口笛を吹いた 応えはまだ来ぬ
雖呼汝來 但汝未應
ため息がひとつ 陽炎の中に消ゆ
仰天長嘆 消於炎日
後朝の文は 待ち暮らせど来ぬ
翌晨之言 依然未應
閨の睦言は 朝朱の空に消ゆ
汝之私語 消於緋雲
死ぬるが怖くば この郷を疾く去れ!
若懼亡逝 那便離去
月が満つ刻 兎が跳ねる
月圓之時 走兔蹦跳
我が瞳の奥を見よ 心迷ひて肝砕けて
雙瞳之中 疲憊迷茫
胸 火を焼くが如く 心狂いてゆく
心如火燒 心欲癲狂
焦がれても焦がれても 苦しみより逃れぬなら
庸庸碌碌 若苦便逃
古の獣のように 火の中駆けて 跳べ!
似野獸般 浴火躍去
朝露のほかに 知る人なぞ無し
除晨露外 無人知曉
さらさらと頬に 零るるものは何ぞ
稚嫩兩頰 何物滑落
生霊が宵に この身より出づる
生靈夜宵 蛻去肉身
月が満つ刻 我鬼と成らん
月圓之時 化作鬼神
我が瞳の奥を見よ 紅蓮の炎ゆらめいて
雙瞳之中 緋火閃耀
灼熱に身を焼けど 心凍てついてゆく
身雖炙熱 心卻沁涼
焦がれても焦がれても 玉の白肌に触れぬなら
庸庸碌碌 若觸皙肌
夢を喰む獏のように 闇夜に隠れて ゆけ!
食夢貘般 隱入闇夜
今ぞ黄泉路へまかろう 今ぞ伏せし瞳ひらこう
墜入黃泉 雙瞳緊閉
死ぬるが怖くば この郷を疾く去れ!
若懼亡逝 那便離去
月が満つ刻 兎が跳ねる
月圓之時 走兔蹦跳
我が瞳の奥を見よ 心迷いて肝砕けて
雙瞳之中 疲憊迷茫
胸 火を焼くが如く 心狂いてゆく
心如火燒 心欲癲狂
焦がれても焦がれても 苦しみより逃れぬなら
庸庸碌碌 若苦便逃
古の獣のように 火の中へ駆け抜け 跳べ!
似野獸般 浴火躍去
我が瞳の奥を見よ
雙瞳之中
胸に火を焼くが如く
心如火燒
焦がれても焦がれても
庸庸碌碌
古の獣のように
似野獸般
口笛を吹いた 応えはまだ来ぬ
雖呼汝來 但汝未應