惨めに捨てられた伯爵夫人は第二王子と精霊神たちに想われ思い出す慘被拋棄的惡之伯爵夫人回想起被第二王子與眾精靈神戀慕
作者:砂礫レキ
5話5話
原文連結「私、やっぱり自信を無くしていたのね」「我果然沒有自信了呢」
「あ゛あ゛」「啊啊」
「自分よりもずっと若い女に長年連れ添った夫を奪われて」「被比自己年輕得多的女人奪走長年相伴的丈夫」
「あ゛あ゛あ゛」「啊啊啊」
「実家に報告に行ったら義妹に、その年では再婚も無理ですわねって言われて」「去老家報告後,被義妹說以那年紀要再婚也不可能了呢」
「あ゛あ゛あ゛あ゛」「啊啊啊啊」
「自分がもう女としては無価値なんだってきっと思ってしまったのね…」「一定是認為自己作為女人已經沒有價值了呢…」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」「啊啊啊啊啊」
「だから、若くて美しいアレス王子の接吻を拒めなかったのだわ。情けない」「所以,拒絕不了年輕貌美的亞雷斯王子的接吻啊。真是可悲」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」「啊啊啊啊啊啊……」
「ディアナ様、もうその辺で」「狄亞娜大人,做到那就好了」
勘弁してあげてください。 請饒過她吧。
そう一人の青年に言われて私は拘束していた体を放す。 被另一位青年說的我放開了拘束著的身體。
糸の切れた操り人形のようにマリアは床に崩れ落ちた。 瑪麗亞就像被切斷線的提線木偶般跌落到地板上。
私の得意とする魔法『茨の籠手』 我擅長的魔法『荊棘護腕』
簡単に言えば利き腕に雷を纏わせて相手に触れる攻撃技だ。 簡單地說的話就是把雷纏在慣用手上碰觸對方的攻擊技。
ただ貴族の娘という立場上私が攻撃魔法を使う場面などほぼない。 只是在名為貴族女兒的立場上的我幾乎沒有使用攻擊魔法的地方。
だから私は出力を下げた『茨の籠手』を主に嫌がらせへと使っていた。 所以我降低輸出主要把『荊棘護腕』朝找碴上使用著。
微量の雷を纏わせた手で相手と握手をすると、チクリとした痛みを与えることができる。 用纏著微量雷的手與對方握手後,就能給予刺麻的疼痛。
まるで鋭い薔薇の棘に刺されたみたいに。 簡直就好像被尖銳的薔薇刺刺到。
そして威力を上げた上で相手に抱き着きでもすれば一瞬の痛み程度では済まない。 然後在提高威力上也做得到抱住對方的話,就不僅僅是一瞬間的疼痛程度了。
茨に巻きつかれたような痛みの後に訪れる痺れ。毒でも受けたかの如く立つことすら困難になる。 在被荊棘纏繞般的疼痛之後來訪的麻痺。如同是中了毒連站著都變得很困難。
これが私の昔のあだ名である『毒薔薇令嬢』の由来だ。 這就是我以前的外號『毒薔薇千金』的由來。
ただ学生時代、初対面のマリアにお見舞いして「お嬢様というより暗殺者みたい」と言われてからは余り使わなくなった。 只是學生時代問候初次見面的瑪麗亞,被說了「比起說是千金小姐更像是暗殺者」之後就變得不怎麼使用了。
そう、マリア以外には。 沒錯,除了瑪麗亞以外。
「ああああアンタねえ、自国の王妃をぶっ殺す気なの!?」「妳妳妳妳妳啊,是要殺了本國的皇后嗎!?」
「馬鹿言わないで頂戴。これぐらいで死ぬタイプなら学生時代あんなに手を焼かされなかったわ」「請不要說蠢話了。如果是這樣就死了的類型,學生時代就不會那麼讓人棘手了喔」
「ああもう、凄い痛かった!でもビリビリのお陰で肩こりはなくなったわ!どうもサンキューね!」「啊啊真是的,痛死我了!但是托刺刺麻麻的福肩膀不會痠痛了啊!多謝了呢!」
「肩凝りの所でわざわざ下品に胸を揺らすのは止めて頂戴!しかも息子の前で!」「即便是肩頸痠痛也請停止故意下流地搖晃胸部!而且還是在兒子的面前!」
私は背後を振り返る。 我回頭看著背後。
そこには先程私を止めた青年が困ったような笑顔を浮かべていた。 在那裡的是剛才阻止我的青年浮現著困擾似的笑臉。
マリアの長男であるルーク王子。 是瑪麗亞的長男路克王子。
父親譲りの柔和な笑顔と美貌が特徴の十八歳の学生だ。貴族学校の生徒会長も務めているらしい。 特徵是遺傳父親的柔和笑容與美貌的十八歲學生。似乎也任職著貴族學校的學生會長。
アレス王子と一歳違いとは思えないぐらい彼は人間として完成されているように見える。 不認為是與亞雷斯王子相差一歲的他作為人類看起來就像完成了。
少なくとも母親の玩具にはなったりはしなさそうだ。長男だからかしら。 至少似乎不會變成母親的玩具。也許因為是長男。
「許してあげてください。ディアナ様。母上も流石に貴女以外の前ではそのような振る舞いはいたしませんから」「請原諒她。狄亞娜大人。因為娘親畢竟也只會在妳面前做出那個樣子的行為」
親友の前だとつい学生時代に戻ってしまうのでしょうとフォローを入れる様は手馴れている。 在親友面前不小心就返回到學生時代了吧的跟風用得正順手。
だがマリアの奇行は十代の学生の立場でやっても十分に不躾でアホな行為だと思う。だって私たちの母校って名門貴族御用達ですし。 但是瑪麗亞的古怪行徑我認為就算以十幾歲的學生立場來做也是十足地不禮貌且愚蠢的行為。因為我們的母校是名門貴族專屬。
遠い後輩であるルーク王子が私たちが在籍していた頃の校風をどう思っているのか少し聞きたい所ではある。 不如說有想要稍微聽聽,身為遙遠後輩的路克王子對我們在學時期的校風是怎麼想的。
けれどそれは今すべきことではない。 但是那不是現在應該做的事。
私が聞き出したいのは可愛かったアレス王子の変貌理由だ。 我想打聽出的是可愛的亞雷斯王子變樣的理由。
二度目の接吻の後、ついばむようなバードキスを繰り返す彼の無防備な腹に私は『茨の籠手』を用いた掌底を叩きつけた。 第二次的接吻之後,我對重複著啄食般鳥吻的他無防備的腹部將用上『荊棘護腕』的掌底敲進去。
あっさりと気絶したアレスを苦労しながらできるだけそっと絨毯へと寝かせる。 一邊操心著輕易昏厥的亞雷斯一邊盡可能輕輕的讓他往地毯上躺下去。
身丈と体重だけは一人前の男だ。もう昔のように抱き上げるなど二度とできないだろう。 只有身高與體重是獨當一面的男人。已經不能再像以前一樣抱起來了吧。
彼の呼吸が安定していることを確認し羽織っていたショールを折り畳んで頭の下に挟んであげた。 確認他的吸呼很安定,把披著的披肩摺好並塞進到頭的下方。
『茨の籠手』のいい所は与える痛みと衝撃の割に相手側の肉体損傷が極めて少ない所である。当然魔法の出力を上げればその限りではないが。 『荊棘護腕』的好處是在於對給予疼痛與衝擊的比例上對象方的肉體損傷極少之處。當然提高魔法輸出的話不只那樣就是了。
次に汗をかいたせいで浮いた気のする白粉が気になり軽く化粧直しをした。鏡を見たら頬が赤くなっていて恥ずかしかった。 接著很在意因出汗的緣故而脫落的白粉就輕輕補著妝。照著鏡子之後臉頰泛紅感到很不好意思。
口紅は気になって入念に塗り過ぎたのでもしかしたら普段より濃くなっているかもしれない。 口紅由於在意而涂得過於仔細或許會變得比平時還濃也說不定。
そして扉を開けて使用人たちを呼ぶと彼の介抱を任せた。 然後打開門叫來傭人們後委託照顧他。
その後はかって知ったる宮廷内を単身闊歩し、マリアの私室の一つへと乗り込んだ。運よく一番目の部屋にマリアはいた。 那之後隻身闊步於熟悉的宮廷裡,朝瑪麗亞的一間私人房間進去。很好運的瑪麗亞在第一間房間裡。
息子のルーク王子と仲良くお茶をしている彼女は一見とても落ち着いていた。けれど私は見逃さなかった。 與兒子路克王子和睦的喝著茶的她乍看之下非常的冷靜。但是我沒有看漏。
卓上のティーコゼを無言で持ち上げる。予想通りに水晶玉がそこには鎮座していた。 無言的拿起桌上的茶壺套。正如預料地水晶球就在那裡端坐著。
当然ただの飾りではない。物見の水晶と呼ばれるこれは離れた場所の光景を映し出す高級マジックアイテムだ。 當然不只是個裝飾。被稱為瞭望水晶的這個是會映照出遠處場所的光景的高級魔法道具。
私は魔力を込めた手でペシンと水晶を叩く。起動した水晶は先程まで映していた室内の光景を私に見せてくれた。 我用注入魔力的手啪啪的敲著水晶。起動了的水晶向我展示了直到剛才為止都映照著的室內光景。
そこにはソファーに寝かされて看病を受けているアレス王子が映っている。 在那裡映照著讓其躺在沙發上接受著看護的亞雷斯王子。
「王妃と次期国王が揃って出歯亀とは…何を考えているのかしらね?」「皇后與下任國王聚在一起當偷窺狂…是在想些什麼呢?」
言葉と共にギギギと音がしそうなほどゆっくりと背後を振り返る。 與話語一起像要發出嘰嘰嘰的聲音般慢慢的回頭看著背後。
申し訳ありません!と完璧な角度で腰を折り詫びるルーク王子。 非常抱歉!的以完美的角度彎腰道歉的路克王子。
さっさと逃げ出そうとする我が親友。 打算快點逃出去的我的親友。
まずどちらを罰するかなど決まり切っている。どちらをより罰するかもだ。 首先要處罰哪一邊之類的很顯而易見。或許更該處罰哪一邊呀。
そして、冒頭の処刑風景が生まれた。 然後,就誕生了開頭的處刑風景。