幽かに暑さの残る夕さりの
夕景下殘存暑氣
流れるような紅色を辿って
隨赤紅流淌而去
何度も歩いたこの道も
踏遍此道的足跡
今は過去へと続く道
此刻正領我歸去
吹き抜ける秋風に
微風下拂來秋氣
舞い立つ花びら
令花瓣漫天飛舞
遠ざかる夏の影
述說著夏日遠去
ひらり
歌頌著
空に響く手遊び歌
你曾在天際下譜奏的一曲
まだ焼き付いて
至今仍歷歷在目
それでも回ってく
卻又盤旋在我心頭
天雲に流されて
隨雲朵飄逝而去
また日々を紡いでく
再次編織著未來
幼い僕ら
年輕時的我們
弱い毒をもって
總是有些衝動
自分の居場所をただ守ろうとした
堅守自己的信念不被撻伐
やがて火花のように散りゆく僕ら
很快我們將如火花般飄散
本音さえ飲み込んで
不願再口露真言
ありふれた後悔を空に浮かべても
就算漂泊於天際也如凡人般有過悔恨
梔子は答えないまま
但梔子花僅是在旁觀望著*註1
そぞろに振り向いた鈴の音に
鈴響之下我緩緩回首
揺れる影ぼうし
你搖晃的身影
この手を引く声も熱が見せた幻
你出聲牽起我手或許都是海市蜃樓
淡い夢が残した空白は
夢醒後殘存的空虛
過去だけど未来だ
既是過往也是未來
時に失くしたもの数えては
不時細數失去的事物
明日へ歩んでゆく
繼續朝明日邁去
ひらり
歌頌著
空に響く手遊び歌
你曾在天際下譜奏的一曲
まだ眩しくて
至今仍耀眼眩目
それでも回ってく日常を踏みしめて
卻又盤旋在我心頭回歸日常之中
また日々を紡いでく
再次編織著未來
*註1
日式圍棋和將棋棋盤的底腳常以梔子果實作為形象,日語中「梔子」(くちなし)與「沒有口」(口無し)同音,寓意棋局進行時不容許對弈者或旁觀者用口交談。