迷宮壁
作詞:GADORO
作曲・編曲:横山克
ヒプノシスマイク 麻天狼-音韻臨床-収録
「私(わたくし)が麻天狼代表(だいひょう)の神宮寺寂雷。
御誂(おあつら)え向(む)きの邪悪(じゃあく)なるステージ。
ここで一石(いっせき)を投(とう)じる。
そして芸術(げいじゅつ)を重(おも)んじる。
幾度(いくど)となく流(なが)してきた血(ち)や涙(なみだ)、
それらはいつしか糧(かて)となり力(ちから)になる。
とは、決して言(い)い難(がた)い、
指(ゆび)折(お)り数(かぞ)えてもまたきりがない、思(おも)い。
目先(めさき)のことが見(み)えず
噛(か)みちぎった爪(つめ)の先(さき)、
まるでそれは小(ちい)さな三日月(みかづき)。
生温(なまぬる)い環境(かんきょう)に冷(さ)めぬよう、
私(わたくし)はあえて凍(い)てついた道(みち)を選(えら)ぶ。」
生(い)きるために死(し)ぬか もしくは死(し)ぬために生(い)きるか、
答(こた)えならば後者(こうしゃ) 、
それが私(わたし)たちの宿命(しゅくめい)だ、
だが、身(み)を削(けず)る意味(いみ)を履(は)き違(ちが)えて、
この身(み)を滅(ほろ)ぼす民(たみ)を
この目(め)で何人(なんにん)も見(み)てきた。
犬(いぬ)や猫(ねこ)にだって勿論(むろん)痛(いた)みは存在(そんざい)する。
愚(おろ)かな人間(にんげん)によって支配(しはい)されたこの地球(ちきゅう)、
自由(じゆう)な現状(げんじょう)にこそに縛(しば)られ、
幸(しあわ)せを見定(みさだ)め、
自(みずか)らの力(ちから)では生(い)きることは
到底(とうてい)不可能(ふかのう)だ。
表現(ひょうげん)すら音楽(おんがく)。
変(か)わり映(ば)えの無(な)い明日(あす)を 待(ま)ち望(のぞ)むか怖(おそ)れるか
どちらにせよ時計(とけい)の針(はり)は左(ひだり)には進(すす)まない。
分(わ)かってる、街並(まちな)みは騒(さわ)いでる。
雑踏(ざっとう)に紛(まぎ)れこんだ民達(たみたち)もいずれ息(いき)絶(た)える。
明日(あした)かもしれない。いや今(いま)かもしれない。
だとすりゃ笑(わら)ってられない。黙(だま)ってはいられない。
正解(せいかい)はない、だが追(お)い求(もと)め走(はし)りたい。
嘲笑(あざわら)いも仕方(しかた)ない、生命(せいめい)は儚(はかな)い、
ならばこの身(み)一(ひと)つで死(し)ぬ直前(ちょくぜん)には笑(わら)いたい。
なあ?死(し)んだら何処(どこ)に向(む)かうんだろう。
生(い)きている私(わたし)らに分(わ)かりはしない場所(ばしょ)。
地球(ちきゅう)は何故(なぜ)丸(まる)いのに尖(とんが)っているんだろう。
憎(にく)しみを抱(だ)き、啀(いが)み合(あ)いを繰(く)り返(かえ)すの?
生(い)きることが生(い)きがいか?幸(しあわ)せとは何(なに)か?
探(さが)しているつもりなのに分(わ)からないままなんて、
笑(わら)わせてくれるな。
嘲笑(あざわら)って見(み)てる奴(やつ)。誰(だれ)かが逝(い)けばまた騒(さわ)ぎ立(た)てるんだろう?
いつしか、繋(つな)がれたチェーンで身(み)動(うご)きも取(と)れず、
塞(ふさ)がれた鼓膜(こまく)でも伝(つた)えたいリアルがある。
12色(しょく)の色彩(しきさい)じゃ収(おさ)まりきれないほどの
何(なん)種類(しゅるい)の声(こえ)や表情(ひょうじょう)がある。
一筋(ひとすじ)の光明(こうみょう)、
手(て)を伸(の)ばす、記憶(きおく)にも残(のこ)るの?
今(いま)も尚(なお)、蔓延(はびこ)ってる世(よ)の不条理(ふじょうり)、
誰(だれ)だって笑(わら)いたい。誰(だれ)だって夢(ゆめ)見(み)たい。
なあ息(いき)絶(た)えたアイツだって生(い)きたかったはずだろ。
なあ?死(し)んだら何処(どこ)に向(む)かうんだろう。
生(い)きている私(わたし)らに分(わ)かりはしない場所(ばしょ)。
地球(ちきゅう)は何故(なぜ)丸(まる)いのに尖(とんが)っているんだろう。
憎(にく)しみを抱(だ)き、啀(いが)み合(あ)いを繰(く)り返(かえ)すの?
誰(だれ)も教(おし)えてくれる訳(わけ)なんてなく。
孤独(こどく)でも身(み)を削(けず)り追(お)い求(もと)める術(すべ)を知(し)る。
足掻(あが)いても生(い)きてやれ。疑(うらが)いも必要(ひつよう)だ、
傷(きず)の舐(な)め合(あ)いはせず、自(みずか)らで血(ち)を洗(あら)え。
時代(じだい)が変(か)わろうと、人(ひと)の真心(まごころ)は変(か)わらないから。
苦(にが)い経験(けいけん)も甘(あま)い蜜(みつ)にきっとなる。
嫉妬(しっと)や妬(ねた)み誹謗(ひぼう)中傷(ちゅうしょう)に敗北(はいぼく)を喫(きっ)する負(ま)けざまなど
私(わたし)はこれ以上(いじょう)は見(み)たくない。
不安定(ふあんてい)な情緒(じょうちょ)が安定(あんてい)しても立(た)ち上(あ)がれ。
開眼(かいがん)する瞼(まぶた)から垂(た)れ落(お)ちる涙雨(なみだあめ)、成(な)り上(あ)がれ、
小手先(こてさき)の言葉(ことば)には信頼(しんらい)はない。
見(み)えぬ者(もの)がきっと見(み)てる何(なに)も心配(しんぱい)はない。
一切(いっさい)破壊(はかい)せずに有無(うむ)も言(い)わせない。
既成(きせい)概念(がいねん)に囚(とら)われて自分(じぶん)を見(み)失(うしな)うな。
瞳孔(どうこう)を開(ひら)いたままで今(いま)も夢(ゆめ)を見(み)てる。
今(いま)に見(み)とけではなく今(いま)の私(わたし)を見(み)てくれ、
狭(せま)いこの地球(ちきゅう)上(じょう)を見下(みお)ろして笑(わら)うな広(ひろ)い空(そら)。
そこから見上(みあ)げて天(てん)に願(ねが)い探(さが)す憩(いこ)いの場(ば)。
「迷宮(めいきゅう)壁(へき)のラビリンスウォール。
抜(ぬ)け出(だ)すためにまだまだ時間(じかん)はかかりそうだ。
生(い)きるということは痛(いた)いんだ。その答(こた)えに今(いま)もなお悶(もだ)え、
私(わたくし)達(たち)人間(にんげん)は争(あらそ)いを繰(く)り返(かえ)してる。
人生(じんせい)は勝(か)ち負(ま)けなんだ。綺麗事(きれいごと)は通用(つうよう)しない。
弱(よわ)さを自負(じふ)することの強(つよ)さ、強(つよ)さを自負(じふ)することの弱(よわ)さ、
挫折(ざせつ)や敗北(はいぼく)、の味(あじ)を噛(か)み締(し)め食(く)い縛(しば)りながら今日(きょう)も立(た)ち向(む)かうよ。」