遠く、玉座から見下ろすその先に――宮廷に差し込む光の奥に。
そこに「世界」があることすら、シャロンは知らされていなかった。
遠處,從玉座俯瞰下的那個前方--射入宮廷中光的深處
那裡有著「世界」,莎倫都不知道
神界の一つ「皇界」で、幼くして皇帝の座についたシャロン。
世に生を受けた瞬間から神輿としての宿命を背負い、豪華絢爛、まばゆい宝石の散りばめられた檻の中で彼女は育った。
神界的一個「皇界」中,有著幼小的皇帝地位的莎倫。
在世上誕生的那瞬間便背負著神所給予的宿命,她在豪華絢爛、耀眼的寶石四散的牢獄之中成長著
――右も左もわからぬ少女に、己の価値を計る術などあるはずもなく。
連右邊左邊都不知道的少女,連計算自己的價值的方法都沒有。
天子、傀儡、貴人、珠玉、象徴、玩具。
「座して居る」こと、ただそれだけがシャロンの価値。
天子、傀儡、貴人、珠玉、象徴、玩具。
「端坐在位子」上,只是莎倫的價值
宮廷は、何もかもが用意されていながら、何も与えられることのない孤独な牢獄。
彼女にとって、「世界」は意識の内側にのみ存在する冷たい虚空に過ぎなかった。
宮廷是,什麼事情都被準備好了,卻什麼事情都不能做的孤獨牢獄
對她來說,「世界」意識的內側只不過存在著冰冷虛空罷了。
――あの日までは。
――直到那一天
「皇の剣」が病に伏し、後を継ぎやってきた若き「剣」。
笑い、怒り、叱り、誉め、教え、育て……「剣」によって与えられた温かき日々はやがてシャロンの虚空を満たし、彼女の視界は外へと向いた。
「皇之劍」因病而逝,而後繼任的是年少的「劍」。
笑、怒、責罵、讚揚、教導、培育……「劍」給予了溫暖的每一天,再不久之後莎倫的虛空便滿足了,她的視線朝外看去
「わたし……もっと、色んなところに行って、色んなものを見てみたい」
「我……想去更多地方、想看更多東西」
無表情に、けれど優しくうなずく「剣」を見て、シャロンは無邪気にはしゃぎだす。
彼女に芽生えた小さな意志は、やがて皇界に大きな時代のうねりを巻き起こすこととなる――
看見「劍」面無表情但卻溫柔的點頭,莎倫天真無邪的興奮起來。
她所生長發芽的小小意志,不久會在皇界引起大的時代時代浪濤
協力忙,已更新名稱