「立刻回到前線吧。攻略長安的孫孝哲想要人手。只需五百兵力就足夠了。」
「明白了。——陛下,我有一個請求。請不要再進行無情的掠奪——」
「作為一個父親,不,作為一個男人的深思熟慮,長安若是陷落,必將成為爭奪戰利品的戰場。
王金鹿告訴我,你在長安不是遇見過什麼人嗎?」
雷梧腦海中突然浮現出舞姬的身影。他從未忘記過她們。那年輕美麗的姿態,至今仍能在腦海中描繪。
洛陽遭到掠奪時,士兵們在各處襲擊唐朝女子。雷梧雖然感到恐懼和厭惡,卻也意識到自己內心存在著凶猛的慾望。
「那麼,掠奪又如何?」
安祿山露出邪惡的笑容。
一切都被看透了。
雷梧立即轉變了問題。
「陛下您還要去長安嗎?」
安祿山收起笑容,臉色變得像坍塌的鍋子一般。
「現在我已經沒心情去了。我想要的東西都沒了。」
「您不是要討伐楊國忠嗎?」
安祿山突然大笑起來。
笑聲之大,似乎連天花板都為之顫動。
「剛收到報告。奪取潼關後,唐帝李隆基拋棄了長安,只帶著親族逃跑了。然而,在馬嵬驛,護衛軍發生暴動,說是亂世的禍首,殺了楊國忠。」
「真的嗎?」
難以置信,不禁再問。且不說楊國忠,堂堂一國之主的皇帝,竟然拋棄臣民逃走了?
「還不止如此。說是禍政之源,連楊貴妃也被殺了。為了安撫護衛軍,即使是皇帝也不得不同意。
喂,雷梧,我從現在開始,應該以什麼為目標呢?原本只想在李隆基面前斬殺楊國忠,奪取楊貴妃,那是我唯一的樂趣啊。」
安祿山一邊喃喃自語,一邊手握著鞭子。
(日文原文)
「すぐに前線に戻ってくれ。長安攻略の孫孝哲が、人手を欲しがっている。兵は五百ほどでいい」
「わかりました。――それで陛下、お願いです。どうかこれ以上、無慈悲な略奪は」
「父として、いや、男としての深慮だがな、長安が落ちれば戦利品の奪い合いになる。
王金鹿から聞いたんだが、お前、長安で誰かに会ったんじゃなかったか?」
雷梧の脳裏に突然、舞姫の姿が蘇った。彼女たちの事を忘れた日はない。若く美しい姿態が、今でも想い描ける。
洛陽で略奪が起きたとき、兵士たちがあちこちで唐の女性を襲った。雷梧は、恐ろしく、汚らわしいと思いながらも、自分にも存在する獰猛な欲望に気付いていた。
「で、略奪がなんだって?」
安禄山が、邪な笑いをした。
全て見抜かれている。
雷梧は咄嗟に、質問を変えた。
「陛下はまだ、長安へは?」
すると、安禄山は笑みを消し、潰れた鍋のような顔になった。
「今は行く気も失せたな。わしの欲しいものはない」
「楊国忠を討つのではなかったのですか」
安禄山は突然、笑いだした。
あまりの大声に天井までたわむようだった。
「報告があった。潼関奪取の後、唐帝李隆基は長安を捨て、親族だけ連れて逃げたのだ。しかし、馬嵬の駅で護衛兵が暴動を起こし、乱の元凶だと言って、楊国忠を殺したそうだ」
「本当ですか」
信じられず、聞き返した。楊国忠はともかく、国主ともあろう皇帝が、民を見捨てて逃げ出したというのか。
「それだけではない。悪政の根源だと、楊貴妃までが殺された。護衛兵をなだめるため、さすがの皇帝も承諾せざるを得なかったそうだ。
なあ雷梧、わしはこれから、何を目的にすればいい? 李隆基の眼前で楊国忠を斬り、楊貴妃を奪うことだけが楽しみだったというのに」
そうつぶやきながら、安禄山は鞭を手にしていた。