惨めに捨てられた伯爵夫人は第二王子と精霊神たちに想われ思い出す慘被拋棄的惡之伯爵夫人回想起被第二王子與眾精靈神戀慕
作者:砂礫レキ
3話3話
原文連結 あの後、善は急げとばかりにマリアは私を離宮から王宮内の来賓室へと移動させた。 那之後,瑪麗亞幾乎是好事不宜遲地讓我從離宮移動往王宮內的來賓室。
そしてそこで待っているように言い残して消えたと思ったら代わりになぜかアレス王子がやってきた。 然後留言說在那邊等著就以為消失了的話,取而代之是亞雷斯王子不知為何過來了。
待てどもマリアは姿を見せず、メイドの持ってきた紅茶と菓子を前に久しぶりね大きくなったわねと親戚のおば様のような台詞を彼に告げた後は完全に沈黙するしかなかった。 怎麼等瑪麗亞都不見蹤影,把女僕拿過來的紅茶與點心擺到前面,告訴他親戚阿姨般的台詞說好久不見了呢長大了呢之後,只有完全的沉默。
アレス王子から話題を振ってくる事も無く私は私でこの年頃の男の子に適した話題を見つけられず時計の針だけが進んでいく。 沒有從亞雷斯王子那丟來話題的我,也沒有讓我發現適合這年紀男孩子的話題,只有時鐘的指針在前進著。
彼の存在を意識してしまうと、どうしても先ほどマリアの口にした『婚約』という言葉も一緒に頭に浮かんでしまう。 意識到他的存在後,無論如何剛才瑪麗亞說出口名為『訂婚』的話語也一起浮現腦海裡了。
真正面に座る彼は少年から青年へと変化する最中の繊細さと精悍さが絶妙に混ざり合っていて、元々の顔立ちの良さもあり異性に騒がれるのも当然に思える。 坐在正對面的他絕妙地混合著從少年往青年變化當中的纖細與精悍,原本的長相也很好,我認為會被異性騷擾也是當然的。
きっと王子という立場でなくても年頃の女性たちが彼を放っておくということは有り得ないだろう。 一定就算不是名為王子的立場,年長的女性們把他棄之不顧這件事是不可能的吧。
だからといって精神的に追い詰める程追い掛け回すのは非常識だけれど。 所以說精神上窮追不捨般到處追趕是很沒常識就是了。
非常識といえばマリアだ。 要說很沒常識的就是瑪麗亞了。
自分と同い年の私に対し息子と婚約してみないかなどとのたまったのはやはりどう考えてもいかれている。 對與自己同年的我曰要不要試著與兒子訂婚,果然怎麼思考都很不正常。
彼女と二十年以上の付き合いでマリアに大分感化されている私でさえいまだに唖然とさせてくれるのだからある意味あの脳みそは凄い。 因為讓連與她交往二十年以上而被瑪麗亞相當影響的我現在啞然失色,某意義上那腦袋真厲害。
いやマリアの場合、脳を通した発言などしたことがないかもしれない。反射だけで生きていると言われても納得してしまう。 不對,瑪麗亞的情況是沒有透過腦子發言也說不定。就算被說是只靠反射來活著也能認同。
そして一番厄介で納得いかないのはマリアの考えがどれ程おかしくて常識知らずであっても、最後にはその判断が正しいと周囲が認めてしまうことだった。 然後最麻煩且無法理解的是,就算瑪麗亞的思考是多麼奇怪不懂常識,在最後周圍都會承認那判斷是正確的這件事。
でも、絶対に今回の婚約の件は間違っている。 但是,這次訂婚的事絕對是錯誤的。
「…あの」「…那個」
「へ?あ!ごめんなさい…わたくしったらぼうっとしていて」「哎?啊!對不起…我真是的恍神了」
沈黙をいいことに思考に没頭していた所に声をかけられて思わず慌ててしまう。 把沉默當好事埋頭於思考時,被搭話而不由得慌了手腳。
しかしアレス王子の声が前に比べ随分と低くなっていてそのことにも驚いてしまう。 可是,也對亞雷斯王的聲音變得比以前還低了很多那件事大吃一驚。
私に纏わりついてきては抱き上げられ小鳥のような声で喜んでいた子供からこんなバリトンボイスが発せられる日が来るなんてと感慨深くもなる。 也變得從纏著我不放、被抱上來會用小鳥般的聲音高興著的小孩子發出這種男中音聲的日子來臨了而感概良多。
でも彼の年齢を考えれば声変わりなんて大分昔に済んでいる筈で、そのことに今更驚いてしまう程私たちの距離は遠ざかってしまっていたのだ。 但是考慮到他的年齡的話變聲什麼的在很久以前應該就結束了,我們的距離是事到如今才對那件事吃驚般的遙遠。
王宮へマリアに会いに来た時に遠くから視線をかわしたことはある。その時にちゃんと頭を下げてもくれる。 在朝王宮來見瑪麗亞的時候有過從遠方交換視線。在那個時候也對我好好的低下頭了。
けれどアレス王子は兄のルーク王子と違って私の傍に来て言葉を交わそうとはしない。 但是亞雷斯王子與哥哥路克王子不同,沒有來我旁邊交談。
それが少し寂しかった時もあったが思春期とはそういうものだろうと深入りはしなかった。 那雖然也有稍微寂寞的時候,但是所謂思春期那種東西吧而沒有深入。
だからこうやって会話をすることさえ本当に久しぶりなのだ。 所以連像這樣對話也真的是久違了。
そんな関係で婚約なんて。 因那種關係而訂婚什麼的。
政略結婚なら仕方がないのかもしれないけれど。 如果是政治婚姻就沒辦法了也說不定就是了。
「…いや、気にしなくていいです。俺が急に声をかけたのが悪いので」「…不,不用介意也可以。是我突然搭話的錯」
「いいえ、貴方が悪いなんてことはないわ。続きを話して頂戴、可愛いアレス…あ」「不對,你什麼錯都沒有喔。請繼續說下去,可愛的亞雷斯…啊」
しまった。やってしまった。先ほど彼はもう幼い子供ではないと認識したばかりだというのに。 糟糕了。說錯了。明明剛剛才認知到她已經不是年幼的小孩子了。
見る見るうちに目の前の青年の表情が険しくなっていく。がたんと立ち上がる音がして反射的に目を瞑った。 眼看著眼前的青年的感情逐漸變得嚴峻。發出嘎嗒站起來的聲音反射性的閉起眼睛。
過去、口論の最中にロバートに平手打ちをされたことを思い出す。 回想起過去,在爭吵當中被羅伯特打了一巴掌。
けれど痛みと衝撃を覚悟していた私にアレス王子が与えたのはそのどちらでもなかった。 但是對做好疼痛與衝擊覺悟的我,亞雷斯王子給予的哪個都不是。
「え……」「咦……」
ふわりと、整髪料の香りと汗の匂いと…唇にうっすらと残った紅茶の味。 飄散出、定型劑的香味與汗水的氣味與……微微殘留在嘴唇上的紅茶味。
今、私がされたのは。 現在,我被做的。
「もう、ガキじゃないんで」「已經不再是小鬼了」
それと貴方と違って可愛くもないので。そう前髪が触れ合う距離で告げられて思う。 還有與妳不同也不可愛了。以瀏海如此互相碰觸的距離被告知的思念。
やっぱりこの子、あのマリアの息子だわ。 果然這孩子,是那個瑪麗亞的兒子呀。
というかこんなにあっさり口づけして見せる男が女嫌いになんてなる筈ないでしょう。 話說回來這麼樣地輕易展現親吻的男子應該是不會變成討厭女人的吧。
話が違うわよ、私はこの場にいない悪友に内心で盛大に文句を言った。 跟說的不一樣啊,我在內心裡對不在場的損友盛大地抱怨著。