創作內容

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第一部士兵的女兒 進不去的樂園

作者:SPT草包│2017-07-17 07:04:38│巴幣:2│人氣:147
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 入れない楽園
第一部士兵的女兒 進不去的樂園
原文連結

 わたしが灰色の神官によって連れていかれたのは、貧民でも利用できる救護室ではなく、明らかに宿泊室だった。それも、ちゃんとした内装の綺麗な部屋で、門にある待合室から考えても貴族に紹介されるような金持ちや商人に対する部屋だと思われる。
 我依著灰色神官被帶去的,並不是貧民也能利用的救護室,明顯是住宿室。那也是,好好做了內部裝飾的乾淨房間,就算從有門的等候室來考慮也被認為是對待被貴族介紹般的有錢人或商人的房間。

 原因はこの衣装だろうな……。
 原因是這件服裝對吧……。

 衣装にどれだけの布を使えるか、刺繍に色や糸を揃えられるかで、おおよその家庭の収入具合が判断できる。
 以在服裝上使用了多少的布呢,在刺繡上被匯聚了顏色或絲線嗎,就能判斷大概的家庭收入狀況。
 普段の服ならともかく、今日のわたしの衣装は滅多にないひらひらのふわふわだし、刺繍は裾にしかないが、糸を編んで作った小花が縫い付けられていて、豪華だ。髪飾りも特別仕様だし、一見しただけなら、フリーダレベルの金持ちだと判断されると思う。
 如果是普通的衣服姑且不論,今天的我的衣服少見地是搖曳生姿的輕飄飄,雖然刺繡只在下擺,但以編織絲線做成的小花被縫上了,很豪華。髮飾也是特別的做法,如果只是看一眼,我認為是會被判斷為芙莉妲等級的有錢人。

 でも……わざわざ貧乏人ですなんて訂正する必要ないよね? 勝手に判断したのは神官だし、手の平を返されたら、どんな扱いになるか想像できないもん。馬鹿正直に全部喋る必要はないってことでいいよね?
 但是……沒必要特地訂正為貧窮人什麼的吧? 擅自做了判斷的是神官,縮手的話,無法想像會變成怎樣的對待咩。沒必要老實過頭地全部說出來也可以的吧?

「失礼」
「失禮」

 眉を寄せて考えていると、灰色の神官によって、わたしはそっと長椅子に座らされた。
 皺起眉頭考慮著時,被依著灰色神官,我輕輕地坐到長椅子上。
 ふらりとよろけそうになる身体をひじ掛けに捕まることで固定するとほぼ同時に髪飾りをするりと抜かれ、丁寧な動作で靴を脱がされた。
 在差不多將變得步履蹣跚似地身體抓到扶手上固定的同時將髮飾順暢地拔掉,被用仔細的動作脫掉鞋子。

 へ!?
 咦!?

 あまりにも自然で当たり前のような対応にぎょっとする。フリーダの家でユッテがあれこれと世話を焼いてくれた時のようだ。灰色の神官は明らかに人の世話をすることに慣れている。
 對過於自然地理所當然般的對應大吃一驚。就好像在芙莉妲的家裡優蝶所給予的各種照顧的時候。灰色神官明顯是習慣了照顧人的事情。
 固辞することも忘れて目を見開いていると、神官は立ち上がってベッドを整え、わたしをお姫様抱っこでベッドに運んでくれた。
 堅決辭退也忘了而睜大了眼睛後,神官站了起來整理床鋪,將我以公主抱給搬到了床上。

「ぅあ、あの、本当に、大丈夫ですから」
「那、那個,因為,真的不要緊」
「神の前で嘘はよくない。ここは神殿だ」
「在神面前說謊很不好。這裡是神殿」

 嘘じゃないのに……。
 明明不是說謊……。

 ベッドに寝かされ、丁寧に布団をかけられた。その後、神官は髪飾りをベッドサイドに置いて、ベッドの前に靴を並べる。神官というより、まるで熟練の側仕えのようで、違和感が大きい。
 被放在床上睡覺,仔細地被蓋上棉被。那之後,神官將髮飾放置在床邊,將鞋子排放在床前面。比起稱為神官,簡直像是熟練的近侍,違和感很大。

「休んでいるんだ。後で様子を見に来る」
「要休息著。在之後會來看看情況」
「……はい」
「……好的」

 パタンとドアを閉めて神官は退室していった。
 神官啪嗒地關上門退出了房間。
 まだ身体にあまり力が入らないのは事実なので、ベッドで寝転がったまま回復を待つ。
 由於身體裡還不太能注入力量是事情,依然躺臥在床上等待回復。
 倒れた原因を家族に聞かれるに決まっているが、笑いすぎて倒れたとは言えない。心配してくれたルッツも怒るに違いない。そう思った瞬間、グ○コで寄ってきたルッツの姿を思い出して、ププッと笑いが零れた。
 雖然肯定會被家人打聽倒下的原因,但笑過頭而倒下說不出口。擔心著的路茲肯定也會生氣。那樣想的瞬間,回想起用固○果靠近過來的路茲的身影,噗噗地笑溢出了。
 少しゴロゴロしていると、身体の力が戻ってきた。手を握ったり、開いたりして握力の確認をしてみる。
 稍微滾來滾去著後,身體的力氣回來了。試著做又是握手、又是打開的握力確認。

 さて、どうしよう? ちょっとお花を摘みに行きたくなってきた。
 那麼,該怎麼辦? 變得稍微想去摘花了起來。

 ベッドのすぐそばにおまるはあるけれど、水場がわからないのにやってしまうと後始末に困る。多分ここに泊るような人は、従者連れなので自分で後始末なんてしないのだろうけれど、わたしには従者なんていない。
 雖然說近在床邊就有便盆,但不知道水源處的話使用了後清理會很困擾的。雖然說大概像住在這裡的人,由於帶著隨從不會自己做清理之類的對吧,但我是沒有什麼隨從的。
 そして、初対面の神官に後始末をされるのも嫌だ。せめて、誰かに水場を聞いて、自分で後始末できる状態になってから、こっそりしたい。
 而且,讓初見面的神官清裡也很討厭。至少,跟某人打聽水源處,變成能自己清理的狀態之後,想偷偷地做。

 のそりと起き上がり、手足を軽く振ってみる。いきなり倒れるほどではなさそうだ。ベッドサイドに置かれていた簪で髪をまとめた。フリーダの家ではベッドサイドに人を呼ぶためのベルが置かれていたが、ここにはない。
 滿吞吞地爬起來,試著輕輕揮動手腳。似乎不像是是突然倒下去。用被置在床邊的髮簪盤起頭髮。雖然在芙莉妲家是在床邊被放置了為了呼喚人的鈴,但在這裡沒有。

 緊急事態だし、人を探しに行こう。
 是緊急事態,去找人吧。

 人が見つかるまで一体どれくらい時間がかかるかわからないので、切羽詰まる前に行動しておきたい。
 由於不知道到見到人為止到底要花多少時間,想在走頭無路之前先做行動。
ベッドから降りて靴を履くと、わたしは部屋を抜け出した。
從床上下來穿上鞋子後,我離開了房間。

 柱や壁に彫刻やレリーフがあっても、基本的には全て白い石造りの廊下が続いている。コツコツと歩く足音が壁に反響して大きく聞こえているが、自分以外の足音もしなければ、人の気配も全くない。ひとまず、洗礼式が行われていた場所に戻ろうと歩き始める。
 就算在柱子或牆上有著雕刻或浮雕,基本上是全部白色石造的走廊在延續著。雖然咯噔咯噔地走路的腳步聲在牆上迴響著聽起來很大,但若自己以外的腳步聲都沒有的話,人的跡象也完全沒有。姑且,回到洗禮式備進行的地方開始走。

 ……あれ? 曲がるところを間違えた、かな?
 ……奇怪? 是否搞錯了、拐彎的地方?

 白い神殿内なのに、ところどころに色彩が見えてきた。彫刻や石像が少しずつ洗練されて豪華になってきているのは、もう気のせいではない。貴族が出入りする辺りに入りこんでしまったようだ。
 明明是白色神殿裡,到處都能看見色彩。雕刻或石像一個個被洗鍊變得豪華了起來,已經不是錯覺了。好像進入了貴族出入的附近。
 ザッと血の気が引いていく。貴族に見つかったら、尋問され、ひどく面倒な展開になるとしか思えない。
 唰地臉色逐漸蒼白。貴族發現的話,只能認為會變成被訊問、麻煩死了的展開。

 まずい。早く戻らなきゃ!
 糟了。必須快點回去!

 わたしはくるりと踵を返して、びくびくしながら早足で来た道を戻り始めた。できるだけ早く貴族ゾーンから抜け出したい。道を間違わずに戻れるように、特徴のある目印を指差し確認しながら歩く。
 我反轉腳後跟,一邊戰戰兢兢一邊用快走開始返回來時的道路。想盡可能早點從貴族領域脫出。為了不弄錯道路回去,一邊用手指著做確認有特徵的記號一邊走著。

 この彫刻は見たでしょ? あの布も見覚えがあるし……。
 這個雕刻看過了對吧? 那個布也很眼熟……。

 宿泊室に戻るための曲がり角を探しているとカツカツという規則正しい足音が近付いてくるのが聞こえた。貴族ゾーンから抜け出した後だったら、諸手を挙げて歓迎したけれど、今は見つかりたくなくて、回避したい。
 在尋找為了回到投宿室的轉角時聽到了能稱為喀噔喀登的規律腳步聲來到了附近。從貴族領域脫出之後的話,雖然是想舉起雙手歡迎,但現在不想被發現,想要迴避。
 神官ならばいいけれど、貴族だった時が怖い。
 雖然說如果是神官的話還好,但是貴族的時候就很恐怖。
 あわあわとしながら辺りを見回してみるが、廊下に隠れるところなどない。わたしはあっさり見つかり、捕まった。
 一邊不知所措一邊試著環顧周遭,在走廊沒有隱藏的地方之類。我爽快被發現、抓住了。

「誰!? ここで何をしているの!?」
「誰!? 在這裡做什麼呢!?」

 厳しい声をかけてきたのは、髪をきちんと結いあげている女性の神官だった。仕事ができそうなキリッとした顔つきで、でも、どことなく色気のある秘書のような雰囲気の持ち主だ。
 發出了嚴厲的聲音的是,好好地將頭髮榜上去的女性神官。用工作完成似的端正相貌,但是,總覺得是有撫媚秘書般的氛圍的持有者。
 彼女もわたしを運んでくれた人と同じような灰色の、デザインが違う神官服を着ていた。男女でデザインが違うのか、儀式と普段使いで違うのかわからない。そういえば、洗礼式に女性の神官はいなかったな、とぼんやり思う。
 她也穿著著與搬運我的人一樣似的灰色的、設計不一樣的神官服。是男女的設計不一樣嗎,還是儀式與平時使用的不一樣呢我不知道。這麼說來,在洗禮式上沒有女性的神官呢,那樣呆呆地想著。
 貴族ではないことに安堵の息を吐いて、わたしは即座に貴族ゾーンに踏み込んだことを詫びた。
 因不是貴族而呼了一口安心的氣,我立刻致歉踏進了貴族領域這事。

「ごめんなさい。洗礼式で倒れて、お部屋を借りていたマインと申します。従者もなく、人を呼ぶベルもなかったので、人を探していたんです。迷ってしまったようで、気付いたらここに……」
「非常抱歉。我是在洗禮式倒下,借用了房間的瑪茵。由於沒有隨從、也沒有叫人鈴,正在找人。似乎迷路了,注意到後就在這裡……」

 じっとわたしを上から下まで見ていた彼女は仕方なさそうに溜息を吐いた。頬に片手を当てて、物憂げに息を吐いているだけなのに、妙に目が離せない。
 從上到下緊盯著我看的她沒辦法似地嘆了一口氣。明明只是將單手貼在臉頰上,無精打采地吐著氣,奇妙地無法移開眼睛。

「こちらの用件を済ませたら、洗礼式のあった礼拝室まで送るわ。少し待てる?」
「完成這邊的要件之後,會送到有洗禮式的禮拜室。能稍微等等嗎?」
「はい、お世話になります」
「好的,承蒙關照」

 わずかに目を細めた神官がカツカツと靴の音を響かせながら歩いて行く。わたしは小走りになりながらついて行くが、長距離移動されると倒れそうだ。
 微微瞇起眼睛的神官一邊響起喀噔喀噔地鞋子聲一邊走去。雖然我一邊變成小跑步一邊跟過去,但讓我長距離移動似乎會倒下。

「ここで少し待っていて。用件を済ませてくるから」
「在這裡稍微等一下。因為要去完成要件」

 しかし、彼女が移動したのは部屋一つ分くらいの距離だったお陰で、倒れずに済んだのは幸いだった。
 但是,多虧她移動的是一個房間左右的距離,沒有倒下就結束是幸運的。

「は、はひ……」
「哈、哈唏……」

 ぜぇぜぇと荒い息を吐きながらわたしが頷くと、神官は少し心配そうに眉を寄せてわたしを一瞥した後、ギッと扉を押して入っていった。
 一邊吁吁地吐著粗暴的氣息我一邊點頭後,神官稍微擔心似地皺起眉頭撇了我一眼之後,嘰地推門進去了。
 
 壁に手をつくようにして息を整えながら、開け放たれていた扉の奥、何気なく彼女が入っていった部屋の中を見たわたしは大きく息を呑んで固まった。
 儘管用手抵著牆壁調整呼吸,但被大開的門扇的深處,無意間看到她進去的房間裡面的我吞了很大一口氣僵住了。

「っ!?……もしかして、図書室?」
「!?……難道是,圖書室!?」

 それほど広くはない部屋だが、壁際にずらりと本棚が並んでいる。パッと見た範囲では紙や木札が詰め込まれた棚の方がほとんどだけれど、鍵付きで、中に何が入っているのかわからない棚もあり、貴重な本が納められているのだろうと推測できた。
 雖然並不是很寬敞的房間,但靠牆有著一大排的書架排列著。雖然在猛然看到的範圍裡紙張或木牌被塞滿的架子占大部分,但附有鑰匙、不知道裡面放了什麼的架子也有,能推測是貴重的書本被納管著的吧。

 部屋の中央には本が読みやすいように、天板が斜めになっている閲覧用の長机が向かい合わせに2つ設置されていた。大学の講義室にあったような感じの長く繋がっている机と椅子で、5人くらいが並んで座れそうな長さがあった。
 在房間的中央為了能容易看書,桌面變得傾斜的閱覽用的長桌子被面對面設置了2張。因有著大學的授課室般感覺長長連繫著的桌子跟椅子,有著5個人左右並列坐下般的長度。
 そして、机の上部からは、ほぼ等間隔に頑丈で重そうな鎖が垂れていて、ぶ厚い本が鎖に繋がれて6冊並んでいる。
 而且,從桌子的上部,在差不多等間隔上堅固又重般的鎖鏈垂下著,很厚的書本被鎖鏈連接著6本排列著。

「……『チェインドライブラリー』だ」
「……是『鎖鏈圖書館』」

 外国の歴史ある図書館に行くのは麗乃時代の夢だった。外国ではなく、異世界の神殿図書室だが、これも夢が叶ったと思っても良いだろうか。外国の図書室、鍵付きの本棚、チェインドライブラリー、どれも本で読んで、図書館の歴史に触れた麗乃が実際に見てみたくて仕方がなかったものだ。
 去外國有歷史的圖書館是麗乃時代的夢想。雖然不是在外國,而是異世界的神殿圖書室,但就算認為這個也是夢想實現也可以的吧。外國的圖書室、附有鑰匙的書架,鎖鏈圖書館,哪個都會看到書,能碰觸圖書館的歷史的麗乃實際上想看看是沒辦法的東西。

 自分の胸元を押さえている指先が震えている。心臓が早鐘を打って、全身にすごい勢いで血が巡っていくのがわかる。ずっとずっと望んでいたものが目の前に存在するという奇跡を目の当たりにして、次から次へと熱い涙が溢れてきた。
 壓著自己的胸口的指尖顫抖著。能明白心臟劇烈敲響著、全身以強烈的氣勢循環著血液。親眼看到所謂一直以來期望的東西就存在於眼前的奇蹟,接連不斷的熱淚滿溢出來。

「は、初めて見た……」
「第、第一次看到……」

 チェインドライブラリーも初めてだが、図書室が作られるほどの本も、この世界に来て初めて見た。それほど大きい部屋ではないが、一冊の本も見つけられない生活が続いていたわたしにとっては、幸せの宝庫だ。
 雖然鎖鏈圖書館也是第一次,能做成圖書室般的書本也是,來到這個世界第一次看到。雖然不是那麼大的房間,但對於一本書也沒能發現的生活在持續的我來說,是幸福的寶庫。

 まさに、この図書室こそ神が作り給いし楽園。わたしの神はここにいる!
 的確,這個圖書室就是神所製作賜予的樂園。我的神在這裡!

「神に祈りを! 神に感謝を!」
「向神祈禱! 向神感謝!」

 郷に入っては郷に従え。
 入鄉隨俗。
 図書室、それも、チェインドライブラリーを発見したわたしは感動のまま、グ○コのポーズをとり、その後、土下座して、神に感謝を捧げた。ちょっとふらふらしたけれど、わたしの感激と感謝は伝わっていると信じたい。
 圖書室,那也是,發現了鎖鏈圖書館的我依然感動,擺出固○果的姿勢,那之後,跪拜下去,獻出對神的感謝。雖然稍微搖搖晃晃,但想相信我的感激與感謝傳出了。

 服でゴシゴシ顔と手を拭いて、汚れていないか、何度も確認する。
 用衣服咯哧咯哧擦著臉跟手,沒有沒髒呢,確認了好幾次。
 手が綺麗になったことを確認したわたしは、先に入っていった神官を追って、楽園に入ろうと意気揚々と足を踏み出した。
 確認了手變得乾淨了的我,得意洋洋地追著剛才進去了的神官、進入樂園踏出腳來。

「失礼しま……ぶべっ!?」
「失禮了……噗嘿!?」

 開かなかった自動扉に激突したような感じで、顔面を強打した。かなり勢い良くぶつかったせいか、目の前がチカチカ点滅している。
 以猛撞上沒打開的自動門般的感覺,用力打了臉。是相當氣勢良好撞上的關係嗎,眼前眼冒金星忽明忽滅著。

「いったぁ……」
「好痛……」

 わたしはその場に座り込み、片手で顔を押さえながら、もう片手で入口辺りを探ってみた。ある一定以上奥には手が進まない。やはり、目には見えない壁があった。テシテシと叩いてみたが、開く気配はない。
 我當場坐了下去,一邊用單手壓著臉,一邊用另一隻手是著尋找入口周遭。某一定以上的深處手就進不去了。果然,有著眼睛看不見的牆壁。雖然試著測試敲打,但沒有打開的跡象。

「え? な、なんで?」
「哎? 為、為什麼?」

 女性の神官は普通に入っていった。どうしてわたしだけが拒まれるのかわからない。すぅっと目の前が暗くなっていくような気がして、わたしは力いっぱい透明の壁を叩く。見えない壁はびくともしなかった。
 女性的神官普通第進去了。不明白怎麼會只有我被阻擋呢。感覺到眼前迅速地變暗了,我用盡全力敲打著透明的牆壁。看不見的牆壁牢不可破。

 楽園が目の前にあるのに入れない。これだけの本が見えているのに触ることもできない。
 樂園明明就在眼前卻進不去。明明看到這些書本卻觸碰不到。
 こんな残酷な拷問があっていいものか。ここまできてお預けなんて、ひどすぎる。神様のバカバカ! わたしの感謝を返せ!
 這樣殘酷的拷問是可以有的東西嗎。都到這裡了還暫緩什麼的,太過分了。神明大人這個大笨蛋! 把我的感謝還來!

「やだ、入れて! わたしも入れてよぉ!」
「不要,進去! 我也要進去唷!」

 貴族くらいしか持っていないくらい本は高価で希少だ。洗礼式で子供を黙らせるために魔術具を使っていたくらいだ。貴重な本を守るための仕掛けくらいあっても不思議ではない。
 宛如只有貴族般能擁有的書本是因昂貴而稀少的。是宛如在洗禮式上為了讓小孩子沉默而使用著魔術具。就算有宛如為了保護貴重的書本的裝置也不會不可思議。
 わかっていても、むごすぎる。見えているのに入れないことに失望し、ぼろぼろとおちる涙を拭うこともできない。
 就算明白,也太淒慘了。明明看得見卻進不去而失望,擦拭撲簌簌地掉落的淚水也辦不到。

「読みたいよぉ……」
「想要看唷……」

 用件を終えたのか、いくつかの資料らしき紙の束を抱えて先程の女性神官が出てきた。床に座り込んで透明の壁に寄りかかる形で号泣するわたしを見下ろして、彼女はじりっと一歩後退りした。
 是結束要件了嗎,先前的女性神官抱著像是幾個資料的紙張束出來了。俯視著坐入地板以依靠著透明的牆壁的形式嚎啕大哭的我,她緩慢地退後了一步。

「……何を、しているの?」
「……在、做什麼呢?」
「うえええぇぇぇぇっ……なんで、なんで、わたしは入れないんですか?」
「嗚唉唉唉……為什麼,為什麼,我進不去嗎?」

 ペシペシと透明の壁を叩きながら質問すると、彼女は図書室を振り返って、「あぁ」と小さく呟いた。
 一邊不斷敲打透明的牆壁一邊提問後,她回望了圖書室,「啊」地小小嘟噥了。

「貴重な本があるから、利用できるのは神殿関係者だけなのよ」
「因為有貴重的書本,能利用的只有神殿關係者喔」

 彼女の言葉にパァッと脳内に希望の光が差し込んできた。神殿関係者しか利用できないなら、神殿関係者になればいい。神はまだわたしを見放していなかった。
 因她的話語突然在腦內射入了希望之光。如果只有神殿關係者能利用,那成為神殿關係者就好了。神還沒有拋棄我。
 ぐいぐいっと涙と鼻水を拭って、わたしはビシッと手を上げる。
 用力地擦去眼淚與鼻涕,我用力舉起手。

「質問です。どうしたら、神殿関係者になれますか?」
「有問題。該怎麼做,才能成為神殿關係者呢?」
「……一番簡単なのは、神殿の巫女見習いになることじゃない?」
「……最簡單的,不就是成為神殿的實習巫女嗎?」

 どうやら、女性の場合は神官ではなく、巫女と言うらしい。ならば、目の前の彼女は成人しているので、女性神官ではなく、巫女だ。
 看樣子,女性的場合似乎不是神官,而是稱為巫女。那樣的話,由於眼前的她是成年人,不是女性神官,是巫女。

「じゃあ、わたし、神殿の巫女見習いになります! どうしたらなれるんですか?」
「那麼,我,要成為神殿的實習巫女! 要怎麼做才能當成呢?」
「神官長か神殿長の許しがあればなれるわよ。さぁ、礼拝室に行きましょう」
「神官長有神殿長的許可就能當成喔。好了,來去禮拜室吧」

 話を打ち切ろうとした巫女にわたしはふるふると頭を振った。
 我對打算停止話題的巫女左右搖著頭。

「神殿長はどちらにいらっしゃいますか?」
「神殿長去了哪裡呢?」
「洗礼式で神殿長のやることは終わったから、今はお部屋にいらっしゃるけれど……今から行くの?」
「因為洗禮式上神殿長該做的事情結束了,雖然現在去了房間……但要現在開始去嗎?」

 彼女がドン引きしているのは見ればわかるが、貴重な情報提供者を逃すわけにはいかない。
 雖然她繃緊著是看了就明白的,但不能放跑貴重的情報提供者。

「はい! このまま帰れません!」
「是的! 不能就這樣回去!」
「……一応神殿長に伺ってみるわ」
「……姑且試著拜訪神殿長吧」

 わたしの不退転の意思を汲み取ってくれたのか、衣装から判断して対応を決めたのか、わからないが、仕方なさそうに溜息を吐いて、彼女はわたしを神殿長の部屋へと連れて行ってくれた。
 是領會了我絕不後退的意思嗎,還是從服裝上做判斷決定應對呢,雖然不知道,但沒辦法似地嘆了一口氣,她帶著我去往神殿長的房間了。

 わたしはどうやら結構奥の方まで迷い込んでいたようで、神殿長の部屋はすぐ近くにあり、許可が取れるまで豪華なドアの前で待つことになった。
 我看來似乎闖進了相當深的地方,神殿長的房間就在附近,變成在取得許可之前要在豪華的門之前等待。
 辺りを見回せば、高そうな装飾品や絵が飾ってあるようになり、宗教のお偉いさんはやはり金持ちなのだと実感する。
 環視個周邊的話,變成似乎有裝飾著高貴的裝飾品或繪畫,能體會到宗教的偉人果然是有錢人。

「神殿長、巫女見習いの希望者がいるのですが……」
「神殿長,雖然有實習巫女的自願者……」
「希望者?」
「自願者?」

 少し開いたままのドアから、神殿長と女性神官のやり取りが聞きとれた。就職面接のような緊張感がみなぎってきて、わたしはドアの陰でピッと姿勢を正し、手早く身嗜みの確認をする。服の一箇所が乾いた涙と鼻水でちょっとカピカピしている。
 從仍然稍微打開的門裡,聽見了神殿長與女性神官的交流。就職面試般地緊張感充滿著,我在門的陰影裡迅速矯正姿勢,俐落地做著儀容確認。衣服的一處因乾掉的眼淚與鼻涕而有點乾乾硬硬的。

「はい、本日の洗礼式に来ていた子のようです」
「是的,好像是來今天的洗禮式的孩子」
「ふぅむ、一応会ってみるか」
「呼唔,要姑且試著見面嗎」
「入っていらっしゃい」
「進來吧」

 スマートにすっと入室したかったけれど、予想以上にドアが重くて動かなかった。仕方がないので、重いドアに全体重をかけてぐっと押しながら、隙間に身体を滑り込ませるようにして入室する。
 雖然說能瀟灑迅速地進入室內,但出乎預料門重到無法動彈。由於毫無辦法,只能一邊在沉重的門上加上全部體重使勁地推著,一邊做出讓身體滑進縫隙裡進入室內。

「失礼します」
「失禮了」

 神殿長の部屋はフリーダの部屋とよく似た作りの部屋だった。ドアから比較的近い中央にテーブルと椅子があり、応接スペースになっている。ドアから一番遠い部屋の隅には重厚な天蓋のついたベッドがあり、反対側の隅には仕事をするスペースがある。
 神殿長的房間是跟芙莉妲的房間更相似構造的房間。在離門比較進的中央有著桌子跟椅子,成為了接待空間。在離門最遠的房間一角有著附有厚重頂蓬的床,在相反側的一角有著從事工作的空間。
 仕事スペースには重厚な机と書棚が2つ。それから飾り棚があり、30センチくらいの神様の像と先程の洗礼式で見た聖典とキャンドルが、聖典を中心にほぼシンメトリーに飾られていた。
 在工作空間是厚重的桌子與書架2個。然後有著裝飾架子,30公分左右的神明大人的像與剛才在洗禮式看到的聖典與蠟燭,差不多以聖典為中心被對稱裝飾著。

 神殿長と巫女が仕事スペースにいるので、わたしはなるべく姿勢良く、そこに向かって歩いて行く。神殿長の視線が痛いほどに刺さってくるのがわかった。
 由於神殿長與巫女在工作空間,我盡量姿勢良好,往那裡走過去。神殿長的視線疼痛般的刺了過來是明白的。
 ゆっくりと深呼吸しながら、気合を入れる。これは就職の面接だ。あの図書館に入れるかどうかはこの面接で決まるのだ。
 一邊慢慢地做深呼吸,一邊集中精神。這個試就職的面試。能不能進去那個圖書室要用這場面試來決定。

「名前は?」
「名字?」
「マインです。神殿長、お願いします。わたし、巫女見習いになりたいんです。どうか許可をください」
「是瑪茵。神殿長,拜託您了。我,想要成為實習巫女。還請給我許可。」

 両手を胸の前で組んでお願いすると、神殿長は少し面白がるような笑みを見せて、ペンを置いた。
 將雙手在胸前交叉請求後,神殿長展露稍微有趣般的笑容,擱下了筆。

「では、マイン。何故巫女見習いになりたいなどと思ったのか聞かせてくれんか?」
「那麼,瑪茵。不說來聽聽為何會想著想要成為實習巫女嗎?」
「ここに図書室があるからです」
「因為在這裡有圖書室」

 わたしが答えると、神殿長は予想外の答えだったのか、わずかに目を見張った。
 我回答後,是出乎神殿長預料的答案嗎,微微睜大了眼睛。

「……図書室? 字が読めるのか?」
「……圖書室? 字會讀嗎?」
「はい、わからない単語は多いですけれど。本を読めば、知っている単語は増えていきます。だから、命の続く限り、ここにある本を読み尽くしたいと思っています」
「是的,雖然不知道的單詞很多。看了書的話,認識的單字會增加起來。因此,我認為只要生命持續著,就想要讀遍存在於這裡的書本」

 神殿長はこめかみを押さえて溜息を吐いた。わざとらしいほどに肩を落として、首を振った。
 神殿長壓著太陽穴嘆了一口氣。似乎刻意般地垂下了肩膀,搖了搖頭。

「君は何か勘違いをしているようだ。神殿は、神に祈る場所。神官も巫女も神に仕えるものだ」
「妳似乎誤解了什麼。神殿是,向神祈禱的地方。神官與巫女都是為神服侍的」
「その通りです。わかっています。神殿長が今日の洗礼式で読んでくださったあの分厚い聖典は神々について書かれたものですよね? わたしにとって聖典は神そのものなんです。神についての全てを読み尽くしたい。わたし、神の全てを知りたいんです」
「就是那樣。我明白了。神殿長在今天的洗禮式上讀過的那本厚實的聖典是被寫了關於眾神的東西對吧? 對我來說聖典是神那樣的東西。想要讀遍關於神的一切。我,想知道神的一切」
「君は聖典原理主義者か?」
「妳是聖典原理主以者嗎?」

 きらりと神殿長の目が光った。肯定した方が良いのか、否定した方が良いのかよくわからない。
 神殿長的眼睛閃耀發光了。是肯定比較好呢,還是否定比較好呢我不知道。
 少し悩んだけれど、一緒に洗礼式を受けた子供達がそんな言葉を知っているとも思えない。余計な事は口に出さずに、よくわからない時は流しておくのが一番だ。
 雖然稍微煩惱,但不認為一起接受洗禮式的小孩子們會知道那樣的話語。多餘的事情別說出口,不太明白的時候先作罷是最好的。

「初めて聞く言葉なので、意味が良くわからないのですが、聖典を読みたい、神のことを知りたいと思う心には一片の曇りもありません。火の神の加護を受けるわたしの情熱を信じてください。巫女見習いになり、ここにある本を全て読み尽くして神を知りたいと思うわたしの祈りと願いは、神殿長には通じませんか?」
「由於是第一次聽到的話語,雖然意義不是很明白,但思考著想要讀聖典、想要知道神的事情的心沒有一片烏雲。請相信接受火之神加護的我的熱情。思考到成為實習巫女、全部讀遍在這裡的書本想要認識神的我的祈禱與願望,神殿長無法通曉嗎?」

 畳みかけるように訴えると少しばかり引き気味の神殿長はわたしを上から下まで見て、ふぅむ、と何度か頷いた。
 連續不斷地訴諸後稍微牽引了心情的神殿長從上到下看著我,呼唔、地點了好幾次頭。

「君の情熱はわかった。希望すれば、確かに神殿巫女見習いになれなくはない」
「妳的熱情我明白了。自願的話,確實不是不能成為實習神殿巫女」
「本当ですか?」
「真的嗎?」
「だが、君のような家庭の子供が神殿に入りたいと願うならば、その情熱に応じた寄付が必要になる。君はいくら寄付が必要か知っているのか?」
「但是,如果像妳般的家庭小孩請求想要進入神殿的話,呼應那份熱情的捐獻就變得有必要了。妳知道多少的捐獻是必要的嗎?」

 お金を持っていそうな衣装だから、足元を見てふっかけてやろう。神殿に入りたいなら相応の金を出せ、ということだろう。
 因為是有著錢那樣的服裝,看著腳下吹著氣。是所謂如果想要進入神殿就拿出相應的錢來,那種事對吧。
 宗教が綺麗なものばかりで構成されているわけがないことくらいわかっている。金を出せば入れるなら、自分が自由になる範囲でお金を出せばいいだけだ。
 我明白宗教並非盡是以漂亮的東西被構成的東西。如果拿出錢的話就能進去,只能在自己變得能自由運用的範圍裡拿出錢來就好。

 そういえば、本を一冊買うにも小金貨がいくつも必要だと聞いたことがある。チェインドライブラリーを利用させてもらえたら、あの分厚い本が10冊ほどは確実に読める。
 這麼說來,有聽過買一本書本也需要小金幣幾個。接受利用鎖鏈圖書館的話,那個厚實的書本10本左右能確實地讀到。

 日本の貸本屋しか知らないが、貸本屋の相場を考えれば、本一冊分の金額で図書室にある本は読めると思う。そして、書棚に詰まった資料も死ぬまで読み放題だと思えば、家族に残しておく金額を考えても、大金貨一枚までなら悩むことなく出せる。
 雖然不知道日本的租書店,但考慮到租書店的行情的話,思考著以書本一本份的金額去讀在圖書室的書本。然後,想到塞在書架上的資料也到死為止隨便讀的話,就算考慮到先留給家人的金額,如果是大金幣一枚為止不用煩惱也能拿出來。

「寄付の相場は知りませんけど……わたしが自由にできる範囲で、大金貨1枚までは出せます」
「雖然不知道捐獻的行情……在我能自由運用的範圍哩,大金幣1枚是能拿出來的」
「だ、大金貨!?」
「大、大金幣!?」

 神殿長が唾を飛ばしながら素っ頓狂な声を上げた。巫女も口元に手を当てて、目を丸くしている。二人の反応に、どうやら高額過ぎる金額を提示したことがわかった。
 神殿長一邊口沫橫飛一邊發出冒犯的聲音。巫女也將手貼在嘴角,目瞪口呆起來。對兩個人的反應,明白了提示著看來是太過大額的金額。

「あれ? 高すぎました? でも、最高金額ですから、それ以上は出せませんよ?」
「奇怪? 太高了嗎? 但是,因為是最高金額,超出那個是拿不出來的唷?」

 神殿長と女性神官が顔を見合わせた後、取り繕うようにゲフンゲフンと咳払いをして、真剣な眼差しでわたしを見据えた。
 神殿長與女性神官互相對看之後,像是彌補般做出咳咳地乾咳,以認真的眼神盯著我。

「あ~、君のような情熱の持ち主が巫女見習いになりたいと願うのは神殿側としては実に素晴らしく喜ばしいことだと思うが、洗礼式ということはすでに仕事が決まっているだろう? どこかに所属しているのではないか?」
「啊~,雖然認為像妳一樣的熱情的持有者拜託想要成為實習巫女作為神殿方實在是美妙又愉悅的事情,但所謂的洗禮式是已經決定好了工作的對吧? 沒有所屬於那裡嗎?」

 確かに、勤め先が決まっていたら、いきなり巫女見習いにはなれないだろう。だが、在宅予定のわたしに勤め先などない。
 確實,工作地點決定了的話,是無法突然成為實習巫女的吧。但是,在家預定的我沒有工作地點。

「一応商業ギルドに、仮登録してますけど、仕事は決まってません。身体が弱いので、在宅で仕事をする予定でした」
「雖然姑且在商業公會,做了臨時登記,但工作沒有決定。由於身體虛弱,預定在家從事工作。」
「在宅? 商家の娘か? 巫女見習いになるにはどこかに所属していては無理だ。商業ギルドを脱退し、巫女見習いになればいいが、親は何と言っている?」
「在家? 商家的女兒嗎? 成為實習巫女所屬於某處是不可以的。雖然退出商業公會,成為實習巫女就好,但父母說了什麼?」
「親にはこれから相談しますけど……」
「雖然父母這之後會商量……」

 わたしはそこで一度言葉を切った。商業ギルドについては即答できない。物を売買するには加入が必須だったはずだ。
 我在那裡切斷了一次話語。關於商業公會無法立即回答。要買賣東西加入應該是必須的。

「商業ギルドの脱退なんてできるのかな? 今まで貯めたお金やこれから先作る商品ってどうなるんだろう?」
「商業公會的退出之類的是否能做到呢? 至今儲存的錢或今後製做的商品會變成怎樣呢?」

 考えをまとめようと思った独り言を聞き咎めるように神殿長が目を見張った。
 神殿長對像是責問般思考著總結想法的自言自語睜大了眼睛。

「今まで貯めたお金? 商品? 親の仕事を手伝っているのではないのか?」
「至今儲存的錢? 商品? 不是幫忙著父母的工作嗎?」
「違います」
「不是的」

 神殿に入るための自己アピールのチャンスだ。わたしは面接の注意事項を思い出しながら、今まで自分が頑張ってきたことと、そこで得られたものを語った。約一分で。
 是為了進入神殿的自己自我呼籲的機會。我一邊回想起面試的注意事項,一邊說了至今自己的努力與、在那裡被得到的東西。約一分鐘。

「……ふぅむ、家事手伝いでの仮登録ではないなら、脱退するより、そのままの状態で見習いになれるよう、ギルド長と交渉してみた方が良いかもしれんな」
「……呼唔,如果不是因幫忙家事的臨時登記,比起退出,以那樣的狀態成為實習,與公會長試著交涉會比較好也說不定」

 バッチリ手応えはあったようで、感心したように神殿長が笑みを浮かべた。
 似乎順利有了反應,像是欽佩般的神殿長浮現了笑容。
 上の人同士で話をつけてくれると、こちらとしては大助かりだ。わたしは、よろしくお願いします、と礼を言って、ギルド長との交渉は神殿長に任せることにする。
 以上面的人們進行對話後,作為這邊是大為得救。我以,請多多指教,言謝,與公會長的交涉決定交給了神殿長。

「わたし、まずは、親に相談してみます」
「我,首先,試著跟父母商量」
「あぁ、親に反対されたり、悩みがあったりした時はすぐに相談に来なさい。本が読みたいなら、この部屋に来なさい。図書室には入れないが、ここにある聖典を読ませてあげることはできる」
「啊,又是被父母反對,又是有煩惱的時候請馬上來諮詢。如果想要讀書,請來這個房間。雖然無法進去圖書室,但能讓妳讀在這裡的聖典」
「本当ですか!? やったぁ! 神に祈りを!」
「真的嗎!? 太好了! 向神祈禱!」

 バッとグ○コのポーズをとった瞬間、ぐらりと身体が傾いだのがわかった。すぅっと血の気が引いていく。
 啪地擺出固○果姿勢的瞬間,明白到身體大大地晃動傾斜了。迅速地臉色逐漸蒼白起來。

 しまった。興奮しすぎた。
 完蛋了。興奮過頭了。

 ルッツがいなかったので、わたしの興奮と暴走を止めてくれる人がいなかった。
 由於路茲不在,沒有能制止我的興奮與暴走的人。
 自覚のないままに許容量を越えてしまったらしいわたしの身体から一気に力が抜ける。代わりに、身体の中で勝手に暴れようとする熱を感じた。
 從似乎沒有自覺般超越了容許量的我的身體裡一口氣虛脫了。取而代之,感覺到在身體裡面打算擅自胡鬧的熱。

「……やっちゃった」
「……做了呢」

 ぼてっ! と倒れた後は動けない。身体が動かないだけで、意識があるだけマシだと思おう。わたしは倒れた状態のまま、大した量ではない身食いの熱を集めて押し込める方に意識を向ける。
 啪嗒! 地倒下之後不能動了。我認為就只是身體不能動,只有意識在還好。我依然是倒下的狀態,將意識朝向聚集並不是很大量的身噬的熱並壓制。

「何だ!? どうした!?」
「是什麼!? 怎麼了!?」

 目の前で倒れて動かなくなったわたしに、神殿長が驚愕したように目を見開いて、椅子を蹴倒すような勢いで立ち上がった。
 對在眼前倒下不能動的我,神殿長像是驚愕般睜大了眼睛,以踢倒椅子的氣勢站了起來。
 巫女は呆然とした表情で崩れ落ちたわたしを見つめ、小さな声でポツリと呟いた。
 巫女用呆然的表情凝視著崩垮的我,用小小的聲音細碎地嘟噥著。

「……そういえば、洗礼式で倒れたって聞いたような?」
「……說起來,有聽說是在洗禮式上倒下了呢?」
「何だと?」
「妳說什麼?」

 首を傾げるようにそう言った巫女に神殿長が目を吊り上げる。
 神殿長對像是歪著頭那樣說的巫女怒目而視。
 起き上がれないまま、わたしは二人に謝った。
 依然起來來般,我向兩個人道歉。

「すみません、興奮しすぎました。動けないので、もうしばらくお待ちください」
「對不起,太過興奮了。由於不能動,請暫時再等一下」

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 神殿図書室の発見です。
 發現神殿圖書室。

 次回は、両親の反対と説得です。
 下回是,雙親的反對與說服。
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