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第一部士兵的女兒 冬季的開始

作者:SPT草包│2017-04-26 23:19:54│巴幣:0│人氣:342
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 冬の始まり
第一部士兵的女兒 冬季的開始
原文連結

 家に帰ってきてホッとした次の日、わたしはルッツと一緒にベンノの店へ向かった。
 回到了家放心了的隔天,我跟路茲一起去往班諾的店。
 チラチラと雪がちらつく天気だったけれど、雪が積もる前に回復の報告とお礼に行かなければ、家から出られなくなってしまう。
 雖然說是隱隱約約飄著雪的天氣,但若不在積雪之前去報告恢復跟道謝,就變得無法從家裡出來了。

「ベンノの旦那、マインがギルド長から何かふっかけられていないか、引き抜きに合って困ってないか、すっげぇ心配してたぞ」
「班諾老闆,瑪茵沒有從公會長那裡被浮報什麼費用嗎,互相拉攏不是會很傷腦筋嗎,非常擔心著喔」
「あ~、もしかして、心の中で何度も助けを求めたから、通じたのかな?」
「啊~,莫非,是因為在心中好幾次尋求著幫助,是不是相通了呢?」

 フリーダの家族に囲まれた時、わたしは心の中で何度かベンノに助けを求めた。変な電波でも出ていたのだろうか。
 被芙莉妲的家人包圍時,我在心中不知幾次向班諾尋求著幫助。連奇怪的電波也發出了嗎。
 うーん、と首を傾げていると、ルッツが不満そうな顔でわたしを睨んだ。
 嗚嗯,地疑惑不解時,路茲用不滿似的表情盯著我看。

「……オレには?」
「……對我呢?」
「ん?」
「嗯?」
「オレに助けは求めなかったのか?」
「沒有向我尋求幫助嗎?」

 むすぅっとした顔のルッツを見て、何とも言えないくすぐったい笑いが込み上げてくる。
 看著作為不爽表情的路茲,說不上來心癢難耐的笑意湧了上來。
 思わず笑ってしまったわたしに、ルッツがさらに口をへの字に曲げた。
 路茲對不由得笑了的我,更加地彎曲著緊抿的嘴。

「なんで、笑うんだよ!?」
「為什麼,要笑唷!?」
「だって、ルッツはちゃんと助けてくれたじゃない」
「因為,路茲不是好好地幫忙了嗎」
「え?」
「哎?」

 鳩が豆鉄砲を食らったような顔になったルッツに、わたしは声を立てて笑う。
 對變成了像是受到驚嚇似的表情的路茲,我放聲笑著。

「ルッツは、動きすぎで熱出すぞって、フリーダに言ってくれたでしょ? おかげでゆっくり寝られたし、夕食の席に着くこともなかったから、引き抜きの話も聞かずに済んだし、すごく助かったんだよ」
「路茲,對芙莉妲說過、動太多會發燒喔對吧? 因為託此之福能緩緩地入睡,沒有坐到晚餐桌上,拉攏的話題也沒聽到就結束了,非常有幫助唷」
「へへ、そっか」
「嘿嘿,是嗎」

 得意そうに笑ったルッツが、わたしと繋いだ手に少し力を入れた後、半歩前に出る。わたしに当たる風が少なくなって、顔に当たる雪が減ったような気がした。
 得意似地笑了的路茲,在跟我牽起的手上稍微用力之後,來到了半步前。感覺好像打到我的風變少了,打到臉上的雪減少了。

「こんにちは」
「你好」
「あぁ、マイン。元気になったようで何よりです」
「啊,瑪茵。能有精神比什麼都好」

 ベンノの店の中は活気に満ちて温かい。店に入ってホッと息を吐いたわたし達を見つけて、マルクが早足で近付いてきた。
 班諾的店裡面充滿著活力而溫暖。發現了進去店裡面放心地吐了一口氣的我們,馬爾克快步靠近過來。
 雪が降り始めているのに、ベンノの店は少しも出入りする人が減っていないような気がする。気が早い工房はもう閉めてしまっているところもあるというのに。
 明明開始下雪了,卻感覺班諾的店進出的人一點也沒有減少。明明所謂性急的工坊也已經有關門的地方了。
 ベンノの店を見回して、そんな感じのことを呟いたら、マルクがニッコリと笑った。
 環顧班諾的店,嘟噥著那樣的感覺的事情的話,馬爾克輕輕地笑了。

「この店は冬が売り時ですから」
「因為這家店冬季是販售的好時機」
「そうなんですか?」
「是那樣的嗎?」

 冬は吹雪の日が増えて動けない日が多くなるので、引きこもってなるべくお金を使わないように生活するものだと思っていたが、違うらしい。
 由於冬季暴風雪的日子增加而變得無法行動的日子很多,雖然想著盡量閉門不出像是不使用金錢而生活著,但似乎不一樣。

「雪に閉ざされて暇になる貴族の方々は、暇が潰れて、目先が変わる物のためならば、意外と財布の紐が緩むのです」
「被雪困住而變得很閒的貴族各位,若要打發空閒、為了眼前奇怪的東西的話,錢包的繩子意外地會很鬆動」
「なるほど、娯楽用品かぁ……」
「原來如此,娛樂用品嗎……」

 ゲーム機なんて作れないけれど、トランプ、カルタ、花札、すごろくなど、遊び慣れたカードゲームが頭の中を回る。余裕があれば作ってみても良いかもしれない。
 雖然說遊戲機之類無法製做,撲克牌、哥留多、花牌、升官圖之類,玩習慣的卡片遊戲在腦袋中打轉。有餘裕的話試著製做說不定也很好。
 ルッツがくいっと袖をつかんだ。
 路茲用力地抓住袖子。

「何か思い浮かんだのか?」
「是想到了什麼了嗎?」
「……紙があった方がいいものなんだけどね」
「……就只是最好要有紙張的東西呢」

 カードゲームも薄い板ならできるかもしれない。でも、木をカードのようになるべく同じ大きさや厚さで、薄く切るには技術がいる。
 卡片遊戲也是如果是薄板搞不好能做到。但是,要將木頭盡量像是卡片一樣的同樣大小跟厚度,切薄是需要技術的。
 木工技術を持っている人に作ってもらうのは簡単だけれど、「わたしが考えて、ルッツが作る」という前提を、せめて洗礼式が終わるまでは崩したくない。
 雖然說請擁有木工技術的人來製做是很簡單,但所謂「我來考慮、路茲來製做」的前提,至少直到洗禮式結束為止不想破壞。

 薄い板作りって、ルッツにできるかな?
 製作薄板,路茲是否能辦到呢?

 それに、わたしはまだこの世界で絵具を見たことがない。染料があるのだから、あるところにはあるのだろうけれど、トランプなどの色付けがウチの中ではできそうにない。
 而且,我還沒在這個世界看過顏料。因為有染料,雖然說在某地方存在的吧,但撲克牌之類的上色在我家裡面似乎是做不到。

 オセロや将棋なら、板とインクで自分達でも何とかなるかもしれないけど。遊ぶ種類の多さはトランプが一番なんだよね。
 如果是奧賽羅或將棋,雖然用板子與墨水搞不好我們自己也能想辦法做到。很多遊玩種類是撲克牌最棒呢。

 う~ん、と唸っている間に奥の部屋へ案内されていて、ベンノから間近で顔を覗きこまれていた。
 在嗚嗯、地呻吟期間被帶領往深處的房間,經由班諾在跟前窺視起了臉來。

「マイン、回復したんだよな?」
「瑪茵,回復了嗎?」
「ぅあ!? は、はい。ご心配おかけしました」
「啊!? 是、是的。讓你擔心了」

 目を瞬きながらそう言っても、ベンノは疑わしそうに眉を寄せるだけで、わたしの顔をじろじろ見るのを止めてくれない。
 就算一邊眨著眼一邊那樣說,班諾就只是可疑似地皺起了眉頭,無法停止地打量著我的臉。

「ベンノの旦那、大丈夫だ。マインは何か考えていただけで体調が悪くなったわけじゃないから」
「班諾老闆,不要緊的。因為瑪茵就只是在思考著什麼並不是身體狀況變壞了」
「そうなのか」
「是那樣嗎」

 ルッツの言葉にやっと納得したのか、ベンノがパッとわたしから手を離す。暖炉のそばにあるテーブルにわたし達を座らせながら、ハァ、とベンノは深い息を吐き出した。
 是終於理解了路茲的話語了嗎,班諾突然從我那放開了手。一邊讓我們坐在在壁爐旁邊的桌子旁,班諾一邊唉、地吐出了深深的呼吸。

「あのじじいが孫のために集めた物だからって、結構しつこくうだうだ言っていたから、魔術具を本当に使ってくれるかどうかは賭けだと思っていたが……」
「因為雖說是那個老頭為了孫子而收集的東西,而相當執拗地囉囉嗦嗦說著,雖然認為能不能真正的使用魔術具是賭博……」
「あ、わたしをギルド長の店に引き抜きたかったみたいです。払うお金が足りなかったら、借金のかたに店を移ることになっていたんでしょう?」
「啊,好想想拉攏我進公會長的店裡。支付的錢不夠的話,會變成欠錢的一方要轉移店家的吧?」
「借金のかた……。まぁ、そうだな。だが、金は渡してあっただろう?」
「欠錢的一方……。算了,說得也是呢。但是,錢有交付吧?」

 ニヤッと得意そうに笑ったベンノに頷きながら、わたしはギルド長達が裏で色々罠を張っていた事実を暴露する。
 一邊對得意似地賊賊地笑著班諾點頭,我一邊暴露了公會長們在背後設下了各式各樣的圈套的事實。

「はい。ベンノさんには魔術具の値段を小金貨一枚と大銀貨2枚と伝えたって言ってましたけど、実際は小金貨2枚と大銀貨8枚だったみたいで……」
「是的。雖然說過將魔術具的價錢以小金幣一枚與大銀幣2枚傳達給班諾先生,但實際好像是小金幣2枚與大銀幣8枚……」
「あんのくそじじい!」
「那個臭老頭!」

 ガシガシとベンノが悔しそうに頭を掻いて怒鳴る。
 班諾懊悔似地持續猛烈地搔著頭怒吼著。

「わたしが持っているお金でギリギリ足りて、ホッとしました。フリーダとギルド長は足りると思わなかったみたいで、驚いてましたよ」
「用我擁有的錢勉勉強強足夠,放下心了。芙莉妲與工會長好像沒想過會足夠,吃驚著唷」

 わたしがそう付け足すと、ベンノは一瞬呆気にとられた後、「そういえば、情報料上げたな」と呟き、ニヤッと笑った。
 我那樣補充後,班諾一瞬間傻眼之後,嘟噥著「這麼說來,抬高了情報費呢」,賊賊地笑了。

「ヤツらに一泡吹かせたならそれでいい。だが、あの一族には気を抜くな。お前みたいに危機感の薄いぼへっとしたヤツはすぐに食われるぞ」
「如果讓那些傢伙們大吃一驚那樣就可以了。但是,別對那一族鬆懈。像妳一樣作為危機感薄弱又常發呆的傢伙馬上會被吃掉喔」

 危機感の薄いぼへっとしたわたしがやらかしてしまったかもしれない失敗についても、ベンノに報告しておいた方が良いだろう。そうは思っていても、叱られるのを少しでも後に回したくて、言い方がついつい遠まわしになるのは止められない。
 我就關於作為危機感薄弱又常發呆的我做過了也說不定的失敗,事先跟班諾報告會比較好吧。就算那樣想著,也稍微想把被叱責轉移到之後,但卻無法停止說法下意識地變得間接。

「えーと、ベンノさん。質問があるんですけど、この辺りではお菓子って、どんなものが普及しているんですか?」
「呃,班諾先生。雖然有個問題,但在這附近說道點心,是怎樣的東西在普及著呢?」
「どういう意味だ?」
「是什麼意思呢?」

 じろりとわたしを見る赤褐色の目にビクッとしながら、わたしは言い訳も加えて、説明をした。
 儘管被銳利看著我的紅褐色目光給嚇到,我還是加上辯解,做了說明。

「その、わたしの周りでは甘い物なんて滅多になくて、蜂蜜とか果物とか、冬のパルゥくらいなんですよ」
「那個,在我的周圍甜的東西之類的很少見,像是蜂蜜啦水果啦、冬季的葩乳什麼的唷」
「あぁ、そうだな」
「啊,說得也是呢」
「……それで、ですね、ベンノさん。つかぬ事をお伺いいたしますが、フリーダの家には砂糖があったんですけど、それって珍しいものですか?」
「……因此,就是呢,班諾先生。很冒昧地詢問,雖然在芙莉妲家有著砂糖,但說到那個是很稀奇的東西嗎?」

 料理に使うための砂糖がウチにないことから考えても、普及しているのは富豪層くらいだとは思っている。
 就算從為了使用在料理上的砂糖在我家是沒有來考慮,我認為普及著的是富豪階層左右的。
 それでも、流通に詳しい人から確実な答えが欲しいし、できれば、ウチが貧乏だから買えないだけで街の大半の人は買ってるよ、くらいの答えだったらいいなと思う。
 即便如此,還是想要來自熟知流通的人的確實答案,可以的話,我想就只是因為我家很貧窮而買不起但城市大半的人買得起唷,之類的答案就可以了。
 もちろん、そんなわたしの願望の詰まった答えが返ってくるはずがない。
 當然,那種塞滿了我的願望的答案應該是不可能返回的。

「この辺りではまだ珍しいな。外国から最近輸入され始めて、王都辺りや貴族の間ではかなり人気が高いって……お前、まさか、また何かしでかしたのか!?」
「在這附近還很稀奇呢。是說最近才開始被從外國進口,在王都周邊或貴族之間人氣相當高……妳,難道,又搞出了什麼了嗎!?」

 すでに色々しでかした前科があるので、ベンノはすぐに気が付いたようで、眉をグッと上げた。
 由於有著已經搞出各式各樣的前科,班諾似乎馬上就注意到了,使盡地揚起了眉毛。

「その、『カトルカール』ってお菓子を作ったら、食いつかれたみたいで……」
「那個,製做了叫『磅蛋糕』的點心後,好像被咬住不放了……」
「あぁ、あれか。すっげぇうまかった。しっとりしてて、口の中ではとろけるようで、初めて食べる甘い味の……って、マイン!」
「啊,那個嗎。非常好吃。很濕潤,似乎在嘴巴裡面溶化了,第一次吃到的甜味的……啊,瑪茵!」

 貴族階級に砂糖自体は普及し始めているが、まだお菓子文化というほどは色々なお菓子がないらしい。カトルカールはシンプルでオーソドックスなケーキだが、間違いなくやりすぎた。
 雖然砂糖本身在貴族階級才開始要普及,但似乎還沒有所謂點心文化之類各式各樣的點心。雖然磅蛋糕是樸素而正統的蛋糕,但肯定做過頭了。
 二人から睨まれて、さすがにまずいことをしてしまったことを実感する。
 被兩個人瞪著,畢竟體會到了做了糟糕的事情。

「お前はどうして肉食獣の前でそう無防備に茂みから頭を出すんだ!? あっという間に食われるに決まってるだろうが!」
「妳為什麼在肉食動物面前那麼無防備地從草叢裡冒出頭來呀!? 肯定會在轉眼間被吃掉的吧!」

 カトルカールでここまで激昂されるのだから、スポンジケーキでショートケーキなんて作らなくてよかったと自分をこっそり慰める。秤や薪オーブンに不安があったせいだが、結果的にはセーフだ。
 因為由於磅蛋糕就讓他如此激動著,偷偷地安慰著自己沒有用海綿蛋糕製做什麼裝飾蛋糕太好了。雖然在磅秤跟窯烤箱上有著不安的緣故,但結果是平安無事。

「だって、フリーダとはお菓子を作る約束していたし、自分にできるお礼が何かないかなって思ってて……」
「因為,跟芙莉妲做了製做點心的約定,想著是不是有什麼自己能做到的答謝……」
「お礼なんて、金を払ったんだから十分だ!」
「答謝什麼的,因為付了錢就很充分了!」

 ベンノの言葉がフリーダの言葉といちいち重なる。ここの商人にとっては、対価を払っているので、それ以上は不要だったらしい。
 班諾的話語跟芙莉妲的話語一個一個重疊著。對這裡的商人來說,由於支付了代價,似乎是不需要比這更多的了。

「うぅ、フリーダにもそう言われました」
「嗚,也被芙莉妲那樣說過」
「またか!? 商談相手に言われてどうするんだ? 負けてもいい相手かどうかはよく見極めろって前にも言っただろう!?」
「又來了嗎!? 被洽談對象說教是在搞什麼? 話說是不是可以輸掉的對手要好好看清在之前也說過吧!?」

 のおおぉぉぉ! わたし、学習能力なし。でも、命の恩人にできるだけのお礼をしたいと思うのは普通じゃないの?
 不要啊! 我,沒有學習能力。但是,認為想盡可能對救命恩人答謝並不普通?

「一応命の恩人だしって思って……」
「我想是說姑且是救命恩人」
「つまり、くそじじいに騙されたことはコロッと忘れていたわけか」
「也就是說,被臭老頭騙了的事情轉身就給忘了嗎」
「ぅぐぅ……」
「咕……」

 それを言われると言葉に詰まる。結果としてお金を持っていたから、命を助けてもらったとしか考えていない。けれど、これでお金が足りなくて強制的にベンノの店からギルド長の店に所属が変わっていたら、もっと心境は複雑だっただろう。
 被那樣說後頓時語塞了。作為結果擁有錢的話,就只能考慮接受救助了性命。不過,像這樣錢不夠會強制地從班諾的店到公會長的店改變所屬的話,心境會更加複雜的吧。

「ったく、向こうはお前が身食いだから、時間的にもたいしたことはできないだろうと高をくくって、放置してくれているんだ。ヤツらが本気になれば、お前なんて気が付く前に所属が変わっているはずだ。わざわざ捕まりに行くようなことをするな」
「真是,因為面對的是妳的身噬,在時間上也做不到多了不起的事情吧而束之高閣、放置不管吧。那些傢伙們認真的話,在妳注意到什麼的之前所屬就應該改變了吧。別做像是刻意去給抓住的事情」

 なるほど、と少しだけ納得した。色々と罠を張る割に引き抜きは緩いな、と思っていた。
 原來如此,地些微理解了。我想是在說、比起設下各式各樣的圈套更別鬆懈了拉攏。
 どうやら、身食いという病気自体に潰されるか、すぐにでも貴族と契約する相手だから、ちょこちょこ突くくらいで済んでいるらしい。
 看來,是被所謂身噬的疾病本身打垮了嗎,因為是馬上就跟貴族做契約的對象,似乎以宛如小碎步撐著結束了。

「えーと、気付く前に所属が変わるって、どんなことをされちゃうんでしょう?」
「呃,要說在注意到之前所屬就改變了,是被做了怎樣的事情對吧?」
「一番簡単なのが、お前の親に近付いて外堀を埋めることだな。娘の命の恩人に頼まれれば断れるわけがない。今後も面倒をみると言って洗礼後の所属を親から攻めてきたり、あそこの息子が知らないうちにお前の婚約者になっていたりする可能性もあった。あと一年持つかどうかわからないマインを相手にそこまでする意味がないからしないだけだ」
「最簡單的是,靠近妳的父母填埋護城河吧。被女兒的救命恩人拜託的話不可能拒絕。從父母那攻入說著今後也會照料的洗禮後的所屬,有著那邊的兒子在不知道的情況下變成妳的婚約者的可能性。就只是因為將不知道還有沒有能保持一年的瑪茵為對象做到那裡沒有意義而沒做吧」
「何それ、怖いっ!」
「那是什麼,好恐怖!」

 ひいいぃぃぃっ! と鳥肌の立ってしまった自分の腕をガシガシと擦っていると、ベンノが呆れたような顔でわたしを見ていた。
 唏咿咿! 地持續猛烈地搓著豎起雞皮疙瘩的自己的手臂後,班諾用驚呆似的表情看著我。

「今頃わかったのか。危機感がないにも程がある。……それで、そのお菓子は出来た現物を渡しただけか?」
「此刻明白了嗎。沒有危機感也要有個程度。……還有,那個點心只交付了完成的實物嗎?」

 ベンノの質問の意図がわからなくて、わたしは首を傾げながら、みんなで一緒に作った話をした。
 不明白班諾提問的意圖,我一邊疑惑不解,一邊說了是大家一起製做。

「いえ、わたしにお菓子作りなんて腕力使うことできるわけないので、フリーダの家の料理人さんに作り方を教えながら、作っていただきました。真っ白の小麦粉がたくさんあって、砂糖もあって、薪オーブンが自分の家にあるんですよ。すごいですよね」
「不是,由於我沒有製作點心什麼的能使用的腕力,一邊將作法教給芙莉妲家的廚師,一邊請她製做。雪白的麵粉有很多,砂糖也有,在自己的家裡有著窯烤箱唷。很厲害呢」
「あぁ、すごい、すごい。つまり、レシピは丸々向こうが握ったわけか……」
「啊,很厲害、很厲害。也就是說,食譜對方完全握住了嗎……」

 頭を抱えるベンノの姿に、かなり不安になってきた。お礼に作っただけのお菓子がここまで波紋を広げることになるとは全く考えていなかったのだ。
 對班諾抱著頭的身影,變得相當不安了起來。只是為答謝而製做的點心至此造成廣大影響的事情完全沒有考慮過。

「うっ、何かまずかったですか?」
「嗚,有什麼糟糕的嗎?」
「貴族相手に売れそうなもんを無償でやるなんて、馬鹿だろう?」
「將能賣給貴族對象的東西做了無償什麼的,妳是笨蛋嗎?」

 何が貴族に売れて、何が庶民的なのか、正直わたしにはわからない。ただ、ケーキのレシピはお金になることがわかった。今度から気を付けよう。
 什麼能賣給貴族、什麼是平民的呢,老實說我不知道。只是,蛋糕的食譜能變成錢是知道的。要從這一次開始當心了。

「うぅ……。だったら、こっちも料理人に作らせて売ればいいじゃないですか。まだ向こうだって売りだしたわけじゃないし……」
「嗚……。這樣的話,這邊也讓廚師製做販售的話不就好了嗎。就連對方也都還沒有出售……」
「砂糖の入手がまだ難しいんだ」
「砂糖的到手還很困難」

 先に売ってしまえばいい、と提案してみれば、ベンノはハッキリと嫌な顔をした。
 搶先販售就可以了,試著那樣提議的話,班諾清楚地做出了厭惡厭的臉。
 しかし、嫌な顔をされても困る。砂糖の入手はわたしの領分ではない。むしろ、手広く商売をしているベンノの仕事だ。
 但是,被做了厭惡的表情也很困擾。砂糖的到手不是我的領域。不如說,是做著廣泛的生意的班諾的工作。

「じゃあ、諦めるしかないですね。砂糖とオーブンをうまく扱える料理人がいたら、『カトルカール』のレシピは無料でベンノさんにも公開しますよ」
「那個,就只能放棄了呢。有能好好處理砂糖與烤箱的廚師的話,『磅蛋糕』的食譜也能免費對班諾先生公開唷」
「……その言い方を聞けば、他にもありそうだな」
「……聽到那種說法的話,似乎也有其他的呢」

 ベンノはすぐに気付いてわたしを見たが、砂糖がなければどうしようもないレシピばかりだ。公開しても意味がない。
 雖然班諾馬上注意到看著我,但若沒有砂糖也只是毫無用處的食譜呀。就算公開也沒有意義。
 お菓子のレシピはお金になると先程教えてもらったわたしは、胸を張ってドヤ顔で告げる。
 點心的食譜能變成錢的話請剛才告訴我,挺起胸膛用得意的表情宣告著。

「それ以上は有料です」
「那之後要收費」
「その強かさは向こうに使え」
「那份強硬去跟對方使用」
「……善処します」
「……我會妥善處理」

 もっともな言葉にわたしはしょぼんとしおれた。善意でやったことをお金で計算されるのは、どうにも慣れないけれど、それが商人の世界だというなら、慣れるしかない。
 我對正確的話語無精打采並萎靡了。用善意所做的事情被用金錢計算著,雖然說怎樣都不習慣,但如果那個是所謂商人的世界,必須要習慣。

「報告はそれで終わりか?」
「報告因此結束了嗎?」
「いえ、これはかなり私的な報告なんですけど、わたし、冬の間は基本的に外に出ないので、春になるまでお店に来ることはないですが、心配しないでください」
「沒有,雖然這個是相當私人的報告,但我,由於冬季期間基本上不能出來外面,到春天之前雖然無法來店鋪哩,但請不要擔心」

 何しろここには、目の前でわたしが倒れたことで過保護になっているマルクとベンノがいるのだ。わたしが店に来なくても店の運営には何の問題もないだろうが、また体調のことで心配させるのも悪いので、先に宣言しておくことは必須だろう。
 不管怎樣在這裡,有著因為我在眼前倒下而變得過度保護的馬爾克跟班諾在。雖然我就算不來店裡在商店的營運上也沒有任何問題吧,但由於又因為身體狀況的事情而被擔心也很不好意思,而必須先事先宣佈吧。

「外に出ないとは?」
「不能出來外面是說?」
「外に出たら寝込むんです」
「出來外面的話會臥床」
「あぁ? オットーの手伝いをすると言っていなかったか?」
「啊? 沒說要幫歐拓的忙嗎?」

 どうやら、ベンノは冬の間はほぼ門に行くと考えていたらしいが、それは違う。そんな暴挙をウチの家族が見逃してくれるわけがない。
 看來,雖然班諾似乎考慮過冬季期間大致上會去門,但那不一樣。我的家人是不會放過那種暴行的。

「えーと、吹雪じゃない天気で、わたしの体調が良くて、父の仕事が朝番か昼番の時って条件付きなので、冬の間に10回も行けないと思ってます」
「呃,由於是以不是暴風雪的天氣,我的身體狀況很好,父親的工作是早班或午班的時候為附帶條件,我認為在冬季期間去不到10次」
「……お前、洗礼式の後、本当に仕事できるのか?」
「……妳,洗禮式之後,真的能工作嗎?」
「それは、わたしも常々不安に思っているんですけど」
「那個,雖然我也常常認為很不安」

 ものすごく不安そうにベンノが聞いてきたが、むしろ、聞きたいのはこちらだ。わたしにできる仕事があるのだろうか。
 雖然非常不安似的班諾問了起來,但不如說,想問的是我這邊呀。有我能做到的東西嗎。

「仕事の仕方は追々考えた方が良さそうだな。それで、冬の間の手仕事の納品はどうする? 春の洗礼式に向けて、多少品物があると店としては助かるんだが」
「工作的辦法漸漸地去考慮似乎會比較好呢。於是,冬季的手工交貨要怎麼做? 針對春季的洗禮式,雖然有多少物品的話作為商店就得救了」

 当初は春になったら全て納品すると言っていたが、それでは春の洗礼式に間に合わないらしい。冬の洗礼式に向けて大急ぎで作った分もほとんど売れて在庫がないらしい。
 雖然當初有說過到了春天就全部交貨,但那樣的話似乎就趕不上春季的洗禮式了。針對冬季的洗禮式而急忙製做的份幾乎都賣完了似乎沒有庫存了。
 ルッツが元気よく手を上げた。
 路茲精神很好地舉起了手。

「オレが天気を見て持ってきます。晴れた朝はパルゥ採りだから、店に来るのは曇りの日かな?」
「我會看天氣帶過來。因為放晴的早上要採集葩乳,來店裡能不能是陰天呢?」
「あぁ、パルゥか。懐かしいな。パルゥジュースは、子供の御馳走だからな」
「啊,葩乳嗎。好懷念呢。因為葩乳果汁是,小孩子的佳餚呢」

 フッとベンノが懐かしそうに笑った。ベンノも昔はパルゥ採りに行ったのだろう。戦利品をコリンナと分けるベンノを想像してわたしが少し笑うと、隣のルッツもパルゥ採りに思いを馳せて、にへっと笑った。
 班諾忽然懷念似地笑了。班諾以前也去採集過葩乳的吧。我想像著跟柯琳娜分享戰利品的班諾稍微笑了後,隔壁的路茲也奔馳著採集葩乳的思緒,會心一笑著。

「オレ、今年も絶対にパルゥケーキを食べるんだ」
「我,今年也絕對要吃到葩乳蛋糕啊」
「……パルゥケーキ? 何だ、それは?」
「……葩乳蛋糕? 什麼呀、那個?」

 ベンノが怪訝そうな顔になる。
 班諾變成了詫異似的臉。
 わたしはパルゥケーキのレシピが流出した時のことを考えて、たらりと冷や汗が流れるのを止められなかった。
 我考慮到葩乳蛋糕的食譜流出的時候的事情,冷汗滴答地止不住的流著。

「あ~、ルッツ。そのレシピは秘密にしておいた方が良いよ? パルゥが手に入らなくなるから」
「啊~,路茲。那個食譜事先作為秘密會比較好唷? 因為葩乳會變得得不到了」

 パルゥの搾りかすは人間が食べるものではない。動物の餌だ。そう思われているから、ルッツの家では卵と引き換えにたくさん手に入れることができる。
 葩乳的果渣並不是人類會吃的東西。是動物飼料。因為被那樣認為,在路茲的家跟雞蛋交換而能得到很多。
 けれど、その利用価値を知られたら、パルゥの搾りかすに高い値段が付くようになるかもしれない。そうすれば、冬の家畜の食料として当てにしている人達全員に迷惑をかけることになってしまう。
 但是,知道了那個的利用價值的話,葩乳的果渣會變得像是加上了很高的價錢也說不定。那樣的話,會造成以作為冬季家畜的食物為目的的全體人們添麻煩的。

「そっか。オレ達だけの楽しみだからな」
「對吼。因為是屬於我們的樂趣呢」
「そう、わたし達だけの楽しみにしておこうね」
「沒錯,事先作為屬於我們的樂趣呢」

 ベンノの店を出て帰途に就く頃には、通りの端に少しずつ雪が積もり始めていた。外に出ることもできなくなる本格的な冬の到来を見せつけられて、わたしは軽く溜息を吐く。
 在離開班諾的店踏上歸途的時刻,在街道的一端雪一點一滴地開始堆積著。被顯示著變得無法出去到外面真正的冬天到來了,我輕輕地嘆了一口氣。

「お外に出られない日が始まりそうだね」
「不能出去外面的日子似乎開始了呢」
「……そうだな」
「……說得也是呢」

 ルッツが積もりかけの雪を忌々しそうに見ながら、小さく頷いた。
 路茲一邊避忌似地看著堆積起來的雪,一邊小小點著頭。
 家の雰囲気が良くない、と母親のカルラおばさんが言っていたくらいだ。当人であるルッツはもっと険悪な雰囲気を感じているに違いない。家に籠らなければならない冬は、ルッツにとって辛い季節だろう。
 似乎是母親的卡露菈阿姨說過的,家裡的氛圍不好。作為當事人的路茲肯定會感覺到更險惡的氛圍。不避居在家裡不行的冬季,對路茲來說是很難受的季節吧。

「ねぇ、ルッツ。2~3日に一度は勉強道具と仕上がった簪部分を持って、ウチにおいでよ」
「喂,路茲。每2~3天一次帶著學習用具與完成的髮簪部分,來我家唷」

 わたしがルッツに提供できるのは、ほんのちょっとの息を抜く時間だけだ。毎日では余計に家族の風当たりが強くなりそうだし、理由がなければルッツもウチに来にくいので、簪が少しできたくらいを見計らうのが良さそうだ。
 我能為路茲提供的,就只有些微喘息的時間。每天家人多餘的譴責似乎變強了,由於沒有理由的話路茲也很難來我家,估計髮簪能稍微做到就好了。
 わたしの提案に、ルッツはほんの少し顔を綻ばせた。
 對我的提議,路茲些微地綻放了笑容。

「あぁ、そうする。悪いな」
「啊,會做到的。不好意思呢」


 吹雪の日が増えて、通りを歩く人が減っていく。人々は寒さをしのぐために、外に出ることを控えて、家の中で過ごすことになる。
 暴風雪的日子增加了,走在街道上的人逐漸減少。人們為了忍耐寒冷,變成節制著出去外面,要在家裡面度過。
 父は兵士で門に詰めるので、冬だからと言って仕事が休みにならないのは去年と一緒だ。吹雪の日でも仕事があり、家にいることは少ない。
 由於父親是士兵而要擠進門裡,是說因為是冬季工作無法休息是跟去年一樣的。即便是暴風雪的日子也有工作,會在家裡面很少。
 ウチの中ではトゥーリが暇を見つけてはせっせと髪飾りを作っている。確実にお金になることを知っているので、去年の籠作りより真剣だ。
 在我家裡面圖麗一發現空閒就一個勁地製做著髮飾。由於確實地知道了能變成錢,比去年製作籃子還認真。
 母は手仕事に関心を示しながらも、家族の服を作る方を優先させなければならない。今年はわたしの洗礼式があるので、まず晴れ着から仕上げると母は言った。
 母親一邊表現對手工的關心,一邊也必須優先製做家人的衣服。由於今天有我的洗禮式,母親說首先要從盛裝開始完成。

「去年のトゥーリの晴れ着をお直しするんじゃダメなの?」
「修改去年圖麗的盛裝不行嗎?」

 トゥーリは一年でまた背が伸びた。もう夏に着ていた晴れ着が少しきついはずだ。だったら、ほとんど袖を通していない晴れ着をお直しした方が、手間もかからないのではないだろうか。
 圖麗一年裡又長高了。在夏季穿著的盛裝應該已經有點緊了。這樣的話,修改幾乎無法通過袖子的盛裝,不是比較不會花功夫嗎。

「トゥーリとマインじゃ大きさが違い過ぎて、お直しも大変なのよ」
「圖麗跟瑪茵的大小差太多了,修改很辛苦的唷」

 母は困ったようにそう言って苦笑した。普通は晴れ着なんて、何度も作るものではない。姉妹なら特に着回すのが普通だ。
 母親好像很困擾地那樣說了苦笑著。普通盛裝什麼的,是不會製做好幾次的東西。特別如果是姊妹混搭是很普通的。
 しかし、わたしとトゥーリは身体の大きさが全く違う。7歳になったばかりの洗礼式で8~9歳くらいに見られるトゥーリと4~5歳に見られるわたしが同じ服を着るのは正直不可能なのだ。
 但是,我跟圖麗身體的大小完全不一樣。在剛成為7歲的洗禮式上被看作宛如8~9歲的圖麗與被看做4~5歲的我穿著同樣的衣服老實說是不可能的。

 竈の前で着てみたものの、肩も脇もずるずるだし、膝丈のワンピースは足首までの長さになっている。
 雖然在爐灶前面試穿看看,但肩膀跟腋下都鬆鬆滑滑的,及膝的連衣裙變成了到腳踝的長短。

「うーん……。でも、この裾なんて、こうやって摘まんで丈を誤魔化せば、ひだもできて可愛いと思うよ? 摘まんで縫うところにこんな感じの小花を飾るのはどう?」
「嗚嗯……。但是,這個下擺之類的,像這樣捏起矇騙長度的話,做成皺褶我認為很可愛唷? 捏住縫合的地方裝飾著這種感覺的小花如何呢?」
「マイン、それってお直しじゃないよ。すごく豪華になっちゃう」
「瑪茵,是說那樣就不是修改了喔。變得非常豪華了」

 裾にひだを作って摘まんだわたしの提案にトゥーリが笑った。
 圖麗對我捏住下擺製做皺褶的提議笑了。
 サイズが完全に違う場合、糸を全部解いて、わたしのサイズに布を断って、縫い直すことをお直しと言うらしい。ちょこちょこ摘まんで飾りで誤魔化せばいいんじゃない、と言うわたしの考え方は異端なようだ。
 尺寸完全不一樣的場合,似乎把將絲線全部解開,把布裁斷成我的尺寸,重新縫製稱為修改。一步步地捏住用裝飾來矇騙不就好了,那樣說著的我的思考方式似乎是異端。
 これはもう余計な事を言わない方が良いパターンに違いない。
 這個肯定已經是不會被說是多餘的事的好樣式。

「そっか。豪華に見えすぎるなら、止めた方が良いのかもしれないね。摘まむだけのお直しなら、この部分を外せば、わたしが大きくなっても使えると思ったんだけど……」
「是喔。如果看上去豪華過頭了,最好停止也說不定呢。如果只是捏住修改,避開這個部分的話,我認為就算我長大了也能用就是了……」

 余分な布が使えるのは、生活に余裕がある者だけだ。ひだのある服なんて基本的には金持ちしか着ないし、余計な飾りを付けることもできない。
 能使用多餘的布的,就只有在生活上有所富餘的人。有皺褶的衣服之類的基本上只有有錢人會穿,也不會配戴上多餘的裝飾。
 だからこそ、トゥーリはピッタリサイズの晴れ着だった。お直しのためとはいえ、わたしがひだのある服なんて着たら目立って仕方ないかもしれない。
 正因為如此,圖麗是剛好尺寸的盛裝。雖說是為了修改,我穿著什麼有皺褶的衣服的話很顯眼是沒辦法的也說不定。
 そう思って、口を噤んだのに母が妙にやる気になってしまった。ガシッとわたしの両肩をつかんで、ニッコリと笑う。
 那樣想著,明明三緘其口的母親莫名地變得有幹勁了。緊抓住我的雙肩,微微地笑著。

「……マインの言うとおりやってみましょう。ダメなら普通にお直しすればいいもの。ね?」
「……就照瑪茵所說來試做看看吧。如果不行就普通地修改就好了的東西。對吧?」

 あ、ヤバい。母さんが燃え始めた。
 啊,不好了。媽媽開始燃燒了。
 ……これ、普通のお直しでいいよって言っても止まらないよね?
 ……這個,就算根據普通的修改就可以了去說也停止不了呢?
 わたしも自分の髪飾りを作ったり、ルッツの家庭教師をしたり、料理番をしたり、去年よりは忙しいんだけどな。
 我也是又要製做自己的髮飾,又要當路茲的家庭教師,還要當掌廚的,雖然會比去年還忙呢。

 もちろん、やる気になってしまった母から逃げ出すなんてできるはずもない。
 當然,應該無法從變得有幹勁的媽媽那裡逃離出來什麼的。
 竈の前とはいえ、夏の晴れ着を着ただけの状態で、母と色々なところを摘まんでタックを作る話しをしているうちに、虚弱なわたしはしっかり風邪を引いた。
 雖說是在爐灶前面,以只穿了夏季的盛裝的狀態下,在跟母親說著捏著各式各樣的地方製做打褶的期間內,虛弱的我確實罹患了感冒。

 ふぇくしょんっ!
 哈啾!

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 ベンノさんに報告したことでフリーダ関連のお話はいったん終了です。
 由於跟班諾先生報告了關於芙莉妲的故事暫且結束。
 これからは冬籠り。
 這之後是過冬。
 引きこもっていても熱を出すのは仕様です。
 就算避居也會發燒的做法。

 次回は晴れ着の完成と髪飾りです。
 下回是盛裝的完成與髮飾。
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