが、予想と違って、真剣で言葉少なに話を聞いてくれた。きちんと話ができてよかった、と安堵の息を吐いているうちに意識はゆっくりと落ちていく。 雖然認為父親會更加又是發狂又是大吵大鬧著嗎,但與預料不同,認真又話少地聽起了談話。在能說出恰當的話太好了,地吐出安心的氣息時意識緩緩地掉下去了。
トゥーリが安心できるように好きなようにさせておいて寝ていたが、トゥーリに首を絞められて、目が覚めた。慌ててトゥーリの腕を解いて、その場から脱出する。 雖然事先讓圖麗像是能安心又像是喜歡般睡著了,但被圖麗勒著脖子,醒來了。驚慌地解開圖麗的手臂,從那當下逃出。
死んじゃうから。息できないと身食いじゃなくても死んじゃうから。 因為要死了。因為不能呼吸的話就算不是身噬也會死。
首を擦りながらわたしは目を瞬いた。普段、夜中に目が覚めたら真っ暗のはずの寝室に光の筋が入ってきている。まだ眠たい目を何度か擦ってみたけれど、間違いでも夢でもないようだ。 一邊揉著脖子我一邊眨了眨眼。平時,在夜間醒來的話在應該漆黑的臥室裡有光線進來了。雖然說試著揉了好幾次還想睡的眼睛,但即便搞錯了似乎也不是夢。
ドアが半開きで、まだ竈の火が消されていないことがわかる。話し声は聞こえないので、両親が起きているというわけでもないらしい。 由於門是半開的,能明白爐灶的火還沒被熄滅。由於沒聽見說話聲,似乎並非是所謂雙親起來了。
暗いベッドを見ると、母はすでに眠っているようで、こんもりとした固まりが見えた。 看著暗暗的床後,母親似乎已經睡著了,看得見作為鼓鼓的硬塊。
母さんが消し忘れたのかな? 媽媽是否忘記熄滅了呢?
わたしはするりとベッドを下りて、トゥーリを起こさないように足音を忍ばせて、台所へと近付いた。 我滑下了床,為了不吵醒圖麗而躡手躡腳,往廚房接近著。
竈の炎しかない薄暗い台所で父が一人で酒をあおっていた。 父親在只有爐灶火焰的黯淡廚房裡大口喝著酒。
記憶にある陽気な酔っ払いの姿はどこにもなく、無言で杯をあおりながら、一人静かに泣いている。 存在記憶裡爽朗醉漢的身影哪裡都沒有,無言地一邊大口喝著酒杯,一邊一個人靜靜地哭著。
声にならない慟哭が聞こえるようで、わたしはそっと目を逸らし、静かにベッドに戻った。 似乎聽得見發不出聲的痛哭,我輕輕地別開目光後,靜靜地返回床上。
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深刻な家族会議は終了しました。 重大的家族會議結束了。
次回は新作パルゥレシピを持って、ルッツに報告に行きます。 下回是帶著新作葩乳食譜,去跟路茲報告。