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第一部士兵的女兒 芙莉妲的洗禮式

作者:SPT草包│2017-04-25 18:49:04│巴幣:0│人氣:176
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 フリーダの洗礼式
第一部士兵的女兒 芙莉妲的洗禮式
原文連結

 わたしが起きた時には、部屋の外がとてもにぎわっていた。
 在我起來的時候,房間的外面非常的熱鬧著。
 ユッテではない別の下働きの女性がドアのすぐそばの椅子に座って、わたしが起きるのを待っていた。かなり年若い20歳になっていないくらいで、人懐っこい雰囲気の人だ。
 不是優蝶的另一個女性雜役坐在近在門邊的椅子上,等待著我起床。由於相當年輕還不到20歲左右,是和藹可親的氛圍的人。
 ベッドから降りて、意外と重い天蓋のカーテンをよいしょっと退けて部屋に出たわたしに、彼女はニコリと笑った。
 對從床上下來、奮力地挪開意外沉重的頂蓬的圍幔離開房間的我,她微微地笑了。

「おはようございます。体調はいかがですか?」
「早安,身體狀況如何呢?」
「一応熱はないみたいだけど、絶好調とは言えないから、今日は家族が迎えに来るまでおとなしくしておきます」
「因為姑且雖然說好像沒有燒,但也說不上是最佳狀態,今天直到家人來迎接為止都要先乖乖待著」

 クスリと彼女が笑った。
 她噗哧地笑了。

「昨日の夕食の席は大騒ぎでしたわ。デザートに出たお菓子をお嬢様とマインさんが作ったという話になって、ご家族皆様がマインさんに会いたがっていらっしゃいましたよ。ぜひ、ウチの店で働いて欲しいっておっしゃられて、盛り上がってらっしゃいました」
「昨天的晚餐桌上大騷動了喔。變成了所謂大小姐與瑪茵小姐所製做在飯後甜點上拿出來的點心的話題,家族各位都變得想來見瑪茵小姐了唷。被聊著希望務必、在我家的店裡工作,熱烈不已著」

 いやいや、おねえさん。笑い事じゃないよ?
 不不,這位大姊。這不是應該笑的事情唷?
 もしかして、わたし、寝てたから命拾いした?
 莫非,我、因為睡著了而撿回了一條命?
 今日は部屋に籠っていた方が良いってこと?
 今天最好是窩在房間裡?

 ウチの店で働けば将来安泰ですよ、なんて言い出した彼女まで、囲い込みの手先に見えてしまい、少しばかり警戒してしまう。
 就連說出了在我家的店裡工作就會將來安寧唷、之類的她,都看得見包圍進來的爪牙,稍微緊戒吧。

「あの、ずいぶん部屋の外が騒がしいけれど……」
「那個,雖然說房間外面相當吵鬧……」

 話題を逸らすためにドアの方へと視線を向けると、あぁ、と彼女は笑みを深めた。
 為了撇開話題而把視線轉向了門的方向後,她啊、地加深了笑容。

「今は早目の朝食を終えたお嬢様が身支度中ですから。マインさんも着替えたら食堂へ案内いたしますね」
「因為現在結束了提早早餐的大小姐在梳妝打扮中。瑪茵小姐也換好衣服的話就帶領妳去餐廳吧」
「あの、大変恐縮ですが、朝食をこの部屋に運んでもらうことってできませんか? 本調子じゃないから、たくさんはいらないし、初対面の人と食べるのって緊張するんです。ご飯が喉を通らなくなるので……」
「那個,雖然非常過意不去,但可不可以請妳把早餐端到這個房間裡呢? 因為並非是正常狀態,不需要很多,是說跟初次見面的人吃飯會很緊張。由於飯變得無法通過喉嚨……」

 夕飯抜きなので、正直お腹は空いている。しかし、フリーダとギルド長を見ただけでも推測できるアクの強そうなご家族に囲まれて朝食なんて、考えただけで胃が痛い。
 由於去掉了晚餐,老實說肚子很呃。但是,即便只看了芙莉妲與公會長也能推測被生澀的家人給包圍的早餐之類的,只是考慮就會胃痛。
 食べられる物も食べられなくなりそうだ。
 吃得下的東西似乎也會變得吃不下了。

「ふふっ、わかりました。ここへ運びましょう」
「呵呵,我明白了。端到這裡吧」

 彼女はわたしにフリーダのお古の服を渡して着替えさせた後、部屋を出ていった。
 她把芙莉妲的舊衣服交給我讓我更換後,就離開了房間。
 一人になると同時に、わたしは頭を抱えてうずくまる。
 在變成一個人的同時,我抱著頭蹲了下去。

 まずい。何か変な展開になっている。
 糟糕了。變成有什麼奇怪的展開了。
 ギルド長とフリーダに目を付けられているのはわかっていた。でも、家族にまで目を付けられるって何?
 被公會長與芙莉妲矚目是明白的了。但是,就連被家族給矚目了算什麼?
 カトルカールが原因?
 磅蛋糕的是原因?
 でも、砂糖があるんだからお菓子くらいあるよね? 前にここで薄焼きピザの上にナッツの蜂蜜かけみたいなお菓子も出してもらったもんね?
 但是,因為有砂糖而類似的點心是有的吧? 之前在這裡像是在薄烤披薩上添加堅果蜂蜜的點心也是拿出來並接受的東西吧?
 ものすごく考えたくないことだけど、実は砂糖もまだ出回り始めたところで、お菓子文化が発達していない……なんてことないよね?
 雖然說非常沒有考慮過,但其實由於砂糖也還沒開始上市,點心文化不怎麼發達……之類的事情沒有的吧?

 頭を抱えて悶絶していると、朝食を持った彼女が戻ってきた足音がした。即座に立ちあがって、何事もなかったような顔で、彼女を迎える。
 抱著頭痛苦到昏過去後,想起了拿著早餐的她回來了的腳步聲。立刻站了起來,用什麼事都沒有似的表情,迎接她。

「では、ごゆっくりどうぞ」
「那麼,請慢慢享用」

 昨日の朝食で完全に好みを把握されているようで、白パンにジャムと蜂蜜が添えられ、甘い果物のジュースがついていた。スープはやや少なめだが、ベーコンエッグはしっかりと一人前乗っている。
 似乎在昨天的早餐完全地被掌握了喜好,在白麵包上被添加了果醬與蜂蜜,附有甜水果的果汁。雖然湯略少,但培根蛋好好地擺放了一人份。
 この観察眼では、あっという間に弱点も洗いだされそうだ。
 因這個觀察力,弱點似乎在轉眼間就被洗掉了。

「いただきます」
「我開動了」

 朝御飯が終わったら、家族が迎えに来るまで体調不良を理由に部屋に引きこもっていた方が良い気がする。ギルド長とフリーダだけでも十分脅威なのに、その家族なんて、とても一人で相手できない。切実にベンノとルッツを召喚したい。
 早飯結束的話,感覺直到家人來迎接為止最好以身體狀況不好為理由在房間裡閉門不出。明明即便只是公會長與芙莉妲就都十分有威脅,但這個家族什麼的,非常不是一個人能作為對手的。迫切地想要召喚班諾跟路茲。

 この後の対処法について考えながら、一人でゆっくりと朝食を食べているとユッテが部屋に飛び込んできた。
 一邊考慮著關於這之後的應對法,一邊一個人慢慢地吃著早餐時優蝶跳進了房間裡來。

「おはようございます、マインさん。体調はいかがですか?」
「早安,瑪茵小姐。身體狀況如何呢?」

 体調うかがいにしてはずいぶん慌ただしい。必要なこと以外にはあまり口を聞かないイメージがあったので、パンを落としそうになりながら馬鹿正直に答えた。
 詢問著身體狀況是相當的慌張。由於有著必要的事情以外都不太說話的印象,儘管快讓麵包掉下去卻還是老實過頭的回答了。

「熱はないよ?」
「沒有燒了唷?」
「お嬢様の準備を手伝っていただいてよろしいですか? 髪飾りのつけ方を教えていただきたいのです」
「可以請來幫忙大小姐的準備嗎? 想請教髮飾的佩帶方法」
「……いいですけど、朝御飯の後でいいですか?」
「……雖然是可以,在早飯之後可以嗎?」

 髪飾りのつけ方はわたしが作った物なので、アフターサービスの範囲内だろう。やりすぎだったり、変な目を付けられたりするようなことにはならないはずだ。
 由於髮飾的佩戴方法是我所製做的東西,而算在售後服務的範圍內吧。應該不會變成像是做過頭了、被奇怪的矚目似的東西吧。

 比較的急ぎ目に朝食を終えて、わたしはユッテの案内でフリーダの部屋へと向かう。
 比較急忙地結束了早餐,我由優蝶帶領往芙莉妲的房間去。
フリーダの部屋は3階にあった。ユッテの話によると2階はギルド長の世代の家で3階が息子&孫世代の家になっているらしい。
芙莉妲的房間在3樓。根據優蝶的話似乎變成了2樓是公會長這代的家而3樓是兒子與孫子輩的家。
 中の階段で繋がっているし、食事は一緒に取っているので、特に別世帯という感覚ではないようだ。
 由於用裡面的樓梯來連結著,用餐是一起吃的。似乎特別沒有所謂其他家庭的感覺。

「お嬢様、マインさんをお連れしました」
「大小姐,瑪茵小姐帶到了」
「入ってちょうだい」
「請進來吧」

 フリーダの部屋はドアに近いところに衝立があった。その衝立をくるりと回れば客間と同じような作りで、部屋の一角に天蓋の付いたベッドがあり、ベッドの反対側にライティングデスクと思われる棚があった。
 芙莉妲的房間是在門附近的地方有著屏風。因為繞過那個屏風的話就是跟客房一樣的構造,在房間的一角有著附有頂蓬的床,在床的對面有著被認為是辦公桌的架子。
 部屋の中央には小さな机があり、椅子が数脚ある。カーテンやベッドの天蓋は赤やピンクのような色で女の子らしいけれど、人形や小物がないとてもシンプルな部屋だ。
 在房間的中央有著小桌子,椅子有著數張。雖然說窗簾或床的頂蓬是用紅色或粉紅色般的顏色很像女孩子,但沒有人偶或小東西是非常簡單的房間。

 今日はテーブルの上に髪飾りや櫛などがいくつも並べられていて、フリーダは椅子に座って、髪を梳かれていた。
 今天在桌子上幾個髮飾跟梳子等被羅列著,芙莉妲坐在椅子上,被梳理著頭髮。
 ふんわりとした桜色の髪が下ろされて、丁寧に髪を梳かれているフリーダの姿が等身大のお人形のようだ。
 作為輕飄飄的櫻花色頭髮被放下了,被仔細地梳理著頭髮的芙莉妲的身影就好像等身大的人偶。

「おはよう、マイン。体調はよくなった?」
「早,瑪茵。身體狀況好點了嗎?」
「おはよう、フリーダ。熱は出てないけど、絶好調ではないと思う」
「早,芙莉妲。雖然沒有發燒,但我不認為是絕佳狀態」

 無茶振りをされないよう、正直に自分の体調を申告しておく。
 沒必要刻意讓她困擾,老實地事先報告自己的身體狀況。
 フリーダは少し顔を曇らせて、目を伏せた。
 芙莉妲稍微陰沉著臉,低下了頭。

「そう。呼びつけてごめんなさいね。お姉様の飾りを作ったのがマインだから、もしかしたら、お姉様の髪を結ったのもマインではないかと思ったの」
「是喔。把妳叫過來非常抱歉呢。因為是製做了姊姊的飾品的瑪茵,想說莫非,綁了姊姊的頭髮的是不是也是瑪茵」
「そうだけど?」
「就只是那樣?」
「わたくしも同じ髪型にしていただいてもよろしくて?」
「我也可以請妳弄成同樣的髮型嗎?」

 トゥーリの髪型は両サイドから中央に向かって編み込みをしたハーフアップの髪型だった。フリーダに似合わないわけではないが、せっかく2つ髪飾りを作ったのだし、ツインテールが可愛いので、わたしとしてはツインテールにしてほしい。
 圖麗的髮型是弄成從兩邊往中間編織的公主頭。雖然並非不是跟芙莉妲不合適,但難得製做了2個髮飾,因為雙馬尾很可愛,就我而言很想要弄成雙馬尾。

「うーん、飾りを2つ作ったんだから、全く同じ髪型じゃなくて、2つにしようよ。編み込みはしてあげるから、ね?」
「嗯,因為飾品製做了2個,並非是完全同樣的髮型,弄成2個吧。因為我會給妳編織,好嗎?」
「マインにお任せしますわ」
「交給瑪茵了喔」
「ぜひ、教えてくださいませ」
「請務必、教我」

 目をぎらつかせるユッテに櫛でフリーダの髪を半分に分けてもらって、右側の耳の上くらいまで編み込みの仕方を説明しながら編んでいった。
 請讓眼神閃耀著的優蝶用梳子將芙莉妲的頭髮分成一半,一邊說明著大約到右邊耳朵上面為止的編髮方法一邊編織著。

「ここからすくって、これと併せて、こう捻って編む」
「從這裡梳起,跟這個合併,這樣扭轉編織」
「ここからすくって、こちらと併せて、こうですか?」
「從這裡書起,跟這邊合併,這樣嗎?」

 左側はユッテがわたしのやり方を見ながら、編み始めた。やはり手慣れた人は上手だ。
 左側是優蝶一邊看著我的做法,一邊開始編織。果然熟練的人很擅長。
 わたしの手は小さくて、決して器用ではないので、どうしても髪がぼろぼろと手から零れてしまうのだ。
 由於我的手很小、絕對不靈巧,無論如何頭髮都會從手上潰散撒出。
 トゥーリの髪はうねうねの天パだったお陰で、多少ガタガタしても、ところどころ緩くても、それなりに豪華な雰囲気になったけれど、フリーダの髪質では粗が目立って仕方ない。
 託圖麗的頭髮是彎彎曲曲的天然捲的福,雖然說就算多少鬆鬆垮垮,就算有些地方都鬆弛掉,那也因此變成了豪華的氛圍,但在芙莉妲的髮質上粗糙會很醒目是沒辦法的。

「やり方さえ覚えたら、両側ともユッテが結った方が良いと思う。わたしの手、小さいから髪をまとめにくいの」
「連做法都記住的話,我認為兩邊最好都由優蝶來綁。我的手,因為很小很難整理頭髮」
「確かに、マインさんほど手が小さいと大変そうですね。では、わたしが編みこんでしまいますね」
「確實,瑪茵小姐那樣的手很小且似乎很辛苦呢。那麼,就由我來編織吧」

 一度指が覚えてしまうと、ユッテはすいすいと編んでいく。触り慣れている髪だからだろう、変なボコボコもない。櫛で綺麗に分けられているので、わたしが結ったトゥーリの時と違って、分け目もスッキリしている。
 手指記住一次後,優蝶輕快地編了起來。因為是接觸習慣的頭髮吧,奇怪的潰散也沒有。因為用梳子漂亮的被分開,跟我綁圖麗的時候不一樣,分界也弄得整潔。

 ……うぅ、自分の不器用さを見せつけられるようで辛い。
 ……嗚,就好像被迫看見自己的笨拙一樣好難受。

「これで、もう少し練習時間があればよかったのですけれど……」
「像這樣,雖然說再稍微有練習時間的話就太好了……」

 編み上がったフリーダの頭を見て、心底悔しそうにユッテが呟いた。
 看著編好的芙莉妲的頭,優蝶真心懊悔似地嘟噥著。
 感情の発露が激しいユッテにわたしが目を丸くしていると、フリーダが困ったような表情で苦笑した。
 我對感情的流露很激烈的優蝶目瞪口呆後,芙莉妲用傷腦筋似的表情苦笑著。

「ユッテはね、本当は昨日の夜のうちにマインに相談して、一晩中練習するつもりだったんですって」
「優蝶呢,其實打算在昨天的夜裡跟瑪茵商量,練習一整晚的」
「あぁ、わたしが疲れて早々に寝ちゃったから……ごめんね」
「啊,因為我疲倦而早早睡了……抱歉呢」

 虚弱なせいで迷惑をかけてしまったか、とわたしが謝ると、ユッテはぶるぶると首を振った。
 是因為虛弱的緣故而添麻煩了嗎,我那樣道歉後,優蝶左右搖晃地搖了搖頭。

「とんでもございません。それは体調ですから仕方ありませんわ。ただ、もっと早く知っていれば、お嬢様をさらに飾り立てることができたのに、と」
「請別那麼說。那是因為身體狀況而沒有辦法喔。只是,能更早知道的話,就能裝飾得更加漂亮了,的說」

 なるほど。ユッテの趣味はフリーダを飾り立てることか。等身大のお人形みたいに可愛いもんね。わかるわ。わたしもつい髪飾りに熱を込めちゃったし。
 原來如此。優蝶的興趣是把芙莉妲裝飾得很漂亮嗎。像是等身大的人偶可愛的東西呢。我明白喔。我也無意中在髮飾上注入了熱枕。

 そして、耳の上で編み終えて、ユッテがくくった紐の上から、力作の髪飾りを挿しこんで、落ちないようにする。
 然後,編織結束在耳朵上,從優蝶扎著繩子的上面,將精心製做的髮飾插進去,弄得像是不會掉落般。
 深い赤のミニバラが4つ配置されているので、前から見ても、横から見ても、後ろから見ても、バラの花が1つは見える。淡いピンクの髪の上に白いかすみ草をイメージした小花が白いレースのように見え、バラの赤を際立たせている。ところどころから見える葉っぱの緑がイイ感じのアクセントになっていた。
 由於深紅色的迷你玫瑰被配置了4個,不論從前面看、還是從側面看、或者從後面看,玫瑰的花都能看見1個。在淡粉紅色的頭髮上把白色滿天星作為印象的小花看起來好像白色蕾絲,襯托出了玫瑰的紅。從有些地方都能看見的葉子的綠變成了感覺良好的重點。

「うん、予想以上! フリーダにピッタリだね」
「嗯,超出預期! 很適合芙莉妲呢」
「お可愛らしいですわ、お嬢様」
「很可愛喔,大小姐」

 身支度を手伝っていた下働きの女性が褒めていると、ユッテはフリーダの前に今日の衣装を持ってきた。
 幫忙梳妝打扮的女性雜役稱讚後,優蝶將今天的服裝拿到了芙莉妲的面前。
 フリーダが立ち上がると、下働きの女性によって椅子がさっと退けられる。即座にみんなが着替えをさせるための態勢に変化し、わたしは慌ててその場を飛びのいた。
 芙莉妲站了起來後,椅子就由女性雜役被一下子挪開了。立刻變化為為了讓大家更換衣服的姿態,我驚慌的躲開那個當下。
 フリーダが腕を上げれば、ざっと開かれた衣装が通され、反対側の腕を上げれば、同じように通される。数人がかりでボタンが止められ、紐が締められ、フリーダは立っているだけで衣装が整っていく。
 芙莉妲抬起手臂的話,唰地被打開的服裝被穿過,抬起另一側的手臂的話,像是一樣地被穿過。動用數人的按鈕被停止了,繩子被繫著,芙莉妲只是站著服裝就完備了。
 映画や本で描かれているお嬢様の着替えを間近に見て、わたしはハァと溜息を吐いた。
 在眼前看見被電影或書本描繪著的千金小姐的更換衣服,我唉地嘆了一口氣。

 長年の経験がないと、これ、うまくいかないわ。着替えをさせる方はもちろん、させられる方にも経験がなければ、スムーズにいかないって。わたしだったら、腕の上げ下ろしで見えない位置にいる誰かを叩きそうだもん。
 沒有多年的經驗的話,這個,是無法順利進行的喔。動手更換衣服那方不用說,被更換那方若沒有經驗,是無法圓滿的。是我的話,似乎會因手臂抬起放下而去敲到在看不見的位置的某人。

 着替えさせられているフリーダがわたしを見て、ニッコリと笑った。
 被讓人更換著衣服的芙莉妲看著我,輕輕地笑了。

「マイン、よかったら、この部屋から洗礼式の行進を見てみない? わたくしが外を眺められるように、ここの窓は外がよく見えるようになっているの」
「瑪茵,可以的話,要不要試著從這個房間觀看洗禮式的遊行? 我為了能眺望外面,這裡的窗戶變得外頭能看得很清晰」

 わたしに宛がわれた客室のガラスは波打っていたが、フリーダの部屋の窓は外の景色がよく見える真っ直ぐなガラスだった。
 雖然被分給我的客房玻璃是起伏著的,但芙莉妲的房間窗戶是外頭的景色看得很清晰的筆直玻璃。
 洗礼式の行列が神殿に入っていく様子がよく見えるこの部屋の窓は特等席だと言っても過言ではない。
 就算說洗禮式的列隊進入神殿的情況看得很清晰的這個房間的窗戶是特等席也不算言過其實。

「いいの?」
「可以嗎?」

 わたしが窓とフリーダに視線を往復させると、フリーダがニッコリと笑った。
 我把視線往返於窗戶與芙莉妲後,芙莉妲輕輕地笑了。

「えぇ、もちろん。一人が不安ならユッテも付けますわ」
「可以,當然了。如果一個人不安優蝶也隨侍在側喔」

 部屋の主が留守中に部屋にいるというのが少しばかり居心地悪いと思っていたので、フリーダの提案は渡りに船だった。
 因為想到所謂待在房間主人不在家中的房間就稍微感覺不舒服,芙莉妲的提案是順水推舟。

「それは助かるかも」
「那個說不定能幫到忙」
「ぜひ、ご一緒させてください」
「請務必,讓我跟妳一起」

 パァッと顔を輝かせたユッテは、多分この窓からでもいいから、お嬢様であるフリーダの晴れ姿が見たくて仕方ないのだろう。フリーダがわたしに付けておくと宣言すれば、堂々とここから見ることができる。
 啪地喜出望外的優蝶,大概是因為從這個窗戶也可以,作為大小姐的芙莉妲的盛裝想看得不得了吧。芙莉妲做出預先隨侍在我身邊的宣言的話,就能堂堂正正地從這裡觀看了。

「ありがとう、フリーダ。ここから見てるね」
「謝謝,芙莉妲。就從這裡觀看吧」

 そんな話をしているうちに、ブーツを履く作業まで終わっていたようだ。フリーダの足元に屈んでいた女性達がザッと立ち上がって一歩後ろに引いた。
 在說著那樣的話的時候,似乎就連穿長筒靴的作業也結束了。在芙莉妲的腳邊彎著腰的女性們唰地站了起來退到一步後。

「お嬢様、できました」
「大小姐,好了」
「おかしなところはないかしら?」
「有沒有奇怪的地方?」

 完璧に仕上がったフリーダが、その場でくるりと回った。
 完美地完成的芙莉妲,當場轉了一圈。
 ふわもこの温かそうなファーに首元を囲まれた白い衣装。ところどころの刺繍は赤やピンクの明るい色。これが髪の色や髪飾りにもよく合っている。
 被柔軟厚實溫暖似的毛皮圍住頸部的白色服裝。有些地方的刺繡是紅色或粉紅色的明亮色彩。這個跟頭髮的顏色或髮飾都非常適合。

「まぁ、可愛らしい」
「哇,好可愛」
「すごい、すごい。フリーダ、とっても似合ってるよ」
「好厲害、好厲害。芙莉妲,非常合適唷」
「お嬢様、ご家族の皆様をお連れしました」
「大小姐,家族的各位帶到了」

 褒めちぎっていると、フリーダの準備が終わったことを知らされた家族がここに集うらしい。衝立の向こうから一番に入ってきたのは、ギルド長だった。
 極力稱讚著之後,被知會了芙莉妲的準備結束了的家人似乎會聚集到這裡。從屏風的對面最先進來的,是公會長。

「おぉ、フリーダ! これは素晴らしい。この冬の洗礼式にこれほど見事な花をまとうとは、まるで天の使いか、春をもたらす芽吹きの女神のようだ。実に可愛らしい。さすがわしの孫!」
「喔,芙莉妲! 這個太美了。在這個冬季的洗禮式上穿戴上這麼美妙的花,簡直像上天的使者嗎,就好像帶來春天的萌芽女神。實在很可愛。不愧是我的孫子!」
「おじい様に頂いた髪飾りも似合うでしょう?」
「爺爺給的髮飾也很合適對吧?」

 そっと髪飾りに指を添えてフリーダが笑うと、ギルド長も相好を崩した。
 輕輕地將手指放到髮飾上的芙莉妲笑著後,公會長也笑顏逐開。

「あぁ、とてもいい。お前の嬉しそうな笑顔には何よりの価値がある」
「啊,非常好。妳高興似的笑容比什麼都還有價值」

 ギルド長がある程度褒めちぎるのを待っていたように、フリーダの家族が次々と部屋に入ってきた。
 像是等待著公會長某種程度的極力稱讚,芙莉妲的家人不斷地進入了房間。

「わぁ、フリーダ。よく似合ってるよ」
「哇,芙莉妲。非常合適唷」
「僕が知っている女の子の中で一番可愛い」
「在我知道的女孩子之中是最可愛的」

 少し年が離れているのだろう、10代前半くらいの少年二人がフリーダを褒めちぎる。
 是年紀有點距離吧,宛如10幾歲前半的兩位少年極力稱讚著芙莉妲。

 ……あれ? 前にフリーダは褒められ慣れていないと思ったんだけど、おにいちゃん達は普通に褒めてるよね?
 ……奇怪? 雖然在之前認為芙莉妲不習慣被稱讚,但大哥哥們是普通地稱讚著唷?

 首を傾げるわたしの前で、フリーダは褒められているとは思えないような困った顔で兄達を見上げた。
 在疑惑不解的我面前,芙莉妲用沒想過會被稱讚的困擾表情仰望著哥哥們。

「……お兄様方、どうしてここに?」
「……哥哥們,為什麼會在這裡?」
「どうしてって、今日は土の日なんだから、仕事はお休み。みんなでお祝いするって言ったじゃないか」
「要說為什麼,因為今天是土之日,工作休息了。不是說過大家要來祝賀嗎」
「聞きましたけれど、今までその言葉が実現したことがなかったので、本当にいると思っていませんでした」
「雖然說聽到了,但因為至今那個話語都沒實現過,沒有想過真的會在」

 うわぁ、兄弟に約束を守ってもらえたことがなかったんだ。そりゃ、不安にもなるし、褒め言葉も上っ面だと思いこむよ。
 嗚哇,不能接受兄弟會遵守約定。那當然,會變成不安,認定稱讚的話語是表面上的唷。

 兄達もフリーダの不信感に気付いたのか、顔を真っ青にして色々と言い訳を始める。そんな子供達を見下ろしながら、実にマイペースな夫婦がフリーダの髪飾りに注目する。
 哥哥們也注意到芙莉妲的不信任感嗎,鐵青著臉開始各式各樣的辯解。一邊俯視著那樣的小孩子們,實在我行我素的夫婦一邊注視著芙莉妲的髮飾。

「すごいな。この髪飾り」
「好厲害呢。這個髮飾」
「えぇ、わたくしも欲しいですわ。なんて見事なんでしょう」
「對,我也想要喔。多麼地漂亮對吧」

 カオスな家族関係を見ていると、わたしの目の前にずずいっと屈みこんだギルド長の顔が近付いてきた。
 看著混亂的家族關係後,在我的眼前迅速地彎下腰來的公會長的臉靠近了過來。

「おぉ、マイン!」
「喔,瑪茵!」

 しまった! わたし、今日はこの家族と顔を合わせないように、部屋に引きこもる予定だった!
 完蛋了! 我,今天為了不跟這個家族碰面,是預定在房間裡閉門不出的!

 ぅひっとわたしが後ずさるのも構わず、ギルド長がガシッとわたしの手を握って、感動に目を潤ませ始めた。
 我嚇到後退也不介意,公會長用力緊握住我的手,感動地開始濕潤起眼睛。

「よくやってくれた。礼を言うぞ、マイン。わしが贈った物を身につけて、あそこまで嬉しそうなフリーダは初めてだ。お前の言った通り、驚く顔より喜ぶ顔の方が何倍も価値がある」
「妳做得很好。我跟妳道謝喔,瑪茵。將我所贈與的東西穿戴上身,高興成那個樣子似的芙莉妲是第一次。如同妳所說的,比起驚訝的表情還是喜悅的表情更有數倍的價值」
「わ、わたしも頑張りましたから、喜んでもらえて嬉しいです」
「因、因為我也很努力,能受到喜歡就很高興了」

 ひいいぃぃぃっ! 助けて、ベンノさーん!
 唏咿咿! 救救我,班諾先生!

「この感動を分かち合える相手にはなかなか巡り合えない。今度からフリーダに贈り物をする時はマインに相談することにしよう。時にマイン、聞きたいことがあるのだが……うぐっ!?」
「對能分享這份感動的對象相當沒有機緣。因為這一次要送東西給芙莉妲時跟瑪茵做了商量。有時瑪茵,雖然會有想要聽到的事情……嗚咕!?」

 ぐいっとギルド長が退けられて、助かったと一瞬喜んだが、それはほんの束の間のことだった。ギルド長の代わりにたくさんの顔が一斉に寄ってきた。
 公會長被用力地推開,雖然一瞬間因得救了而喜悅,但那個真的是一剎那的事情。很多的臉代替了公會長一起靠了過來。

「君がマインちゃんか。フリーダや父から話は聞いていたよ」
「妳就是小瑪茵嗎。從芙莉妲跟父親那裡聽到過了喔」
「はい、あの……」
「是的,那個……」

 フリーダの父にきちんと挨拶をしようと思ったら、くるりと別方向に身体を向けられて、瞬きしている間に正面にはフリーダの母がいた。
 想要跟芙莉妲的父親好好地問候的話,身體卻被轉向了其他方向,在眨眼的期間在正面的就是芙莉妲的母親了。

「フリーダと仲良くしてくれてありがとう。ここ数日、とても楽しそうで、笑顔が増えたの。母としてお礼を言いたいわ」
「謝謝妳跟芙莉妲關係很好。最近幾天,似乎非常快樂,笑容增加了。作為母親想要跟妳道謝喔」
「こ、こちらこそ……」
「這、這邊才是……」

 お礼を言おうと思ったら、兄達二人がグイッと顔を寄せてくる。
 想要道謝的話,兩位哥哥們用力地把臉靠了過來。

 お願い! 返事する隙間くらい与えてください! って、顔近い! 顔近い!
 拜託! 請給予回答的空隙之類的! 話說,臉太近了!臉太近了!

 声に出せないくらいのパニック状態で、目を白黒させながら固まっているわたしを兄達は遠慮なく突いたり、頭を撫でまわしたりする。
 因為宛如發不出聲的恐慌狀態,哥哥們豪不客氣地撐著一邊翻著白眼一邊僵住的我,來回地撫摸著頭。

「へぇ、これがマインか。話ばかりは聞いていたけど、本当にいたのか。作り話じゃなかったんだな」
「哦,這就是瑪茵嗎。雖然是有聽說過,但真的存在嗎。不是編造的鬼話呢」
「もう何日もいたはずなのに、初めてみるんだもんな? マイン、口がパクパクしてるぞ?」
「明明應該已經在好幾天了,第一次看到的東西呢? 瑪茵,嘴巴一張一合的喔?」

 本当にいたのかって、わたしは遭遇率の低いレアモンスターか!? 珍獣か!?
 話說真的存在嗎,我是遭遇率很低的稀有怪物嗎!? 珍奇異獸嗎!?

「お兄様方、そろそろ時間でしょう? 下に行きましょう。マインを離してあげて」
「哥哥你們,時間差不多了吧? 到下面去吧。該離開瑪茵了」

 もみくちゃにされるわたしに救いの手を差し伸べてくれたのは、フリーダだった。今日は本当に女神に見える。
 對被揉得亂七八糟的我伸出了救援之手的,是芙莉妲。今天看到了真正的女神。

「そうそう。遅れちゃ大変だし、早く行った方が良いですよ?」
「沒錯沒錯。遲到就糟糕了,最好早點去唷?」

 わたしがじりじりと後退していると、兄の一人が右腕をガシッとつかむ。もう一人が即座に左手をつかんだ。
 我緩緩被迫後退時,一位哥哥用力緊抓住了右腕。另一個人立刻抓住了左手。

「マインも一緒に行こうよ。フリーダの洗礼式を祝ってやって」
「瑪茵也一起去吧。來祝賀芙莉妲的洗禮式」
「いえ、わたしはここで……」
「不,我在要這裡……」
「我が家の客だし、一緒に行っても問題ないよ」
「是我家的客人,就算一起去也沒問題唷」
「そうそう、お祝いは人数がいた方が楽しいからな」
「沒錯沒錯,因為祝賀最好有所人數才快樂呢」

 捕獲されたわたしは、両脇を抱えられながら、ぶるぶると首を振ったが、強引な家族は断り文句を聞いていない。
 被捕獲的我,雖然一邊被抱住兩腋下,一邊左搖右晃地搖著頭,但強行的家人沒聽到拒絕的詞語。

 これは血!? ギルド長の一族は人の話を聞かない遺伝子でも持ってるの!?
 這是血統!? 公會長的一族也都擁有不聽人說話的遺傳因子!?

 わたしの心中などお構いなしで微笑ましげに周りが見守る中、フリーダだけが溜息を吐いて、兄達を諫めてくれた。
 周圍在豪不介意我的內心而微笑著注視中,只有芙莉妲嘆了一口氣,勸戒了哥哥們。

「お兄様方、構いすぎたら体調を崩すと、わたくしの時も叱られたのでしょう? 同じ身食いのマインにも構いすぎないで。ご家族が午後には迎えに来るのに、熱を出したり、倒れたりしたら困るもの」
「哥哥你們,管太多的話會弄垮身體狀況的,我那時候也被叱責了對吧? 也別對同樣是身噬的瑪茵管太多。她的家人會在下午來迎接的說,發了燒、倒了下去的話是很困擾的東西」
「でも、せっかくだから、仲良くなりたいじゃないか」
「但是,因為很難得,不能想要關係變好嗎」
「マインはまだ体調が良くはないから、この部屋の窓から洗礼式を見ることになっているの。外には出られないのよ。本当はマインだって外に出たいのに……」
「因為瑪茵身體狀況還沒有很好,變成了要從這個房間的窗戶觀看洗禮式。不能來到外面唷。其實瑪茵明明是想要出去外面的……」

 身食いのせいで、いつ倒れるかわからなくて外に出ることができず、窓から羨ましそうに外を見ていた昔のフリーダを思い出したらしい。兄達は急にしんみりとした雰囲気になって、つかんでいた腕を離してくれた。
 似乎回想起由於身噬的關係,不知道何時會倒下而不能出去外面,從窗戶羨慕似地看著外面的以前的芙莉妲。哥哥們迅速地變成了作為平靜的氛圍,放開了抓住的手臂。

「さぁ、みなさま。そろそろ鐘が鳴りますわ。外でお嬢様のお披露目をしなければ」
「好了,各位。鐘差不多要響了喔。必須要在外面做大小姐的大公開」

 ユッテの言葉にフリーダを取り囲むようにして、わらわらと外に出ていく家族をわたしは台風が去っていくのを見つめる気分で見送った。
 我用凝視著颱風逐漸離去的氣氛目送著因優蝶的話語而做出像是包圍著芙莉妲、亂哄哄地逐漸出去外面的家人。
 やはり一緒に食事しなくて正解だったようだ。あんな勢いで次々に質問されたり、構い倒されたりすれば、数日間は確実に寝込む。
 果然沒有一起用餐似乎是正確決定。用那種氣勢被一個接一個地提問,被干擾的話,數天裡確實會臥床。

「マインさん、大丈夫ですか? 悪い方達ではないのですが、少し押しが強いところがありますから」
「瑪茵小姐,要不要緊呢? 因為雖然不是什麼壞人,但稍微有著會強迫的地方」

 少しじゃないよ。
 才不是稍微唷。

 ユッテへのツッコミは心の中に納めておいて、わたしは窓辺へと近付いた。
 對優蝶的吐槽事先收納進心中,我往窗邊靠近。
 暖炉に火をくべて温められていても、窓辺は冷える。ユッテが出してくれたショールをまとって、眼下を見下ろした。
 就算在壁爐裡燒著火而被溫暖了,窗邊也很冷。披上優蝶拿出來的披肩,俯視著眼下。

 よく晴れているが、時折チラチラと雪が舞うという天気で、わたしの吐息で曇るガラスを見れば、外がものすごく寒いことがよくわかる。
 雖然好好放晴了,但由於是所謂不時隱隱約約地飄舞著雪的天氣,看著因我的呼氣而模糊的玻璃的話,就很能明白外面是非常寒冷的。

 窓の向こうでは、外に出たフリーダがご近所さんに絶賛されていて、女王様のように目立っていた。家族に周りを囲まれて、今までで一番嬉しそうな顔をしている。
 在窗戶的對面,出去到外面的芙莉妲被鄰居大力稱讚著,像是女王大人一樣很醒目。周圍被家人包圍,做出了至今為止最高興似的表情。
 こうして上から見ていると、飾りを付けている子が少ない中、わたしが作った髪飾りは非常に目立って見えた。
 像這樣從上面看觀看著後,沒多少配戴著裝飾的孩子裡面,我所製做的髮飾看起來非常顯眼。
 窓から見つけたというフリーダの言葉にも納得だ。
 也理解了芙莉妲所謂從窗戶發現了的話語。

 トゥーリも目立って見えたんだろうな。トゥーリは可愛いからきっとみんなが噂したんだろうな。
 圖麗看起來也很顯眼吧。因為圖麗很可愛一定被大家談論著吧。

 フリーダの洗礼式を見下ろしながら、頭に浮かぶのは何故かトゥーリの洗礼式のことばかりだった。
 儘管俯視著芙莉妲的洗禮式,但腦袋裡浮現的不知為何盡是圖麗洗禮式的事情。
 父が会議に行きたがらなかったことや一張羅を着て笑っていた母のことが次々と浮かぶ。何だかすごく家族に会いたくなってきた。
 父親不得不去會議的事情跟穿著最好的衣服笑著的母親的事情一個接一個浮現。總覺得變得想見家人了起來。

「マインさん、顔色が優れませんが、どうしました?」
「瑪茵小姐,雖然臉色不好,但怎麼了嗎?」
「家族と一緒で嬉しそうなフリーダを見てると、わたしも家族に会いたくなっちゃったみたい。午後には迎えに来てくれるのにね」
「看到跟家人一起很高興似的芙莉妲後,我好像也變得想見家人了。明明在下午就會來迎接了呢」


 お昼の鐘が鳴るのを待ち構えていたように、家族が迎えに来てくれた。いつもはちょっと暑苦しい父の愛情が心に染み入ってくる。
 像是在等候著中午的鐘鳴響一樣,家人來迎接了。總是稍微悶熱難受的父親的愛情滲透進了心裡。

「マイン、寂しかっただろう? 父さんは寂しかったぞ」
「瑪茵,很寂寞吧? 爸爸很寂寞喔」
「ちょっとね。ちょっとだけ、寂しかった」
「稍微呢。只是稍微,寂寞了」

 フリーダの家族に昼食を一緒にどうかと誘われたが、「これ以上お世話になるわけにはいかない」と母が固辞し、「久し振りに母さんが作ったご飯が食べたい」とわたしがねだったことが決定打となって、強く引きとめられることもなく家に帰ることができた。
 雖然被芙莉妲的家人邀請一起午餐如何呢,但母親「不能再受到更多關照了」堅決謝絕了,我「隔了好久想吃媽媽所做的飯」成為決定勝負的一擊,無法被強力挽留而能回家了。

「わたしもご馳走が食べたかったのにぃ……」
「明明我也想吃佳餚……」

 ぷくぅと頬を膨らませるトゥーリにわたしは小さく笑う。
 我對噗咕地鼓起臉頰的圖麗小小地笑著。

「ごめんね、トゥーリ。わたしはフリーダの家の豪華なご飯より、母さんのご飯が食べたいの」
「抱歉呢,圖麗。我比起芙莉妲家豪華的飯菜,更想吃媽媽的飯」
「エーファのご飯はうまいからな」
「因為艾法的飯很好吃呢」

 ご機嫌の父に肩車されて、家族みんなで家に帰った。
 心情好的父親讓我騎肩膀,跟家族大家回家了。
 たった数日間、留守にしただけのボロくて貧しいウチだけれど、緊張感が皆無の家に心底ホッとする。
 雖然說只是僅僅數天裡、不在家的破爛又貧窮的我家,但心底對緊張感全無的家很安心。

 フリーダの家には贅沢なご飯に、豪華なお風呂、ふかふかのお布団と素敵な物がぎゅぎゅっと詰まっていた。一つ一つは魅力的でとても心惹かれるけれど、緊張して疲れてしまう。
 在芙莉妲的家是奢侈的飯菜、豪華的澡堂、鬆軟軟的棉被與美好的事物緊緊地塞滿著。一個一個雖然是有魅力而非常吸引人,但很緊張又疲倦。
 綺麗で便利なはずなのに、何故か、ずっと暮らしたいとは思えない。
 明明應該是漂亮又方便,但不知為何,不認為想一直那樣生活。

 あぁ、いつの間にか、わたしのウチってここになっていたんだなぁ。
 啊,是在什麼時候呢,我的家變成了這裡呢。

 そんな自分の中の変化に驚いたフリーダの家での滞在だった。
 吃驚於那樣的自己內在的變化是在芙莉妲家的滯留。

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 家族に囲まれたフリーダを見て、ちょっとホームシックになったマイン。
 看著被家人包圍的芙莉妲,變得有點思鄉病的瑪茵。
 自分の心境の変化に驚きです。
 驚訝於自己心境的變化。

 次回は冬の生活。本格的な冬の到来です。
 下回是冬季的生活。真正的冬天到來了。
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