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音読 ありの行列(大滝哲也)

ジャネス | 2010-06-10 03:36:05 | 巴幣 0 | 人氣 22652

音読 ありの行列(大滝哲也)



 夏になると,庭のすみなどで,ありの行列をよく見かけます。その行列は,ありの巣から,えさのある所まで,ずっとつづいています。ありは,ものがよく見えません。それなのに,なぜ,ありの行列ができるのでしょうか。

 アメリカに、ウイルソンという学者がいます。この人は、次のような実験をして、ありの様子をかんさつしました。

 はじめに、ありの巣から少しはなれた所に、ひとつまみのさとうをおきました。しばらくすると、一ぴきのありが、そのさとうを見つけました。これは、えさをさがすために、外に出ていたはたらきありです。ありは、やがて、巣に帰っていきました。すると、巣の中から、たくさんのはたらきありが、次々と出てきました。そして、列を作って、さとうの所まで行きました。ふしぎなことに、その行列は、はじめのありが巣に帰るときに通った道すじから、外れていないのです。

 次に、この道すじに大きな石をおいて、ありの行く手をさえぎってみました。すると、ありの行列は、石の所でみだれて、ちりぢりになってしまいました。ようやく、一ぴきのありが、石のむこうがわに道のつづきを見つけました。そして、さとうにむかって進んでいきました。そのうちに、ほかのありたちも、一ぴき二ひきと道を見つけて歩きだしました。まただんだんに、ありの行列ができていきました。目的地に着くと、ありは、さとうのつぶをもって、巣に帰っていきました。帰るときも、行列の道すじはかわりません。ありの行列は、さとうのかたまりがなくなるまでつづきました。

 これらのかんさつから,ウイルソンは,はたらきありが,地面に何か道しるべになるものをつけておいたのではないか,と考えました。

 そこで,ウイルソンは,はたらきありの体の仕組みを,細かに研究してみました。すると,ありは,おしりのところから,とくべつのえきを出すことが分かりました。それは,においのある,じょうはつしやすいえきです。

 この研究から,ウイルソンは,ありの行列のできるわけを知ることができました。

 はたらきありは、えさを見つけると、道しるべとして、地面にこのえきをつけながら帰るのです。ほかのはたらきありたちは、そのにおいをかいで、においにそって歩いていきます。そして、そのはたらきありたちも、えさをもって帰るときに、同じように、えきを地面につけながら歩くのです。そのため、えさが多いほど、においが強くなります。

 このように、においをたどって、えさの所に行ったり、帰ったりするので、ありの行列ができるというわけです。

 このえきのにおいは、ありのしゅるいによってちがうことも分かりました。それで、ちがったしゅるいのありの道しるべが交わっても、けっしてまようことがなく、行列がつづいていくのです。

ありの行列(by はるか)
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