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純粹自用

作者:T.E│2020-10-20 01:38:53│巴幣:0│人氣:73

為了宿舍內的統一,我必須首先告知所有人,我無意以下期領主作為目標的事為大家所知,需要以任誰看也能明白方式拒絕拉歐斐雷格的求婚。最重要的是,我們必須請從其他領地被申請的迪塔盡力而為。



“公主,您不必太緊張。如果您拒絕拉歐斐雷格的要求,未婚夫候補們將對此有所作為。”



 



我對科爾杜拉的話一邊點頭一邊下樓梯,進食堂。聚集側近們時因為我的甦醒被週知,
許多學生進食堂後,就開始慶祝活動。
漢納羅蕾大人醒了,我就感到放心了」

那個淡光,被認為是女神的化身也是可以理解的。」


當我邊走邊微笑回應著與我交談的學生時,拉薩達魯克站起來,栗色的眼睛閃閃發光。只是那個表情,我明白對我的甦醒感到高興。



漢納羅蕾大人! 在失去意識的期間被申請的迪塔由我指揮著。請交給我! 無論怎樣的敵人也擊敗給妳看」

......您這麼快走來,首先要說的是那個嗎?

第一聲聽到是迪塔,總覺得感到很失望。拉薩達魯克沒有惡意吧,而且我了解即使我失去意識期間他也很努力,但是我還能說什麼嗎?力所能及的事情如果平常會認為很不錯,但是現在它正在空轉著。





我知道拉薩達魯克很熱情,但是一定要和我的護衛騎士一起你不能獨自一人迪塔。您將成為迪塔的指揮官,而不是一個照著主人命令行動的騎士。如果成為迪塔的統率者汲取朋友的不滿也很重要」

 






 






 
“您對朋友不滿意嗎?”

 我對拉贊塔爾克(Lazantalc)持謹慎態度,他堅持要做好多準備。

“無論您有多少未婚夫候選人,護衛騎士都是保護我的角色。但是,拉贊塔爾克仍在決定什麼才對他兄弟的助手重要。您需要注意嗎?”

 到目前為止,我的兄弟一直在宿舍中居第一位。我的意見很少被聽到,對我哥哥和他的助手們來說,獨自決定事情是很自然的。但是現在我沒有哥哥了,我處於最高位置。結果,Lazantalc看起來像一個自由活動的高級騎士學徒,即使我做同樣的事情,他也不尊重我作為侯爵的候選人。

 ……麻煩在於Lazantalc似乎不知道這一點。

 當然,未婚夫不會注意到我的助手們的反感,他認為:“如果你是同一個Ditter的白痴,最好嫁給Laofereg,因為你可以成為下一個Aub?”那將是一個糟糕的候選人。

 ……當然,我對這個人數沒有太多注意。

 我的助手不喜歡我,但其他騎士的學徒與以前相同,因此他們是在拉贊塔爾克周圍組織的。如果我失去知覺,我會小心,有些人會反對它。

“ Lazantalc,待會兒再考慮。您站起來陪同Hannerore嗎?”

 Kentrips伸出了這樣的手。

“漢納羅爾醒了,我真的很放心。很抱歉,即使我目睹女神的降臨,我也無能為力。”

 他笑著笑著說,他醒來時似乎第一次遇到了他。我笑了笑,試圖保持正常,以免忘記說服的心煩意亂。

“你無法抵抗上帝。別擔心。”

 ……沒用。我看不到Kentrips的臉!我記得各種事情。

 為了不至於像以前那樣感到沮喪,我在兩個人的陪同下坐下來,一邊低頭看著我的腳,一邊坐下。我感覺到科爾杜拉背上的刺眼目光。

 ……我已經知道了。作為領主氏族,您必須更加自豪和自豪,而低頭實在令人難以置信。我知道。但是我不能!請不要罵。



 侍者為我服務,當我開始吃飯時,勞弗雷格走進了自助餐廳。似乎有些晚,但是您有開會嗎?您可以看到助手正在聽一些東西。

 .......我正搬到未婚夫的候選人宿舍,所以我敢肯定會有一些聯繫,但可能是飯後。我認為內容的結局不會這麼快,以至於我們可以中斷用餐並進行討論。

 我想稍後再想會頭疼,但現在正在吃飯。從勞弗勒格回頭看那頓飯,我把湯帶到嘴裡。今天的飯是十天內的第一頓飯,所以我所要做的就是可消化的湯和浸軟的麵包。

 ......我想盡快和其他人一樣吃一頓飯。有點沉悶。

 當我吃得草率時,我聽到科爾杜拉的責備,說:“老費雷格·薩瑪的座位在那兒。” 回顧過去,Laofereg比我預期的要近。

“啊,漢納羅先生。我的女神。”

 ......您現在在說什麼?

 作為Pokan時,我凝視著Laofereg,後者以嬉戲的方式伸出了手。你突然說了什麼 紫色的眼睛讓我感到很欣快,我似乎沒在看著我。好像我被混亂的女神迷住了,我很警覺。

“請牽著我的手,與鄧克爾費爾德一起加入我們……”
“ Laofereg,我在吃東西。我稍後再談。我有話要對你說。”

 我也擔心在用餐時不說話會無禮,我希望您環顧四周。您不理解我助手的警惕和緊張嗎?在我不滿意並微微瞪著眼睛的那一刻,勞弗萊格低下了胸膛,mo吟著:“……U !?”

“ e?”
“公主!女神的力量正在膨脹,這是一種輕度的威脅!請壓制它。”

 科爾杜拉大聲尖叫,改變膚色的拉贊塔爾克和肯特里普斯站了起來。

“但這不是我的力量,所以我該如何抑制它……”

 我不知道如何處理女神的力量,這與我自己的魔法力量不同。當我飄動時,女神的力量似乎已經平靜下來,勞弗萊格能夠調節她的呼吸。Cordura鬆了一口氣,凝視著Laofereg。

“遠離Laofereg公主。看來女神的力量不允許進餐時無禮。我今天起床後與其他人交談的情況都沒有發生。 ”

 即使他們都試圖成為下一位領主,也不能多次被女神的力量拒絕。勞弗勒格(Laofereg)被助手輕描淡寫,遺憾地拍了拍自己的舌頭和頭部。

“我明白為什麼埃倫費斯特和亞歷山大人民認為這很危險,因為很難依靠女神的力量過著日常生活。”

 我同意科爾杜拉的喃喃自語。我以為沒有什麼特別的問題,但是我並不認為這是一種輕度的威脅,無論我的意圖如何。

“最好問一下如何盡快處理它。”
“我已經把公主的覺醒告知了亞歷山大,想听聽她的消息。請把日程安排交給我。”

 我向可靠的科爾杜拉(Cordura)笑了笑,並在聽完我的助手的報告後吃完了飯。



 晚餐後,我向自助餐廳的所有學生講話。這是為了匯集破碎宿舍的意識。

“當我將自己的身體借給時間女神Dreffan Goor時,我失去了大約十天的意識,並讓所有人感到擔憂。我從助手那裡聽說,其他地區也有很多Ditter的申請。增素

 然後,由於某種原因,人們大喊“ Uooo!”,並開始對“ Ditter!Ditter!”感到興奮。

“我將擊敗Ditter!”
“ U!”
“贏得將漢納羅留在鄧克爾費爾德的勝利!”
“ U!”
“讓Hannerore成為下一個Aub!”
“ U!”
“ Hannerolle不會成為下一個Aub!”
“ U!”

 ……現在做什麼。我根本不想說話。......

“漢納羅爾公主,不是讓您失望的情況。如果繼續前進,您將成為下一屆Aub的候選人。”

 我很高興聽到科爾杜拉的來信。Laoferegs和Lazantarks向一個奇怪的方向膨脹,相反。只要沒有其他人讓我平靜下來,我就不能假裝不看我。

“保持安靜!我的希望是贏得Ditter,但我從來不想成為下一位領主。這個Ditter只是拒絕其他領土的申請。請不要犯錯。”

 當我向學生宣告時,勞弗雷格和他的助手們,以及那些想讓我成為下一位領主的人,很快就換了臉。

“那,你打算和勞弗雷格·薩瑪的婚姻做些什麼!?”
“女神的化身漢納羅不是適合下一個奧布!”
“ Laofereg試圖為您提供下一屆Aub的席位!”

 環顧四周,Laofereg的合作者極具吸引力,我歪了一下頭。

“我從一開始就拒絕提供勞弗萊格,所以你為什麼決定接受它?”

 科爾杜拉後來告訴我,我可能無法與Dunkelfelder進行交流,因為拒絕是針對其他領土的,但是我的感受並沒有改變。我無意接受勞弗萊格的婚姻。如果您上次沒有通過,請再次拒絕。

“我不想要它,因此成為下一個Aub的座位真令人討厭。”

 Laofereg的合作者指出基本原理是錯誤的,使他們的嘴巴顫抖,彷彿無語。

“女人通常不超過20歲。當你還不到四歲的時候,我快要遲到了。勞費萊格等待婚姻的吸引力如此大嗎?”

 如果領主年輕,則由於女性年齡短而很難結婚。相反,如果您年齡較大,則無論您多大年齡都可以結婚。

“這不只是年齡,我不想承擔奧布的責任,那麼勞費萊格的婚姻應該吸引我到哪裡去,他說他想成為一個真正的分散主義者?您是否失去配偶的資格?”

 從女人的嘴開始,同意的聲音開始響起,說道:“即使只肯定要承擔責任……”“作為婚姻這句話是不可能的。”

“如果您要成為下一個Aub,您應該嘗試自己擊敗您的兄弟。請不要讓我參與您自己。我將與那些不太可能保護我的人一起生活。我無意合作。”

 曾經咬緊牙關的勞弗雷格大喊。

“我會保護的!我不會在Ditter中迷失!”

 Laofereg用自然的臉說,我很驚訝,我無法修復自己的表情,成為了真實的面孔。

“這是不可能的。我在勞弗萊格太不可靠了,無法保護我,我什至不能退縮。”
“你什麼意思!?”

 Kentrips抓住Laofereg的斗篷,尖叫著試圖打他,而Lazantarck則使他的身體失去了動力。

“我要去訓練場,勞弗雷格先生。我認為我們需要談談對漢納羅爾先生的許多無禮。”
“正如Lazantalc所說。這是一個自助餐廳。這不是一個橫衝直撞的地方。我不認為我的助手沒有教給我那麼多。讓我們教。”

 Lazantalc和Kentrips抓住Laofereg的胳膊。我知道這是我不太生氣的事情,但是老實說,這太過分了。

“科杜拉”
“等一下,我們倆。既然Restiraut不在這裡,教Laofereg很有可能是過分權利的行為。Hannerore的角色是指導,因為主人和他的妻子都要求這樣做。”

 我要走了,科爾杜拉開始走了。我和我的助手們別無選擇,只能效法。在我們身後,勞弗雷格和他的助手拉贊塔爾克和肯特里普斯作為警衛行走。

“……那,科爾杜拉。我教你嗎?”

 當我暗暗詢問時,科爾杜拉的紅眼睛閃閃發光。表情是淡淡的微笑,但眼睛根本沒有笑。我生氣。

“漢內洛爾是唯一可以教勞弗勒格的上議院候選人。我建議您藉此機會而不是指導來讓您傷心,而不是去指導。切勿為了自己的方便而抬高漢納羅爾。請為我們提供下一個Aub所需的品質。”

 ……呃……,我很害怕科爾杜拉。

 如果我在這裡割手,科爾杜拉會罵我。我也正在接受候選人測試。



 在訓練場上,我面對了勞弗萊格。顯然,被帶到訓練場時,被扔掉的驚喜變成了憤怒。

“漢納羅爾先生,我不能依靠你!!”
“ Laofereg是不是剛剛可以騎騎士並最終加入Ditter的新生?所以為什麼你認為自己不會輸?不能打敗我?”
“如果我輸給漢納羅!!”

 正如我指出的那樣,Laofereg的臉變成鮮紅色,拿起魔術工具的劍。通過觀察雙腿的力量,擺動的速度和紫色眼睛的力量,可以告訴您您已經訓練有素。

“內飾!”
“ Guwa !?”

 我做了一個盾牌,並立即投擲了一個魔術工具。它是女士們的最愛,是一種自我保護的神奇工具。它不是可以殺死您的危險的魔術工具。這只是眼罩。
 您只能嚇the不道德的人並贏得時間。我將Starp從盾牌變成了拐杖,然後將其大力推出。第一。

“腸...”
“如果攻擊沒有達到,那就毫無意義。”

 Laofereg遺憾地手持武器站了起來。我希望您儘早放棄,但看來您仍然有動力。
 也許Laofereg小心翼翼,不要丟下魔法工具,他一邊觀察我的手的運動,一邊逐漸縮小距離。

“您了解成為真正的Ditter意味著什麼嗎?只有渴望首先出現,您還沒有學會Ditter是什麼樣嗎?”

 我一邊說,一邊從魔環向逐漸逐漸拉近距離的勞弗雷格釋放了魔力。這是對絕大部分被降級的對手的攻擊。果然,Laofereg大發雷霆。

“別傻了!”

 我用一根拐杖擊中了勞弗萊格的側面,勞弗萊格通過撕破飛向我的魔力而成為一張好臉。是的,兩槍。
 毫無疑問,他的年齡很強。但是,培訓時間絕對不足。

“真正的爭鬥者正在為領土的基礎互相殘殺。你認為說他們想要領土的領主有多危險?”

 Laofereg似乎仍然有鬥志。我很欣賞握劍的勇氣,但對不了解自己的能力的魯ck感到驚訝。憑藉這種性質,即使是分散者也無法確定平局。

“多數情況下,勞弗雷格和他的助手們把我帶到了真正的迪特爾,但也許是因為恥辱。即使成為下一任領主,我還是一位與我的兄弟結盟的武術家。我不想要

 讓我想起了一個誤會,我迅速用Laofereg can著拐杖刺穿了武器的另一隻手,然後將其甩開了。我不打算出去很長時間,所以如果我康復了,就會有麻煩了。
 看來Laofereg決定全力進攻,因為我不允許恢復。我用劍快速進攻。

“您不認為進攻是唯一的戰鬥,對吧?如果您真的想要一個真正的分散力量,那麼您首先應該了解防禦的重要性。保護領地和財寶是主人最重要的事情。攻擊者是騎士和主人的棋子。在您所評估的真實分散區中,我是主人的棋子,而我的兄弟則是被基金會託付的主人的副手。”

 我父親之所以來到田間,是因為他承認他適合擔任保護領土的副領主。如果我認為我不能把它留給他,那我會把他遺棄的。

“我參加了埃倫費斯特和阿倫斯巴赫之間的戰爭,這是領土之間的小衝突,我的兄弟保護了不在領主手中的鄧克爾費爾德,這是他隨後與其他國家爭奪於於爾根施密特的戰鬥中的下一任領主。 Aub將對您進行評估。”

 當我受到蓋蒂爾特的護盾對勞法雷格的快速而單調的攻擊時,我凝視著他的膚色。憤怒已經隱藏了,遺憾和不耐煩已經過去。似乎能力上的差異是已知的。

“你還不能接受損失嗎?”
“我會和他結婚。現在我決定了!”
“是你的兄弟將來將領導鄧克費爾德。你不是一個無法說出自己的能力的人!”

 我搖了搖盾,翻轉了他的劍,然後將其退還給Starp,並用光帶將其擰緊。我向當場倒塌的勞弗雷格(Laofereg)嘆息。

“它將持續一會兒,直到認出失敗為止。”
“我是認真的!我愛上了這種力量!除了下一屆Aub,我一定會贏得勝利!”

 ......您現在在說什麼?

 我驚呆了,低頭看著勞弗萊格,這是一個完全出乎意料的事。紫色的眼睛充滿了興奮,儘管它們被纏住時顯得狂躁。Laofereg的存在不知何故令人恐懼。

“ Hannerolle,別和我打交道。請點擊這裡。”

 Lazantalc和Kentrips急忙將我從Laofereg撤離,以使他們分開,但他們倆看上去都很困惑。

“……啊,我們倆。發生了什麼事?從第三方的角度來看,這種令人失望的變化沒有任何跡象嗎?”

 當我要求解釋時,拉贊塔爾克令人噁心地笑了,肯特里普斯沮喪地握住了額頭。

漢納羅爾先生說:“熱情的指導使勞費萊格變得嚴肅起來。”
“我真的在尋找Hannerore,而不是下一個Aub。您打算做什麼?您可以期望它像Heishitze一樣持久。”

 我不想被人看作是我的責任。上帝不會預料會發生這種情況。

“……我不是故意這麼做的。”

 我感覺好像可以聽到婚姻女神里貝斯庫希爾夫的笑聲。

對Laofereg的指導是意外的發展。
Ribeskuhilfe先生,您做得很好。
看著每個困惑的人,您將獲得很多樂趣。

接下來是與亞歷山大的信息交流。





 

「仲間の不満ですか?」



 自分がいかに頑張って準備しているのか主張するラザンタルクに、わたくしは注意しました。



「貴方がいくら婚約者候補という立場とはいえ、本来、わたくしを守るのは護衛騎士の役目です。それなのに、ラザンタルクは今まで通りにお兄様の側近達だけで重要なことを次々と決めていたのでしょう? 注意が必要ですよ」



 今まではお兄様が寮内で一番上の立場でした。わたくしの意見が通ることはほとんどなく、お兄様とその側近達だけで物事を決めるのが当たり前だったのです。ですが、今はお兄様がおらず、わたくしが一番上の立場になっています。そのため、ラザンタルクは同じ行動をしていても、領主候補生であるわたくしを軽んじて勝手に動く上級騎士見習いに見えるようになりました。



 ……困ったことに、ラザンタルクは気付いていないようなのですよね。



 わたくしの側近達から反感を買って、「同じディッター馬鹿ならばラオフェレーグと結婚した方が次期アウブになれるので良いのでは?」と考える者を出すことはもちろん、その反感に気付かないのは婚約者候補としてまずいでしょう。



 ……もちろん、これだけの人数がいる中であまり細かく注意はできませんけれど。



 わたくしの側近達から反感を買っていますが、他の騎士見習い達は以前と特に変わりがないのでラザンタルクを中心にまとまってもいるのです。意識のなかったわたくしが注意すると、今度はそれに反感を持つ者も出てくるでしょう。



「ラザンタルク、考え込むのは後にしろ。ハンネローレ様をエスコートするために席を立ったのだろう?」



 そう言って手を差し出してきたのは、ケントリプスでした。



「ハンネローレ様が目覚めてくださって本当に安心いたしました。私は女神の降臨に立ち会っていたにもかかわらず、何もできず申し訳ございませんでした」



 ニコリと微笑んで、目覚めて初めて会ったような顔でそう言っています。わたくしも口説かれた動揺を思い出さないように、普通を心掛けようと笑顔を作りました。



「神に抗うなど、できるわけがありません。気にしないでください」



 ……ダメです。ケントリプスの顔をまともに見られません! 何か、色々と思い出してしまいます。



 わたくしは先程のように取り乱さないことを最優先にするため、少し視線を下げて足元を見るようにしながら、二人にエスコートされて席に着きました。背中にコルドゥラの刺さるような視線を感じます。



 ……わかっています。領主一族としてもっと堂々と胸を張って歩かなければならないし、俯くなんて言語道断なのですよね。わかってはいるのです。でも、できません! 叱らないでくださいませ。







 側仕えが給仕をしてくれ、食べ始めた頃にラオフェレーグが食堂へ入ってきました。少し遅いようですが、何か打ち合わせでもしていたのでしょうか。側近達が何やら耳打ちをしている様子が見えます。



 ……婚約者候補として名乗りを上げて寮内で動いているのですから、何かしら接触はあるでしょうけれど、食後でしょうね。食事を中断して話し合えるほど早く終わる内容とは思えませんもの。



 後のことを考えると頭が痛くなりそうですが、今は食事中です。ラオフェレーグから食事へ視線を戻し、わたくしはスープを口に運びました。今日の食事は十日ぶりになるので、消化の良いスープと、そこに浸して柔らかくしたパンだけなのです。



 ……早く皆と同じ食事を摂りたいですね。ちょっと味気ないです。



 しょんぼりとした気分で食べていると、コルドゥラの「ラオフェレーグ様の席はあちらですよ」という叱責の声が聞こえました。わたくしが振り返ると、予想以上に近い位置にラオフェレーグが来ていました。



「あぁ、ハンネローレ様。我が女神よ」



 ……今、何とおっしゃいまして?



 わたくしはポカンとして、芝居がかった様子で手を差し出すラオフェレーグを見つめました。突然何を言い出したのでしょうか。紫の目は自分に浸っている陶酔感が強く、わたくしを見ているようで見ていません。まるで混沌の女神にでも魅入られたようも思えて、警戒心が先に立ちます。



「ぜひ私の手を取り、共にダンケルフェルガーを……」

「ラオフェレーグ、わたくしは食事中です。お話は後にいたしましょう。わたくしからも貴方に言いたいことがございます」



 食事中に一言の断りもなく話しかける無作法さも気になりますし、少しは周りを見てほしいものです。わたくしの側近達の警戒と緊張がわからないのでしょうか。不満を感じてわたくしが軽く睨んだ瞬間、ラオフェレーグは自分の胸元を押さえて「……うぐっ!?」と呻き声を上げました。



「え?」

「姫様! 女神の御力が膨れ上がり、軽い威圧になっています! 抑えてくださいませ」



 コルドゥラが驚いたように声を上げ、顔色を変えたラザンタルクやケントリプスが席を立ちました。



「ですが、わたくしの力ではないので、どのようにすれば抑えられるのか……」



 自分の魔力と違う女神の御力の扱い方などわかりません。わたくしがオロオロとしている間に女神の御力は落ち着いたようで、ラオフェレーグは呼吸を整えることができるようになりました。コルドゥラはホッとしたように息を吐いて、ラオフェレーグをじっと見据えます。



「ラオフェレーグ様、姫様から離れてくださいませ。食事中の無作法を女神の御力は許さないようですよ。本日、目覚めてからお話しした他の誰にもこのようなことは起こりませんでしたから」



 共に次期領主を目指そうと言っているのに、何度も女神の御力に拒絶されるわけにはいかないのでしょう。側近達に軽く引っ張られたラオフェレーグは悔しそうに舌打ちして、自分の席へ向かいます。



「女神の御力があると日常生活を送ることも難しいと、エーレンフェストやアレキサンドリアの方々が危険視していらっしゃった理由がよくわかりました」



 コルドゥラの呟きに、わたくしも同意します。特に問題ないと思っていたけれど、まさか自分の意思も関係なく軽い威圧状態になるとは思いませんでした。



「なるべく早く対処方法を尋ねた方が良さそうですね」

「アレキサンドリアにはすでに姫様の目覚めを知らせ、お話を伺いたいと伝えています。日程の調整はお任せくださいませ」



 頼りになるコルドゥラにわたくしは微笑みを返し、側近達の報告を聞きながら食事を終えました。







 夕食後、わたくしは食堂にいる学生達全員に向かって話しかけます。割れている寮内の意識を一つにまとめるためです。



「わたくしが時の女神ドレッファングーアに体を貸したことで十日ほど意識を失い、皆に心配をかけました。他領からいくつもディッターの申し込みがあったことは側近達から聞いています」



 そこで何故か「うおおぉぉ!」と雄叫びが上がり、「ディッター! ディッター!」と興奮する者達が始めました。



「ディッターに勝つぞ!」

「うおおおぉぉぉ!」

「ハンネローレ様をダンケルフェルガーに留めるためにも勝利を!」

「うおおおぉぉぉ!」

「ハンネローレ様を次期アウブにするのだ!」

「うおおおぉぉぉ!」

「ハンネローレ様は次期アウブにはならぬ!」

「うおおおぉぉぉ!」



 ……どうしましょう。全く話の通じる気がしません。……



「ハンネローレ姫様、呆気に取られている場合ではございません。このままでは次期アウブ候補に祭り上げられますよ」



 コルドゥラに言われて、ハッとしました。ラオフェレーグ達とラザンタルク達が反対のことを言いながら妙な方向に盛り上がっています。他に静めてくれる者がいない以上、わたくしが見ない振りをするわけにはいきません。



「静粛になさいませ! わたくしの望みはディッターの勝利ですが、次期領主になりたいと思ったことはございません。あくまで今回のディッターは他領からのお申し込みを退けるためです。そこを間違えないでください」



 わたくしが学生達に対して宣言すると、ラオフェレーグとその側近や、わたくしを次期領主にしたいと考えている者達がさっと表情を変えました。



「それでは、ラオフェレーグ様の求婚をどうなさるおつもりですか!?」

「女神の化身であるハンネローレ様こそ次期アウブに相応しいではありませんか!」

「ラオフェレーグ様は貴女のために次期アウブの座を贈ろうとしているのですよ!」



 必死で訴えてくるラオフェレーグの協力者を見回しながら、わたくしはコテリと首を傾げました。



「わたくし、最初からラオフェレーグの求婚はお断りしているのに、どうして受け入れると思ったのですか?」



 断り方が他領の殿方向けだったのでダンケルフェルガーでは通じないかもしれないと後からコルドゥラに言われましたが、わたくしの心情に変化はありません。ラオフェレーグの求婚を受け入れるつもりはありません。前回通じなかったならば、もう一度断るだけです。



「わたくし、望んでいないので次期アウブの座を贈られても迷惑なだけです」



 根本的なところを間違っていると指摘すると、ラオフェレーグの協力者達は言葉を失ったように口をハクハクとさせました。



「それに、女性の適齢期は一般的に二十歳までです。四歳年下の貴方が成人した時には、わたくしは行き遅れ寸前です。そこまで結婚を待つ魅力がラオフェレーグにありますか?」



 女性の適齢期が短いからこそ、殿方が年下の場合は結婚が非常に難しくなります。逆に、殿方が年上ならばどれだけ年齢が離れていても結婚は可能なのですけれど。



「年齢だけではありません。自分はアウブとしての責務を負いたくないのでわたくしに押しつけて、本物のディッターをしたいと言ったラオフェレーグの求婚のどこに魅力を感じれば良いのでしょう? 次期アウブとしても、アウブの配偶者としても失格ではありませんか」



 女性の口からは「確かに責任だけ押しつけられても……」「求婚の言葉としてはあり得ませんよね」と同意の声が上がり始めます。



「次期アウブを目指すならば、自力でお兄様に勝てるように努力すれば良いのです。貴方の我儘にわたくしを巻き込まないでくださいませ。わたくし、自分を守ってくれそうもない方と一生を共にする気はございません」



 一度ギリッと歯を食いしばったラオフェレーグが叫びました。



「守るくらいする! 私はディッターで負けるつもりはないからな!」



 当たり前のような顔でそう言ったラオフェレーグに、わたくしは呆れ果てて表情を取り繕うこともできず真顔になってしまいました。



「無理でしょう。わたくし、ラオフェレーグでは頼りなさ過ぎて守ってもらうどころか、背中を預けることさえできませんもの」

「どういう意味だ!?」



 叫びながら殴りかかるようにこちらへ飛びかかってこようとしたラオフェレーグのマントをケントリプスがガシッとつかみ、勢いの止まった体をラザンタルクが投げ飛ばしました。



「訓練場へ行きますよ、ラオフェレーグ様。ハンネローレ様に対する数々の無礼に対して、少々話し合いが必要でしょう」

「ラザンタルクの言う通りですね。ここは食堂です。暴れる場所ではありません。まさか側近がその程度のことも教えていないとは思いませんでした。指導しましょう」



 ラザンタルクとケントリプスの二人がラオフェレーグの腕をつかみました。相当腹に据えかねる言動だったことはわかりますが、正直なところ、やり過ぎです。



「コルドゥラ」

「お待ちなさい、二人とも。レスティラウト様がいらっしゃらない今、ラオフェレーグ様に指導するのは越権行為となる可能性が高いでしょう。指導はハンネローレ様の役目です。領主夫妻から頼まれていますから」



 行きますよ、とコルドゥラが歩き出しました。わたくしと側近達はそれに続くしかありません。わたくし達の後ろにラオフェレーグとその側近、監視役としてラザンタルクとケントリプスが歩いてきます。



「……あの、コルドゥラ。わたくしが指導するのですか?」



 こっそりと尋ねると、コルドゥラの赤い目が光りました。表情こそ薄らとした笑顔ですが、目が全く笑っていません。怒りに光っています。



「ラオフェレーグ様に指導できる領主候補生はハンネローレ様だけですもの。わたくしとしては、この機会に指導というよりは心を折っておくことをお勧めします。二度とご自身の都合でハンネローレ様を持ち上げないように、次期アウブに必要な素質を叩き込んであげてくださいませ」



 ……うぅ……、コルドゥラが怖いです。



 ここで手を抜いたら、わたくしの方がコルドゥラに叱られます。わたくしもまた領主候補生としての力量を試されているのです。







 訓練場でわたくしはラオフェレーグに向き合いました。どうやら訓練場へ連れ出されている間に、投げ飛ばされた驚きが怒りへ変わっていたようです。



「ハンネローレ様、私が頼りないとはどういう意味です!?」

「ラオフェレーグは騎獣に乗れるようになり、ようやくディッターに参加できるようになったばかりの一年生ではありませんか。それで、どうして負けないと思えるのですか? 貴方ではわたくしにも勝てないでしょう?」

「私がハンネローレ様に負けると!?」



 わたくしの指摘にラオフェレーグは顔を真っ赤にして、魔術具の剣を手に取りました。駆け出す脚力、振りかぶる速さ、紫の目にある強さなどを見れば、よく鍛えていることがわかります。



「ゲッティルト!」

「ぐわっ!?」



 わたくしは盾を作り、すぐさま魔術具を投げつけました。淑女の嗜みとして身につけている護身用の魔術具です。別に命を奪うような危険な魔術具ではありません。ただの目潰しです。

 不埒な者を怯ませ、時間稼ぎをするくらいしかできません。わたくしはシュタープを盾から杖に変えて、勢いよく突き出しました。まず一発。



「ぐっ……」

「攻撃は届かなければ意味がないのですよ」



 ラオフェレーグが悔しそうに武器を手にして立ち上がります。早く諦めてほしいのですが、まだやる気のようです。

 ラオフェレーグは魔術具を投げつけられないように警戒しているのか、わたくしの手の動きを注視しながら少しずつ距離を詰めてきます。



「貴方は本物のディッターに参加したいという言葉がどのような意味を持つか、理解していますか? 憧れだけが先行し、ディッターがどのようなものか学んでいないでしょう?」



 わたくしはそう言いながら、じりじりと距離を詰めてくるラオフェレーグに向かって指輪から魔力を放出しました。圧倒的に格下だと見定めた相手に対する攻撃です。案の定、ラオフェレーグは激昂しました。



「馬鹿にするな!」



 自分に向かって飛んでくる魔力をスパッと切り裂いて得意顔になったラオフェレーグの脇腹を、わたくしは杖で打ち付けます。はい、二発。

 年齢の割に強いのは間違いないでしょう。けれど、鍛錬の時間が圧倒的に足りていません。



「本物のディッターは領地の礎を奪い合う殺し合いです。それを望むと発言した大領地の領主一族がどれだけ危険視されると思いますか?」



 ラオフェレーグはまだ闘志があるようです。剣を手にする根性は評価しますが、自分の力量を自覚できない無謀さには呆れてしまいます。この性分ではディッターでも引き際を見定めることができないでしょう。



「大体、ラオフェレーグやその側近達はわたくしが本物のディッターに参加したことを持ち上げますが、参加したのは恥を雪ぐためではありませんか。次期領主になるためでも、お兄様と並ぶために武勲を欲したわけでもありません」



 勘違いを諭しながら、わたくしはラオフェレーグが武器とは逆の手にとった回復薬を素早く杖で突いて弾き飛ばしました。長時間付き合うつもりはないので、回復されると困ります。

 わたくしが回復を許さなかったことで、ラオフェレーグは全力で攻め込むことに決めたようです。剣を持って素早い攻撃を仕掛けてきました。



「まさか攻め込むことだけが戦いだと考えているわけではございませんよね? 本気で本物のディッターを望むならば、まず守りの重要性を学ぶべきです。領地と宝を守ることが領主にとって一番重要な役目。攻める者は騎士であり、領主の駒です。貴方達が評価する本物のディッターにおいて、わたくしは領主の駒であり、お兄様は礎を任された領主代理でした」



 お父様が出陣したのは、領地を守る領主代理にお兄様が相応しいと認めたからです。とても任せられないと思えば、叔父様に留守を任せたでしょう。



「領地と領地の小競り合いだったエーレンフェストとアーレンスバッハの戦いに参加したわたくしより、その後のユルゲンシュミットを巡る他国との戦いで領主不在のダンケルフェルガーを次期領主として守り切ったお兄様の方がアウブからは評価されるのですよ」



 ラオフェレーグの速いけれど単調な攻撃をゲッティルトの盾で受けながら、わたくしは彼の顔色の変化をじっと見つめます。すでに激昂はなりを潜め、悔しさと焦りが全面に出ています。力量の差はわかっているようです。



「まだ自分の負けを認められないのですか?」

「私は勝って其方と結婚する! 今、決めたのだ!」

「この先のダンケルフェルガーを率いるのはお兄様です。自分の力量も弁えられない貴方ではありません!」



 わたくしは盾を大きく振って彼の剣を弾くと、シュタープに戻して光の帯で締め上げました。ボテッとその場に倒れたラオフェレーグに、わたくしは溜息を吐きます。



「敗北を認められるまでしばらくそのままです」

「私は本気だ! その強さに惚れた! 次期アウブはともかく、私は絶対に其方を勝ち取るからな!」



 ……今、何とおっしゃいまして?



 全く予想もしていなかった展開に、わたくしは呆然としながらラオフェレーグを見下ろしました。グルグル巻きにされたままビタンビタンと暴れているのに、紫の目は興奮して輝いているのです。何だかラオフェレーグの存在が不気味で、とても怖いものに思えます。



「ハンネローレ様、相手にしてはなりません。こちらへ」



 ラザンタルクとケントリプスが急いでわたくしとラオフェレーグを引き離すようにして距離を取らせてくれましたが、二人も困惑したような顔になっています。



「……あの、二人とも。一体何がどうなったのでしょう? 第三者の目から見れば、この呆気に取られるような変化も何か兆候があったのではございませんか?」



 わたくしが説明を求めると、ラザンタルクは嫌そうに顔を顰め、ケントリプスは呆れたように額を押さえました。



「熱の入った指導でラオフェレーグ様を本気にさせてしまいましたね、ハンネローレ様」

「次期アウブではなく、本気でハンネローレ様目当てになりましたよ。どうするおつもりですか? あれはハイスヒッツェ様のようにしつこいと予想できます」



 まるでわたくしに責任があるような目で見られても困ります。まさかこんな展開になるとは神様も予測しなかったでしょう。



「……わたくし、そんなつもりはなかったのです」



 縁結びの女神 リーベスクヒルフェの高笑いが聞こえたような気がしました。



ラオフェレーグへの指導が予想外の展開になりました。

リーベスクヒルフェ様、イイ仕事をしましたね。

困惑している皆を見ながらめちゃくちゃ楽しんでいることでしょう。



次は、アレキサンドリアとの情報交換です。
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