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第31位妃子⑪

作者:SPT草包│2019-04-25 14:04:36│巴幣:8│人氣:2052
31番目のお妃様
第31位王妃殿下
作者:桃巴
31番目の妃⑪
第31位妃子⑪
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漫畫生肉

 夜も迫る夕刻に、マクロンは31番目の妃邸に向かっている。夕食前のこの刻しか体が空かなかったのだ。夕食後も、城下町の手薄になった警護をビンズと協議する仕事が残っていた。二ヶ月も妃らの相手をしていたつけがここにきて表面化していた。後二週間の妃選びも佳境だ。マクロンはふと足を止め、目頭を押さえた。近衛が心配気にマクロンをうかがっている。
 在夜晚也迫近的黃昏,馬庫隆正朝向第31位妃子宅。只有晚飯前這個時刻身體有空。晚飯後,也殘留著和賓茲協商城下町的護衛變薄的工作。兩個月經常做著妃子們的對象至此也表面化了。之後兩周間的選妃也漸入佳境。馬庫隆忽然停下腳步,壓著內眼角。近衛憂心地探視著馬庫隆。

「すまぬ、問題ない。行くぞ」
「抱歉,沒有問題。走吧」

 再度歩き出したマクロンの足は重い。疲労は限界で、さらに邸はかなり遠いのだ。
 再次邁開步伐的馬庫隆的腳很沉重。疲勞到了極限,再加上宅院相當的遙遠。

 邸の入り口が近づく。その入り口からビンズが飛び出してきたが、マクロンの姿を確認すると足を止めた。
 接近宅院的入口。賓茲雖從那個入口飛奔出來,但確認到馬庫隆的身影後停下了腳步。

「どうした、ビンズ?」
「怎麼了,賓茲?」

「いえ、何でもありません」
「不,什麼都沒有」

 断られたが、ビンズはドレスを調達しようとしていたのだ。マクロンがすでに邸に到着したことで、諦めざるをえない。
 雖被拒絕,但賓茲是打算籌措禮服的。由於馬庫隆已經到達宅院,不得已放棄。

「どうぞ、王様」
「請進,國王陛下」

 ビンズはマクロンを邸に促した。マクロンははじめてこの邸に足を踏み入れる。すでに夜のような暗さの夕刻は、畑の様相をぼやかしていた。ただ、なんとも落ち着いた、ホッとする香りに体が馴染んだ。
 賓茲催促馬庫隆進宅院。馬庫隆第一次踏足進這座宅院。已經像夜晚般黑暗的黃昏,讓田地的樣貌模糊不清。只是,身體融入了非常平靜、讓人安心的香氣裡。

「(妃は)いるか?」
「(妃子)在嗎?」

 三人の担当騎士と侍女にマクロンは問う。四人とも小首を傾げたが、侍女が一歩前に出てマクロンを促した。
 馬庫隆問了三位負責騎士和侍女。四人雖小小歪頭不解,但侍女上前一步催促著馬庫隆。

「こちらにございます。どうぞ、お入りください」
「在這邊。還請入內」

 マクロンは侍女の先導で、こじんまりした邸に入った。部屋にはすでに夕食が配膳されている。どうやら妃は湯殿のようだ、と判断したマクロンは、ハァとため息をついた。マクロンにそのつもりはない。しかし、来た時刻が悪かったのだろう。この刻に来れば、そう考えても不思議ではない。つまり、夜のお渡りであると。
 馬庫隆因侍女的帶路,進入了小巧玲瓏的宅院裡。在房間裡晚飯已經被擺上桌了。判斷看來妃子似乎在澡間的馬庫隆,唉地嘆了一口氣。馬庫隆沒有那個打算。可是,是來的時刻不好吧。在這個時刻來的話,就算如此考慮也不會不可思議。也就是說,是過夜。

「すまぬが、一時の時間しかない」
「雖然很抱歉,但只有短暫的時間」

「はい。ご遠慮なさらず、お召し上がりください」
「是的。不用客氣,請用膳」

 侍女は、マクロンに夕食をすすめる。確かに腹が減っていたマクロンは、目の前の素朴な夕食を摂った。侍女は、茶を淹れている。マクロンは、何とも心地のよい香りと居心地のよい邸に体がほぐれていく。
 侍女勸馬庫隆吃晚飯。肚子的確餓了的馬庫隆,吃了眼前樸素的晚飯。侍女泡著茶。馬庫隆對非常宜人的香氣與舒適的宅院身體逐漸變得舒暢。

「お好きなだけ、おくつろぎを」
「還請隨意,放輕鬆點」

 侍女はそう言って下がった。きっと妃の湯殿にいくのだろう。マクロンはふぅと息を吐き出した。ゆっくり目を閉じる。
 侍女如此說了退下了。一定是去到妃子的澡間吧。馬庫隆呼地吐出了氣息。緩緩的閉上眼睛。

『参ったな。会えずに出ることになるか。それとも、顔だけでも見ていくか。女の準備は時間がかかるはずだ。……眠い』
『傷腦筋呢。會變得無法見面嗎。還是說,只有臉也要去看看嗎。女人的準備應該很花時間。……好困』

 マクロンは椅子からずり落ちそうになり、重い体を必死に持ち上げ、暖炉の前の揺り椅子に腰を落とした。そんなところに体をおさめてしまえば、どうなるかはわかっているのに、体はマクロンの意に反するようにそこに向かってしまっていた。まぶたはもうくっつく寸前だ。
 馬庫隆快要從椅子上滑落,拚命地抬起沉重的身體,在暖爐前的搖椅上坐了下來。明明知道把身體放入那種地方的話會變成怎樣,身體卻像是違反馬庫隆的意思朝向了那裡。眼皮已經是要貼在一起前了。

『まずいな。まずい、眠い……』
『真糟糕呢。真糟糕,好困……』

 とうとう、意識がとんだ。
 終於,意識飛走了。



 その頃、邸を出たフェリアは、ビンズ、近衛、担当騎士に囲まれていた。
 那個時候,離開宅院的菲莉亞,被賓茲、近衛、附著騎士包圍著。

「フェリア様、どうされたのです? なぜ、お一人で出てこられたのです?」
「菲莉亞大人,被怎麼了嗎? 為何一個人出來了?」

 ビンズは矢継ぎ早に訊いてくる。フェリアは、クスクスと笑い出した。
 賓茲接連不斷地去詢問。菲莉亞咯咯地笑了出來。

「あー、おっかしいの。もう、お腹いたいわ。笑うの必死でこらえたのよ」
「啊,好奇怪啊。夠了,肚子好痛喔。拚命的忍著要笑喔」

 近衛はここでやっと、この侍女らしき女が、31番目のお妃様だと気づく。ビンズの呼んだ名で。
 近衛在此終於注意到,這位像侍女的女子,是第31位王妃殿下。因賓茲呼喚的名字。

「私をたぶん侍女だと思っているの。私、夕食をすすめて、お茶も出したわ。あの疲労は酷いわね。騎士に出している疲労回復薬草茶を飲んだから、きっと今ごろ寝てるわ」
「我認為大概是把我當成侍女了。我勸吃晚飯,也端出了茶喔。那個疲勞很厲害呢。因為喝了提供給騎士的恢復疲勞藥草茶,此刻一定睡著了喔」

 フェリア以外の者が、クワッと目を見開き固まった。これでは、事実がどうであろうが夜のお渡りになってしまうのだ。明朝までこのフェリア邸にマクロンが滞在したなら。しかし、ビンズはここで英断する。
 菲莉亞以外的人,使勁地睜大了眼睛僵住了。於是乎,事實不管怎樣都變成了過夜了。如果馬庫隆直到明天早上都逗留在這座菲莉亞宅。可是,賓茲在此當機立斷。

「近衛は王様を寝室に運びなさい。その後は邸の入り口で待機だ。担当騎士は門扉で警護を。フェリア様は王様のお側でお世話ください」
「近衛請把國王陛下搬到寢室。那之後在宅院的入口待機。負責騎士在大門護衛。菲莉亞大人請在國王陛下的身邊照料」

 その英断に、近衛も担当騎士も異議はないようで、サッと行動に移る。しかし、フェリアは違った。
 對那當機立斷,不論近衛還是負責騎士好像都沒有異議,迅速地轉移到行動上。可是,菲莉亞不同。

「寝てる人のお世話なんてしないわよ。私は、枯れ草ベッドで寝るわ。明日も早いしね」
「我不會去照料什麼睡著的人喔。我就睡在枯草床上喔。明天也要早起呢」

 フェリアはあくびをかみ殺しながら、農機具小屋に向かっていく。慌てたのは、ビンズと担当騎士である。邸に戻ってほしいと何度も懇願したが、フェリアは頷かない。
 菲莉亞一邊忍住呵欠,一邊朝農具小屋去。驚慌的是、賓茲和擔當騎士。雖然好幾次懇求希望回到宅院裡,但菲莉亞沒有點頭。

「王様は私を侍女だと思っているわ。妃だと認識していないの。その程度だってこと。私はその程度よ」
「國王陛下把我認作是侍女喔。沒有認知為妃子的。即是那個程度的事情。我是那個程度喔」

 フェリアは少しだけ瞳を伏せた。ビンズは最初の間違いに今さら気づき後悔した。ちゃんと、フェリアをマクロンに紹介していなかった失敗を。邸に入ってすぐに紹介すべきだったのだ。
 菲莉亞只是稍微目光朝下。賓茲事到如今才注意到最初的錯誤而後悔了。沒有好好把菲莉亞介紹給馬庫隆的失敗。應該進入宅院就馬上介紹的。

「フェリア様」
「菲莉亞大人」
「いいのです、ビンズ。私は、私の素のままでいいのです。着飾ることは私ではないし、僻地の田舎娘、二十二の嫁ぎ遅れが、生涯に一度王様にお会いして、その給仕ができたのですもの、誉れよ。だから、もう寝かせて。明日もできたら、王様に朝食をお出ししたいわ。あんなに、酷く疲れるまで公務をなさっていると知ったら、私の精一杯のことをしたいわ。最後になるものね……」
「沒關係的,賓茲。我照我本來那樣就行了。打扮就不是我了,偏鄉的鄉下女孩,出嫁晚了的二十二歲,生涯裡見到過一次國王陛下,能擔任那位侍應生是榮譽喔。所以,夠了讓我睡吧。明天也能擔任的話,想要給國王陛下提供早飯喔。知道直到那麼樣嚴重疲勞為止都在從事著公務的話,會想要盡我所能喔。到最後了呢……」

 ビンズの呼びかけを遮ったのは、慰めなど聞きたくないフェリアの誇りであろう。フェリアからこぼれ落ちた言葉が、ビンズと担当騎士らの胸を掴んで締めつけた。
 遮住賓茲的呼喚的是,不想要聽到安慰等等的菲莉亞的驕傲吧。來自菲莉亞所落下的話語,緊緊揪住賓茲和負責騎士們的胸口。



***

 フェリアと担当騎士らは、いつものように朝陽にむかって祈る。それから、いつものようにパンを焼き、根菜スープを作る。至って素朴な朝食は王の体の疲れを考えてのこと。
 菲莉亞與負責騎士們,就像平時一樣朝向朝陽祈禱。然後,像平時一樣烤麵包、做根莖蔬菜湯。極為樸素的早飯是考慮到國王身體的疲勞。

 バタンと邸の扉が開く。王の顔がいく分スッキリしているのを見て、フェリアは笑んだ。
 宅院的門啪地打開。看到國王的臉有著幾分舒暢,菲莉亞笑了。

「こちらへどうぞ」
「請往這邊」

 いつも騎士らと食べるティーテーブルの上に、手作りクルクルスティックパンと根菜スープを並べた。王は無言でそこに座る。
 在總是與騎士們吃飯的茶桌上,陳列著手工捲捲麵包棒和根莖蔬菜湯。國王無言地坐在那裡。

「……(この邸の)主は?」
「……(這座宅院的)主人呢?」

「……お気になさらず、どうぞお召し上がりください」
「……無須在意,還請用膳」

 フェリアは、給仕に徹した。王の瞳が緑豊かな畑を眺めている。少し小首を傾げる姿にフェリアは笑みを浮かべる。きっと、庭園のおかしさに気づいているのだ。しかし、何も言わずただ緑を瞳が追う。疲れた目にはよい景色だ。
 菲莉亞徹底擔任著侍應生。國王的目光眺望著綠油油的田地。菲莉亞對有點小小歪頭不解的身影浮起笑容。一定是注意到庭園的奇怪之處。可是,什麼都沒說目光只是追著翠綠。對疲憊的眼睛來說是很好的景色。

「頭がスッキリと冴える薬草茶でございます」
「請用會讓頭腦舒暢與清醒的藥草茶」

 フェリアは、コポコポと王の目前でカップに注いだ。湯気が王の疲れた皮膚に潤いを与える。
 菲莉亞咕嚕咕嚕地倒入在國王眼前的茶杯裡。熱氣給予國王疲憊的皮膚滋潤。

「良い香りだ」
「很香啊」

「ありがとうございます」
「非常感謝」

 フェリアと王マクロンの瞳がはじめて重なった。微笑みあった。
 菲莉亞與國王馬庫隆的目光第一次重疊。互相微笑。

 その光景にビンズらは、動揺した。マクロンがあのように穏やかに笑んだ姿など見たことがないからだ。次の言葉でさらに驚く。
 賓茲他們對這副光景動搖了。因為沒見過馬庫隆像那樣平靜地笑著的身影等等。接下來的話語更是吃驚。

「我が名はマクロン。フェリア嬢、そなたの心遣いに感謝する」
「朕名為馬庫隆。菲莉亞小姐,感謝您的操心」

 マクロンは気づいた。あの一瞬の微笑みで全てわかったのだ。
 馬庫隆注意到了。因那一瞬間的微笑就全部都知道了。

 フェリアの目が見開かれる。それから、徐々に頬が桃色に変わっていった。
 菲莉亞的眼睛被睜開了。然後,臉頰慢慢地變成了桃紅色。



 こうして、フェリアとマクロンははじめての出会いを果たしたのだった。
 就這樣,菲莉亞與馬庫隆完成了第一次的相遇。
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留言共 2 篇留言

冰瑤
女主的算盤就是被誤認為侍女然後淡出選秀吧...
可惜最後破功了

11-06 19:03

冰瑤
或者是有認出就進一步交流
沒認出也罷 的隨遇而安?

11-06 19:06

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