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第一部士兵的女兒 芙莉妲與身噬的話題

作者:SPT草包│2017-04-18 23:26:08│巴幣:0│人氣:207
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~
以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 フリーダと身食いの話
第一部士兵的女兒 芙莉妲與身噬的話題
原文連結

 熱の中に呑みこまれ、端からゆっくりと食われていくような感覚は以前と同じで覚えのあるものだ。前と同じように意識をなるべく集中させて、わたしは何とか熱を退けようと抗ってみる。
 被吞進了熱裡面,像是從一端慢慢地被吃掉的感覺是跟以前有同樣感覺的東西。盡量像跟以前一樣集中著意識,我想辦法試著抵抗擊退熱。

 わたし、本をまだ作ってないんだって!
 因為我,還沒有製做出書本!

 以前に抜け出た時のやり方を思い出しながら、熱を中心に集めようともがいてみるが、以前と違って熱量が多すぎる。
 一邊回想起以前掙脫時的做法,一邊掙扎地試著把熱集中到中心,但跟以前不一樣熱量太多了。
 押しても、押しても、逆に押し返されて流されてしまいそうになる。
 就算按住、就算擠壓,也會反過來被推了回來快要被沖走似的。

 もうホント邪魔! 退いてよ! このまま死ぬ気なんてないんだから!
 夠了真是礙事! 退散唷! 因為我才不要就這樣死掉了!

 えいえいっ! と強気に自分の周りの熱を振り払っていると、突然ある方向に熱がぐわっと吸い取られ始めた。まるで掃除機のCMで大量のゴミがグオォォッと吸われて行くように、周囲の身食いの熱がなくなっていく。
 嘿嘿! 地強硬地把自己周圍的熱驅散時,突然熱猛然地開始被某方向給吸走了。簡直就像是吸塵器的廣告上大量的圾垃被咕喔地持續吸入般,周圍身噬的熱逐漸變不見了。

 このままなくなっちゃえ!
 就這樣變不見吧!

 ぐんぐん吸い取ってくれる掃除機に詰め込むように、わたしも熱を送りだしていく。
 像是塞進聲勢強勁地吸取著的吸塵器裡,我也持續輸送著熱。
 どんどん熱が減っていくのが面白くて、次々と送り出していると、どこかで何かがパン! と弾けたような音がした。
 連續不斷的熱逐漸減少很有趣,接連地送出去後,在某處有什麼碰! 地發出了炸裂般的聲音。
 それと同時に熱を吸い込んでいた動きがぴたりと止まる。送りこもうとしても戻ってくる。
 與此同時吸入著熱的動作突然停止了下來。就算打算輸送進去也會回來。

 あれ? 掃除機、壊れた?
 奇怪? 吸塵器,壞掉了?

 何となくわたしが調子に乗って熱を送りこんだせいで、掃除機が壊れてしまったような気がする。
 總覺得是我趁勢輸送著熱的緣故,感覺到吸塵器似乎壞掉了。

 ……もしかして、まずいことしちゃった? どうしよう?
 ……難道,做了糟糕的事情? 該怎麼辦?

 一気に減った熱がふよふよと漂う中で、わたしはしばらく途方にくれた。もちろん、現状を教えてくれる人もいなければ、自分以外の存在があるわけでもない。
 由於一口氣減少的熱漂浮遊蕩中,我暫時束手無策。當然,沒有能告知我現狀的人存在的話,也就算不上有自己以外的存在。

 助かったみたいだし、後で考えよう。
 好像得救了,之後再考慮吧。

 せっかく熱量が減ったのだから、さっさと片付けてしまおう。先程と違って、半分ほどに減ったように感じる身食いの熱を中心に押し込んで行く。
 因為好不容易熱量減少了,快點整理吧。與剛才不同,把感覺好像減少了一半左右身噬的熱壓進中心裡去。
 少なくなった熱を抑え込んで蓋をしてしまうのは、難しいことではない。不用品をダンボールに詰め込んでクローゼットに押し込むように、ぎゅぎゅっとまとめて中心部に抑え込んだ。
 將變少的熱壓進去蓋上蓋子,並不是很難的事情。就像將不需品塞進紙箱又擠進壁櫥裡,緊緊地整匯壓進中心部裡。
 やっと終わった達成感に包まれながら、ゆっくり意識が浮上していくのを感じていた。
 一邊被終於結束的達成感包圍,一邊感覺到意識慢慢地逐漸浮現。


 目を覚ますと、また記憶にない世界でした。
 睜開眼睛後,又是不在記憶裡的世界。
 いや、ホントに。
 不,是真的。
 身食いとの攻防で身体中がぐったりとしているけど、頭はスッキリと冴えわたっているので、夢ではないと思う。
 雖然與身噬的攻防而整個身體筋疲力竭,但由於腦袋非常清爽鮮明,而認為不是在夢裡。

 どこよ、ここ?
 那裡唷,這裡?

 まず、薄暗い。日が暮れかけているのかと最初は思ったけれど、暗いのはわたしの頭の方だけで、足の方からはほんのりと光が入ってきている。
 首先,很昏暗。雖然最初是認為天黑了嗎,但暗的只有我頭部的地方,從腳的地方有微微的光芒進來。
 だから、視界は確保されていて、天井というか、わたしの視界いっぱいに深緑のだらんとした布が広がり、自分が寝ているベッドを囲っているのがわかった。足元の半分だけはカーテンが開けられたようになっている。
 所以,視野被確保了,是所謂的天井嗎,作為深綠色且下垂的布展開在我滿滿的視野裡,明白是將我所睡的床給圍了起來。只有腳下的一半帷幔變得像是被打開了。
 お姫様のようなひらひらしたレースではなく、完全に人目を避けるための厚みある布で覆われている天蓋ベッドだ。こんなに布を使えるのはお金持ちに決まっている。
 並不是像公主大人般輕飄飄的蕾絲,而是被用完全為了避人耳目的厚布覆蓋住頂篷的床。能這樣使用布的肯定是有錢人。

 もしや、今度こそテンプレのお貴族様に転生した!?
 或許,就這一次轉生為樣板的貴族大人了!

 ベッドの素材もわたしのベッドとは全然違う。いつも寝ている藁ではなく、柔らかな素材の上に温かい毛織物のシーツと厚みのある温かい布団が被せられている。肌触りは良いし、すごく寝心地がいい。
 床的素材也跟我的床完全不一樣。並不是平常睡著的稻草,在柔軟的素材上被溫暖毛織物的床單與有厚度且溫暖的棉被蓋著。肌膚觸感很好,躺起來非常舒服。

 麗乃時代はスプリングの利いたベッドで羽毛布団や柔らかい高級毛布を使っていたが、一年の生活でかなり記憶は塗り替えられたようだ。ゴロンと身体を横にしても、うごうごと頭を動かしても、枕や布団がカサコソ言わないし、シーツの下から藁が飛び出して、チクチクしないのが、不思議にさえ感じている。
 雖然麗乃時代在有彈簧效果的床上使用著羽毛被或柔軟的高級毛毯,但由於一年的生活記憶似乎被相當的塗改了。就算滾動地側過身體,還是蠢動地轉動著頭部,枕頭或棉被都不會發出窸窣細碎聲,稻草不會從床單下面,飛出而刺痛人,甚至感到了不可思議。

 藁布団もあったかいんだよ。慣れれば、ノミやダニに食われても寝られるようになるもん。慣れればね。
 稻草棉被也很暖和唷。習慣的話,就算被跳蚤或塵螨咬也是變得能睡的咩。習慣的話呢。
 うぅ、こんな気持ちが良いお布団は久し振りだ。このままもっと寝ていたい。
 嗚,這種感覺良好的棉被久違了。更想要就這樣睡著。

 トゥーリと一緒に使う自分のベッドは寝返りを打つのも気を付けなければいけないくらい狭いけれど、このベッドはゴロゴロしても大丈夫な広さがある。
 雖然與圖麗一起使用的自己的床是連翻身都必須要小心的狹窄,但這張床就算滾來滾去也有不要緊的寬度。
 ゴロゴロとベッドの端まで寄ってみると、ベッドサイドに椅子と小さな台があり、火の消えた燭台があるのが見えた。どれもこれもわたしには見覚えがないものばかりだ。
 試著滾啊滾地靠近到床的一端後,能看見在床邊有椅子跟小檯桌,有火熄滅的燭台。不論哪個盡是我沒印象見過的東西。

 しかし、ゴロゴロすることで、完全に見覚えのあるモノが目に入った。自分の手や髪だ。
 可是,因為滾來滾去,而完全有見過印象的東西映入了眼簾。是自己的手跟頭髮。
 手を伸ばしたり、髪を引っ張ったりしたところ、マインの姿から変化がないことだけは確認できた。
 靠著伸長了手,拉扯著頭髮這點,能確認到的只有來自瑪茵的身姿沒有變化。

 ……転生じゃなかったね。だったら、尚更ここどこ?
 ……並不是轉生呢。這樣的話,這到底是哪裡?

 わたしは自分が意識を失う前のことを何とか思い出そうと、記憶を探る。そういえば、意識を失う前、確かベンノがギルド長に連絡するように言っていたはずだ。
 我設法回想起自己失去意識之前的事情,尋找著記憶。這麼說來,失去意識前,班諾確實應該有說過好像要跟公會長聯絡。

「……あ~、もしかして、ギルド長の家かな?」
「……啊~,難道,是公會長的家嗎?」

 身食いの熱を何とかする魔術具を持っているという話だったし、ここはギルド長の家で間違いないだろう。お金持ち具合にも納得できる。
 有過所謂擁有著能設法解決身噬的熱的魔術具的話題,這裡肯定是在公會長的家吧。也能夠理解有錢人的狀態。

「すみません、誰かいませんか?」
「對不起,有沒有人在嗎?」

 身体がだるくて起きたくないけれど、現状把握はした方がいい。ベッドの端に寝転がったまま、のっそりと手を伸ばして垂れ下がっているカーテンのような布をちょっと引っ張る。
 雖然說身體很疲倦而不想起來,但最好還是要掌握現狀。依然躺臥在床的一邊,慢吞吞地伸長了手稍微拉扯著像是垂了下來的帷幔的布。
 わたしの声が聞こえたのか、ゆらりとカーテンが揺れて、知らない人が天蓋の中に入ってきた。
 是聽到了我的聲音嗎,搖曳的帷幔搖晃著,不認識的人進入了頂篷裡面。

「あ、あの……」
「那、那個……」
「少々お待ちくださいませ」
「請稍微等一下」
「え? あ、はい」
「咦? 啊,好的」

 わけがわからないまま動くこともできず、布団にくるまって待っていると、身体が温かくなってきて、睡魔がやってくる。
 仍舊不明白意義也不能夠活動,被棉被包覆等待時,身體變溫暖了起來,睡魔來襲了。

 ヤバい、また眠たくなってきた。
 不好了,又變得想睡了起來。

 うつらうつらし始めた時、ドアの開け閉めをする音が聞こえ、静かな足音が近付いてきた。授業中に舟を漕いでいて、教師の足音に覚醒したように、一気に意識が戻ってくる。
 開始昏昏欲睡的時候,聽到了門打開關上的聲音,安靜的腳步聲接近了過來。就像是在上課中打著瞌睡,因教師的腳步聲而醒過來,意識一口氣回來了。

「マイン、目が覚めたのね?」
「瑪茵,醒過來了呢?」

 ふわりとカーテンが揺れると、薄い桜色のツインテールが覗き、火の灯ったろうそくを持って天蓋の中に入ってきた。
 輕飄飄的帷幔搖曳後,窺見了淡櫻花色的雙馬尾,拿著點了火的蠟燭進入了頂蓬裡面。

「……あ? フリーダ?」
「……啊? 芙莉妲?」
「えぇ、そうよ。ご自分の状況はどれほど覚えているのかしら?」
「對,沒錯唷。自己的狀況還記得多少呢?」

 フリーダはろうそくを台に置き、ベッドサイドの椅子に腰を下ろす。話をする雰囲気を感じて、わたしも身体を起こそうとしたら、フリーダが押しとどめた。
 芙莉妲將蠟燭放置在檯桌上,在床邊的椅子上放下了腰。感受到了對話的氛圍,我也打算要起身的話,芙莉妲卻壓住了。

「今回の熱は身体には相当負担だったはずよ。そのままいた方がいいわ」
「這次的熱應該對身體是相當的負擔唷。就那個樣子是最好的喔」
「ありがと。でも、話をするのに寝転がっていると眠ってしまいそうだから……」
「謝謝。但是,因為明明是對話卻躺臥著的話似乎會睡著……」

 わたしが身体を起こしてベッドに座ると、フリーダは苦笑しながら「無理をしてはダメよ」と言った。
 我起身坐在床上後,芙莉妲一邊苦笑一邊說「勉強是不行的唷」。

「えーと、自分の状況だったよね? わたし、ベンノさんのお店にいる時に身食いが噴きだして呑みこまれたところまでは覚えてる。……多すぎて一人ではどうしようもなかった身食いの熱がどこかに吸い取られていったんだけど、もしかして、フリーダが何とかしてくれたの?」
「呃,是自己的狀況對吧? 我,在班諾先生的店裡時身噬噴了出來被吞了進入為止還記得。……雖然是太多了而一個人毫無辦法的身噬的熱被某處給吸走了,但難道是,芙莉妲給設法解決的嗎?」

 あんな風に急激に熱がなくなるなんて今まではなかった。おそらく、ベンノが言っていた魔術具を使ってくれたのだと思うが、そうすると高価な魔術具をわたしが壊したということにならないだろうか。
 熱像那個樣子急遽地變不見什麼的至今不曾有過。恐怕,雖然認為是使用了班諾所說過的魔術具,但那樣做的話不就變成是所謂我弄壞了昂貴的魔術具嗎。
 ザッと血の気が引いていくわたしとは正反対に、フリーダはやんわりとした笑顔で何度か頷いた。
 與唰地臉色逐漸發白的我正好相反,芙莉妲用作為婉轉的笑容點了好幾次頭。

「ほとんど正解ね。壊れかけ寸前の魔術具に詰め込めるだけ詰め込んだの。魔術具は壊れたけれど、マインの身食いの熱はかなり減ったと思うわ。どう?」
「幾乎是正確答案呢。只要能塞進臨近壞掉的魔術具裡的就塞進去。雖然說魔術具壞掉了,但我認為瑪茵身噬的熱相當減少了喔。如何?」
「うん、すごく楽になった。でも、魔術具って高いって……」
「對,變得非常輕鬆。但是,話說魔術具是很貴的……」

 真っ青で尋ねると、フリーダはとても楽しそうなイイ笑顔で値段を提示してくれた。
 鐵青地詢問後,芙莉妲用非常快樂似的美好笑容出示了價錢。 

「えぇ。先程壊れた物が小金貨2枚と大銀貨8枚なの。ベンノさんはマインが支払うと言っていたけれど、本当に支払えるのかしら?」
「對。剛才壞掉的東西是小金幣2枚與大銀幣8枚的。雖然說班諾先生說過瑪茵會支付,但真的能支付嗎?」

 ベンノがリンシャンの追加情報に値段を付けた時、ベンノはこの魔術具の値段を知っていたとしか思えない。そうでなければ、あまりにもピッタリすぎる。
 只能認為班諾在凜香的追加情報上制定價錢時,班諾就知道這個魔術具的價錢。若不是那樣,就太過剛好了。

 あれ? でも、最初は小金貨2枚って情報料つけてたよね? それじゃあ、足りなかったんじゃ……。
 奇怪? 但是,話說最初小金幣2枚是附上情報費的吧? 那樣的話,不就不夠了嗎……。

 ベンノの言葉に多少の齟齬を感じながら、わたしはフリーダに向かって頷いた。
 一邊對班諾的話語感到多少的齟齬,我一邊向芙莉妲點了頭。

「……支払えます」
「……我會支付」
「本当に持っていたなんて……マインをもらい損ねちゃったわ」
「真的擁有什麼的……受到瑪茵傷害了喔」

 軽く目を見張って驚いたフリーダが、少し不満そうに頬を膨らませる。
 輕輕睜大了眼睛且驚訝的芙莉妲,稍微不滿似地鼓起了臉頰。

「お金が払えなかった時はマインをわたくしの店に登録させるって話だったのよ。おじい様はベンノさんに魔術具のお値段を小金貨一枚と大銀貨2枚と伝えたって言っていたから、先回りしていても絶対に足りないと思ったのに。わたくしよりベンノさんの方が一枚上手ね」
「有說過錢無法支付的時候瑪茵就登記到我的店裡唷。因為爺爺說過將魔術具的價錢以小金幣一枚與大銀幣2枚傳達給了班諾先生,明明認為搶先了也絕對不夠的。比起我班諾還更勝一籌呢」

 小金貨2枚をお断りしたわたし、グッジョブ! そして、情報料をギリギリまで上げたベンノさん、マジ英断でした!
 拒絕了小金幣2枚的我,幹得好! 然後,將情報費提高到不能再高的班諾先生,真的做了英明的決斷!
 こんな命がかかった魔術具の値段でまで罠を張るようなお店に就職した日には、繊細なわたしの胃に穴が開きますから!
 因為在就連這種攸關性命的魔術具的價錢都會設下圈套似的店裡就職那天,纖細般的我的胃裡會開了個洞!

 ホッと胸を撫で下ろすわたしに、フリーダは少し唇を尖らせる。
 對放心地鬆了一口氣的我,芙莉妲稍微噘起了嘴唇。

「先程の魔術具は、例えるなら、カップから零れそうになった水を吸い上げただけのこと。カップの中の水がなくなったわけではないし、成長するにつれてまた水の量は増えていくの。わかるかしら?」
「剛才的魔術具,若要比喻,只是將變得快要從茶杯裡溢出的水吸上來。並非是茶杯裡面的水變不見了,隨著成長水量會再次逐漸增加的。明白了嗎?」
「はい」
「是的」

 一年前より半年前。半年前より一月前。一月前より今。どんどん扱いにくくなっていた身食いの熱は、魔術具に吸い取ってもらった今は落ち着いている。かなり減ったけれど、これからまた増えていくのは、自分が一番よく知っている。
 從一年前到半年前。從半年前到一個月前。從一個月前到現在。連續不斷變得難以處理的身噬的熱,受到魔術具吸走的現在很平靜。雖然說相當減少了,但今後又會逐漸增加,自己是最清楚不過的了。

「困ったことに、器が大きくなる速度より、水が増える速度の方が速いのよ。だから、多分、またいっぱいになるまで、あと一年くらいしかもたないと思うわ」
「傷腦緊的事情是,比起容器變大的速度,水增加的速度還比較快唷。所以,大概,到又變滿為止,我認為只擁有還有一年左右喔」

 同じ身食いだからだろう、フリーダの言葉が正しいことは実感としてわかる。わたしが頷くと、フリーダは意識的に感情を排除したような無表情で淡々と言った。
 因為同樣是身噬吧,芙莉妲的話語作為真實感而明白是正確的。我點了頭後,芙莉妲有意識地用排除了感情似的無表情淡淡地說了。

「だから、マイン。よく考えて選びなさい。貴族に飼い殺されても生きるか。家族と共に生活をして、このまま朽ちるか」
「所以,瑪茵。請好好考慮選擇吧。就算被貴族眷養到死也要活嗎。跟家人一起生活著,就這樣腐朽嗎」
「え?」
「咦?」

 目を瞬くわたしにフリーダは困ったような笑みを浮かべた。
 芙莉妲對眨著眼睛的我浮現了為難似的笑容。

「魔術具は基本的に貴族が所有しているものなの。わたしの身食いを知ったおじい様がお金に任せて、貴族にとっては価値のない壊れかけの魔術具を買い漁ったから、我が家にはまだいくつか魔術具があるけれど、他を探しても、もうないと思うわ」
「魔術具基本上是貴族所所有的東西。因為知道我的身噬的爺爺憑藉著金錢,到處搜購對貴族來說沒有價值要壞掉的魔術具,雖然說我家還有幾著魔術具,但就算尋找其他的,我認為也已經沒有了」
「ええぇぇぇっ!? 価値がない壊れかけが小金貨2枚と大銀貨8枚ってこと!?」
「咦咦!? 沒有價值快要壞掉還要小金幣2枚與大銀幣8枚!?」

 わたしが大きく目を見開くと、フリーダは何度か目を瞬いた後、ゆるく首を傾げた。
 我大大地睜大了眼睛後,芙莉妲眨了好幾次眼之後,緩緩歪頭不解。

「命の値段だと思えば、それほど高いわけでもないでしょう? きちんと作動する魔術具は大金貨が必要になるもの。身食いの平民は生きていきたければ、貴族のためだけに働く契約をして、魔術具を買い、その借金を返すために飼い殺されるしかないのよ」
「思考到生命的價錢的話,並不是那麼貴的對吧? 能正確運作的魔術具是變得需要大金幣的東西。身噬的平民如果要活下去,就只能簽訂只為了貴族的工作契約、購買魔術具、為了還那個借款而被眷養到死了唷」

 それが当然のこと、というように説明するフリーダの姿から、フリーダ自身も何度も何度も同じ説明を受けてきたのではないかと思い至った。
 從像是說著那是當然的事情般,說明著的芙莉妲的身姿上,想到了芙莉妲本身是不是也好幾次好幾次收到了同樣的說明呢。

「……もしかして、フリーダも?」
「……莫非,芙莉妲也?」

 貴族と契約して魔術具を買ったのか、と尋ねると、フリーダは花が開くような笑顔で頷いた。
 跟貴族簽訂契約購買了魔術具嗎,那樣詢問後,芙莉妲用開花似的笑容點了點頭。

「えぇ。わたくしはすでに貴族と契約しているの。15の成人まではここで過ごすことを許されているわ。成人式が終わった後は、貴族の愛妾となることが決まっているのよ」
「對。我已經跟貴族簽下契約了。被允許到15歲成人之前在這裡度過了喔。成人式結束之後,決定要成為貴族的愛妾唷」
「はぁ!? あ、あああ、愛妾!? 愛妾って意味がわかって言ってる!?」
「啥!? 愛、愛愛愛、愛妾!? 話說愛妾是知道意義才說的嗎!?」

 可憐で可愛い幼女の口から出てくる言葉とは信じられず、口をパクパクさせると、フリーダが逆に驚いたようにわたしを見た。
 不敢相信是從可憐又可愛的小女孩口中說出來的話語,讓嘴巴一張一合後,芙莉妲反過來像是驚訝地看著我。

「……その反応、マインは愛妾がどういう存在がご存じなのね?」
「……那個反應,瑪茵是知道愛妾是怎樣的存在嗎?」
「だって、愛妾って、愛妾って……」
「因為,愛妾是、愛妾是……」

 6~7歳の子供が普通知っている言葉ではない。しかも、意味がわかっていて、そんなものになると決まっているなんて平然と言うのが、あり得ない。
 並非是6~7歲的小孩子普通該知道的詞語。而且還是,明白了意義、泰然地說著決定了要成為那種東西什麼的,不可能。

「第二夫人や第三夫人になるお話もあったのですけれど、正式な妻になってしまうと相続権や妻同士の優先順位などが煩わしいんですって。特に、我が家は下級貴族よりお金があるから、無用な軋轢を生む可能性が高いとおじい様がおっしゃっていたわ」
「雖然說也有談過要成為第二夫人或第三夫人,但話說成為正式的妻子後繼承權和妻子之間的優先順位會很麻煩。特別是,因為我家比下級貴族還有錢,爺爺說過會產生無用的不和的可能性很高喔」
「ひいいぃぃぃっ! ギルド長! 子供になんてことを言うの!?」
「唏噫噫! 公會長! 對小孩子說了什麼話呀!?」

 思わず叫ぶと、フリーダは少し表情を厳しくしてわたしを見た。
 不假思索地大叫後,芙莉妲稍微嚴肅著表情看著我。

「マイン、他人事ではないわ。生きていくことを選べば、貴族の世界で生きていくことになるの。うまく立ち回らなければ、魔術具があっても別の理由で殺されることも少なくないわ。自分の身を守るためには情報は大事なの。隠されたら、自分自身が危険なのよ?」
「瑪茵,這不是別人的事情喔。選擇活去下的話,就變成要在貴族的世界裡活下去。若不好好經營話,就算有魔術具也會因其他的理由被殺掉的事情也不少喔。為了保護自己的身體情報很重要的。被隱藏的話,自己本身就會很危險了唷?」
「ごめんなさい。考えなしはわたしでした」
「非常抱歉。沒考慮的是我」

 相変わらず平和ボケした日本人思考が抜けていないようだ。安穏と生きられたぬるま湯のような世界とここは別の世界だ。
 似乎仍舊無法掙脫和平傻瓜的日本人思考。這裡與能生活在安穩又像是溫水般的世界是其他的世界呀。
 謝るわたしにフリーダは苦笑する。
 芙莉妲對道歉的我苦笑著。

「気にしないで。わたくしの場合はかなり特殊なの。おじい様がギルド長で、貴族の方々とも広く商いをしているでしょう? 繋がりが欲しい方も、援助を乞うてくる方もいて、自分や家族にとって条件の良いところを選ぶことができたんですもの」
「別在意。我的情況相當特殊的。由於爺爺是公會長,跟貴族的各位都廣泛地坐著生意對吧? 不論是想要聯繫的一方,還是乞求援助的一方都有,對自己跟家人來說是能夠選擇條件良好的地方的東西」
「条件って……?」
「條件是說……?」

 なんとなく流れで首を傾げて問いかけると、よくぞ聞いてくれました! というような顔でフリーダが口を開く。
 不由得流出疑惑不解的詢問後,芙莉妲用像是在說給我好好聽好了! 的表情開口了。

「わたくし、貴族街にお店を持てるの。旦那様のお屋敷に一室を賜わったり、離れを賜ったりするのではなく、自分のお店を持てるのよ。出店料も生活費も我が家持ちだけれど、貴族街に支店が持てるのと同じだし、身食いということで諦めていた商いができるようになるし、わたくし、とても楽しみなの」
「我,在貴族街上擁有店鋪的。並非在老爺的宅邸裡賜予一室、賜予離開,而是擁有自己的店舖唷。雖然不論分店費或生活費都是我家擁有的,但跟在貴族街上擁有分店是一樣的,變得能做到因所謂的身噬而放棄做生意,我,非常的快樂」

 キラキラに輝く笑顔でフリーダは笑う。
 芙莉妲用閃閃發光地閃耀著的笑容笑著。
 輝く将来が楽しみで仕方ないと全身で表現されて、わたしの方が戸惑った。
 閃耀的將來因快樂而用全身表現出沒有辦法,我這邊困惑了。

「……そう、なんだ。フリーダは好きな人と結婚とか、考えないの?」
「……是、那樣啊。芙莉妲沒考慮過、跟喜歡的人結婚嗎?」
「まぁ、マイン。何を言っているの? 結婚はどの道、父親が相手を決めるものでしょう? いくつかの候補の中から選ぶことはあっても、決められた相手と結婚することに変わりはないわ」
「哎,瑪茵。在說什麼呢? 結婚不管如何,都是由父親決定對象的東西吧? 就算從幾個候補裡面有所選擇,與被決定的對象結婚是不會改變的喔」
「あ……そうだね」
「啊……說得也是呢」

 あぁ、わたしの常識、ここの非常識。
 啊,我的常識,是這裡的非常識。
 そういえば、結婚相手は父親が決めるんだ。完全に家と家のお付き合いなんだ。
 這麼說來,結婚對象是由父親來決定呀。完全是家與家的交往呀。

「だから、貴族街に拠点を持てるということで家族は満足しているし、売り上げの3割を旦那様に納めることになるけれど、自分のお店が持てるし、旦那さまと物理的に距離を取ることで面倒事からも遠ざかることできそうだし、わたくしにとっては良い条件なのよ」
「因此,家人對所謂在貴族街上擁有據點視很滿足的,雖然說會變成要將銷售額的3成繳納給老爺,但擁有自己的店鋪,似乎能跟老闆取得物理上的距離而從麻煩事裡遠離,對我來說是很好的條件唷」

 そんな可愛らしい笑顔で愛妾になる将来を語られると、常識が違うとわかっていてもわたしは複雑です。
 用那樣可愛的笑容說著要成為愛妾的將來後,就算明白常識不一樣我也很複雜。

「でも、マインには貴族にとっての利点がないでしょう? わたくしの愛妾などと言われる立場さえ羨ましいと思うような生活になるかもしれないの。よく考えて、ご自分が少しでも後悔しない生き方をしてくださいな」
「但是,瑪茵對貴族來說沒有優點的對吧? 搞不好會變成就連被說是我的愛妾的立場都會很羨慕的隨心所欲的生活。好好考慮,請做出自己一點都不會後悔的生活方式吧」

 あぁ、そうか。わたしも同じ身食いだから、生きるためには貴族の庇護が必要なんだ。
 啊,對喔。因為我也同樣是身噬,為了活著而必須要貴族的庇護呀。
 だから、次に身食いの熱が飽和状態になるまでに、自分の身の振り方を考えろ、と言われている。
 所以,在下次身噬的熱變成飽和狀態之前,被說了,要考慮自己的身體的處置方法。

 貴族に飼い殺しにされるか、家族と一緒にいて死ぬか。
 是要被貴族眷養到死嗎,還是要跟家人在一起死呢。

「ありがとう。どうするか、考えてみる。詳しい話が聞けて良かった」
「謝謝妳。會試著考慮、該怎麼做的。能聽到詳細的話太好了」
「えぇ、マインの周りには詳しい人はいないでしょう? 身食いのことで悩むことがあれば、相談してくださいな。本当の意味で分かり合えるのは、わたくし達だけだと思うから」
「不會,在瑪茵的周圍沒有熟知的人對吧? 因為身噬的事情而有煩惱的話,請來商量吧。因為在真正的意義上互相明白,我認為只有我們」

 身食いは滅多にない病気だから、知っている人も少ない。相談できる相手がいるのは、本当に心強いことだった。
 因為身噬是並不多見的疾病,知道的人也很好。有能商量的對象,真的是很能壯膽。

「お世話になりました。わたし、帰らなきゃ」
「多謝您的照顧。我,必須要回去了」

 どんどん部屋が暗くなっていくのがわかる。日が暮れていく時間なのだろう。早く帰らなければ、家族が心配する。
 明白房間連續不斷地逐漸變暗。是天黑的時間了吧。若不快點回去,家人會擔心的。
 話が終わったので、ベッドから降りようとしたら、フリーダがわたしの体をベッドに押し戻す。
 因為結束了對話,打算從床上下去的時候,芙莉妲把我的身體推回到床上。

「ご家族には連絡してあるから大丈夫よ。このままお休みなさい」
「因為有跟妳的家人連絡所以不要緊唷。請就這樣休息吧」
「え?」
「咦?」
「ご家族は今日も先程までいらしていたのよ」
「妳的家人今天也是直到剛剛都在唷」
「今日もって、わたし、意識失ってどれくらいたってるの?」
「是說今天也,我、失去意識多久了?」

 日付が変わっているとは予想外すぎた。わたしが目を剥くとフリーダは頬に手を当てて、少し首を傾げる。
 日期改變了太過出乎預料。我瞠目結舌後芙莉妲把手貼到臉頰上,稍微歪頭不解。

「昨日のお昼前に運び込まれて、今日はもう日が暮れるわ。かなり消耗していたようで、熱が下がってから意識が覚めるまでにずいぶんと時間がかかったみたい。意識が戻っても様子見で明後日の洗礼式までお預かりすることになってるわ」
「在昨天的中午前被搬了進來,今天已經天黑了喔。似乎相當消耗著,從退燒到意識清醒為止好像花費了相當的時間。就算意識回來了看情況也會變成要管理到後天的洗禮式為止了」

 わたしの知らないところで、色々なやり取りがあったようだ。報告された家族の様子を考えただけで、胃が痛くなる。
 似乎在我不知道的地方,有著各式各樣的交流。只是考慮到被報告的家人的模樣,胃就變痛了。

「明日の朝にはルッツも来るでしょうし、ご家族もいらっしゃると思うわ。もう一度目を閉じて、休んだ方がいいわよ」
「在明天早上路茲也會來吧,我想妳的家人也會來吧。再閉上一次眼睛,休息會比較好唷」
「ありがとう、フリーダ」
「謝謝妳,芙莉妲」
「家族と話し合う前に、自分の意見をよく考えて。……明日、元気になっていたら、約束していたお菓子作りをしましょう」
「在跟家人交談之前,好好考慮自己的意見。……明天,變有精神的話,來做約定好的製作點心吧」

 カタリと立ち上がったフリーダがろうそくを持って、静かに出ていくと視界は真っ暗になった。
 芙莉妲喀嗒地站了起來拿著蠟燭,安靜地出去後視野變得漆黑。
 フリーダに言われたことを反芻して、色々と考えようと思っていたのに、身体は休息を求めているようで、座っていても瞼がとろりと下がってくる。
 反芻著被芙莉妲說的事情,明明想要各式各樣地思考,但身體似乎要求著要休息,就算坐著眼皮也催眠似地垂了下來。
 もそもそと布団の中に潜り込めば、寝心地の良い布団に抗えるはずもなく、かくんと意識は落ちた。
 磨磨蹭蹭地鑽進棉被裡面的話,應該反抗不了躺起來很舒服的棉被,意識猛然地掉落。

======================================================================
 すみません。予告詐欺でした。
 對不起。是預告詐欺。
 フリーダは貴族と契約済みです。
 芙莉妲跟貴族契約完畢了。
 マインはどう選択していくでしょうか。
 瑪茵會做出怎樣的選擇呢。

 次回こそフリーダとの交流です。
 下回才是跟芙莉妲的交流。
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