本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~以下犯上的書癡~為了成為圖書管理員而不擇手段~
作者:香月美夜
第一部兵士の娘 わたしを森へ連れて行って第一部士兵的女兒 帶我去森林
原文連結 森の雪が溶け始め、ところどころで植物の芽が出始めたらしい。森へ行ってきたトゥーリがそう言っていた。 森林的雪開始融化,那裡這裡似乎開始冒出植物的嫩芽。去過森林的圖麗那樣說著。
子供達が森へ採集に行けるようになったということは、読書ができなくて、時間があり余るという体験をわたしにさせてくれた冬籠りが終わるということだ。 是說小孩子們變得能夠去到森林採集這件事,也就是說讓我體驗到所謂不能讀書、時間過剩的過冬結束了。
やっと粘土板が作れる! 終於能製作黏土板了!
わたしも森へ行って粘土板を作りたい。 我也想要去森林製作黏土板。
トゥーリはまだ雪がたくさん残っているし、足場が悪くて、歩きにくいし、採集できる物も多くはないと言っていた。でも、わたしには採集できる物が多いか少ないかは大した問題ではないのだ。 圖麗說著還殘留著很多雪、腳下不穩、難以行走、能採集的東西不多。但是,對我來說能採集的東西多嗎少嗎都不是多大的問題。
欲しい物は粘土質の土なのだから、掘ればある。 因為想要的東西是黏土質地的泥土,挖就有了。
森にさえいければ、わたしの勝ちだ。 就連森林只要能去,就是我的勝利了。
もちろん、わたしが一人で森へ行くなんてさせてもらえるわけがないので、お目付役になるトゥーリが必要だ。 當然,由於並不打算讓我一個人去森林什麼的,成為監督者的圖麗是必要的。
まずは、おねだりするため、ぴとりとトゥーリに擦り寄って甘えてみることにした。 首先,為了央求,決定緊緊地貼近圖麗試著撒嬌。
「お願い、トゥーリ。わたしも森に行きたいし、みんなと仲良くしたい。一緒に森へ連れて行って」「拜託,圖麗。我也想去森林,想要跟大家都很要好。一起帶我去森林」
「マインは歩けないから無理だよ」「因為瑪茵無法走不可能的唷」
トゥーリの返事は以前と全く変わらない。相変わらずわたしへの信頼はないが、ここで諦めたら試合終了だ。 圖麗的回答跟以前完全沒變。仍舊對我沒有信賴,在這裡放棄的話比賽就結束了。
「ちょっとは体力ついたもん。行けなかったら、門で待ってるから。お願い」「我還是稍微有點體力的咩。因為不能走的話,就在門等待。拜託了」
トゥーリは渋ったが、毎日ラジオ体操をしたり、食べ物にできるだけ気を使ったり、皿を洗うトゥーリについて井戸まで行ったり、わたしなりに体力の増強に努めてきたのだ。そろそろ行けると思う。 圖麗很不情願,又是每天做著廣播體操,又是對食物盡可能地用心,又是跟著洗碗的圖麗到水井去,盡我可能地努力著增強體力。我想差不多能走了。
「……父さんがいいって言ったらね」「……爸爸說可以的話呢」
トゥーリは自分でわたしを追い払うことを諦めて、可否を父に丸投げした。 圖麗放棄靠自己趕我走,將認可與否全交給了父親。
実際、体力が足りなくて門で待つことになれば、父に話を通さないわけにはいかないので、仕方がないだろう。 由於實際上,變成體力不夠就在門待著的話,就必須要跟父親對話了,這也是沒辦法的。
次に、わたしは父を口説き落としにかかった。 其次,我決定費力說服父親。
「父さん、わたしも森に行っていい? あんまり熱も出さなくなったでしょ?」「爸爸,我也要去森林可以嗎? 也變得不太會發燒了不是嗎?」
「そうだなぁ……」「也是呢……」
冬の間、健康にはかなり気を使ったので、熱を出して倒れたのは、なんとたったの5回だった。 冬季期間,由於為了健康而相當的用心,發燒而倒下,竟然才只有5次。
あ、多くないよ? めっちゃ減ったからね。 啊,不多唷? 因為相當減少了呢。
家族にも「すごい、すごい」って、褒められたんだからね。 因為家人也說著「好厲害,好厲害」,而被誇獎了呢。
あまり熱を出さなかったことで、まともなご飯が食べられる回数が増えた。すると、当然のことだが、栄養状態がマシになって身体もちょっと大きくなった。まだまだわたしの年齢の平均には届かないけれど、多分、体力も増えているはずだ。 因為不太發燒了,能正經吃飯的次數增加了。於是,當然的事情,營養狀態變強身體也稍微變大了。雖然說還遠遠不到我年齡的平均,大概,體力應該也增加了吧。
「どうしても無理なら、門で休憩するから。ね? ね?」「怎樣都不行的話,就在門休息。好嗎? 好嗎?」
うーんと、父が考え込んでいる。即答で却下されないのだから、トゥーリと違ってまだ希望はあるはずだ。 嗯地,父親沉思著。因為沒有用立即回答來駁回,與圖麗不一樣應該還有希望的。
許可をもらうために、わたしは必死で食い下がる。 為了得到許可,我死命不肯罷休。
「慣れれば何とかなるよ。3歳でも森に連れて行ってもらっている子がいるんでしょ? だったら、わたしに行けないはずがないもん」「習慣的話總會有辦法的唷。也有3歲就被帶去森林的孩子對吧? 那樣的話,我應該也不會不能去的吧」
「あ~、まぁ、確かにいるが……その3歳は家におとなしくいられない暴れん坊だから、外に出すんだぞ?」「啊~,是呢,確實有呢……因為那個3歲是無法乖乖在家的搗蛋鬼,所以被放到了外面喔?」
「……つまり、わたしが暴れたら出してくれるってこと?」「……也就是說,我搗亂的話就能出去了嗎?」
「暴れる必要はない。馬鹿なことを考えるな」「沒必要搗亂。在考慮那種蠢事嗎」
何が何でも父から許可を取りつけないと、春になったので、じきに母の仕事も始まってしまう。そうすると、またゲルダばあちゃんのところへ預けられることになるだろう。 無論怎樣都無法從父親那取得許可時,由於是春天了,很快母親的工作要開始了。那樣的話,又要變成被委託到葛魯達婆婆的地方去了吧。
あれは精神的にきつい。本気で嫌だ。絶対に行きたくない。放置されている子供を見たくない。 那個是精神上的嚴厲。認真很討厭的。絕對不想去。不想看見被委託的小孩子。
「父さん、体力がないから心配してくれてるんだよね? どうしたら森に行ってもいい? どうしたら、父さんは大丈夫だって思える?」「爸爸,因為沒有體力所以很擔心呢? 要怎麼做才可以去森林呢? 要怎麼做,爸爸才會認為不要緊呢?」
「そうだなぁ……」「也是呢……」
父が軽く目を閉じて、考える。 父親輕輕閉上已經,思考著。
わたしは父が答えを出すのをじっと待った。 我緊盯著等待父親得出答案。
「……しばらく門まで通いなさい」「……就暫時往來到門為止吧」
「門まで? しばらくってどれくらい?」「到門為止? 暫時是說多久?」
「一人で門まで歩けるようになるまでだ。みんなに遅れず歩けるようになれば、森に行ってもいい」「直到變得能夠一個人走到門吧。變得能夠不晚於大家走的話,就可以去森林了」
やはり、そう簡単に森に出してはくれないようだ。わたしの野望の粘土板が少し遠のいたような気がする。 果然,不會那麼簡單就出去森林。感覺我的野心的黏土板似乎還有點遠。
でも、父の仕事場である門まで通って体力を付けるというのが、信頼度の低いわたしに対する最大限の譲歩だろう。 但是,是說有體力往來於作為父親工作場所的門嗎,對信賴度低的我來說是最大限度的讓步了吧。
ちぇ、森に行きたかったなぁ。わたしの粘土板……。 呿,好想去森林喔。我的黏土板……。
森には行けないけれど、少なくともゲルダばあちゃんのところに行く必要はなくなるのだから、この辺りが落とし所だろう。 雖然說不能去森林,但因為至少沒有必要再去到葛魯達婆婆的地方,所以這區塊才是交涉點吧。
「……わかった。父さんの言う通りにするよ」「……我知道了。會照爸爸所說的做的唷」
わたしが一応納得して頷くと、父が安堵したように表情を和らげた。もしかして、納得しなかったら、わたしが暴れ出すとでも思ったのだろうか。 我姑且理解的點頭後,父親像是放心了而軟化了表情。難道,是認為不理解的話,我就會搗亂嗎?
「ねぇ、父さん。門まで歩くって、門まで行ったり来たりするってこと?」「那個,爸爸。說是走到門為止,是到門為止來回走一圈嗎?」
「いや、オットーに字を教えてもらうといい」「不是,跟歐拓請教字就可以了」
「え?……いいの?」「哎?……可以嗎?」
オットーに字を教えてもらうのを、あんなにヤキモチ焼いて嫌がっていた父に一体どんな心境の変化が訪れたのか。 對跟歐拓請教字,那麼樣地忌妒討厭著的父親到底是什麼樣的心境變化來訪了呢。
首を傾げるわたしに、父は少しばかり眉を下げた。 對疑惑不解的我,父親只是稍微垂下眉毛。
「マインは身体が弱いだろう? だが、頭が良いとオットーが言っていた。仕事を探すなら、頭を使う仕事が向いている、と。文字を覚えさせて、少しでも体力的に楽な仕事につけろ、と」「瑪茵身體很孱弱對吧? 但是,歐拓說過頭腦很好。還說,如果要找工作,就往使用頭腦的工作去吧。並說,讓她記得文字、盡量找些體力上輕鬆的工作」
脳筋で親馬鹿の父に対して、そんな説得をしてくれるなんて、オットーが素敵過ぎて、涙がちょちょ切れそうだ。 對肌肉腦袋又是笨蛋父母的父親,給予那樣的勸告之類的,歐拓幹得太漂亮了,眼淚差點掉下來。
父公認でオットーから文字を教えてもらえることになるなんて、わたしは全く予想していなかった。 變成從父親所公認的歐拓那裡請教文字什麼的,我完全預測不到。
「マインは手先が器用だから、そういう仕事をすればいいと思っていたが、頭を使う仕事の方が実入りは良いし、身体への負担は少ないらしい」「因為瑪茵手指很靈巧,我認為從事這種工作的話也是可以的,使用頭腦的工作收入也很好,給身體的負擔似乎也很少」
「頭を使う仕事って? どんなの?」「使用頭腦的工作? 是怎樣的呢?」
この世界の頭脳労働がわたしには全く思い浮かばない。体力がなくてもできる頭脳労働なんてあるのだろうか。 這個世界的腦力勞動我完全想像不出來。就算沒有體力也有能做腦力勞動之類的嗎。
「そうだな。役所や貴族に出す書類を代わりに作る代筆屋なら、体調の良い時だけに家でできると言っていたな」「也是呢。如果是製作代替官署或貴族所發出文件的抄寫員,說是只有身體狀況好的時候也能在家做的呢」
代わりに書類を書くということは、行政書士みたいなものだろうか。あれなら、確かに資格さえあれば、一応家でできる仕事だったと思う。資格を取ったことがないからよく知らないけど。 所謂代替書寫文件,是像行政代書的東西嗎。我想若是那個,確實就連資格都有的話,姑且就能在家工作了。雖然因為不曾取得過資格所以不是很知道。
「オットーは兵士だが、元は旅商人だ。商業ギルドとの繋がりが今もある。父さんや母さんが紹介できる仕事はあまりマインに向かないから、オットーとの繋がりは大事にした方がいい」「雖說歐拓是士兵,但原本是旅行商人喔。現在也與商業公會有聯繫。因為爸爸跟媽媽能介紹的工作不太適合瑪茵,慎重地跟歐拓有所聯繫比較好」
……オットーさんにヤキモチ焼いていた、おとなげない父さんがすごく良い父親に見えるんだけど! ……不過忌妒著歐拓先生,又孩子氣的爸爸看起來是個非常好的父親!
「ありがとう、父さん。わたし、頑張るよ」「謝謝你,爸爸。我,會加油的唷」
ポンポンと軽くわたしの頭を叩いた父は、トゥーリへと向き合う。 砰砰地輕輕拍著我的頭的父親,轉向了圖麗。
「トゥーリ、協力してくれるか?」「圖麗,能夠協助嗎?」
「……マインには無理だよ」「……瑪茵是不可能的唷」
ふるふると首を横に振った。妹のお願いは結構何でも聞いてくれるトゥーリが森に連れていくことだけは絶対に首を縦に振らない。 快速搖晃地左右搖著頭。妹妹的願望什麼都沒聽進去的圖麗只對帶去森林這件事絕對不會點頭。
父もトゥーリの意見を否定する気はないようで、重々しく頷いた。 父親也像是沒有否定圖麗意見的意思,重重地點點頭。
「わかっている。だが、森まで行けるようにならないと困るのはマインだ」「我知道了。不過,變得去不了森林而困擾的是瑪茵喔」
「それはそうだけど……でも、邪魔なんだもん……」「雖然是那樣沒錯……但是,會打擾到我們的咩……」
「そうだ。今のままではみんなの邪魔だ」「對喔。像現在這樣就妨礙到大家了」
トゥーリだけじゃなくて、父までハッキリと邪魔だと言いきった。自分でわかっていても、目の前で断言されるとさすがに傷つく。 並非只有圖麗,就連父親也清楚地表明了會妨礙。就算自己也明白,但在眼前被斷言到底還是會受傷的。
「少なくとも同じスピードで歩けるようにならないと、森まで一緒に行動できないから、まずは門まで通うんだ。門まで歩けるようになるまでは父さんがマインと一緒に行く。だから、マインが門まで歩けるようになったら、トゥーリにも協力してほしい」「至少無法變得能夠用同樣速度走著的話,就不能夠到森林一起行動了,首先往來到門為止吧。直到變得能夠走到門為止爸爸會跟瑪茵一起走的。所以,瑪茵變得能夠走到門的話,希望圖麗也能協助」
「……それなら、頑張る」「……那樣的話,我會努力」
責任感の強いトゥーリは大きく頷いたけれど、わたしはちょっと肩を落とす。家族の中で認識されている自分の体力評価は相変わらず底辺を這っているようだ。 雖然說責任感強烈的圖麗大大地點點頭,我還是有點垂下肩膀。似乎在家人之間被認知著的自己的體力評價依舊匍匐在底邊。
そうか。わたしって、門まで歩くこともできないと思われているんだ。最近は井戸のところまで行っても、それほど息切れしなくなったのにな。 對了。我是,被認為無法走到門的。最近就算走到水井邊,也變得不是那麼樣氣喘吁吁了的說。
次の日、日が少し高くなってきた午前中、わたしは父と一緒に門へ向かうことになった。わたしが門に行くのは父が昼番の時だけだ。 隔天,太陽變得稍微有點高起來的中午前,變成了我與父親一起前往門。我去門只有在父親是午班時。
門番の仕事は3交代制で、開門前から昼までの朝番、昼前から閉門までの昼番、閉門前から開門までの夜番に別れている。 門衛的工作是三班制,區別為從開門前到白天的早班,從午前到關門的午班,關門前到開門的晚班。
わたしが門まで歩けるようになるまでは、昼番の父と一緒に門まで歩いて、体調によっては森帰りのトゥーリ達と帰るか、父の仕事が終わるまで待って一緒に帰るか、どちらかにするらしい。 直到我變得能夠走到門為止,與午班的父親一起走到門,似乎會根據身體狀況能跟從森林回來的圖麗他們回家嗎、或者待到父親的工作結束為止一起回家呢,來決定是哪邊。
「無理しすぎないようね。父さんはマインのこと、よく見ててね」「不要太過免強了呢。爸爸要好好地,看著瑪茵喔」
「あぁ、わかっている。行くぞ、マイン」「啊,我知道了。走吧,瑪茵」
「いってきます」「我們走了」
心配そうな顔で見送ってくれる母に手を振って、わたしは父と手を繋いで門まで歩く。 跟用擔心似的表情來送別的母親揮手,我牽起父親的手直走到門。
階段を下りるだけで休憩が必要という状態からは何とか脱したが、大通りに出て、少し歩けば息が切れてくる。 好歹從所謂只是下個樓梯就必須要休息的狀態脫離了,出到大街,稍微走的話就喘了起來。
そういえば、背負ってもらったり、荷車だったり、肩車だったり、よく考えると門まで自分の足で歩いたことが今までなかった。 這麼說來,又是給揹著、又是貨車、又是騎肩膀,好好考慮的話用自己的腳走到門為止是至今不曾有過的。
「マイン、大丈夫か?」「瑪茵,不要緊嗎?」
「まだ、へい……き……」「還,不要……緊……」
ここでリタイアしたら、一生森に行かせてもらえないかもしれない。 在這裡退休的話,很有可能一生都不給去森林了。
そんな強迫観念にかられて、「平気」と言ってみたが、身体は全然平気ではない。もうここで座り込んでしまいたいくらい、身体中が重い。 被那種強迫觀念所驅動,試著說出「不要緊」,身體卻完全不是不要緊。就好像已經想要在這裡坐下了,全身都很重。
「全然大丈夫そうじゃないぞ。……よっと」「完全不像不要緊喔。……嘿咻」
父は独断でわたしの足を止めると、ひょいっとわたしを抱き上げた。その途端、ぐたーっと父にもたれかかって、ぜいぜいと荒い息を繰り返す。 父親武斷地停下我的腳時,突然將我抱了上來。那個當下,力竭地倚靠著爸爸,吁吁地重複著急促的氣息。
無理! 死にそう! 不行! 要死了!
家族が正解。わたし、森まで行けない。 家人是正確的。我,走不到森林。
半分ほどの距離を父に抱えられたまま移動して、到着早々わたしは宿直室で休憩する。正直、他には何もできそうにない。わたしがあまりにもぐったりしているので、父が宿直室のベンチに寝かしたまま放置してくれたようだ。 一半左右的距離都是被父親抱著那樣移動了,抵達了就急忙讓我到值班室休息。老實說,其他什麼都辦不到。由於我太過陷入了,爸爸就那樣放置在值班室的長板凳上讓我睡覺。
お昼を過ぎて、ようやく起き上がれるようになった。 過了午餐,總算變得能夠起來了。
「ねぇ、父さん。わたし、オットーさんに字を教えてもらうことになったけど、そんなことに時間取られて平気なの? オットーさんの仕事は?」「那個,爸爸。我,雖然變成要跟歐拓先生請教字,但被那種事情佔用了時間不要緊嗎? 歐拓先生的工作是?」
オットーにも門番としての仕事があるはずだ。わたしへ字を教えることは、どう考えても兵士としての仕事ではないと思う。 歐拓先生也是作為門衛應該有工作的。教授我文字,不管怎麼想也不認為是作為士兵的工作。
「オットーの仕事は字を教えることだ。新入りにな」「歐拓的工作是教授文字喔。有新人啊」
「新入り?」「新人?」
「春の洗礼を終えた見習いが5人ほどいる。そいつらに字を教えるのはオットーの仕事だ」「結束春季洗禮來實習的有5人左右。教那些傢伙字就是歐拓的工作喔」
兵士は一応字の読み書きを求められる。人の名前や役職名が読み書きできなければ、門番として立つことができないからだ。 士兵基本上被要求要會讀寫文字。若不能讀寫人的名字或職務名的話,就不能作為門衛而立了。
「わたしも一緒に教えてもらうってこと?」「我也一起被教導是?」
「まぁ、そうだな。だが、立場的にはお前は兵士見習いではなく、オットーの助手だ」「那個,也是呢。不過,在立場上妳跟實習士兵不同,是歐拓的助手」
「助手?」「助手?」
こんな子供を助手扱いにできるのだろうか。自分で言うのもなんだが、見た目年齢が3歳くらいの幼女だ。助手なんて言われても、誰も納得しないと思う。 能將這樣的小孩子當作助手來對待嗎。自己來說也太那個了,外觀年齡就像3歲左右的小女孩啊。就算被說是什麼助手,我認為是誰都無法理解的。
「マイン。お前、オットーの仕事を手伝ったんだろう?」「瑪茵。妳,幫忙了歐拓的工作了對吧?」
「会計報告と予算なら……でも、計算だけだよ?」「如果是會計報告與預算……但是,只是計算唷?」
オットーの仕事を手伝ったのは一度だけだ。恥を忍んで頼まれたことだったので、口外しない方がいいか、と判断して、父には報告しなかった。けれど、オットーは叱られるかもしれないのに、報告したようだ。 幫忙歐拓的工作只有一次。就只是低聲下氣地被拜託了,還是不要洩漏比較好吧,我這麼判斷,沒有跟父親報告。但是,明明歐拓搞不好會被責罵,卻還是報告了。
「あぁ。あの仕事をオットーただ一人に任せるのは負担が大きいと以前から言われていたが、手伝える奴がいなくてな。オットーがお前に字を教えて助手にしたいと言い出したんだ」「啊。從以前開始就被說了將那個工作都只交給歐拓一個人負擔太大了,沒有能幫忙的傢伙呢。歐拓說了想教妳文字來當作助手啊」
字を教えてもらうことはわたしから報酬にしたけれど、助手にしたいって気持ちも冗談じゃなくて本気だったんだ。 雖然說教授文字是我起頭的報酬,但說想作為助手的心情不是玩笑而是認真的啊。
「オットー個人の助手として雇われたようなもんだが、洗礼前の子供に仕事をさせてはいけない。だから、字を教えるという名目で、門に通わせることにした。給料は石筆。体調が悪い時は休み。予算的にもこれ以上優しい助手はいないとオットーが力説していたな」「雖然像是作為歐拓一個人的助手而被雇用,不過讓洗禮前的小孩子工作是不行的。所以,以所謂教導文字為名義,往來於門。薪水是石筆。身體狀況不好時就休息。歐拓強調說沒有在預算上比這還貼心的助手呢」
どうやら、オットーに字を習いつつ、書類仕事を手伝うというのが、わたしに求められているらしい。来年の予算シーズンへの布石か。 看來,所謂逐步跟歐拓學習文字,幫忙文書工作,似乎是在要求著我。是替明年的預算季節布局嗎。
そして、上司に話を通して、わたしを助手扱いにすることで給料の石筆を予算から出すあたり、さすが商人だ。自分の懐を痛めずに、利益を得る方法を熟知している気がする。 然後,透過跟上司對話,由於將我作為助手對待而從預算中撥出薪水的石筆,不愧是商人啊。感覺熟知著不傷自己荷包,而獲得利益的方法。
「マインちゃん、そろそろ始めるけど、大丈夫かい?」「小瑪茵,雖然就要開始了,但不要緊嗎?」
「はい」「是的」
オットーが呼びに来たので、わたしはトートバッグを持って、宿直室から訓練室に移動した。 由於歐拓來呼喚了,我帶著手提包,從值班室往訓練是移動。
訓練室の一角に木のテーブルと椅子があり、5人の男の子が座っていた。父が言っていた兵士見習いだろう。 在訓練室的一角有著木桌子與椅子,5位男孩子正坐著。是父親說過的實習士兵吧。
「マインちゃんはここの班長の娘で、書類仕事を手伝ってもらっている。今回は文字を覚えたいということで、参加することになった。余計なちょっかいを出さないように」「小瑪茵是這裡的班長的女兒,在幫忙著文書工作。這次說是想要記住文字,而參加了。不要多管閒事了」
わたしのことをそんな風に紹介して、オットー先生の授業が始まった。 將我的事情用那個樣子介紹了,歐拓老師的授課開始了。
石板の上に、アルファベットのような基本文字を書いていく。まずは、これを全て覚えなくては、どうしようもない。 在石板上,寫著像是羅馬字母的基本文字。首先,不將這些全部記住,是莫可奈何的。
「基本文字はこれで全部だ」「基本文字這些就是全部了」
全部で35種類ある文字のうち、今日は5つを発音しながら、石板に書いていく。いくつかの文字は、以前に少し教えてもらっていたので、それほど苦もなく覚えられた。 在全部有35種文字裡面,今天一邊發著5個的音,一邊書寫在石板上。有幾個文字,因為在以前稍微有教過,毫不費力的被記住。
「……マインちゃんは本当に覚えるのが早いな」「……小瑪茵針的記得很快呢」
「わたしは、身体を動かすより、こういうのが好きだから」「我呢,因為比起活動身體,像這種的更喜歡呢」
きっとこの世界の子供と違って、勉強することに慣れているし、私自身が勉強することに全く抵抗がないことも覚えが良いことに繋がると思う。好きこそものの上手なれ、というやつだ。 一定與這個世界的小孩子不同,已經習慣了學習,我想我自身對學習完全毫不抵抗也跟記憶很好連結了。是所謂喜歡的東西就很擅長,的傢伙啊。
石筆を持つことさえ初めてで、運筆から始めなければならないような初心者の彼らとわたしを比べたら、彼らが可哀想だ。 由於連拿石筆也是第一次,必須要從運筆開始的初學者他們跟我相比的話,他們很可憐的。
「オットーさん、そろそろ文字の勉強は終わりにした方がいいですよ」「歐拓先生,差不多該結束文字的學習了比較好唷」
「え? もう?」「咦? 夠了?」
体感時間から考えると多分30分くらいだが、男の子達にとっては、じっと座って書くという作業が苦痛なのだろう。さっきからもぞもぞ身体を動かし始めた。飽きてきた証拠だ。 從體感時間來考慮的話大概30分鐘左右了,對男孩子們來說,動也不動地坐著書寫這種作業可是很痛苦的吧。從剛剛就開始扭來扭去的動著身體。是厭倦的證據啊。
「初めて石筆を持った人に長時間の集中は無理ですから。ちょっと文字を練習したら、次は計算をやらせる。街の見取り図を書かせる。兵士の心得を教える。運動も挟む。そんな感じで一日に色々なことを少しずつ体験させた方が身に付きますよ」「因為要第一次拿石筆的人長時間的集中是不可能的。稍微練習下文字後,接下來是做些計算。畫一下城市的示意圖。教導士兵的心得。也要夾雜運動。用那種感覺在一天裡一點一滴地體驗各種事情來養成唷」
彼らの年齢的にも小学生の時間割を参考にした方がいい。一日中、国語でひらがなだけを延々と教えられるなんて、日本の小学生でも耐えられないだろう。座ることに慣れていない世界の子供なら尚更だ。 對他們的年齡也參考小學生的時間表比較好。一整天,用國語沒完沒了地只被教授著平假名什麼的,就連日本的小學生也無法忍受的吧。如果是不習慣坐著的世界的小孩子更是如此。
「次は計算にしましょう。数を数えるところから」「接下來來做計算吧。從數數的地方開始」
買い物に行くこともあるので、10くらいまでの数は全員数えられた。ただ、ちょっと怪しい子もいるので、声に出して数えながら、0から5までの数字を石板に書いていく。 由於有去買過東西,到10左右的數字被全體數著。只是,由於也有有些奇怪的孩子,一邊發出聲音數著,一邊在石板上寫上從0到5的數字。
これもまた、全員が身体をもぞもぞさせ始めたところで、切り上げて、身体の鍛錬へと追い払うことにした。 這次也是,由於全體開始將身體扭來扭去了,結束吧,決定趕去身體的鍛鍊。
「今日の勉強はここまでにしましょう。次回までに今日習った文字と数字を全て覚えてきてね。覚えていなかったら、勉強時間がその子だけぐーんと伸びるから。文字や数字を覚えるのは大事な仕事だよ」「今天的學習就到此結束了。在下次之前要將今天學到的文字與數字全部記住呢。記不住的話,學習時間只有那個孩子會被迫延長。記住文字與數字是重要的工作唷」
そう言って、わたしは早々に子供達を解散させた。 那樣說著,我迅速解散小孩子們。
訓練室にいる必要がなくなったわたしを宿直室まで連れて行きながら、オットーが渋い顔をする。 一邊將變得沒必要待在訓練室的我帶到了值班室,歐拓一邊做出張不滿的表情。
「マインちゃん、あんなに甘いやり方じゃあ、なかなか覚えないって」「小瑪茵,用那麼樣天真的作法,相當記不住的吧」
「ん~? でも、苦手意識を持つと、余計に時間がかかるから、一回に教えるのはあれくらいの量で充分だよ。わたしと比べちゃダメだからね」「嗯~? 但是,帶有不擅長意識的話,就會花掉多餘的時間了,一次要教的以大約那樣的量就足夠了唷。因為跟我比較是不行的呢」
「あ……そうか」「啊……那樣啊」
どうやら無意識にわたしと比べていたことに気付いたようで、オットーがポリポリと頬を掻いた。 看來好像注意到無意識地跟我做了比較,歐拓輕輕抓撓地搔著臉頰。
「それに、復習して覚えてなかったら、次は覚えるまで帰れないんだよ? 自分の責任だからね。そんなに甘くないよ?」「而且,複習了卻沒記住的話,下次到記住前都無法回去唷? 因為是自己的責任呢。不是那麼天真的唷?」
「なるほど。仕事始めたばかりのひよっこに自己責任は厳しいな」「原來如此。作為才剛開始工作的雛鳥的自我責任是很嚴格的呢」
苦い笑いを浮かべたオットーに合わせて、一緒に笑いながら、わたしはそっと息を吐く。 配合著浮現苦笑的歐拓,一邊一起笑著,我一邊悄悄地嘆口氣。
新人教育のお手伝いもするなんて聞いてないし、あの子達がいたら、わたしの勉強が進まないんだよね。 也要當新人教育的幫手什麼的從沒聽過,那些孩子們在的話,我的學習就無法前進了呢。
宿直室に戻ると、オットーは残りの時間をわたしの個人授業にしてくれた。 回到值班室時,歐拓剩餘的時間都作為我的個人授課。
わたしはオットーに単語を書いてもらって、石板でそれを練習する。オットーは練習時間中に書類仕事をする。 我請歐拓寫上單字,用石板練習那個。歐拓在練習時間裡處理文書工作。
「じゃあ、マインちゃんは文字を覚えたみたいだし、単語を覚えようか。よく使う言葉から教えていくよ」「那麼,小瑪茵好像記住文字了,要來記單字嗎。從經常使用的話語開始教起吧」
「はい!」「好的!」
こうして、オットー先生の個人授業で単語を覚えていくことになったのだが、教えてくれる単語が全て備品や門番の仕事に関するものばかりだった。どうやら本気で書類作成を手伝わせるつもりらしい。 就這樣,變成了用歐拓老師的個人授課來記住單字,但所教的單字全部都是有關備用品或門衛的工作的東西。看來似乎認真地打算來幫助文件編制。
多分、少し使えるようになってきたら、来年の予算シーズンまで待つことなく、書類仕事に突っ込まれそうだ。 大概,變得稍微能用了的話,就不用等到明年的預算季節,就會被塞進文書工作中了。
だって、最初に教えてくれた単語が『人物照会』『貴族』『紹介状』『嘆願書』だよ? 日常では全く使わないんだけど? せめて、備品項目から始めてくれれば、干し草や食料品、武器や防具の名前が覚えられたのに……。 因為,最初教授的單字是『人物查詢』『貴族』『介紹信』『請願書』的唷? 雖然在日常完全無法使用的? 至少,從備用品項目開始的話,乾草與食品、武器與防具的名字被記住了的說……。
カツカツと石板に文字を綴っていると、父がわたしを呼びに来た。閉門より少し前になったので、トゥーリ達が森から帰ってきたらしい。 喀喀地在石板上點綴文字時,父親來呼喚我了。由於變得比關門還早一刻,圖麗他們似乎已經從森林回來了。
わたしは石板をバッグに入れて、みんなと一緒に家に帰ることにした。 我把石板放進包包,決定跟大家一起回家。
「トゥーリ!」「圖麗!」
「マイン、帰ろう」「瑪茵,回去吧」
採集のための籠を背負い、道具や採集物や色々持っている数人の子供達がトートバッグ1つだけ持ったわたしをじろじろと見る。 揹負著為了採集的籃子,帶著各式各樣工具與採集物數人的小孩子們打量著只帶了一個手提包的我。
「え? マイン?」「咦? 瑪茵?」
「トゥーリの妹? 初めて見た」「圖麗的妹妹? 第一次見到」
薄汚れた子供達の不躾な視線に思わずトゥーリの後ろに隠れると、トゥーリが苦笑した。 對有點髒的小孩子們冒昧的視線我不假思索地躲到了圖麗身後時,圖麗苦笑了起來。
「マインが外に出るのが珍しいから仕方ないよ」「因為瑪茵出到外面來是很稀奇的沒辦法唷」
どうやら、地域のイベントごとにも顔を出せることが少なかったマインは、子供達の間でレアモンスターのような扱いをされているらしい。 看來,不常在地區活動上露臉的瑪茵,似乎在小孩子們之間被當成稀有怪物般對待著。
トゥーリが「見られるだけで苛められるわけじゃないから大丈夫」って、フォローするけれど、視線が痛い。 圖麗說「因為並不是只被看就會被欺負所以不要緊」,雖然說跟隨著,但視線很刺痛。
「マインも一緒に帰るのか?」「瑪茵也要一起回去嗎?」
「ルッツ!」「路茲!」
知っている顔があったことに心底ホッとして、わたしはラルフの顔も探してみた。しかし、体格が良くて赤い髪の目立つラルフの姿がない。 對有認識的臉在打心底放心了,我試著尋找拉魯夫的臉。但是,沒有體格很好又紅色頭髮的醒目拉魯夫的身影。
「あれ? 今日はラルフいないの? 病気?」「奇怪? 今天拉魯夫不在嗎? 生病了?」
「ラルフはこの春で7歳になったから、今日は仕事なんだ」「拉魯夫因為在這個春天7歲了,今天去工作了」
「へぇ……」「哦……」
ラルフって、まだ7歳だったんだ。一応年はマインの記憶で知っていたけど、良い体格してるし、面倒見良いし、8歳か9歳くらいだと勝手に思ってたよ。 是說拉魯夫,還只有7歲呀。雖然姑且年在瑪茵的記憶裡知道的,但有著良好的體格、照顧又很周到,擅自認為是8歲或9歲左右的唷。
あれ? ルッツも冬の間に結構背が伸びて大きくなってる? やっぱり、ここにも遺伝の法則ってあるのかも。 怪了? 路茲也在冬季期間相當增長變大了嗎? 果然,在這裡或許也有遺傳法則。
つらつらとそんなことを考えながら、家に向かって歩き始めた。森での採集が終わって、たくさんの荷物を持っている子供達は、少しでも早く家に着きたいのか、自然と足が速くなる。 一邊深入地思考著那種事情,一邊開始往家裡走著。在森林採集結束,帶著很多行李的小孩子們,是想盡快點早到家嗎,自然地腳程加快了。
そんな集団から取り残されそうになるわたしをフォローしてくれるのはトゥーリとルッツだ。 跟隨著快要被那個集團丟下的我的是圖麗與路茲。
「みんな、慌てちゃダメだよ!」「各位,急躁是不行的唷!」
「大丈夫か、マイン?」「不要緊吧,瑪茵?」
わたしも頑張って歩いているつもりだが、どんどん集団に引き離されていく。子供達は容赦ない。遅いわたしを待ってはくれない。 我也是打算要努力走著的,但是不斷地被集團給拉開著。小孩子們不容許。不會等待遲緩的我。
「みんな、速い……」「大家,好快……」
「ごめん、ルッツ。マインをお願いしていい? わたし、みんなを見てくるよ」「抱歉,路茲。可以把瑪茵拜託給你嗎? 我,要去看顧大家唷」
トゥーリは洗礼前の子供達の集団では最年長になるので、妹よりもみんなの面倒を優先にした。 由於圖麗變成在洗禮前的小孩子們集團中最年長的,所以比起妹妹更優先於大家的照顧。
「わかった。マイン、ゆっくり歩け。途中でへばっても、今日は俺も荷物があるから背負ってやれない」「知道了。瑪茵,慢慢走吧。就算在中途累倒,因為今天我也有行李所以揹不了喔」
「ん」「嗯」
取り残されたわたしと一緒にゆっくりと歩いてくれるのはルッツだけだ。これ以上ルッツに面倒をかけることはできないので、遠慮なく速度を落として歩く。 與被丟下的我一起慢慢地走著的就只有路茲。由於不能再給路茲添上麻煩,所以毫不客氣地把速度降低走吧。
「マインは門で何してたんだ?」「瑪茵在門做什麼呢?」
「字を教えてもらってた」「請教文字」
「字? 書けるのか!?」「字? 能寫嗎?」
ルッツがものすごくビックリしたように、わたしを見た。 路茲好像非常地吃驚,看著我。
わたしに対する尊敬でルッツの目が輝いているような気がするが、まだ字が書けるというほど単語を覚えていない。そんなキラキラした目で見られると困る。 感覺對我尊敬的路茲眼中像在閃耀著。還只是會寫字記不住單字。被用那樣閃閃發亮的眼睛看著會很困擾的。
「まだ自分の名前くらいしか満足に書けないよ。これから練習するの」「還只能書寫像是自己的名字無法滿足唷。今後要練習了」
「すげぇ、マイン。自分の名前が書けるなんて!」「好強,瑪茵。會寫自己的名字什麼的!」
あれ? 尊敬が完全に定着したっぽい? 怪了? 尊敬完全固定下來了?
まさか名前が書けるだけで尊敬されるとは思わなかった。 沒想過怎麼會只因為寫名字就被尊敬了。
だが、よく考え見ると、農民なら字の読み書きができるのは村長くらいで、人の名前が書けるってレベルの父でも十分すごいと言っていたような記憶がある。 不過,試著好好地考慮後,因為若是農民會字的讀寫的大概就是村長了,也有像是說過會寫人名等級的父親也十分厲害的記憶。
小学一年生レベルって、思ってたけど、この世界では尊敬レベルなんだ……。 雖然認為是,小國一年級等級,但在這個世界已是尊敬的等級了……。
書類作成の手伝いができるというのが、どのくらい貴重なことかちょっと理解できた。オットーさんが周りの兵士より先にわたしを育てる気になるはずだ。 所謂能幫忙文件編制,稍微能理解是多麼貴重的事情了。歐拓先生應該是注意到比起周圍的士兵還是先培育我吧。
人の名前が書けるようになったところで満足されたら、書類作成なんて教えられるわけがない。 因為被滿足於像是書寫人名這點的話,沒有理由被教導什麼文件編制。
「ぜぇ……ぜぇ……」「吁……吁……」
「マイン、大丈夫か?」「瑪茵,不要緊嗎?」
わたしにとって、文字を覚えることは簡単でも、体力を付けるのは難しい。 對我來說,即使記住文字是簡單的,增添體力卻很難。
心配そうなルッツに付き添われながら、わたしが家に帰りついた時には言葉を発することもできない程に疲れ果てていた。 儘管被擔心似的路茲所照看,我回到家時已經疲勞不堪到連發言都沒辦法的程度了。
案の定、熱を出して2日ほど寝込んだ。 果然,發燒了臥床了2天左右。
「だから、無理はするなって言ったでしょ!」「所以,說過不可能的不是嗎!」
母はぷりぷり怒っているが、着実に体力はついているようで、普段なら5日ほど寝込むところが3日目には出かけられるようになった。 母親怒氣沖沖生著氣,但就好像體力著實地增加著,若是平常要臥床5天左右變成在第3天就能外出了。
父と門まで出かけて、半分ほど歩いた後は父に抱えられて移動。昼から文字の練習と計算の手伝い。帰りはみんなと歩いて、すぐに引き離されて、息も絶え絶えになって、ルッツに心配される。家に帰ったら、また寝込む。 與父親外出直到門,走到一半左右後被父親抱著移動。從白天文字的練習與計算的幫忙。回去是跟著大家走,立刻被拉開,呼吸也變得斷斷續續,被路茲擔心著。回到家的話,又臥床了。
一月ほどそんな状態を繰り返していたが、体力はちゃんと向上してきた。 一個月左右重複著那樣的狀態,體力好好地提高了。
1日行って3日休んでいたのが、2日の休みになり、行って休んでの隔日出勤になった。その頃には、まだスピードは遅いけれど、門まで何とか歩けるようになっていた。 去1天要休息3天,變成休息2天,又變成去一休一的隔日出勤。在那個時期,雖然說速度還很慢,但總覺得變得能夠走到門了。
そのうち、2日行って1日休みになり、3日行って1日休みになった。 不久,變成去2天休息1天,又變成去3天休息1天。
初めて5日続けて門に行けた時には、家族で盛大に祝った。 在第一次連續5天去到門時,家人盛大地祝賀著。
「やったね、マイン。初めてお休みせずに全部行けたね」「做到了呢,瑪茵。第一次沒休息地全部走完呢」
「ずいぶんと体力が付いたな、父さんは嬉しいぞ!」「相當地增添體力了呢,爸爸很高興喔!」
「もうそろそろ森へ行けそうね」「已經差不多能去森林了呢」
家族にせっかく祝ってもらったが、その後、熱を出して、2日寝込んだ。思ったほどうまくはいかないみたいだ。 難得獲得家人祝賀,那之後,發燒了,臥床了2天。好像還無法如所想般順利啊。
門に通い始めて三月がたった頃、ようやく森に行く許可がもらえた。ちらほらと夏の気配が見え始める春の終わりのことだった。 開始往來於門經過了三個月的時候,終於獲得了去森林的許可。稀稀疏疏地開始看見夏天的氣息已是春天的結束了。
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約三月かけて、やっと徒歩30分程度の道程を歩ける程度の体力を手に入れました。 花了約3個月,終於獲得了能走徒步30分鐘程度的路程那種程度的體力了。
文字の練習に関しては、かなり順調です。三月の間に『人物照会』と『貴族への紹介状』が読み書きできるようになってます。 關於文字的練習,相當順利。在三個月之間變得能夠讀寫『人物查詢』與『給貴族的介紹信』。
でも、まだ日常で使いそうな単語はあまり覚えていません。 但是,還不太能記住那種能在日常使用的單字。
次回は、やっと森です。粘土板、作ります。 下回是,終於到森林了。黏土板,製作吧。