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第一部士兵的女兒 前往歐拓家的招待

作者:SPT草包│2017-01-19 18:47:11│巴幣:0│人氣:278
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 オットー宅へのお招き
第一部士兵的女兒 前往歐拓家的招待
原文連結

 オットー宅へのお招きは、オットーを通して正式にコリンナから招待状が届いた。薄い板に文字が書かれている物だった。
 前往歐拓家的招待是,通過歐拓正式地遞交來自柯琳娜的邀請函。是文字被書寫在薄板上的東西。

「さすがにわたし一人では答えられないです。母さんに聞いてみないと……」
「畢竟不是我一個人可以回答的。不試著問媽媽的話……」

 いくら何でも洗礼前の子供に招待状を出すなんておかしいだろう。普通は親宛てに出す物ではないのか。出欠の確認は親にしなければならないのだから。
 不論如何對洗禮前的小孩子發出邀請函什麼的很奇怪對吧。普通不是發給父母收信人的東西嗎。因為出缺席的確認不是父母是不行的。
 そう言うと、オットーは軽く眉を上げて、首を振った。
 那樣說後,歐拓輕輕地揚起眉毛,搖了搖頭。

「まともに字を読めるのが、一家で君だけじゃないか。それに、この招待は断れないよ。もし、断ったら、君の母親とお姉さんは仕事を干される可能性もあるからね」
「能看懂正面上的文字,一家中不是只有妳嗎。而且,這個招待是無法拒絕的喔。如果,拒絕的話,妳的母親跟姐姐是有丟了工作的可能性呢」
「え!? ど、どういうことですか!?」
「咦!? 這、這是怎麼一回事啊!?」

 コリンナは実家が裕福な商会で、本人が有能なため、裁縫ギルドのお偉いさんらしい。
 由於柯琳娜娘家是富裕的商會,而本人能幹的好處,似乎是縫紉公會的大人物。
色々と説明された結果、針子見習いのトゥーリが平社員かアルバイトみたいな立場で、染色の仕事をしている母が係長みたいな立場だとすれば、コリンナは役員みたいな立場だと理解した。
被各種說明的結果,因為實習女裁縫的圖麗是好像一般社員或打工般的立場,從事染色工作的母親做著好像股長般的立場的話,那就理解了柯琳娜是宛如幹部般的立場。

 身分社会、怖い。お断りはできないんだね、うん。
 身分社會,好可怕。無法拒絕呢,嗯。

 これが、コリンナの招待ではなく、オットーからの招待なら、父の権限で断ることが可能らしい。なかなか難しい。
 如果這,不是柯琳娜的邀請,而是來自歐拓的邀請,似乎有可能用父親的權限來拒絕。相當的困難。

「それに、この機会に招待状の勉強もしようと思ったのさ」
「而且,我認為趁這個機會也能做邀請函的學習啊」
「なるほど。お世話になります」
「原來如此。承蒙關照了」

 オットーと一緒に招待状を見ながら、招待状とその返事の書き方を勉強した。
 一邊跟歐拓一起看著邀請函,一邊學習著邀請函跟那個答覆的寫法。


「コリンナ様からの招待状ですって!? え? マインが!? 何故!?」
「是說來自柯琳娜大人的邀請函!? 咦? 瑪茵嗎!? 為什麼!?」
「オットーさんから聞いて、『簡易ちゃんリンシャン』を使ってみたくなったんだって」
「從歐拓先生那聽到,變得想使用『簡易潤洗劑』看看」
「まぁ! なんてこと!?」
「哇! 這等大事!?」

 家に持って帰った正式な招待状を見た母がパニックを起こした。
 看了帶回家的正式的邀請函的母親引起了恐慌。
 あまりの母の慌てぶりに「断った方がよかった?」と聞いてみたら、くわっと目を剥いて怒られた。
 對太過驚慌的母親試著打聽「拒絕比較好嗎?」看看的話,就會被猛然瞪大眼睛生氣著。

「断るなんてとんでもないわ! 粗相のないようにするのよ!」
「拒絕什麼的太失禮了喔! 要做到毫無差池喔!」
「はい! 気を付けます」
「是! 我會小心的」

 どうやら、招待状というより、召喚命令に近いものらしい。
 看來,比起名為邀請函,似乎更接近傳喚命令。
 母はそこから慌ててわたしのエプロンを新調し始めた。コリンナのところに行くのに、いつもの服では失礼にあたるらしい。
 母親從那之後驚慌地開始新制我的圍裙。對要去柯琳娜的地方,用平常的衣服似乎相當地失禮。
 作りながら、金持ちからの招待に粗相があってはならないから、とわたしに思いつく限りの注意をする。
 因為要一邊製作,一邊又不能對來自有錢人的邀請有所差錯,而對我保有盡可能想到的注意。
 コリンナに簡易ちゃんリンシャンの使い方を教えるだけのつもりが、何だかすごい騒ぎになってきた。
 只是要教柯琳娜簡易潤洗劑的用法的打算,總覺得變成了很厲害的騷動。

「いいなぁ、マインだけ……。作ったのはわたしなのに」
「真好呢,只有瑪茵……。明明做的是我」
「トゥーリも一緒に行っていい、母さん?」
「圖麗也一起去可以嗎,媽媽?」
「ダメよ! お招きもないのに」
「不行喔! 沒有招待的說」

 簡易ちゃんリンシャンを考えたのはわたしだが、今まで作ってきたのはトゥーリだ。
 雖然思考簡易潤洗劑的是我,但至今來製作的是圖麗。
 トゥーリも行く資格はあると思うけれど、招待されていない人を勝手に連れていくのはここでも失礼にあたるようで、トゥーリがいくら羨ましがってもお留守番だ。
 雖然說我認為圖麗也有能去的資格,但擅自將沒被邀請的人帶去在這裡好像也相當失禮,無論圖麗多麼羨慕也只能看家了。

 オットーとは前回の会合と同じ三の鐘に中央広場で待ち合わせをした。
 與歐拓做出跟上回的會晤一樣在三之鐘的中央廣場碰頭。
 わたしはいつもの服の上に、母が作ってくれた新しいエプロンをつけて、父と一緒に中央広場まで向かう。小さな壺に入った簡易ちゃんリンシャンと櫛を忘れずに、トートバッグに入れた。
 我在平常的衣服上,加上了母親做來的新的圍裙,跟父親一起朝向中央廣場為止。為了不要遺忘放進小罐子裡的簡易潤洗劑與梳子,而放進手提包內。

 中央広場の噴水の近くでオットーがすでに待っていて、わたしは父からオットーに引き渡される。
 在中央廣場的噴泉附近歐拓已經在等著了,我經由父親被交給了歐拓。

「班長、心配しなくても責任を持ってお預かりします。じゃあ、行こうか、マインちゃん」
「班長,不用擔心我也會負起責任保管好的。那麼,走吧,小瑪茵」
「うん。いってきます、父さん」
「嗯。我走了,爸爸」
「あぁ」
「啊」

 父に手を振って別れた後、オットーは城壁に向かって歩き始めた。
 對父親揮手分別後,歐拓開始往城牆走去。
 城壁に近い場所にオットーの家はあるらしい。貴族のいる城壁に近いほど、家賃は高くなるので、オットーの家はいわゆる高級住宅地にあることになる。
 歐拓的家似乎在靠近城牆的地方。由於越靠近有貴族的城牆,房租變得越高,形成歐拓的家在所謂的高級住宅地。

「オットーさん、兵士なのに、城壁の近くに住んでるの?」
「歐拓先生,明明是士兵,卻住在城牆的附近啊?」
「コリンナの実家の上に部屋が準備されたんだよ。可愛い妹を手放したがらない義理兄がここに住め、って言ってね」
「被準備了在柯琳娜娘家上方的房間喔。被不想將可愛的妹妹放手的義兄說,住在這裡呢」
「ハァ、なるほど……」
「吓,原來如此……」

 そういえば、オットーは婿養子のようなものだと聞いた気がする。確かに、嫁の実家の援助がなければ、下っ端兵士の給料でこんなところには住めないだろう。
 這麼說來,好像有聽過歐拓是入贅那樣的東西。確實,沒有老婆娘家的援助的話,以下級士兵的薪水是住不起這種地方的吧。
 市民権を買うのに、全財産をはたいたと言っていたし、もしかしたら、結婚当初は文無し状態で嫁の関係者も頭を抱えたのではないだろうか。
 有說過為了買市民權,而散盡了所有財產,或許,結婚當初並不是以身無分文的狀態讓老婆的關係者也抱頭煩惱的吧。

 周囲の人の様子が、わたしの生活圏と少しずつ変わってくる。服の継ぎ接ぎがなくなっていき、ひらひらとした布を多用するデザインになっていく。
 周圍的人的樣子,跟我的生活圈一點一滴地逐漸改變。衣服的補丁變不見了,逐漸變成用了很多飄來飄去的布料的設計。
 1階に並ぶ店の様子も変わっていった。店そのものが大きくなり、従業員が増え、出入りする客も多くなる。大通りを行き来する馬車が増え、荷車を引くロバの姿が減っていく。
 在1樓林立的商店的樣子也起了變化。店鋪那種東西變大了,工作人員增加了,進出的客人也變多了。往來大街的馬車增加了,拉著貨車的驢子身影逐漸減少。

 わたしが歩いて行ける範囲の同じ街の中でここまでハッキリと階層の違いがあるのが衝撃的だった。
 在我能步行前往的範圍的同座城市裡面到此為止明顯地存在著階層的差異而大受衝擊。
 本で読んで、知識として何となく知っていたが、実際目の当たりにするのと想像は全然違う。目を瞬きながらわたしは周囲を観察した。
 總覺得在書上看過、且作為知道是知道的,但實際擺在眼前跟想像是完全不一樣的。一邊眨著眼睛我一邊觀察著周圍。

「ここの3階だ」
「是這裡的3樓」
「3階!?」
「3樓!?」

 オットーの家は7階建ての建物の3階にあった。
 歐拓的家是在蓋了7樓的建築物的3樓。
 1階は店舗で、その上の2階は大体店の持ち主の家族が住んでいる。3~6階が貸し出され、7階は店の住み込みの見習いや従業員の部屋になっていることが多い。通りに近く、井戸に近い階ほど家賃が高くなる。ウチはどちらかというと門に近い場所の5階ということで、収入状況を察してほしい。
 因為1樓是店鋪,那上面的2樓大致上是商店持有人的家族所居住的。3~6樓被出租,7樓很多是變成住進商店的實習或工作人員的房間。變成越靠近街道、越靠近水井的樓層房租越高。是說我家算哪一邊呢因為說是跟門很靠近的地方的五樓,希望能推測收入狀況。
 嫁の実家の上に部屋が準備されたということは、嫁はこの大きな店のお嬢様ということになる。
 是說房間被準備在老婆娘家的上方,就變成了老婆是這家大商店的大小姐這件事。

 ……よく結婚を許されたね。びっくりだ。旅商人と商会のお嬢様では、かなり身分違いな気がするんだけれど、この世界ではどうなんだろう?
 真虧他能被允許結婚呢。嚇了我一跳。旅行商人跟商會的大小姐,雖然說感覺身分相當不一樣,但在這個世界是怎樣的呢?

「ただいま、コリンナ。マインちゃんを連れて来たよ」
「我回來了,柯琳娜。我把小瑪茵帶來了喔」
「いらっしゃい、マインちゃん。よく来てくれたわね。わたしはコリンナ。オットーの妻です」
「歡迎,小瑪茵。真虧妳能來呢。我是柯琳娜。歐拓的妻子。」
「初めまして、コリンナさん。マインです。オットーさんにはいつもお世話になっています」
「初次見面,柯琳娜小姐。我是瑪茵。一直承蒙歐拓先生的照顧」

 初めて見るコリンナは、ビックリするほど可愛らしくて、愛らしい女性だった。
 初次見到柯琳娜,是嚇到般的可愛、甜美的女性。
 月の光を集めたような淡いクリーム色の髪がふんわりとまとめられていて、ほっそりとした首筋を強調している。瞳も銀色のようなグレイで、全体に色彩が淡くて、儚げに見える。
 像是聚集了月光般淡淡奶油色的頭髮輕飄飄地被彙整起來,強調著纖細的脖子。由於眼睛也是銀色般的灰色,整理上色彩很淡,看上去很夢幻。
 それなのに、巨乳。出るところがグッと出て、腰回りはキュッとくびれている。
 明明是那樣,卻是巨乳。該挺的地方更挺了,腰圍緊緊地被勒住。

 オットーさんの面食い!
 以貌取人的歐拓先生!

 応接室に通され、わたしは壁にかかったパッチワークのタペストリーや飾られたコリンナの作品に、ハァ、と軽く息を吐いた。
 通過接待室,我對掛在牆壁上拼布的壁毯或被裝飾著的柯琳娜的作品,哈、地輕輕吐了一口氣。
 装飾のある家庭をここで生活するようになって、初めて見た。
 有裝飾的家庭變成要在這裡生活後,第一次看到。
 おそらく依頼人と仕事の話をするための部屋であることは、大量の服や端切れを使って作られた飾りからわかる。センスよく色とりどりの布に飾られた部屋は、何だかホッとする雰囲気の部屋だった。
 恐怕是作為為了要跟委託人談工作的話題的房間,是從使用了大量的衣服或碎布來被作為裝飾而明白的。被感覺不錯且色彩斑斕的布裝飾的房間,總有種是讓人放心的氛圍的房間。

 ただ、それでも、裕福な商人の家として想像していたより、はるかに質素だった。円いテーブルも椅子も、何か彫られたり、艶々に磨かれたりしている家具ではなく、木目がそのままのシンプルなものだ。
 只是,儘管如此,比起作為富裕商人的住家來想像著,更是遙不可及的樸素。不論是圓桌或椅子,都不是被雕刻了什麼、或被打磨得光滑細緻的家具,是木紋就那樣的簡單的東西。

 確か、北欧の方の家具がシンプルなのも、飽きずに長く使うためだから、冬は雪に閉ざされるこの辺りも、そういう意図で家具を作っているのかもしれない。
 的確,北歐風的家具是很簡單的東西,因為是為了不厭倦且長期使用,冬季被雪所封鎖的這一帶,說不定也是因為那種意圖而製作著家具的。

「わざわざ来てくれてありがとう。髪を綺麗にしてくれるって聞いて、とても楽しみにしていたのよ」
「很感謝妳能特意前來,聽說能把頭髮給變漂亮,所以非常期待著喔」

 ハーブティを入れながら、かけてくれる優しい声からもコリンナは育ち良いお嬢様という雰囲気がにじみ出ていて、おっとりとした雰囲気が庇護欲をそそる癒し系だ。
 一邊倒入香草茶,一邊滲透出了來自發出溫柔聲音的柯琳娜所謂教養良好的大小姐的氛圍,穩重大方的氛圍是能激起庇護欲的療癒系啊。

「おそれいります。わたしもオットーさんからコリンナさんのお話を聞いて、会えるのをとても楽しみにしていたんです。綺麗で可愛いだけじゃなくて、この部屋のセンスも、並べられた服も聞いていた以上でした」
「不勝惶恐。我也從歐拓先生那聽過了柯琳娜小姐的事情,非常期待能夠見面。並非只是因為漂亮而可愛而已,不論是這間房間的感覺、或被排列起來的衣服都比聽到的還要好」
「……本当に躾の行き届いたお嬢さんね。それに、聞いていた通りの綺麗な髪。わたしもこんな風になれるかしら?」
「……真的是家教嚴謹的小姐呢。而且,就如同聽到的一樣美麗的頭髮。我也能變成這種樣子嗎?」

 うっとりとした様子で、コリンナがわたしの髪を撫でる。
 柯琳娜以陶醉的神情,撫摸著我的頭髮。
 商品価値をより高く見せるために、昨日の夜、簡易ちゃんリンシャンを使い始めたら、母とトゥーリの二人がかりで磨かれたのだ。今日のわたしはいつも以上につるつるだ。
 為了更高地顯現商品價值,昨天的夜裡,開始使用簡易潤洗劑的話,就被母親跟圖麗兩個人刷著。今天的我可是比平常還要滑溜溜的。

「早速、綺麗にしますか?」
「要立刻、弄漂亮嗎?」

 トートバッグから壺を出すと、コリンナが顔を輝かせた。
 從手提包裡拿出罐子時,柯琳娜喜出望外了起來。
 素直な感情表現が可愛らしい人だ。オットーが溺愛するのも頷ける。
 是坦率的感情表現很可愛的人。歐拓會溺愛也可以理解。

「髪を洗いたいので、水浴びができる準備が必要なんです。桶に水と、髪を拭くための布をお願いできますか?」
「因為想要洗頭髮,必須要有能洗澡的準備。能拜託裝水的桶子跟、為了擦拭頭髮的布嗎?」
「水浴びだって?」
「是說要洗澡嗎?」

 コリンナではなく、オットーが目を剥いて、声をひっくり返して驚いた。
 不是柯琳娜,而是歐拓瞪大了眼睛,要把聲音推回去的驚訝著。

「……洗うのは髪だけですよ、オットーさん。えーと、オットーさんが準備している間に、コリンナさんは濡れても良い服に着替えてください」
「……要洗的就只有頭髮唷,歐拓先生。呃,在歐拓先生準備的期間,柯琳娜小姐請換上就算濕了也不要緊的衣服」
「えぇ」
「好的」
「……なんだ、服は着たままか」
「……什麼啊,是穿著衣服的嗎」

 子供のルッツじゃあるまいし、さすがに、妙齢の女性に脱げなんて言いません。……っていうか、なんで、ガッカリしたような声出すんですか?
 又不是小孩子的路茲,畢竟,無法對妙齡的女性說脫掉之類的。……是說,為什麼,會發出像是洩了氣一樣的聲音呢?

 力仕事は男の仕事とばかりにオットーに動いてもらい、水浴びの準備をしてもらう。
 勞力活是男人的工作只能請歐拓去行動,去做洗澡的準備。
 寝室に布を敷いて、水を運んでもらったので、髪を拭くための布を準備して、小さな壺を並べて置いた。
 在臥室鋪上布,是為了要運送水,準備著為了擦拭頭髮的布,將小罐子排列放置著。

「……これか。これをどうするんだ?」
「……這個嗎。這個要怎麼用呢?」

 興味津々の目でオットーが壺を振ったり、中を覗きこんだり、匂いを嗅いだりする。
 歐拓又是用興致昂然的眼神搖晃著罐子,又是窺探著內容物,嗅聞著氣味。
 オットーがここにいたら、洗いだしてからも、色々と手を出したり、口を出したり、コリンナと二人の世界に入ったりして、非常に面倒なことになりそうな予感がひしひしとする。
 歐拓在這裡的話,從開始洗之後,會各式各樣的出手、或張嘴,或者進入跟柯琳娜的兩人世界,深深感到似乎會變成非常麻煩的事情的預感。

「男の人は駄目です。準備が終わったら、オットーさんは別の部屋で待っててください」
「男人是不行的。準備結束的話,歐拓先生請在別的房間等待」
「はぁ? 俺は夫だぞ?」
「啥? 我是丈夫的吧?」
「夫なら尚更、綺麗になった妻だけ見て、褒めちぎればいいんです。オシャレの過程を見るなんて野暮なことしないでください」
「丈夫的話更不行,只要看見變漂亮的妻子,極力稱讚就行了。請不要做出觀看打扮過程之類的俗氣行為」
「そうね、オットーは別の部屋で待っていてちょうだい」
「是呢,歐拓就請在別的房間等待著」

 コリンナと二人がかりで、居座る気満々だったオットーを寝室から追い出した。
 跟柯琳娜兩個人,將賴著不走的歐拓從臥室裡趕了出去。
 部屋の前でうろうろしている足音が聞こえているが、無視して壺を手にとると、コリンナの前で、桶に注いでいく。
 雖然聽得見在房間前面來回徘徊的腳步聲,但無視並拿起了罐子後,在柯琳娜的前面,注入了桶子裡面。

「これ、『簡易ちゃんリンシャン』って言うんですけど、桶にこれくらいの水を入れて、このくらい入れてください」
「這個,雖然叫做『簡易潤洗劑』,但是請在桶子裡放入這麼多的水,加入這些份量」
「えぇ」
「好的」
「これに髪を浸して洗っていきます。髪、解いてもらっていいですか?」
「把頭髮泡浸這裡面去清洗。頭髮,請解開可以嗎?」

 コリンナが解いた髪を恐る恐るといった風に桶につけていく。どうやら、前に水浴びをしてからそれほど時間がたっていないのか、コリンナの髪は予想していたほど汚れていない。
 將柯琳娜解開的頭髮用所謂戰戰兢兢的動作放進桶子裡去。看來,是因為在之前洗過澡且沒經過那麼多的時間嗎,柯琳娜的頭髮沒有預測的那麼髒。
 頭皮が綺麗になるように、何度も何度も液をかけながら、洗っていく。
 為了使頭皮變漂亮,好幾次好幾次一邊將液體灑上,一邊洗了起來。

「この辺りは特に念入りに洗ってくださいね」
「這附近請特別用心地清洗」
「……人に洗ってもらうのって、気持ちいいのね。初めて知ったわ」
「……是說請人來清洗,感覺很舒服呢。是第一次知道喔」
「オットーさんなら、頼めば洗ってくれると思いますよ?」
「如果是歐拓先生,我想拜託的話是會來洗的喔?」

 むしろ、頼まなくても手を出しそうな気がする。
 不如說,感覺就算不拜託也會動手的。

「あら、オシャレの過程を見せるのは野暮じゃないの?」
「哎呀,展現打扮的過程不是很俗氣嗎?」
「……目の前で二人の世界に入られたら困ると思っただけです」
「……只是想說在眼前進入兩人世界的話會很困擾的」
「まぁ! ふふっ、こんな幼い子にまでそんな風に言われるなんて、オットーは普段一体どんなことを言っているのかしら?」
「也是! 呵呵,只不過被這樣年幼的孩子說成那樣什麼的,歐拓平常到底是說了些什麼樣的事情呢?」

 いつも洗いっこしているトゥーリより大きいので洗いにくいが、コリンナさんの満足具合でオットーから貰える釘の数が変わってくるに違いない。
 雖然因為是比平常在洗著的圖麗還大而難以清洗,但肯定能用柯琳娜小姐的滿意狀態來去改變從歐拓那裡得到的釘子數量。
 腕によりをかけて丁寧に洗う。
 將依據手腕的使用來仔細地清洗。

「……ねぇ、マインちゃん。一つ聞いても良いかしら?」
「……我說,小瑪茵。可以打聽一件事嗎?」
「何ですか?」
「是什麼呢?」

 コリンナの声が少し硬く聞こえて、思わずわたしは身構えた。
 聽得出柯琳娜的聲音有點僵硬,我不假思索地防備著。

「オットーは門でどんな風?」
「歐拓在門是怎樣的情況呢?」
「……え?」
「……咦?」

 簡易ちゃんリンシャンの作り方でも聞かれるのか、と身構えてしまったわたしには、予想外の質問で、すぐには理解できなかった。
 也是要來打探簡易潤洗劑的作法的嗎,對那樣擺起防備架勢的我來說,是出乎預料的問題,無法馬上理解。
 首を傾げるわたしに、コリンナが表情を曇らせて、呟く。
 對歪頭不解的我,柯琳娜沉著表情,嘟噥著。

「わたしのせいで商人の仕事を諦めることになったから、気になって……」
「因為因我的緣故造成得要放棄商人的工作,所以很在意……」
「気にする必要ありませんよ。門で存分に商人しています」
「不需要在意唷。在門內正盡情地當著商人」

 忙しいと言いつつ、決算期の仕事を全部一人で抱え込んだり、備品を納品にくる商人とやり合ったり、門番の仕事を最大限生かして情報収集したり、オットーの行動原理は商人のものだ。
 一方面說很忙,一方面又將結算期的工作全部一個人承攬下來,又或是跟來繳交備用品的商人爭執不休,以及將門衛的工作做最大限度的活用來收集情報,歐拓的行動原理是商人之物啊。

「え?……門で、商人しているの?」
「咦?……在門內,做著商人嗎?」
「はい。特に、納品に来た業者とやりあったり、注文する時に値切ったりしている時は、とても商人らしい黒い笑顔で生き生きしてます」
「是的。特別是、跟為繳交而來的業者爭執,在訂購的時候討價還價之時,用宛如非常商人的黑色笑容生氣蓬勃地做著」
「ふふっ、マインちゃんにはオットーが商人に見えるの。そう、そうなの。……心のつかえがとれたような気がするわ」
「呵呵,歐拓在小瑪茵看來是個商人嗎。是嗎,是這樣嗎。……感覺內心的疙瘩好像被拿掉了」

 コリンナの髪は布で拭えば拭うほどクリーム色の髪が艶を帯びて、丁寧に櫛を入れると真珠のような光沢を帯びていく。
 柯琳娜的頭髮越是用布擦拭奶油色的頭髮就越帶光澤,仔細地梳著梳子後逐漸帶有珍珠般的光澤。

 ルッツの金髪を洗った時も思ったけど、綺麗で羨ましい。こんな髪がよかったなぁ。
 雖然在清洗路茲的金髮時也想過,令人羨慕的美麗。是這種頭髮就好了呢。

「櫛はできれば、木製の物を使ってください。使えば使うほど、木が液を吸収して、艶が出やすくなりますから」
「梳子可以的話,請使用木製的東西。因為越是使用的話,木頭越會吸收液體,光澤就變得很容易顯現」
「わかったわ。……本当にすごく綺麗になるのね」
「我知道了。……真的變得非常漂亮了呢」

 するりと自分の髪に触れながら、感心したように呟いた。
 一邊觸碰滑溜溜地自己的頭髮,一邊欽佩般地嘟噥著。

「コリンナさんは元々の色が綺麗だし、お手入れされていたようなので、ほんの少しで見違えるほど艶が出ましたね。5~7日に一度くらいこれで洗うといいですよ」
「由於柯琳娜小姐原本的顏色就很漂亮,有被保養過般,幾乎看不出來般的光澤顯現了呢。5~7天一次左右用這個來洗就可以了唷」

 まだ残りが入っている壺を示しながら、頻度の説明をすると、コリンナが首を傾げた。
 一邊示意著還裝有殘留的罐子,一邊做著頻率的說明後,柯琳娜歪頭不解。

「これ、頂いてしまってもいいの? そんな、悪いわ。何か代わりに……」
「這個、可以收下來嗎? 這怎麼、好意思啊。用什麼來替換好……」
「大丈夫です。オットーさんから対価として釘をもらうことになっているんです」
「不要緊的。已經從歐拓先生那裡接受作為代價的釘子了」
「……釘? え? 値切られていない? 大丈夫なの?」
「……釘子? 哎? 沒有被殺價嗎? 真的不要緊嗎?」

 多少値切られていても、作り方を教えたわけではないし、欲しかった釘は手に入るし、これから先にコリンナが簡易ちゃんリンシャンの追加を欲しがるたびに、別の物を要求するつもりなので、特に問題はない。
 就算多少被殺價了,也並非是教導了做法,想要的釘子也到手了,因為打算在這之後每當柯琳娜想要簡易潤洗劑的追加時,就能要求其他東西,沒有特別的問題。

「あの、マインちゃん。服が少し濡れてしまったから、着替えたいの。オットーと待っていてもらっていいかしら?」
「那個,小瑪茵。因為衣服有點濕了,想要替換。可以跟歐拓一起等候著嗎?」
「はい」
「好的」

 コリンナが着替えるというので、わたしが寝室を出ようとドアを開ければ、オットーが部屋の前で飢えた熊が餌の出現を待つように、うろうろとしながら待っていた。
 由於柯琳娜說要換衣服,所以我打開能離開臥室的門後,歐拓在房間的前面像是飢餓的熊在等待著餌食的出現一樣,一邊來回徘徊一邊等待著。

「コリンナ!?」
「柯琳娜!?」
「わたしは服が濡れたので着替えます。オットー、マインちゃんのおもてなし、よろしくね」
「我因為衣服濕了需要替換。歐拓,小瑪茵的招待,就拜託了呢」

 ドアからほんの少しだけ顔を出すようにして、ニコリと笑ってコリンナはそう言う。
 從門後露出只有一點點的臉,微微地笑著的柯琳娜那樣說著。
 まだ完全に乾ききっていない、しっとりとした濡れ髪が、濡れた服の上をするりと滑り、恥ずかしそうな言動が妙な色気を感じさせる。
 還沒完全乾,帶點濕潤的濕頭髮,在濕掉的衣服上輕輕滑過,害羞般的言行感受到了微妙的嫵媚。

「こんな状態を見せちゃってごめんなさい。急いで着替えるから」
「很抱歉讓你看見這種狀態。因為急著換衣服」

 コリンナはわたしを寝室から出すと、そそくさとドアを閉める。
 柯琳娜把我請出臥室後,就匆忙地關上門。
 ちらりとオットーの様子を伺うと、閉まったドアを見つめたまま惚けていた。
 一撇而過地窺視歐拓的樣子時,就那樣凝視著關上的門恍神著。
 わたしなんて全く目に入っていないオットーの様子に心の中でガッツポーズを決める。間違いなくコリンナに惚れ直した。
 決定在心中對完全沒把我放入眼裡的歐拓的樣子振臂高呼。毫無疑問是重新迷戀上了柯琳娜。

「んふふ、コリンナさん、すごく綺麗になったと思いませんか? クリーム色の髪が宝石みたいに輝いて……」
「嗯呵呵,不認為柯琳娜小姐,變得非常漂亮了嗎? 奶油色的頭髮好像寶石般閃耀著……」
「っ! コリンナ!」
「! 柯琳娜!」
「着替え中ですって!」
「都說在換衣服中了!」

 動きだしたかと思えば、いきなり部屋に突進しようとするオットーを慌てて止める。
 驚慌地制止才想開始動了的說,就突然打算闖進房間的歐拓。
 もちろん、わたしの力では止まらない。暴走するオットーを止められるのはコリンナだけだ。
 不用說,以我的力量是無法制止的。能阻止暴走的歐拓的只有柯琳娜。

「オットー、着替え中のわたしの姿をマインちゃんに晒すおつもり?」
「歐拓,你打算把換衣服中的我的身影暴露給小瑪茵嗎?」

 ドアの向こうからの静かな問いかけに、電池が切れた人形のようにオットーがぴたりと止まった。
 從門的對面靜靜地提問,歐拓像是電池被關掉的人偶突然停了下來。
 しばらくの沈黙の後、くるりと振り返ったオットーが、恐ろしいほど綺麗な笑顔でわたしの肩をガシッとつかむ。
 暫時的沉默之後,回過頭來的歐拓,用可怕般的美麗笑容深深抓住我的肩膀。

「……マインちゃん、急用を思い出さないか?」
「……小瑪茵,有沒有想起什麼急事呢?」

 惚れ直した妻といちゃいちゃしたいので、さっさと帰れということですね。わかります。
 因為想要跟重新迷戀上的妻子去調情,所以是在說快點回去吧的呢。我明白的。

「頂ける釘の数によっては思い出すかもしれません」
「根據得到的釘子數量說不定能想起來」

 わたしは台所のテーブルの上に置かれた釘の袋を見て、ニッコリと笑った。
 我看著被放在廚房桌子上的釘子的袋子,微微地笑了。
 
 オットーは釘の袋とわたしを見比べて、眉を吊り上げる。商人としての計算と妻への愛が天秤に乗って揺れているのが、目に見えるようだ。
 歐拓比較著釘子的袋子跟我,豎起眉毛。是作為商人的算計跟對妻子的愛放在了天秤上動搖著嗎,好像能親眼看見。

「……」
「……」
「全部もらったら、父さんにもうまく言い訳できる気がします」
「全部都給我的話,感覺對爸爸也能好好地解釋」

 責任を持って預かると言ったオットーが、その場にあった釘を全部押しつけるようにして笑ったので、わたしは大人しくお暇することにした。
 說過會負起責任保管好的歐拓,因為在那場合笑著將釘子全部押上,所以我決定老實地告辭。

 ……リア充、爆発しろ!
 ……現充,爆炸吧!
 予想以上にたくさんの釘が手に入ったので、まぁ、いいけど。後は勝手にしてください。
 由於得到了超乎預期多的釘子,算了,也好。之後請隨意。


 釘の入った袋を抱えて、わたしは一人でえっちらおっちら歩きだした。
 抱著裝有釘子的袋子,我一個人沉重吃力地走了起來。
 釘が重い。一本なら軽いのに、量が増えると重い。少し歩いただけで腕がプルプルしてくる。
 釘子很重。如果是一根就很輕的說,但數量增加就很重。只是稍微走一下手腕就顫抖了起來。

 ダメだ。休憩がいる。
 不行了,需要休息。

 このままでは家までたどり着けない。中央広場の噴水のところで、一度座って休憩することにした。
 就這樣是到不了家的。決定在中央廣場噴泉的地方,坐一次來休息。

 腕が痛い。
 手腕好痛。

 プラプラと手を振ったり、揉んだりしていると、どこかからの帰りらしいルッツが、すたすたと目の前を横切っていくのが見えた。
 又是搖來搖去地揮著手,又是搓揉著的時候,看到似乎要從哪回去的路茲,急急忙忙地從眼前穿過去。

「あれ? ルッツ? どうしたの?」
「哎呀? 路茲? 怎麼了嗎?」
「マイン!? マインこそ、こんなところで何をしているんだ? え? 一人!?」
「瑪茵!? 瑪茵才是,在這種地方做什麼啊? 哎? 一個人!?」

 わたしの行動範囲は基本的に門と森だ。最短距離しか歩かないので、中央広場を通ることはない。そして、いつどこでぶっ倒れるかわからないわたしが、一人で行動していることにルッツが目を剥いた。
 我的行動範圍基本上是門跟森林。因為只能走最短距離,所以不會通過中央廣場。而且,不知道會在何時何地趴倒下去的我,卻一個人行動著讓路茲瞪大了眼睛。

「ん? わたしはオットーさんのところからの帰り。こんなに釘が手に入ったんだよ。重いし、結構遠いから休憩中だったの」
「嗯? 我是從歐拓先生的地方要回去。得到了這麼多的釘子唷。很重的,因為還相當遠所以在休息中」
「持ってやるから貸せ。なんでちゃんと送ってもらわないんだよ?」
「因為我拿得動給我。為什麼不請他好好地送妳呢?」

 ぶつぶつと文句を言いつつ、ルッツが釘の袋を持ってくれる。わたしが腕を痛める重さの袋も、ルッツには大した重さではないらしい。
 一方面嘮叨不休地抱怨著,路茲一方面將釘子袋拿走。將我手腕弄痛的沉重袋子,對路茲來說似乎沒多重。

「ありがと、ルッツ」
「謝謝,路茲」

 ルッツと一緒に歩いて家に帰りながら、今日あったことを報告する。
 一邊跟路茲一起走路回家,一邊報告著今天發生的事情。
 わたしが簡易ちゃんリンシャンで釘を手に入れた話をすると、ルッツは森に詳しい人や材木を扱う人に、紙にしやすい木やトロロになりそうな物を聞きに行ってきたらしい。
 我說完用簡易潤洗劑獲得釘子後,路茲似乎是去跟熟知森林的人以及處理木材的人,打聽容易做成紙張以及能成為黏劑般的東西。

 和紙を作るならトロロアオイを使うけれど、こちらでねばねばした液というと、エディルの実か、スラーモ虫の体液が一番に浮かぶらしい。
 雖然說如果要製做和紙就要使用黃蜀葵,但在這裡說到黏黏糊糊的液體的話,艾迪魯的果實、史拉蒙蟲的體液似乎會最先浮現。

 う、うぅ、虫の体液よりは、エディルの実がいいなぁ。季節を通してとれるのは虫だろうけど。
 嗚、嗚,比起蟲的體液,艾迪魯的果實還比較好呢。雖然依照季節能取得的是蟲吧。

 スラーモ虫から体液をとることを考えたくなくて、頭をプルプルと振った後、話を変えた。
 不想去考慮從史拉蒙蟲取得體液,微微晃動搖搖頭之後,改變話題。

「釘が手に入ったし、これで蒸し器が作れるね」
「釘子得到了,用這個能做蒸籠了呢」
「ん? 大きさはどうするんだ? 鍋に合わせるって言ってなかったか? 鍋はおばさんが使っても良いって言ったのか?」
「嗯? 大小要怎麼辦呢? 不是說要配合鍋子嗎? 鍋子是伯母使用的也可以但說了嗎?」

 木を蒸すための蒸し器は、最初はそれほど大きくなくても良いが、できれば鍋に大きさを合わせたい。
 為了蒸木頭的蒸籠,最初就算沒有那麼大也可以,但可以的話想要跟鍋子大小適合。
 しかし、鍋はどの家庭も料理で使う分しかない。貸してほしいと言っても貸してはくれないだろう。
 但是,鍋子是哪個家庭也只會使用在料理上的。就算說希望能借用也不可能會出借的吧。

……言ってない。むしろ、食べ物以外入れないで! って怒られたことならある」
「……沒說。不如說,不准放食物以外的東西! 曾經被那樣生氣過」

 干物を入れようとしただけで怒った母が、木を蒸したり、煮たりする紙作りのためになんて、鍋を貸してくれるはずがない。
 只是打算放入乾貨就會生氣的母親,又蒸木頭、又煮的為了造紙什麼的,應該是不可能出借鍋子的。

「ダメじゃん」
「那不行了」
「ダメなんだよ。……どうしよう?」
「不行了喔。……怎麼辦呢?」
「さすがにオレ、鍋は作れねぇからな」
「畢竟我,是做不出鍋子的呢」

 鍋は高い。ものすごく高い。
 鍋子很貴。非常地貴。
 壊れても修理しながら、ずっと使っていくものだ。
 就算壞了也是一邊修理,一邊一直繼續使用的東西啊。
 わたし達が欲しいと思っても簡単に手に入る物ではないし、金属の加工なので作ることも難しい。
 就算想說我們想要也不是簡單就能到手的東西,由於是金屬加工要做是很難的。

「そうだよねぇ……先に簀桁を作ろうか。それなら、大体のサイズを決めてるから、作れるよ」
「說得也是呢……先製作簀桁吧。那個的話,因為已經決定了大致上的尺寸,能製做唷」
「……作れるやつから作るしかないよな」
「……只能從能做的東西開始做起了呢」

 思ったよりたくさんの釘を手に入れたし、トロロの原料になりそうな物も一応見つかったし、とりあえず一歩前進……だよね?
 得到了比所想的還多的釘子,能成為黏劑的原料的東西姑且也找到了,暫且算是前進一步……了吧?

======================================================================
 マインはコリンナを綺麗にして、釘GET。
 瑪茵把柯琳娜變漂亮,獲得釘子。
 ルッツは聞きこみを行って、紙&トロロの原料の情報をGETです。
 路茲去打聽,獲得了紙張與黏劑的原料情報。

 次回はベンノの呼び出しです。
 下回是班諾的傳呼。
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