本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 お料理奮闘中第一部士兵的女兒 料理奮鬥中
原文連結 時期的には煤鉛筆を乾燥している間のことになる。 在時期上是乾燥煤鉛筆期間的事情。
トゥーリがお仕事するようになったことで、わたしにも料理番が回ってくるようになった。 由於變成圖麗得去工作了,而變得得輪到我掌廚了。
しかし、包丁がろくに持てない、火がろくに使えない、という状態では、まだ一人では全行程を作るのは無理だ。わたしができる範囲で手伝い、母と一緒に作ることになった。 可是,對所謂菜刀無法正經地拿著、火無法正經地使用著,的這種狀態,僅有一個人製作全程是不可能的。變成了我能做到的範圍內幫忙著,跟母親一起製作。
せっかくなので、和食を食べられるように創意工夫してみたい。 由於很難得,所以為了吃日式料理而試著下些創意功夫。
わたしの現代知識が火を噴くぜ!……って、勢いよく噴きたかったけど、噴けなかった。 我的現代知識噴發了!……的說,雖然想氣勢十足地噴出,但噴不了。
だって、最初からお手上げ状態だ。 因為,從最初就是投降狀態了。
和食が恋しいのに、米がない。味噌がない。醤油がない。当然、味醂だって日本酒だって売ってない。調味料がないのにどうしようもない。作れるなんて思えない。 明明想念著日式料理,卻沒有米。沒有味噌。沒有醬油。當然,就連味醂以及日本酒都沒有賣。沒有調味料的說也不能怎麼辦。不認為能做出來。
あのね、わたしだって、味噌や醤油の作り方くらいは知ってるよ? 材料だって、わかってる。大豆と麹と塩で作るんだよね? 那個啊,就算是我,味噌或醬油的作法之類的也是知道的唷? 材料的話,是知道的。是用黃豆跟麴跟鹽去做的對吧?
手順だって習ったよ。小学校の時に味噌工場へ見学に行って、実際に昔はこう作ってたってコーナーの見学も真面目にしたからね。 就連順序都學過了唷。小學的時候去味噌工廠參觀過,因為實際上過去就連製作這個的專櫃參觀也認真做過呢。
でも、この世界で大豆と麹ってどこにあるの? 但是,在這個世界黃豆跟麴哪裡會有呢?
豆はもしかしたら他の豆で代用できる可能性があるとしても、麹って、どこに売ってるの? 就算豆子或許有可以用其他豆類代替的可能性,但麴的話,哪裡有賣呢?
さすがに、自然界にあるものから麹を作るなんて、怖くてできない。だって、麹ってカビだよ? ちょっと失敗したら、家族全員巻き込んで食中毒一直線だもん。 畢竟,要從自然界存在的東西中製作出麴什麼的,會害怕而做不到。因為,麴是黴菌唷? 稍微失敗的話,是會將家族全員捲進食物中毒一直線的咩。
たとえ、麹がたまたまあったとしても、雑菌だらけのあの家で醸すなんて怖いことはできないし、臭いもするので、出来上がる前に捨てられるに違いない。 縱使,偶然有了麴,在淨是雜菌的那個家裡釀製這種可怕的事情是做不到的,由於是會發臭的,肯定會在做出來之前被丟掉。
調味料を自作するのは諦めて、調味料を使わない和食がないか、これでも一生懸命考えた。 自製調味料是放棄了,沒有不用使用調味料的日式料理嗎,這也是要拚命思考的。
刺し身ならどうよ? 生魚片的話如何?
醤油はないけど、塩と柑橘系の果汁で食べてもおいしいじゃない? 雖然沒有醬油,但用鹽與柑橘類的果汁不也是就算吃了也很美味嗎?
でも、ここ、どうやら海が遠いらしい。市場に行っても新鮮な海水魚なんていなかった。ワカメや海藻だって売ってない。 但是,這裡,看來似乎海很遙遠。就算去了市場也沒有什麼新鮮的鹹水魚。就連裙帶菜或海藻都沒有賣。
刺し身どころか、海藻サラダさえできなかった。 生魚片在哪啊,連海藻沙拉都做不了。
海鮮がないということは、当然、昆布だってない。干しエビも鰹節もない。和食を作りたいのに、出汁が取れない。これがホントに致命的だった。 是說沒有海鮮,當然,連昆布也沒有。蝦米柴魚也沒有。想要製作日式料理的說,卻無法取得高湯。這個真的是最致命的。
ほんだしが欲しいなんて言わない。せめて、昆布と鰹節をください。 不用說想要烹大師什麼的。至少,請給我昆布跟柴魚。
きゅうりもどきの酢の物だって、醤油もなくて、砂糖は使わせてもらえなくて、ワインビネガーしかない状態じゃ、風味が違いすぎて満足できない。 就連擬似黃瓜的醋拌涼菜,也沒有醬油。砂糖不給使用,除了酒醋什麼都沒有的狀態,風味太不一樣而無法滿足。
一応作ってみたものの、すっぱさがえぐい感じになって、わたしが思った酢の物とは全く違う物になった。 姑且做看看的東西,變成了酸到嗆的感覺,成為了跟我所想的醋拌涼菜完全不一樣的東西。
全然できないのが悔しかったので、子供のわたしでもできる簡単料理、きゅうりもどきを塩揉みして食べた。 因為完全做不到而後悔著,小孩子的我也能做到的簡單料理,加鹽搓揉擬似黃瓜來吃。
塩でちょっと水分が抜けて、くたっとなった程良い塩味のきゅうりもどきが、ちょっと漬物っぽくなっていた。和食っぽい物で満足できると思ったら、逆に、白米が恋しくなりすぎて泣けた。 用鹽稍微去除水分,變成軟趴趴般鹹味適當的擬似黃瓜,也稍微變得像醃製物了。想說用日式料理般的東西就能滿足的話,結果相反,變得太想念白米而哭了。
ちなみに、雑穀パンと塩もみきゅうりもどきは、これじゃない感が強すぎて、あまり相性が良くなかった。 順帶一提,雜糧麵包與鹽醃擬似黃瓜,才不是這個的感覺太過強烈,搭配得不太好。
米、米、和食! 誰か和食を! 和食を恵んでください! 大米、大米、日式料理! 誰有日式料理! 請惠賜我日式料理吧!
きゅうりもどきのせいで、あまりにも和食が食べたくなったので、川で魚でも釣って、和食っぽい物を自作してみようと考えた。 都是擬似黃瓜的錯,因為變得太過想吃日式料理了,思考著試著在河裡釣魚、自製日式料理般的東西。
火が使えないわたしには、魚を干す以外の選択肢がない。川で魚を釣って、干物を作ってみよう。塩を持参して、振りかけて干せば何とかなるかもしれない。……何とかなってほしい。 用不了火的我,沒有乾燥魚以外的選項。在河裡釣魚,試著做成乾貨。自備著鹽,撒上去乾燥的話能做到也說不定。……希望能設法做到。
「ねぇ、ルッツ。魚を釣ってみたいんだけど、この川って釣れる?」「喂,路茲。雖然想釣魚看看,但這條河能釣嗎?」
「マインには無理だと思う」「我想瑪茵是沒辦法的」
ルッツの言った通り、結果は惨敗。 如同路茲所言,結果是慘敗。
魚を釣ること自体が難しい。 釣魚本身很困難。
しょぼくれるわたしの前に、ルッツが釣った魚を持ってきた。 在無精打采的我面前,路茲拿釣到的魚來了。
「ほら、釣れたけど、これ、どうするんだ?」「妳看,雖然釣到了,這個,要怎麼做呢?」
「もらっていいの?」「可以給我嗎?」
「いいよ。オレはこんなのいらないから」「可以唷。因為我不需要這玩意兒」
「ルッツ。ルッツは火、おこせる? これ、塩焼きにしたいんだけど」「路茲。路茲會、生火嗎? 這個,雖然想要鹽烤」
ルッツが釣ってくれた魚を、我慢しきれず、鮎のように塩焼きにして食べてみる。 路茲給釣來的魚,完全忍不住,像香魚般鹽烤起來試吃看看。
臭ッ! 好臭!
苦ッ! 好苦!
まずッ! 好難吃!
一口食べて、思わず顔をしかめた。おかしい。わたしが思ったのと違う泥臭い味がする。 吃了一口,不假思索地皺起臉來。好奇怪。跟我所想的不一樣有股土味。
どうしてこんなに臭いのだろうか。 怎麼會如此地臭呢。
焼き方が間違っていないか、記憶を探って首を傾げていると、ルッツが眉を寄せていた。 有沒有搞錯烤的方法呢,尋找著記憶而疑惑歪著頭時,路茲皺起了眉頭。
「ちゃんと料理しないと、そんな食べ方で臭くないか?」「不好好料理的話,那樣吃不臭嗎?」
「……臭い」「……很臭」
この魚、臭いんだ。もっと早く教えてくれたら嬉しかった。 這條魚,是臭的啊。早點告訴我的話就很高興了。
もう一尾はナイフで捌いた。日本の包丁と勝手が違って、少々ボロボロになってしまったけれど、味に問題はないはずだ。 另一尾用小刀處理。跟日本菜刀的情況不一樣。雖然說稍微變得破破爛爛了,但味道上應該沒問題吧。
木を削った棒で刺して、干してみる。干物ならできるかもしれない。 用削木而成的棒子戳刺,試著弄乾。若是乾貨能做到也說不定。
天日干しだ、と放置しておいて、薪を拾っていたら、いつの間にか食べられないくらいカチンカチンになっていた。どうやら、水分が蒸発しすぎたようだ。 用陽光乾燥,而暫時放置。撿拾木柴的話,不知不覺間變成了不能吃般硬梆梆的。看來,水分好像蒸發過頭了。
「マイン、これ、何だ?」「瑪茵,這個,是什麼?」
「……干されすぎた干物。もう干物としては食べられないね」「……被乾燥過頭的乾貨。作為乾貨已經不能吃了呢」
「そうだな。どう見ても食べ物には見えない」「是呢。怎麼看都看不出是食物」
「でも、出汁は取れるかも。持って帰って使ってみる」「但是,能取得高湯吧。帶回去使用看看」
干物としては食べられなくても、出汁は取れるかもしれない。 就算作為乾貨不能被吃掉,但能取得高湯也說不定。
わたしは家にカピカピの干物を持って帰って、出汁として使ってみようとした。 我把乾硬的乾貨拿回家,打算試著做為高湯使用。
「マイン、何これ!? 気持ち悪い! ちょっと、鍋に入れるのは止めてちょうだい!」「瑪茵,這是什麼!? 感覺好噁心! 等等,要放進鍋子裡請給我住手」
「あの、母さん。出汁をとるのに使いたいんだけど」「那個,媽媽。只不過是想用在提煉高湯上」
「ダメよ! 鍋に入れてもいいのは食べ物だけよ」「不行喔! 放進鍋子裡也可以的只有食物喔」
……一応食べられるものなんだけどな。 ……基本上只有能被吃掉的東西呢。
干物を気持ち悪がる母の強硬な却下により、出汁として使うことは却下された。 比起被感覺乾貨很噁心的母親強硬駁回,作為高湯來使用更是被駁回了。
もしかしたら、普段の生活であまり魚を見ないから、捌かれて干からびた魚は気持ち悪いのかもしれない。半分にかち割られた豚の頭は「おいしそう」って言うのにね。 難道說,因為平常生活上不太看得到魚,所以被處理而乾癟的魚感覺很噁心也說不定。明明被分成一半的豬頭都會說出「好像很好吃」呢。
お魚さん、ごめんなさい。 魚先生,很抱歉。
結論、わたしに和食は作れない。 結論,我做不出日式料理。
出汁が取れなくて、調味料が一切ないので、どうしようもない。 由於提煉不了高湯,調味料通通都沒有,也不能怎麼辦。
味噌と醤油と日本酒と味醂を諦めたら、こんなに和食って作れないんだね。調味料の重要性を思い知ったよ。 放棄味噌與醬油與日本酒與味醂的話,這樣是做不了日式料理的呢。體會到了調味料的重要性唷。
ひとまず、今使える材料でちょっとでも和食っぽく、せめて、日本で食べてた味に近づけて食べる方法を考えよう。 暫且,用現在使用的材料來稍微像日式料理點,至少,要思考接近在日本吃到的味道的吃法。
その方が有意義だ。うん。 那個方法是有意義的。嗯。
そして、なんと、本日は鳥を一羽頂いた。ご近所さんが森で5羽ほど仕留めたらしい。全てを傷む前に食べるのは季節柄難しいので、前に父が仕留めすぎた時に配ったウチにお返ししたいとのこと。 然後,竟然,今日收到了一隻鳥。似乎是鄰居先生在森林打死了5隻左右。由於要將全部在壞掉之前吃掉在季節上很困難,所以想對之前父親打死太多的時候分配給我家的回禮。
名前も知らない鳥を捌くのは母だ。肉を捌くための包丁は重くて、わたしもトゥーリもまだ使えない。 處理著不知道名字的鳥的是母親。為了處理肉的菜刀很重,不論我或圖麗都還用不了。
「マイン。ほら、羽を毟っていって」「瑪茵。妳看,拔掉羽毛」
「う、うん……」「嗯、嗯……」
でろっと横たわる鳥の羽を握って引っ張る。ブツブツッと羽が取れる感触に、ぞわわっと鳥肌立った。 抓住癱軟橫臥的鳥的羽毛拉扯。因噗吱噗吱地去除羽毛的感觸,顫慄地起了雞皮疙瘩。
食べるためには仕方がないことだと自分に言い聞かせ、泣きながら毟る。単純作業としてできるようになるまでにはまだ時間がかかりそうだ。 對自己勸說這是為了吃而沒辦法的事情,一邊哭一邊拔。直到變成能作為單純作業為止好像還花了點時間。
でも、内臓を抉りだしても、気絶したり、逃げだしたりせずに立っていられるようになったのだから、我ながら成長したと思う。 但是,因為就算挖出肉臟,也不會變得又是昏厥、又是逃跑而是好像被迫站立般,我想連我都成長了。
「さぁ、マイン。料理するわよ」「好了,瑪茵。要烹煮了喔」
「わかった」「知道了」
せっかくあるので、鳥ガラで出汁をとろうと考えた。鳥ガラスープがあれば、料理の幅が変わってくる。 由於很難得有,所以考慮著用鳥骨來提煉高湯。有鳥骨湯的話,料理的幅度會改變的。
昆布や鰹節はないけれど、干し椎茸もどきの干し茸の出汁と合わせればどうだろう。 雖然說沒有昆布或柴魚,跟擬似乾香菇的乾蘑菇高湯配合的話會怎樣呢。
しかし、鳥ガラスープをとるのが大変だった。鳥ガラスープを母が理解できなくて、最初、手伝ってくれなかったのだ。焼いてギリギリまで食べるのがいいらしい。 可是,提煉鳥骨湯很辛苦的。母親無法理解鳥骨湯,最初,是無法幫忙的。似乎烤到極限為止吃掉就可以了。
今日はわたしが料理番だよ、と説得して、鳥ガラのぶつ切りだけはしてもらった。後は自分で何とかするしかなかった。 今天是我掌廚的唷,那樣說服著,只有鳥骨的大塊切成請媽媽做了。之後就只能自己想辦法了。
一番大きな鍋に水と鳥ガラとささみとハーブをどんどん放り込む。見た目が違っても、匂いや味や使い方が似ているものを選んでいく。 在最大的鍋子裡不斷放進水與鳥骨與鳥胸肉與香草。就算看起來不一樣,但會去選擇氣味或味道的用法相似的東西。
ネギっぽい匂いのもの、ショウガっぽい味がするもの、ニンニクっぽい匂いがするもの、ローリエっぽい葉っぱ、とにかく、肉の臭み消しに使われる薬草は次々入れてみることにした。 蔥般氣味的東西、散發著薑般味道的東西、散發著大蒜般氣味的東西、月桂葉般的葉子,總之,決定試著一個一個放入被用來消除肉腥味的藥草。
「マイン! 待ちなさいっ!」「瑪茵! 等一下!」
「え?」「哎?」
「それはマインの手には負えないわ。凶暴よ!」「那個不是瑪茵的手能負擔的。很兇暴喔!」
ニンニクっぽい味がする、白いラディッシュの葉っぱ部分をナイフで切ろうとしたら、母に取り上げられた。 打算用小刀切掉散發著大蒜般味道、白色櫻桃蘿蔔的葉子部分時,就被母親拿走了。
まるで逃げられたら困るとでも言うように、むんずと葉っぱ部分を握って、まな板に置く。 簡直像就算被逃掉的話會很困擾也要說般,猛然握住葉子部分,放在砧板上。
母がキッと白ラディッシュを睨んで、包丁で半分に切った瞬間、「ぎゃっ!」と叫ぶような声が聞こえた。白ラディッシュから。 母親猛地盯著白櫻桃蘿蔔,用菜刀切成一半的瞬間,聽到了「呀!」地叫喊般的聲音。來自白櫻桃蘿蔔。
「え? 何?」「咦? 什麼?」
空耳だろうか、と瞬きするわたしの前で、母が葉っぱから手を離して、今度は包丁の側面をバン! と叩きつける。ニンニクを潰す時と同じ動作だ。 在聽錯了嗎,眨眼的我面前,母親將手從葉子上離開,這一次是將菜刀的側面乓! 地用力敲下去。是跟弄碎大蒜的時候一樣的動作。
わたしがちまちまとみじん切りにするより速いので、助かったと思っていたら、包丁の下から出てきた白ラディッシュが何故か赤ラディッシュになっていた。血がにじんだように赤くなっているのが、怖い。 由於比我持續緩慢去切碎還快,而想說幫大忙的話,從菜刀下面出現的白櫻桃蘿蔔不知為什麼變成了紅櫻桃蘿蔔。像是血滲了出來變成了紅色嗎,好可怕。
「もう大丈夫。ちゃんと洗ってから使うのよ」「已經不要緊了。好好清洗就能用了喔」
「……うん」「……嗯」
ラディッシュより母さんの方が凶暴に見えたのはわたしの目の錯覚でしょうか? 錯覚ですね。錯覚ということにします。 比起櫻桃蘿蔔看起來還是媽媽比較兇暴是我看錯了嗎? 是錯覺呢。就是所謂的錯覺。
ここでは、たまに自分が知っている野菜と似たような見た目に見えても、よく理解できない不思議食材がある。こういう変わった野菜に遭遇すると、あぁ、ここは自分の知っている世界ではないんだな、と実感するのだ。 在這裡,有著就算偶爾會看到跟自己所知道的蔬菜相似般的外觀,但也無法好好理解的不可思議的食材。跟這種怪異蔬菜遭遇後,啊,這裡不是自己所知道的世界呢,那樣的真實感受啊。
少しハプニングはあったものの、臭み取りのハーブを入れてしまうと、気をつけるのは灰汁とりだけだ。 雖然稍微有偶發事件,但放入去腥用的香草後,要小心的就只有撈取浮沫了。
一度沸騰したら、とりあえず水を全部捨てて、水をはりなおすなんて、よく聞くけど、特にスープの味が悪くなったりしたこともないし、面倒くさいのでそのままトロ火で煮続ける。 煮沸過一次後,暫時先將水全部倒掉,再重新裝滿水,雖然仔細聽著,但特別是湯的味道也沒有變得不好,因為很麻煩就那樣用小火繼續煮。
沸騰した後で、ささみだけは頃合いを見て取り上げた。さっと水にさらした後、解して、サラダに添えるとおいしい。 在煮沸之後,只有鳥胸肉看準時機拿起來。迅速地在水中漂洗後,支解,加上沙拉後就很好吃。
スープを煮込む間に他の部分の肉を下処理していく。心臓部分とか砂肝っぽい部分などの傷みやすい部分を食べやすい大きさに切って、塩と酒をふっておく。こういうのはシンプルに塩で焼いて食べる。それが家族にとって一番受け入れやすい調理法らしい。 在熬湯的期間預先處理其他部分的肉。將心臟部分嗎或砂囊般的部分等等容易腐壞的部分切成容易入口的大小,撒上鹽跟酒。這種稱為簡單用鹽燒烤來吃。這個似乎是對家人來說最容易接受的烹調法了。
一瞬、炭火焼という単語が頭をよぎったが、他の処理があるので諦めた。 一瞬間,名為炭燒的單字掠過腦袋,但有其他的處理而放棄了。
今日食べるのは内臓系とモモ肉だ。もも肉は母が腕によりをかけてローストチキンにするようで、わたしの手出しは禁止された。 今天吃的是肉臟系與鳥腿肉。鳥腿肉好像是母親要小露一手來做成拷雞的,我被禁止插手。
わたしは胸肉に塩と酒をふって、冬支度部屋に入れておく。これは明日の料理に使うためだ。 我在胸肉上撒鹽跟酒,放進了過冬準備的房間。這個是為了在明天的料理上使用的。
ここに冷蔵庫と密閉できるビニール袋があれば、鳥ハムを作ったけど、ここではできない。残念、無念。 在這裡有冰箱跟能密閉的塑膠袋的話,甚至就能製作鳥火腿了,但這裡做不到。很可惜、很遺憾。
「……いい匂いね?」「……味道好香呢?」
「味はまだまだだよ」「味道還遠遠不夠唷」
スープの匂いが漂い始めると、気味悪そうに遠巻きにしていた母がちょっとずつ鍋に近付いてくる。 湯的氣味開始飄散後,被好似不快心情遠遠圍住的母親稍微慢慢地靠近了鍋子。
鳥ガラスープは気長に煮込むしかないので、灰汁にだけ気をつけて、少しずつ野菜を刻み始めることにした。 因為鳥骨湯只能耐心熬煮,只有浮沫需要小心,決定一點一點地開始切碎蔬菜。
何をするにもこの身体では時間がかかるので、早目に取りかかっておくにこしたことはない。 因為不論做什麼用這個身體都是需要花時間的,所以提前預先著手也不會超前。
和食っぽく食べよう計画第一回目として、鍋だ。出汁があれば、鍋ならできるんじゃない? と思ったのだ。 決定能吃到日式料理風的計畫第一回合,是鍋子。有高湯的話,不就只有鍋子能做到了嗎? 是那樣想的。
馴染みのある出汁は取れないが、今回は鳥ガラスープがある。 提煉不了熟悉的高湯,這次有著鳥骨湯。
ポン酢もごまだれもないので、黄色いパプリカみたいな見た目で味はトマトであるポメとハーブで味をつけて煮込んで、トマト鍋っぽくしてみる予定だ。 由於柚子醋跟芝麻都沒有,用外表看起來像黃色彩椒味道則是蕃茄的柏梅跟用香草燉煮入味,是預定試著做成蕃茄鍋風味。
ポメ鍋には、母が骨ばかりで使いにくいという手羽先を使うことにして、名前がよくわからない旬の野菜を適当に切っていく。煮込んでしまえば大体おいしく食べられるのが、鍋の魅力だと思う。 在柏梅鍋中,決定使用母親所謂光只有骨頭而難以使用的前翅膀肉,適當地切著名字不太明白的當季蔬菜。燉煮的話大致上能美味地被吃掉,我想是鍋子的魅力吧。
「あ、そろそろいいかも。母さん、手伝ってくれる?」「啊,差不多該好了吧。媽媽,能幫忙嗎?」
二番目に大きい鍋の上にざるをセットして、わたしは母を呼んだ。 在第二大的大鍋子上設置了篩子,我呼喚著母親。
「何をすればいいの?」「要做什麼才好呢?」
「ここにスープをザーッと流してほしいの。中のいらない部分を出すから」「希望能在這裡將湯唰地倒進去。因為要取出裡面不需要的部分」
「……これを食べるわけじゃないのね」「……並不是要吃這個呢」
何だか安心したように母が言って、鳥ガラスープをざるで濾してくれた。 總覺得安心似的母親說著,用篩子將鳥骨湯過濾著。
一番大きな鍋の汚れを洗って、濾したスープを移す。二番目に大きい鍋は使用頻度が高いので、スープストックを入れておいたら邪魔になる。今からポメ鍋を作るのも、二番目に大きい鍋だ。 清洗第一大鍋子的汙垢,移入過濾好的湯。因為第二大的大鍋子使用頻率很高,裝著高湯的話會變得很礙事的。現在起製作的柏梅鍋,也是第二大的大鍋子。
出来上がったスープに刻んだ干し茸を入れて、ポメ鍋を作り始める。手羽先を煮込みながら、さっき濾した鳥ガラから食べられる肉をほじっては投入していく。 在做出來的湯裡放入切碎的乾蘑菇,開始製作柏梅鍋。一邊燉煮前翅膀肉,一邊從剛才濾出的鳥骨中摳出能吃的肉丟進去。
骨が鋭いので、指を切らないように、肉の中に骨が残らないように気をつけて、ちょびちょびと肉をとった。 因為骨頭很尖銳,為了不割到手指,像是不要在肉裡面殘留骨頭般小心注意,取得一絲一絲的肉。
母が作るローストチキンのいい匂いが立ち込めてきたので、煮込む時間を考えて、こちらも鍋に野菜を投入する。 因為母親所做的烤雞的香味瀰漫了起來,考慮到燉煮的時間,這邊也將蔬菜丟進去。
「マイン! 何してるの!?」「瑪茵! 妳在做什麼!?」
「……野菜、入れただけだけど?」「……只不過,只是將蔬菜放進去?」
「ちゃんと湯がかなきゃダメじゃない!」「不好好燙過是不行的不是嗎!」
あく抜きならともかく、野菜をくたくたになるまで別の鍋でゆでて、そのゆで汁を全部流して、ゆで上がった野菜だけ料理に使ったら、おいしさ半減しちゃうから。栄養もかなり溶けだしちゃうから。 因為姑且不論去除浮沫,用別的鍋子將蔬菜燙到變成軟爛不已為止,將那個燙過的湯汁全部倒掉,只有燙好的蔬菜用在料理上的話,美味會減半的。因為營養也挺會溶出的。
母の料理に文句は言わないけど、わたしの料理に同じ調理法を強制されても困る。 雖然不對母親的料理發牢騷,但對我的料理被強制一樣的烹調法會很困擾的。
「この料理は、これでいいの」「這道菜,這樣就可以了」
「せっかくおいしそうな料理が台無しになっちゃうでしょ?」「難得看起來很美味的料理不就糟蹋掉了嗎?」
「大丈夫だよ」「不要緊的唷」
灰汁とりしながら煮込めば、ポメ鍋は完成だ。 一邊撈取浮沫一邊燉煮的話,柏梅鍋就完成了。
ちょっと味見したけど、おいしい。野菜を先に湯がいていなくても大丈夫。うん。 就稍微嚐個味道,很美味。就算沒有事先將蔬菜燙過也不要緊。嗯。
「ただいま。あ~、ウチだったんだ」「我回來了。啊~是我家啊」
「お帰り、トゥーリ。どうしたの?」「歡迎回來,圖麗。怎麼了嗎?」
「大通りの方まですごくおいしそうな匂いがしてて、歩きながらすごくお腹空いてきちゃったの。道を歩いている人が、匂いがどこからしてるのか探してたよ。ウチの匂いだとは思わなかった」「發出了直到大街那邊都非常美味般的氣味,一邊走一邊肚子非常餓了起來。走在路上的人,尋找著味道是從哪裡發出來的呢唷。沒想到是我家的味道啊」
中華料理やラーメン屋の近くを通ったら食べたくなるような感じだろうか。鳥ガラスープの匂いは結構強力だから。 就好像經過中華料理或拉麵店附近會變得想吃的感覺嗎。因為鳥骨湯的氣味相當強而有力啊。
「ただいま。お、ウチの匂いだったのか」「我回來了。喔,是我家的氣味啊」
昼番だった父も帰ってきた。かなり広範囲に鳥ガラスープの匂いがしていたらしい。期待に顔を輝かせて、テーブルに着く。 是午班的父親回來了。似乎對相當廣範圍發出了鳥骨湯的氣味。臉在期待中閃耀著,就座到桌旁。
夕飯に丁度よく家族が揃った。 家人正好好地聚集於晚飯上。
「今日はアルさんから、鳥を一羽頂いたのよ。前にあなたが分けたから、そのお返しにって。それをマインと一緒に料理したの」「今天從阿爾先生那,收到了一隻鳥唷。因為之前你分送過,是那個的回禮。將那個跟瑪茵一起料理了」
「じゃあ、この見慣れない料理がマインの作ったやつか?」「那麼,那個陌生的料理是瑪茵所做的東西嗎?」
「そうだよ」「沒錯喔」
テーブルの真ん中には、母が作ったもも肉のローストチキンが置かれ、その隣には解したささみを少し上に乗せたサラダ。父のそばには内臓系の塩焼きが、おつまみとして並び、それぞれの器にポメ鍋が入れられる。こうして並べられると、もう鍋じゃなくて、ただのポメスープだ。 在桌子的正中央,被放著母親所做的鳥腿肉烤雞,在那個隔壁是放上一些被支解的鳥胸肉的沙拉。在父親的旁邊是肉臟系的鹽烤,作為小菜被排列著,在各自的容器裡被放入柏梅鍋。就這樣被排列著後,已經不是鍋了,只是柏梅湯。
「これ、何? すごくいい匂い。食べていい?」「這個,是什麼? 非常香的氣味。可以吃嗎?」
「ポメスープ。頑張って鳥ガラスープを取ったから、おいしいはずだよ。食べてみて」「柏梅湯。因為努力提煉鳥骨湯,應該很美味的唷。吃看看吧」
わたしがそう言うと、ポメスープに顔を近付けていたトゥーリが目を輝かせて、スプーンを手に取った。 我那樣說後,將臉靠近柏梅湯的圖麗閃亮亮著眼睛,將湯匙拿在手上。
「うわぁ、おいしい! なんで? すごくおいしいよ」「嗚哇,好美味! 為什麼? 非常美味唷」
「あら、ホント。鳥の骨なんて煮込みだすし、野菜も洗っただけで直接入れちゃうからビックリしたけど、おいしいわね」「哎呀,真的。雖然因為燉煮著鳥骨什麼的,蔬菜也只是洗一洗就直接放進去而嚇一跳,但很美味呢」
母も一口食べて、しみじみとした口調でそう言った。料理過程を知っている母にとっては、おいしそうに見えても不安の塊だったのだろう。 母親也吃了一口,用有感而發的語調那樣說著。對於知道料理過程的媽媽來說,就算看起來很好吃也會有不安的疙瘩吧。
「すごいぞ、マイン。料理の才能があるな」「很厲害喔,瑪茵。有料理的才能呢」
父が大喜びしながら、すごい勢いで料理を平らげていく。 父親一邊非常高興,一邊用驚人的氣勢掃平飯菜。
わたしもポメスープを食べてみた。鳥ガラスープがとても良い味になっていて、野菜のうまみも出ていて、おいしかった。 我也試著吃看看柏梅湯。鳥骨湯變成了非常好的味道,蔬菜的美味也出來了,很好吃。
おいしかったけど、和食にはならなかった。 雖然很美味,但成為不了日式料理。
翌日は森での薪拾いを早目に終わらせて、帰ってきた。小さい子達は行きも帰りも固まって行動しなければならないが、洗礼式を終えたトゥーリは先に一言断っておけば、自由に動けるらしい。トゥーリと一緒に、わたしも早目に帰宅した。 第二天,提早結束在森林的撿拾木柴,回來了。小的孩子們去跟回都必須要固定行動,結束洗禮式的圖麗事先先一句話拒絕的話,似乎能自由地行動。跟圖麗一起,我也能提早回家了。
鳥肉の残りを使いたいので、今日の料理番はトゥーリだけではなく、わたしもいる。 因為想使用剩餘的鳥肉,今天掌廚的不是只有圖麗,我也在。
和食っぽく食べよう計画第二回目として、鳥の酒蒸しに挑戦することにした。酒なら、日本酒じゃなくても似た感じになるんじゃない? と思ったのだ。 決定能吃到日式料理風的計畫第二回合,決定挑戰鳥之蒸酒。酒的話,就算沒有日本酒也能有相似的感覺不是嗎? 我是那樣想的。
「残りのお肉を使いたいってことは、何を作るか、決まってるの?」「說是想要使用剩餘的鳥肉,要做什麼呢,決定了嗎?」
「鳥の『酒蒸し』と『ニョッキ』とサラダの予定なんだけど、どう?」「雖然預定是鳥的『酒蒸』跟『玉棋』跟沙拉的,如何?」
「うーん、よくわからないから、マインに任せるよ」「嗯,因為不是很懂,就交給瑪茵了唷」
まずはニョッキ作りだ。 首先是製作玉棋。
芋を茹でて、潰して、少しの塩と雑穀粉を混ぜる。小麦粉を気軽に使えない懐事情の市民が使うのは雑穀粉だ。ライ麦や大麦やえん麦が中心になっている。 將芋薯煮熟,弄爛,混合少許的鹽跟雜糧粉。財力無法輕易使用麵粉的市民使用的是雜糧粉。以黑麥或大麥或燕麥為中心。
耳たぶくらいの固さになった生地を丸く棒状に伸ばして、1センチくらいで切り分ける。 將變成耳垂般硬度的麵團搓圓伸長成長條狀,分切成1公分左右。
「わたしがナイフで切ったのを、こうやって伸ばしていってほしいんだけど」「希望能將我用小刀切下的,像這樣延伸喔」
「わかった」「知道了」
わたしが少しばかり苦労しながら、生地をフォークの背に乗せて親指でこすり付けるようにのばすのを見て、トゥーリが大きく頷いた。 看著我一邊稍微有點辛苦,一邊將麵團放上叉子的背面用大拇指搓磨似地推開,圖麗大大地點頭。
生地の表面にフォークの痕がギザギザにつき、裏面は指の形にくぼみが出来るのでソースが絡まりやすくなるのだ。 因為叉子的痕跡在麵團的表面造成了鋸齒狀,裡面是凹陷成了手指的形狀而變得容易吸附醬汁。
わたしが切る生地をトゥーリが次々に生地をのばしていく。わたしよりも力があるので、速くて、形が揃っている。 圖麗將我切的麵團不斷地將麵團推展著。因為比我還有力氣,所以很快速,形狀整齊劃一。
「トゥーリ、わたしより上手だね」「圖麗,比我還擅長呢」
「そう?……マイン、こっち見てないで、さっさと切って。なくなっちゃうよ?」「是嗎?……瑪茵,不要看這邊,趕快切。沒有了唷?」
トゥーリにお湯を沸かしてもらい、沸騰したお湯で湯がいて、浮かんできたら出来上がりだ。 請圖麗燒開水,用煮沸的開水川燙,浮起來的話就做好了。
昨日のポメスープの残りに、さらにポメを加えて、煮詰めたポメソースを作る。食べる直前にニョッキを絡めたらいいので、今できるのはここまでだ。 在昨天剩餘的柏梅湯中,進一步加入柏梅,燉煮製作柏梅醬。因為在要吃之前吸附到玉棋上就好了,所以現在能做的就到這裡了。
「今はこれくらいかな? サラダもすぐにできるし……」「現在大概就這樣嗎? 沙拉也是馬上能完成的……」
「そろそろ母さんが帰ってくるから、サラダを作り始めてもいいんじゃない?」「因為媽媽差不多要回來了,就算開始製作沙拉也可以不是嗎?」
トゥーリとサラダを作っていると、母が仕事から帰ってきた。 跟圖麗製作著沙拉的時候,母親工作回來了。
母の姿を見つけたわたしは、酒蒸しを作り始めるために、昨日のうちに下準備していた胸肉を冬支度部屋から取ってくる。 發現母親的身影的我,為了開始製作酒蒸,而將在昨天裡事先準備的胸肉從過冬準備的房間拿出來。
いくら涼しい部屋の冷たい石の上に置いておいたにしても、季節的に怖くて、クンクンと匂いを嗅いでみた。 就算事先放置在多麼涼爽的房間的冰冷石頭上,也會對季節害怕,試著猛吸地嗅聞著氣味。
……うん、腐ってない。大丈夫。 ……嗯,沒有腐敗。不要緊。
「マイン、この鉄鍋でいいの?」「瑪茵,用這個鐵鍋可以嗎?」
「うん。ありがと、トゥーリ。昨日のうちに塩と酒をふって下味付けたから、すぐにできるよ」「嗯。謝謝,圖麗。因為在昨天裡撒了鹽跟酒事先調為了,馬上就能做了唷」
下味に胡椒がないのが辛いが、それは諦めるしかない。 預先調味沒有胡椒會很難過,但那個只能放棄了。
作り方はいたってシンプル。塩と酒で下味をつけた胸肉を皮の方だけ炙って焼き色を付けたら、ひっくり返して、お酒を入れて、蓋をするだけだ。 作法極其簡單。只要將用鹽跟酒事先調味過的胸肉只有皮的那邊炙燒到金黃色後,翻過來,倒入酒,蓋上蓋子。
せっかくなので、今日森で採ってきた茸も入れて風味を出そう。茸を洗って、ナイフで切ろうとしたら、トゥーリが目を釣り上げた。 由於很難得,今天在森林採來的蘑菇也放進去增加風味吧。清洗蘑菇,打算用小刀切的時候,圖麗豎起了眼睛。
「マイン、ダメ! その茸は一度火であぶらないと踊るよ!」「瑪茵,不行! 那個蘑菇不用火烤一次的話會跳舞唷!」
「え?」「咦?」
そう言うやいなや、トゥーリが茸の石づきを全て串刺しにする。そして、パラリと塩をかけて竈の炎で炙りだした。 是那樣說或不是呢,圖麗將蘑菇的蒂頭全部刺成一串。然後,約略地撒上鹽用爐灶火焰炙燒起來。
踊る? 茸が? 鰹節が湯気でゆらゆらする感じ? 意味がわからないんだけど。 跳舞? 蘑菇嗎? 柴魚因為熱氣而飄來飄去的感覺? 雖然不知道意思。
茸が踊るというのがよくわからずに首を傾げるわたしの前に、トゥーリが炙って少し焼き目のついた茸を差し出す。 在對不是很明白所謂的蘑菇跳舞而疑惑不解的我面前,圖麗將炙燒到稍微焦黑的蘑菇伸了出來。
「これで大丈夫」「這樣就不要緊了」
「あ、ありがと……」「謝、謝謝……」
変な表現だとは思ったが、もう大丈夫ならそれでいい。これも不思議食材の一つなのだろう。一見しめじは要注意らしい。 想說是奇怪的表示,但如果已經不要緊那樣就好了。這也是不可思議的食材之一吧。似乎初見菌菇都要注意了。
熱い茸で火傷しないように気をつけながら、茸を切った。 一邊為了不要被熱蘑菇給燙傷而小心著,一邊切著蘑菇。
「母さん、料理に使っていいお酒ってどれ? お酒をけちったらおいしくないから、コップに半分くらい欲しいの」「媽媽,可以用在料理上的酒是哪個? 因為吝嗇酒的話就不美味了,想要半杯左右的」
「これがいいわ」「這個可以喔」
母がコップに半分ほど入れてくれた酒を、台に乗ってやや背伸びした状態で、鉄鍋の中にダパッと回し入れる。ジュワ~という音を立てる鉄鍋に蓋をして、鍋がジュワジュワと言い始めたら、火から下ろして放置。余熱で火が通るのを待つだけだ。 將母親放入杯子一半左右的酒,以爬上檯桌微微踮起腳尖的狀態,在鐵鍋裡面噠啪地旋轉倒入。發出了所謂咻哇的聲音就蓋起鐵鍋,鍋子開始咻哇咻哇地說著的話,從火上挪下來放置著。只要等待用餘熱來加熱。
「もう鍋を下ろしちゃうの?」「這就挪下鍋子了嗎?」
「うん。あとは余熱で十分火が通るんだよ。胸肉は火を通し過ぎるとパサパサして食べにくくなるから」「嗯。之後用餘熱就能充分加熱了唷。因為胸肉加熱過頭會變得乾巴巴而難以下嚥」
残り物スープで作ったポメソースとニョッキを火にかけて温めながら、絡める。 用剩餘物湯製作柏梅醬並一邊將玉棋在火上溫熱,一邊吸附。
トゥーリが作っていたサラダも完成した。サラダの上には昨日と同じように、ささみが乗っている。昨日のささみが非常に気に入ったらしい。 圖麗做的沙拉也完成了。沙拉上面就跟昨天一樣,放著鳥胸肉。似乎非常中意昨天的鳥胸肉。
「今日のご飯も豪華だね」「今天的飯菜也很豪華呢」
「アルさんに感謝しなきゃ」「必須要感謝阿爾先生呢」
懐事情を考えると、これだけの食事が食卓に並ぶことは滅多にない。鳥を譲ってもらえたのは、とても大きいのだ。 考慮到財力,這些餐點陳列在餐桌上是很難遇到的。給轉讓的鳥,是非常大隻的啊。
「ただいま。今日もうまそうだな」「我回來了。今天好像也很好吃呢」
今日のご飯にも期待していたらしい父が、満面の笑顔で帰ってきた。職場で昨夜のご飯を自慢してきたと胸を張って言っている。 似乎期待著今天的飯菜的父親,用滿臉的笑容回來了。說著在職場挺起胸膛自誇著昨晚的飯菜。
親馬鹿フィルターで、ものすごい誇張されて自慢されている気がする。気のせいだったらいいな。気のせいじゃなかったら、ちょっと門に行きにくい。 感覺因笨蛋父母濾鏡,而被非常誇大吹噓著。是錯覺就好了呢。不是錯覺的話,就有點難去門了。
「いただきます」「我要開動了」
「あ、すごい! おいしいよ、マイン!」「啊,好厲害! 很美味唷,瑪茵!」
切り分けた鳥の酒蒸しを食べたトゥーリが目を丸くして喜んだ。 吃著分切來的鳥之酒蒸的圖麗嚇傻了眼很是高興。
母も一口食べて、ニコリと笑った。 母親也吃了一口,微微地笑了。
「手軽なのに、胸肉が柔らかくていいわね。茸も味が染みてすごくおいしいわ。イイお酒だからかしら?」「明明很簡便,胸肉卻很柔嫩很好呢。蘑菇也沾有味道而非常美味喔。因為是好酒嗎?」
「そうかも。蜂蜜酒の甘みで味に深みが出てるよね」「也許是喔。因為蜂蜜酒的甘甜而在味道上出現了深度呢」
わたしがそう言った途端、顔色を変えた父がガタッと立ち上がって、棚のところに走ると酒瓶を手に取った。 我才剛那樣一說,臉色大變的父親嘎嗒地站了起來,跑到架子的所在將酒瓶拿到手上。
かなり量が減ったそれほど大きくない瓶を見て、ガクンと項垂れる。今にも泣きそうな顔だ。 看著量相當地減少而並不那麼大的瓶子,猛然垂頭。現在也是快要哭了的表情啊。
「……お、俺の秘蔵の酒が……」「……我、我密藏的酒……」
ごめん、ごめん。 抱歉、抱歉。
だって、「父さんが隠れてこっそり買ったお酒よ。せっかくだから、みんなでおいしく頂きましょ」なんて、母さんにちょっと黒い笑顔で言われちゃったんだもん。 因為,「爸爸藏著悄悄買來的酒喔。因為很難得,讓大家美味地開動吧」之類的,被媽媽用有點黑的笑容說著的咩。
珍しく空気読んでみました。 試著看透罕見的氣氛。
蜂蜜酒だったので、日本酒とはまた違った甘みがあっておいしかったけど、やっぱり和食っぽくはなかった。完全に別物だった。 因為是蜂蜜酒,雖然跟日本酒又有著不一樣的甘甜而很美味,但果然不是日式料理風。完全是不同東西啊。
あぁ、和食が恋しい。 啊,好想念日式料理。
時々「踊る」とか「暴れる」とか「危険」とか言われる食材があって驚くけれど、大体はわたしが知っている調理法で問題なく料理できた。 雖然說有著時常被說「跳舞」啊「胡鬧」啊「危險」啊的食材而吃驚,但大致上用我所知道的烹調法也能毫無問題的料理著。
他の日に作った芋グラタンも、蕎麦っぽい穀物を使ったリゾットもどきも、固くなった雑穀パンの生地を敷き詰めて作ったキッシュもどきも好評だった。 不論在其他日子裡製作的焗烤馬鈴薯,還是使用蕎麥般的穀物的仿製義大利燉飯,或者將變硬的雜糧麵包的麵團鋪滿而做成的仿製法式鹹派都備受好評。
家族には好評だが、自分としては全く納得できない出来だ。洋食を作るにしても調味料や香辛料がろくに無いので、似たような味で飽きてくる。 就算被家人好評,作為自己則是完全無法明瞭的結果。就算決定製作西式料理也因為調味料或香辛料都很不正經,而厭倦了相似般的味道。
せめて、胡椒くださいっ! カレー粉もあるとなお嬉しい! 至少,請給我胡椒! 咖哩粉也有的話就更高興了!
わたしの食生活改善への挑戦はまだまだ続く。 對改善我的飲食生活的挑戰還依然持續著。
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調味料や食材に制限がある中で、作るのって大変でしょうね。 在調味料或食材上有所限制之中,要說製做是很辛苦的吧。
あとは、コンロもなく火加減なんて、できる気がしません。 還有就是,瓦斯爐也沒有火侯什麼的,不覺得能做到。
そういえば、宿泊訓練の時、火加減ができなくて、味噌汁を沸騰させてしまい、大変なことになりました。 這麼說來,住宿訓練的時候,火侯無法控制,讓味噌湯煮沸了,變成了很嚴重的事情。
次回はルッツとオットーさんが顔を合わせることになります。 下回是成就路茲跟歐拓先生的會面。