あら王子様、婚約破棄した私に何の御用ですか?啊啦王子殿下,找解除婚約的我有什麼事嗎?
作者:日又猫
再会再會
原文連結辺りに響く小鳥の囀り。窓からは朝日が差していた。附近響起小鳥的鳴囀。朝陽從窗戶照了進來。
マリアはベッドから起き上がり、壁に掛けられた時計で時刻を確認する。瑪麗亞從床上爬了起來,用掛在牆上的時鐘來確認時間。
いい時間に起きられた。さて、お茶の準備をしておくか。在正好的時間起來了。接下來,要來準備茶了嗎。
春とはいえ朝はまだ少し肌寒い。朝は温かい紅茶に限る。マリアはキッチンに立つと、長い髪を一つにまとめた。雖說是春天早上還是有點涼意。早上最好來杯溫紅茶。瑪麗亞站到廚房後,把長髮綁成一束。
小瓶に入った茶葉にティーポット。鍋を火にかけ、お湯を沸かす。放入小瓶里的茶葉加上茶壺。把鍋子放在火上,煮著開水。
天に向かってゆらめく炎。見ていると心が落ち着いてきた。朝向天空晃動的火焰。看著就讓內心平靜了下來。
今日は懐かしい夢を見たな。今天做了令人懷念的夢呢。
ライリー王子、そしてナターシャ。彼は、彼女は今どうなっているんだろう?萊利王子、還有娜塔夏。他與、她現在過得怎麼樣了呢?
マリアは壁に掛けられた額縁に目を向ける。王立魔法学院の卒業証書だ。その隣では首席卒業の記念で貰った勲章が光っている。瑪麗亞把目光朝向掛在牆上的牌匾。是王立魔法學院的畢業證書。在那旁邊是以首席畢業的紀念而得到的勳章在發著光。
学長、元気にしてるかな。校長,是否很有精神呢。
壁にかけられた写真。勲章を授与された時のものだ。被掛在牆上的照片。是被授予勳章時的東西。
白ひげの目立つ威厳のあるその姿は、見る者を圧巻させていた。頂点(トップ)に相応しい、尊敬できる方だ。白鬍子很醒目很有威嚴的那個身姿,力壓著觀者。是符合頂點、值得尊敬的一位。
そうだ、もうあれから二年も経っているんだ。對了,自那以來已經經過了兩年了。
貧乏貴族出身の自分が、本当は王立魔法学院になんて通えるはずがない。けれど試験を勝ち抜き特待を取り、授業料を大幅に免除されながら頑張っていた。貧窮貴族出身的自己,其實應該是無法去上王立魔法學院的。但是考試脫穎而出取得特殊待遇,儘管被免除了學費也在努力著。
そして栄誉なことに、学長から自国の王子――エトワール王国第三王子、ライリーとの結婚を勧められたのだ。然後榮幸的是,被校長推薦了與自國的王子――艾特瓦爾王國第三王子、萊利結婚。
病気に倒れた両親の面倒も、自分の将来も約束されているはずだった。あの時までは……病倒雙親的照顧與、自己的將來應該都被承諾了的。直到那個時候……
お湯が煮立った。水面が泡立つ。ポコポコと浮かんでは消えていくそれを見つめながら、マリアはティーポットを準備する。開水煮開了。水面冒著泡。一邊注視著啵啵地浮起來又消失掉的那些,瑪麗亞一邊準備好茶壺。
小瓶を開ければダージリンの香りが辺りを包み込んだ。新緑が美しい茶葉をティーポットに入れ、お湯を注いでいく。打開小瓶的話大吉嶺的香氣把附近包了進來。把新葉很漂亮的茶葉放入茶壺裡,倒入開水。
このまま少し蒸らしておけば完成だ。食器棚からティーカップとソーサーを取り出し、並べていく。四つあれは大丈夫かな。就這樣稍微先悶著一下就完成了。從櫥櫃裡拿出了茶杯與杯盤,依序排好。有四個就沒問題了吧。
用意はできた。準備完成了。
時間はまだあるし、少し外の空気でも吸ってこよう。還有點時間,稍微去外面透透氣吧。
ドレッサーからケープを取り出し羽織る。ドアを開けば、早朝特有の冷たい風が肌を撫でた。從化妝台拿出披肩披上。打開門的話,早上特有的冷風撫過肌膚。
辺りは一面の緑。身を寄せ合う木々の隙間から青い空が顔を出している。一つ深呼吸すると、爽やかな香りが鼻腔をくすぐった。附近是一片的翠綠。藍天從互相依偎的樹木縫隙間探出頭來了。一個深呼吸之後,清爽的香氣撲鼻而來。
この森の中の別荘に住んでしばらく経った。最初はどうなることかと思ったが、ここでの生活も案外楽しいものだ。住在這座森林之中的別墅裡過了一段時間。最初雖認為會變成怎樣呢,但在這裡的生活意外地很愉快。
お城のキラキラした世界より、自分にはこっちの方が合っているかもしれない。つくづくプリンセスの適正がないな、なんて思ってしまう。マリアは小さく笑った。比起城裡閃閃發光的世界,對自己來說這邊更適合也說不定。想著實在是很不恰當的公主呢、之類的。瑪麗亞小小的笑了。
さて、そろそろいい頃かな。お茶の用意に戻ろう。マリアは踵を返し、別荘のドアに手をかける。その時だった。接下來,差不多是正好的時間了呢。回到茶的準備上。瑪麗亞轉過身、把手放在別墅的門上。就在那時候。
「マ……リア…………?」「瑪……麗亞…………?」
ガサリと音がして、視界の端に何者かの姿が映った。發出了沙沙聲,在視野的邊緣映著什麼人的身影。
植え込みから顔を出したのはやせ細った男。服は豪華だが、ところどころ汚れが目立っている。從樹叢裡探出頭來的是消瘦的男人。衣服雖然很豪華,但到處都有著很顯眼的汙垢。
自分の名前を呼ぶその声には聞き覚えがあった。叫著自己名字的那個聲音聽起來很耳熟。
二年の間。もう会うこともないと思ってたのに。兩年的期間。明明以為已經不會再見面了。
そこには、変わり果てた姿のエトワール王国の第三王子・ライリーがいた。在那裡的是,徹底改變身姿的艾特瓦爾王國的第三王子.萊利。